5分でわかる!外壁の模様「吹き付けタイル」のメリット・デメリット

吹き付けタイル押さえ仕上げ

「吹き付けタイル」という外壁の種類をご存じでしょうか。

タイルというと、あの四角いタイルが貼ってあるものを想像するかもしれませんが、それとは別物です。

外壁によくあるデコボコした模様のことで、「ああ~、これなら見たことある!」という方も多いと思います。

 

■吹き付けタイルの外壁

吹き付けタイル

吹き付けタイルは、お家の外壁を作ったあとの最後の仕上げの一種です。

サイディングにも使用されますが、どちらかというとモルタル壁の仕上げに使われることが多いです。

しかし見たことはあっても、特徴や性質などは知らない方がほとんどではないでしょうか。

 

そこで本記事では、「吹き付けタイル」とはどんなものか、メリット、デメリットについて分かりやすく解説していきます。

これから外壁を選ぼうという方は、この基礎知識をしっかり押さえておきましょう。

 

また吹き付けタイルの外壁を維持するには、塗装メンテナンスが必要です。

塗装の時期や注意点もまとめましたので、すでに吹き付けタイルのお家にお住まいの方はこちらをご覧ください。

 

外壁の仕上げの種類まで気にする機会はなかなかありませんが、ここを知っておくことでより良い選択、メンテナンスができるようになります。

ぜひ最後までお読みいただき、大切なお家について知識を深めてくださいね。

 

吹き付けタイルとは、外壁表面の仕上げの一種です。

一般的にはモルタル壁の仕上げに使われることが多いですが、サイディングボードの模様に使っている場合もあります。

 

専門用語では「複層仕上げ塗材(ふくそうしあげとざい)」とも言います。

専用のスプレーガンで3層(下塗り・主剤・上塗り)塗料を吹き付けて仕上げます。

吹きつけたあと何も手を加えない「吹き放し仕上げ」と、固まる前にコテやローラーで凹凸を潰す「ヘッドカット(凸部処理)仕上げ」の2種類があります。

 

似たような仕上げにリシン吹付やスタッコ吹付もありますが、こちらは「骨材」仕上げです。

骨材(細かい砂や石)を塗料に混ぜ込んでいるためザラザラした質感になります。

 

それに比べて吹付タイルは、陶磁器(タイル)のように滑らかな表面で、柔らかい印象になるのが特徴です。

 

■複層仕上げ塗材

吹き付けタイル

デコボコはありますが、その表面は滑らかです。

 

■骨材

骨材仕上げ

骨材によってザラザラした仕上がりになります。

 

ミニコラム~ボンタイルと吹き付けタイル~

業者によっては、この外壁を「ボンタイル」と呼ぶところもあります。

ボンタイルとは1960年代に西ドイツから導入された塗材の名称です。

あくまでボンタイルは商品名の1つでしかなかったのですが、これを参考にして施工されたものを吹き付けタイルと呼ぶようになり、そのまま両方の呼び名が広がって残ったとされています。

そのため現在では、ボンタイルも吹き付けタイルも同じこの複層仕上げ塗材のこと、と捉えれば大丈夫でしょう。

 


2章 吹き付けタイルのメリット

吹き付けタイルはとても人気があり、広く普及している仕上げです。

ここではその人気の理由を具体的に3つご紹介します。

 

2-1 デザインのバリエーションが豊富

レナキャスト(エスケー)

出典:エスケー化研『レナキャスト』サンプル

吹き付けタイルは、最後の処理や色艶など、デザインのバリエーションが豊富なのが特徴です。

例えば、スプレーの先端を調整することで模様の粒の大きさも変えられ、外壁全体の印象も変わってきます。

また1章で紹介したような、吹き放しかヘッドカットかでもイメージが違います。

3層仕上げのうち最後の塗装で色合いや艶感も選ぶことができるので、一口に吹き付けタイルといっても、様々な雰囲気を演出することが可能です。

 

様々な仕上げパターンから選びたい方や、重厚感、高級感あるデザインにしたい方には特におすすめです。

 

2-2 ひび割れ、汚れに強い

吹き付けタイルは仕上げの中でもひび割れしにくいのが特徴です。

これは3層からなる硬い塗膜が作られるためです。

さらに表面が滑らかで艶があるので、ザラザラした骨材仕上げよりも汚れが落ちやすいというメリットもあります。

美しい外観を長く維持しやすい仕上げです。

 

2-3 手作業の仕上げよりも安価

これはリシンやスタッコとも共通しますが、吹き付けるタイプの仕上げは、ローラーやコテによる手作業の仕上げよりも安価です。

スプレーガンを使うので、短時間で広範囲を施工できるからです。

 

【参考費用相場】

吹き付け仕上げ:1,8004,000/

ローラー仕上げ:2,0004,500/

費用を抑えたいという方にも、吹き付けタイル仕上げはおすすめです。

 


3章 吹き付けタイルのデメリット

優れていて人気も高い吹き付けタイルですが、デメリットも存在します。

これから外壁を選ぼうという方は、必ず短所も知ったうえで他の種類と比較しましょう。

 

3-1 機械の騒音が出る

スプレー

スプレーガンを使うときには、コンプレッサー(空気を圧縮して送り出す機械)を使います。

そのため、吹き付けタイルの工事時にはどうしてもコンプレッサーの機械音がしてしまいます。

特にお家が密集している住宅地の場合は注意が必要です。

作業自体は1日あれば終わりますが、工事の際には近隣へ一声かけておくのが安心です。

 

3-2 塗料が飛散する・無駄が出る

ペンキ、塗料

吹き付けをすると必ず周囲に塗料が飛び散ってしまいます

そのため、周りを汚さないように養生作業を丁寧にしなければいけません。

 

また飛散するということは、それだけ塗料が無駄になるということです。

同じ面積でも、ローラー仕上げなどよりも多めの塗料が必要になります。

 

3-3 職人の技術がいる

職人

吹き付けタイルは施工する職人の技術が必要です。

スプレーガンで均一に吹き付けるというのは、実はとても難しいものだからです。

経験が足りないと、模様にムラができてしまう可能性があります。

外壁の見た目を左右する仕上げですから、技術のある職人に施工してもらうのが一番安心です。

 

4章 定期的な「塗装」で長持ちさせよう

モルタル塗装

吹き付けタイルは硬く強い塗膜の仕上げですが、当然ながら経年劣化はしてしまいます。

紫外線を浴び続けることで表面を保護する塗装が弱ってくるからです。

表面が傷むとひび割れや色あせが起こってきて、内側のモルタルなどにもダメージが行きます。

 

できるだけダメージを防いで長持ちさせるためには、適切なタイミングでの「塗装」が必要です。

ここでは吹き付けタイルの塗装メンテナンスについて、時期や費用を解説していきます。

 

4-1 時期の目安になる劣化症状

吹き付けタイルの塗装時期は、年数でいえば8~10年目ほどのことが多いですが、実際には上塗り塗料の種類や厚み、立地環境などによって変わります。

そのため、年数だけでなく劣化症状も見て判断するのがベストです。

以下のような症状が現れたら、そろそろ塗装の時期かな、と思って専門業者に点検や見積もりを依頼しましょう。

 

劣化症状① チョーキング

チョーキング

触ると手に粉がつく状態です。表面の塗装が弱っている初期症状です。

 

劣化症状② カビ・コケ

カビ、コケ

表面の塗装は水を弾く「防水」の役割をしていますが、塗装が弱ると水を吸い込んで吹き付けタイル自体がジメジメしてしまいます。

そのため、カビ、コケの繁殖は塗装が弱っているサインの一つです。

 

劣化症状③ ひび割れ・クラック

ひび割れ

ひび割れは、すでに塗装が弱ってしばらく経っている可能性が高い状態です。

細いひび割れだったとしてもここから一気に傷みが進行することもあるので、見つけたら要注意です。

 

4-2 塗装の費用相場

外壁塗装 費用

※30坪2階建ての家の場合の概算

 

吹き付けタイル外壁の塗装費用は、およそ80~140万円です。

金額は使う塗料によっても上下します。

長くもつ塗料ほど高くなりますが、足場代や洗浄費などは同じなので、耐用年数の長いフッ素や無機のほうが長期的なコストパフォーマンスは良いです。

 

ご予算や今後のご家族のライフプランなどと照らし合わせて、塗料を選びましょう。

 

>外壁塗装の費用についてより詳しくはこちら

 


5章 吹き付けタイルの再塗装で失敗しないための2つの注意点

吹き付けタイルの再塗装には、2注意しなければいけないポイントがあります。

誤った施工をするとせっかくの塗装も期待した効果を発揮できなくなってしまいます。

業者に工事を依頼するときには、必ずこの2点について確認しておきましょう。

 

5-1 高圧洗浄を丁寧に行う

高圧洗浄

吹き付けタイル外壁は、塗装前の高圧洗浄を丁寧にしてもらいましょう

丁寧に行わないと、表面のデコボコ部分に汚れが残ってしまうからです。

他よりも汚れが付きにくい仕上げではありますが、だからと言って洗浄の手を抜いて良いわけではありません。

汚れが残ったままの塗装は、膨れや剥がれなどの不具合の原因になってしまいます。

 

塗装工事は、塗る前の下準備の段階から丁寧にしてくれる業者を選びましょう。

特に、施工途中の様子を写真に撮って記録してくれるようなところだと安心です。

 

■施工中の写真

工事中写真の例 吹き付けタイル

各工程の記録があれば、見えないところで手抜きをされる心配も減らせます。

 

5-2 状態に合った適切な下塗り塗料を使う

モルタル塗装

再塗装のときは「下塗り塗料」の選定をきちんとしてもらいましょう。

外壁の劣化状態によって使う塗料が変わることがあるからです。

 

下塗りとは、3回塗りのうちの最初の塗装で、吹き付けタイルと新しい塗装(上塗り)との間で接着剤の役割をしてくれるものです。

例えば細かなひび割れが多いときは、ひび割れを埋めてくれる効果の高い微弾性フィラーのような下塗りが向いています。

全体的に劣化が進んでいて塗料を吸い込みやすい状態のときには、吸い込みを抑えてくれるタイプのシーラーを使うことで、塗りムラを減らし綺麗に仕上げることができます。

 

下塗りの選定は業者が事前点検・見積もりの段階で行うものです。

そのため、提案をもらうときに「うちの外壁にはこの下塗りで大丈夫ですか?」と確認して、きちんと分かりやすく説明をしてくれるところに依頼しましょう。

 


まとめ

吹き付けタイルとは、主にモルタルに使われることが多い、外壁の仕上げの一種です。

デコボコの表面が陶磁器のように滑らかなのが特徴です。

「複層仕上塗材」とも言い、スプレーガンで3層重ねて作ります。

 

メリットは、デザインのバリエーションが豊富/ひび割れ・汚れに強い/手作業の仕上げよりも安価 という点、

デメリットは、機械の騒音が出る/塗料が飛散する・無駄が出る/職人の技術がいる という点が挙げられます。

 

維持には定期的な再塗装が必要です。

チョーキングやカビコケなどの劣化症状が現れたら塗装を検討しましょう。

費用相場はおよそ80140万円(2階建て30坪の場合)です。

 

再塗装時には高圧洗浄を丁寧に行い、また状態に合った適切な下塗り塗料を使う必要があります。

しっかり施工してくれる業者を見極めてメンテナンスをしましょう。

 

最後までお読み下さりありがとうございました。

 

【おすすめ記事】

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