電気代をお得にできるからと、導入しているお家も多い「太陽光パネル」。
ただ、屋根のカバー工事や葺き替えのときには一旦取り外し、終わったらまた付け直す必要があります。
この脱着費用はいくらくらいかかるのか、やはり気になりますよね。
実際の費用は業者によって前後しますが、パネルの大きさや枚数次第で、おおよその相場を出すことができます。
屋根リフォーム全体の費用感を掴むためにも、脱着の相場は把握しておきましょう。
ただ、パネル脱着は繊細な機械類を扱う工事です。
失敗すると大きな損をしてしまう恐れもありますので、金額だけではなく、工事内容や業者選びも注意が必要です。
そこでこの記事では、太陽光パネル脱着の費用相場と、工事に関わる注意点を、屋根リフォームの専門家の視点から解説します。
まずは損しないために、基礎知識として押さえておきましょう。
また後半では、将来的なお得につながる屋根リフォーム、業者の選び方についてもご紹介します。
太陽光パネルの脱着は、屋根のリフォーム時にはどうしても発生してしまうものです。
それも踏まえた費用計画を立てるためにも、ぜひ最後までお読みください。
目次
1章 太陽光パネル脱着の費用:2~3万円/枚
屋根の太陽光パネルを取り外し、再び元に戻す工事の費用は、パネル1枚あたり2~3万円ほどかかります。
※太陽光パネルのサイズによって前後します。
これに加えて、人件費や下ろしたパネルの保管にかかる諸経費などが、工事の日数によって2~4万円/日 ほどかかってきます。
工事期間が長くなる葺き替え工事などは、その分経費が増えてきます。
例えば、パネルが8枚、工事期間5日間だった場合、
パネル脱着16~24万円 + 諸経費10~20万円 =26~44万円 |
ということになります。
パネルの数量や工事日数にもよりますが、少なくとも20万円以上はかかる、という認識でいると良いでしょう。
※足場費用は屋根工事に含まれているとして、ここでは計算していません。
★屋根塗装は“脱着ナシ”がおすすめ! 築10年前後で屋根塗装をするお家の場合は、太陽光パネルは脱着せず、パネルのない部分だけを塗装するのがおすすめです。 なぜなら、パネルの下部分はほとんど紫外線が当たらず劣化が少ないため、無理に脱着して塗る必要がないことが多いからです。 パネルのない部分だけの塗装だと、脱着費用もかかりませんし、塗装費用も安くなります。 脱着しなくても良いか、パネル下も全て塗るべきか、どちらが良いかは築年数や屋根の劣化状況によりますので、気になる方は施工業者に相談して、しっかり屋根を点検してもらいましょう。 |
2章 脱着するときの3つの注意点
太陽光パネルの脱着はどうしても費用がかかってしまうものですが、とにかく安いところ!と思って頼んでしまうのは危険です。
パネルは繊細な機器であり、慎重に扱わないと、かえって損をしてしまう可能性も高いからです。
ここでは、パネル脱着時の注意点を3つご紹介します。
不安点は必ず業者に確認しておきましょう。
2-1 メーカー保証が切れる可能性がある
太陽光パネルを脱着すると、ほとんどの場合、パネル自体のメーカー保証が切れてしまいます。
脱着をすると機器や配線などが傷むリスクがあるからです。
このメーカー保証が切れる・切れないは、業者の作業が丁寧なのか雑なのかは関係しませんので、どうしてもこうなるものだと認識しておいてください。
ただ、太陽光パネルの保証は一般的に10~20年です。
屋根リフォームをするとき、すでに保証期間を過ぎているお家なら、特に影響はありません。
脱着工事をすると決まったら、まずは保証年数を確認し、まだ期間内だったら工事前に最後の点検などをしてもらうと良いでしょう。
2-2 金具、配線、下地の状態によっては追加費用がかかる
太陽光パネルは、屋根に穴をあけたりひっかけたりして金具で固定しています。
この金具が脱着で再利用できないときは、新しいものに交換するための費用がかかります。
▲太陽光パネルを外したところです。
取付金具が錆びて使えないときや、再利用できない形状の場合、金具交換が必要です。
また、金具を固定している屋根の下地材(コンパネ、下地板)の厚さによっては、別途で補強費用が必要になる可能性があります。
このほか、製品の種類や屋根の形状などによっては、配線が複雑で、脱着に手間がかかるものもあります。
そのような場合も追加で費用がかかることがありますので、ご注意ください。
この金額はどうなんだろう?と思ったときには、このような細かい仕様も含まれているのかどうか確認するようにしましょう。
2-3 不慣れな業者だとパネルを破損させてしまう危険がある
太陽光パネルはとても繊細で割れやすいものです。
慣れていない、あるいは知識がない業者だと、うっかりパネルに足を乗せて踏み割ってしまう危険もありますので注意しましょう。
また、塗装工事だと塗る前に高圧洗浄を行いますが、これでもパネルが割れる恐れがあります。
「せっかくだから綺麗にしてもらおう」と思うかもしれませんが、逆に破損させてしまいますので、洗浄する際は必ず弱圧で、軽く表面を流す程度にしてもらいましょう。
これまでに脱着工事の実績があるか、上記のような注意点を理解しているか、依頼する前に確認しておくことが重要です。
3章 年数によっては葺き替えやカバー工事がお得!
もし、屋根塗装のために太陽光パネル脱着を考えているのなら、葺き替え工事やカバー工事も一度検討してみることをおすすめします。
なぜなら、長期的にみたトータルコストが、お得になるかもしれないからです。
10年おきに塗装すると、その都度脱着しないといけないので、費用も毎回かかります。
しかしカバーや葺き替えは、塗装と比べて耐久性が高いです。
その分、パネル脱着の回数・屋根自体のメンテナンス回数を減らすことができます。
初期費用(今回の工事費用)は高くなりますが、長い目で見るとお得になる可能性があるのです。
もちろん、今回の工事のご予算もあるとは思います。
ただ選択肢として、「長期的なコストパフォーマンスを重視して、思い切ってカバー・葺き替え工事にする」、という方法もありますので、気になる方は施工業者に相談して見積もりを取ってみてくださいね。
4章 事前の点検をしっかりしてくれる業者に依頼しよう
ここまでお伝えしたように、太陽光パネルの脱着は20万円以上の大きな費用がかかります。
その費用も、パネルの数量や配線の状況などによって細かく変わってきます。
事前の点検をしっかり行って、あなたのお家の屋根に合わせた見積もりを作ってくれるところに頼みましょう。
また、業者の中には「パネル脱着は、設置した業者に別途依頼してください」という工事会社もあります(分離発注、と言います)。
確かにこの方が一番安心、と思うかもしれませんが、業者とのやり取りが増えて非常に手間になるうえ、費用面でいえばあまり変わりありません。
屋根工事業者は、太陽光パネルの設置、脱着を含む全体リフォームも扱っているところがあります。
費用も手間もかけずに済みますので、安心して工事を任せられるような、事前点検がしっかりした屋根業者を選びましょう。
まとめ
屋根工事時の太陽光パネルの脱着費用は、2~3万円/枚です。
パネルのサイズや数量にもよりますが、そのほかの諸経費なども合わせてトータルで20万円以上はかかると考えておきましょう。
また、脱着時の注意点として、
- ・メーカー保証が切れる可能性がある
- ・配線や金具によっては追加費用がかかる
- ・不慣れな業者だとパネルを破損させてしまう危険がある
という点は覚えておきましょう。
屋根塗装でパネル脱着をするよりは、カバー工事や葺き替え工事にしたほうが、長期的なコストは低く抑えられます。
適切な工事をしてもらうためには、事前点検を丁寧にして見積もりを作ってくれる業者に依頼しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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