家の帯板のところだけ塗装が剥がれてきた!
目立つところだし、みっともない…
これってどうすればいいの?
とお困りの方も多いのではないでしょうか。
帯板(幕板)とは、家の外側についている板状の装飾材・化粧材のことです。
1階と2階の間や、ベランダの高さなどに横に走って付いているお家が多いです。
デザインによって、縦に付いている場合もあります。
見た目をおしゃれにするために付いている部材なのですが、
外壁とは別の素材を上から張り付けているので、壁より早く劣化してしまう、ということが非常に多い場所でもあります。
この記事では、剥離した際の最適な補修方法を、劣化状態別でご紹介します。
また、そもそも剥離してしまった原因と、今後綺麗に長持ちさせるためにできることも併せて解説します。
元がおしゃれなお家だからこそ付いている部材です。
そのデザインを長く楽しむためにも、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
1章 帯板(幕板)剥離 状態で選ぶ補修方法4選と費用
帯板、幕板は、雨風の影響を受けやすいことや、素材などの要因により、どうしても劣化症状が出やすい場所です。
症状の度合い似合わせて補修方法が4つありますので、状況や予算に適した補修を行ないましょう。
放置しておくと、見栄えが悪くなってしまうのはもちろんのこと、
ぼろぼろに崩れた帯板の落下や、外壁を弱らせて雨漏れの原因になるなど、家全体へのダメージにもつながってしまいます。
劣化症状の軽い順に紹介していきます。
1-1 軽度の剥がれなら|ケレン作業+塗装
一部分の塗料が少し剥がれている程度であれば、ケレン作業(手作業による下地調整)で古い塗膜をしっかり落とし、再塗装しましょう。
費用相場:800~1,200円/m |
下地調整を丁寧にすることで見た目も綺麗に塗装できますし、塗料の密着性が高まり、今後剥がれにくくなります。
☆ケレン作業とは…
やすりなどを使って、素材の表面にわざと傷をつけるように整える作業です。
細かい傷が付くことによって、塗料がしっかり食い込んで剥がれにくくなります。
古い塗膜を除去するためにも行います。
1-2 凸凹が目立つなら|パテ補修+塗装
少し劣化が進んで、帯板が部分的に欠けたりして凸凹が気になる場合は、パテやコーキングで埋めて平らにならしてから塗装をして、綺麗にしましょう。
費用相場:800~1,400円/m |
塗装は、広い面はローラーで行いますが、補修箇所など細やかな作業の時はハケに持ち替えて、一つ一つ丁寧な作業が必要です。
■凸凹箇所の補修+塗装
■ひび割れ箇所の補修+塗装 |
1-3 割れや欠けが多いなら|帯板交換
帯板のひび割れや欠けも多い…という場合は、帯板の交換をしましょう。
費用相場:5,000~8,000円/m |
※建材のグレードや足場の必要有無により金額も差が出ます
パテやコーキングの補修は、あくまで小さい面積のみに使う方がおすすめです。
あまり広い部分を補修すると、しっかり平らにならずきれいに仕上がらない可能性があります。
補修か交換か、業者さんと相談して、きれいに仕上がる方を選びましょう。
帯板交換の様子 ■剥がれのひどかった帯板 ベランダの帯板の剥がれがひどかったため、この面だけ交換をしました。
■傷んだ帯板の撤去 ■撤去した帯板 全体的に水分を含み、もろくなっていました。
■新しい帯板の取り付け ■ビスで固定 ■塗装して完成! |
境目がわかると逆に目立ってしまうため、帯板交換は、面ごとに行うのがおすすめです。 |
1-4 今後メンテナンス不要にしたいなら|板金巻き工事
帯板が全体的に傷んでいて、今後なんどもお手入れするのは嫌だな…という方は、板金巻き工事をしましょう。
今の帯板の上から金属を貼って覆ってしまう工事です。
費用相場4,000~8,000円/m |
※足場の必要有無により金額も差が出ます
■劣化がひどかった窓回りの幕板 ■板金巻き工事後 |
交換工事もできますが、お家全体など施工箇所が広いと、撤去処分も含むため施工費が高くなりやすいです。
その点、板金巻き工事なら撤去処分は要りませんから、場合によってはお得になります。
また、完全に覆ってしまうことで雨水が直接触れなくなります。
今後のお手入れの心配を無くしたい人におすすめです。
2章 帯板剥離の原因
帯板の剥がれを見ると、多くの方は施工不良じゃないの?と考えるかと思います。
しかし、実際に施工不良であることは稀です。
元々帯板は、外壁などと比べるとどうしても劣化しやすい場所なのです。
まずは帯板が劣化しやすい特性について解説します。
そのあとで稀にある施工不良についてもご紹介しますので、この原因を押さえることで、今後よりきれいに長く保てるようにしましょう。
2-1 構造上水分が溜まりやすい
帯板は、外壁や屋根などの他の部位と比べて、どうしても劣化が早い場合があります。
なぜなら、外壁の上に張り付けてある、という構造上、水分が溜まりやすいからです。
通常の外壁のような平らな面であれば、雨が降ってもそのまま壁を伝って下へ流れていきますが、帯板があるとそこの出っ張りで水が溜まります。
すると、帯板自体に水が触れている時間が長くなる為、素材が湿気を帯びてもろくなってしまうのです。
さらに、帯板の中に入った水分が乾いて蒸発しようとするときには、表面から出ていきますから、塗膜を弱らせていき、最終的には膨れ・剥がれが出ることもあります。
帯板の傷みの多くが、こうした経年劣化なのです。
■帯板の上部が劣化している様子
水分の溜まりやすさを解消する対策方法については、3章をご覧ください。
2-2 ケレン作業の不足
実際にはあまり件数はありませんが、施工不良として考えられるのは、塗装前のケレン作業(下地調整)不足です。
塗料の密着性を高めるための作業ですから、これをきちんと実施しないと、逆に密着性が悪く剥がれやすくなってしまうのです。
特に、何度か塗装をしているお家の場合は、古い塗膜を落とすためにも、この作業が重要になってきます。
どんなに良い塗料を塗ったとしても、古い塗膜や汚れが残ったままでは、そこから剥がれてしまいます。
塗装してもらった業者にアフターフォローで補修してもらったり、
塗りなおしの際に念入りに下地調整してもらいましょう。
3章 綺麗に長く保つためにやるべき2つの事
帯板はどうしても劣化しやすい部材ですが、それを少しでも抑える対処法があります。
ここでは、帯板を綺麗に保つためにできることを2つに絞ってご紹介します。
元々がデザイン性を高めるために付いている部材ですから、ポイントを押さえておしゃれな外観を維持してあげましょう。
3-1 帯板の上の“三角コーキング”
帯板の塗装や交換をする際には、帯板上部に“三角コーキング(帯上コーキング)”をしてもらいましょう。
コーキング(ゴム状の防水材)を打つことによって、壁を伝ってくる水が、帯板の上に溜まるのを防ぐ方法です。
■塗装前に三角コーキングした帯板
コーキング施工の費用相場:700~1,000円/m |
ほんのひと手間ですが、こうすることで帯板に水分が溜まりにくくなります。
剥がれ・膨れの予防になりますし、帯板自体を保護することにもなりますので、塗装の際はぜひ見積もりに入れてもらいましょう。
3-2 定期的なアフター点検
帯板のお手入れをした後は、3~5年おきに、施工業者に点検してもらいましょう。
なぜなら、一番チェックが必要な帯板上側は、普段見ることができない高いところだからです。
帯板を綺麗なまま保つには、上部から水が入らないことが大前提です。
コーキングも永久ではなく、紫外線でひび割れたり劣化してしまいます。
定期的にチェックして、傷んでいたらまたコーキングを追加してもらいましょう。
きちんとした業者であれば、帯板が傷みやすい要注意部材であることは承知しているはずです。
工事後も長いお付き合いができる業者さんに頼んで、綺麗に大事にし続けてあげてくださいね。
まとめ
お家の帯板・幕板は、水が入りやすいため、どうしても傷みやすい部材です。
塗装が剥がれてきたら、状態に合わせて補修をしましょう。
補修する際にはぜひ“三角コーキング”処理をしてもらい、
工事後もアフターメンテナンスに来てくれる業者だと安心です。
帯板の特性を理解して、おしゃれな外観を長く保てるようになりましょう。
お読みいただきありがとうございました。
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帯板修理の際に業者を呼ぶなら、他に直すところが無いか見て、ついでにやってもらうと安心ですよ。