お家の新築・リフォームで使われる「金属サイディング」。
なんとなく金属で出来ている外壁ということは分かっても、具体的な特徴や他の外壁との違いが分からず検索しているのではないでしょうか。
金属サイディングとは、お察しの通り金属製のサイディングで、新築では窯業サイディングの次に、リフォームでは最も用いられる人気の外壁材です。
▼リフォーム用の外壁材の市場規模と素材別シェア
この記事では、そんな金属サイディングの人気の理由となるメリットや注意してほしいデメリットをご紹介。
他の外壁材と比較しながら解説していきますので、外壁材選びに迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
さらに、金属サイディングの単価相場やリフォームにかかる費用も解説していきます。
記事の後半では、おすすめの金属サイディングメーカーや製品もご紹介しますので、施工例を見て仕上がりを想像しながら読んでみて下さいね。
この記事を読んで金属サイディングがどういった外壁なのかチェックしていきましょう!
金属サイディングには、ガルバリウム鋼板で出来ているものやアルミニウム・ステンレスなどで出来ているものなど様々な種類があります。 この記事では主流となるガルバリウム鋼板の金属サイディングを中心に解説していきます。 |
目次
1章 金属サイディングのメリット
金属サイディングには選ばれる理由となる6つのメリットがあります。
あなたに最適な外壁かどうか判断するために、どんな利点があるのか見ていきましょう!
1-1 断熱性が高い
金属サイディングのメリット1つ目は断熱性が高いことです。
断熱材と一体になった金属サイディングは断熱効果が優れています。
外壁材の厚みは窯業サイディングとあまり変わりがありませんが、熱伝導率(熱が伝わる率)は窯業サイディングやALCの5~6倍低いです。
そのため、夏の暑さも冬の寒さも緩和されます。
※断熱材なしの種類もあるので選ぶ際に注意しましょう。
1-2 耐凍害性が高い
2つ目のメリットは耐凍害性に優れているという点です。
そもそも凍害とは、寒冷地や冬場に起こる外壁の劣化症状のことです。
外壁が吸収した水分が凍り、外壁を内側から押し出してボロボロにしてしまいます。
窯業サイディングやモルタル・ALCなどの外壁材ではよく起こる被害ですが、金属サイディングは外壁がそもそも吸水しないので凍害による被害も起きません。
1-3 軽量で地震に強い
3つ目のメリットは軽量で耐震性が高いという点です。
金属というと、重たい印象を受ける方もいらっしゃるかもしれませんが、実際はとても軽いです。
新築に一番使われる窯業サイディングと比較しても約3分の1の軽さです。
そのため建物への負担も少なく、地震の揺れも軽減できます。
1-4 割れ・欠けが起きない
4つ目のメリットは、ひび割れや欠けが起きないという点です。
他の外壁は築7~10年を過ぎると経年劣化により外壁がひび割れてしまったり、ひびが悪化して欠けてしまいます。
しかし金属サイディングはそれが起きないので、ひび割れ・欠けで外観が損なわれることなく、長期間きれいに保つことができます。
1-5 メンテナンス周期が長い
5つ目のメリットはメンテナンス周期が長いという点です。
金属サイディングの寿命自体は30~40年と窯業サイディングとあまり差がありません。
しかし窯業サイディングの場合はその間、築7~10年毎に塗装しなければいけないので寿命までに3回~4回メンテナンスが必要です。
一方で金属サイディングは、メンテナンスサイクルが10~15年のため1~2回におさえられます。
メンテナンス周期が長いことにより、メンテナンスにかかる時間やコストを抑えることができます。
1-6 モダンなデザインに仕上がる
出典:アイジー工業
6つ目のメリットはモダンなデザインに仕上がることです。
金属サイディングにも様々な種類がありますが、最もポピュラーなのが縦ラインのシンプルなデザインです。
最近はモダンなお家もとても人気になっているので、大人のシックな洗練されたデザインに仕上げたい方には金属サイディングをおすすめします。
2章 金属サイディングのデメリット
機能性・デザイン性の高い金属サイディングですが、注意したいデメリットもあります。
金属サイディングを選ぶ前にデメリットも理解しておきましょう。
それぞれ解説していきます。
2-1 錆びが起きやすい
金属サイディングに使われるガルバリウム鋼板は、トタンなどの金属に比べて錆に強い素材ですが、絶対に錆が発生しないわけではありません。
長期間経つと、端の方や傷ついた場所から錆が発生したり、近くに金属を置いておくと「もらい錆」をしてしまう可能性があります。
そのため、家の近くに金属を置かない、傷を放置しない、定期的な錆の点検などが必要になります。
2-2 傷がつきやすい
金属サイディングは割れたり・欠けたりはしませんが、外部から衝撃があると、傷がついてしまいます。
傷を放っておくと、錆が発生してしまう可能性があるので、早急に補修や塗装して水が傷に当たらないようにする必要があります。
また、周りに障害物がない立地の場合は、台風などで飛ばされてきたものが当たりやすいのであまりおすすめできません。
2-3 施工できる人が限られている
金属サイディングの工事は板金の技術者でないと工事が出来ません。
窯業サイディングと違って、専門的な知識や経験が必要になるので、業者選びが難しくなります。
いつもリフォームをお願いしている知り合いの大工さん・工務店さんがいる場合でも、「工事できない」と断られてしまう場合があります。
3章 金属サイディングの費用相場
金属サイディング | 5,000円~/㎡ |
窯業サイディング | 4,000円~/㎡ |
モルタル | 5,000円~/㎡ |
ALC | 7,000円~/㎡ |
タイル | 8,000円~ /㎡ |
金属サイディングの単価相場は5,000円~/㎡です。
窯業サイディングより少し高いですが、タイルやALCなどに比べると安く工事することが出来ます。
ただし、種類や断熱材の有無によって費用はかなり変動するので、どんな金属サイディングを使うか数パターン見ながら見積もりをもらうようにしましょう。
■カバーの場合
金属サイディングを上から貼り付けるカバー工事の場合は、既存外壁の撤去処分費がかからないので、30坪のお家で約150~250万円ほどになります。
■張り替えの場合
既存の外壁を剥がして、新たに金属サイディングを貼る張り替え工事の場合は、既存外壁の撤去処分費がかかるので、30坪のお家で約200~300万円ほどになります。
>外壁のリフォームについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
4章 おすすめメーカー5社&製品をご紹介!
金属サイディングを製造しているメーカーは数多くありますが、中でもおすすめのメーカーや製品をご紹介します。
気に入るものがあればぜひ外壁材選びの参考にしてみて下さいね。
4-1 アイジー工業
まずご紹介するのが業界トップシェアのアイジー工業です。
創業50年の会社で、金属製の外壁材を専門に製造しています。
金属サイディングはガルバリウム鋼板製のものを中心に製造しており、AZ150というガルバリウムの量が多い鋼板を全商品に採用しています。
また、断熱材も一般的なウレタンではなく、ポリイソシアヌレートフォームというグレードの高いものを使用しているのが特徴です。
おすすめ商品|ビレクト
出典:アイジー工業
設計価格:6,400円/㎡
穴あき・赤さび20年保証、変褐色10年保証が付いている高耐久の金属サイディングです。
シンプルなデザインでどんなお家にも合わせやすいです。
施工事例
出典:アイジー工業
白を選ぶと爽やかなモダンな家に仕上がります。
4-2 ニチハ株式会社
続いてご紹介するのがニチハ株式会社です。
ニチハは、金属だけでなく外装材全体の大手トップメーカーです。
金属サイディングは、金属ならではのシャープさを出す洗練されたデザインのものが多いです。
おすすめ商品|ネオスパンプレミアム
出典:ニチハ株式会社
設計価格:5,940円/㎡
遮熱性のフッ素鋼板で仕上げられており、変褐色・穴あき・塗膜・赤さび保証が10年付いている高耐久外壁です。
シャープなデザインでスタイリッシュに仕上がります。
施工事例
出典:ニチハ株式会社
黒×木材の組み合わせで、暗くなりすぎず洗練されたデザインに。
4-3 旭トステム
続いてご紹介するのが旭トステムです。
旭トステムは、旭化成とトステム(現:リクシル)の外装部門が統合されて出来たメーカーです。
金属サイディングには、自社で独自に開発した超耐候性フッ素樹脂ルミフロンを採用しています。
さらにセルフクリーニング機能も備わっているので、きれいに長持ちさせる事ができます。
また、ガルバリウム鋼板を改良させたエスジーエル鋼板の製品は旭トステムでのみ製造されています。
おすすめ商品|カジュアルブリック
出典:旭トステム
金属サイディングの味気無さを払拭する暖かみのあるリアルなデザインが特徴的です。
変褐色・穴あき・赤さび保証が10年と耐久性も高いです。
施工事例
出典:旭トステム
柄のあるデザインは、ツートン外壁のアクセントとして使うのがぴったり。暖かみのあるおしゃれなお家に仕上がります。
4-4 ケイミュー
続いてご紹介するのがケイミューです。
クボタと松下電工の外装部門が統合した外装メーカーです。
外壁以外にも、屋根材や雨どいのトップシェアメーカーになります。
金属サイディングの特徴としては、シーリングの充てんが要らない「シーリングレス」仕様を採用しています。
おすすめ商品|グロッシュ
出典:ケイミュー
設計価格:4,560円/㎡
金属サイディング「はる一番」の中の一種です。
変褐色・赤さび10年保証が付いています。
単色でありながら、金属とは思えない石彫風の凹凸が高級感を醸し出すことができます。
施工事例
出典:ケイミュー
凹凸部分が光に照らされて輝き、モダンで高級感のある仕上がりになっています。
4-5 YKK AP
最後にご紹介するのがYKK AP株式会社です。
YKK APと言えば窓サッシの方が有名かもしれませんが、アルミ製の金属サイディングを扱っています。
錆が発生しやすい塩害地域の方におすすめです。
おすすめ商品|アルカベール
出典:YKK AP
この商品はアルミ製の金属サイディングです。
重さは窯業系サイディングの1/8で耐震性に優れています。
最新技術の「クオリティージェット塗装」により、精密な天然石の風合いを出しています。
施工事例
出典:YKK AP
リアルな質感で、高級感のある洋風デザインにも仕上げることが出来ます。
5章 金属サイディングは定期的な水洗いで長持ち!
金属サイディングは、「メンテナンスフリー!」と言われますが、メンテナンスは必要です。
半年に1度は水洗いをして外壁に付いた汚れを洗い流しましょう。
ただし、海が近くにある塩害地域にお住まいの方は1か月に1度行うのが理想的です。
また、水洗いでは高圧洗浄機はNGです。
高圧で洗うことで外壁に傷がついてしまい、錆が出る原因となってしまいます。
ホースや濡れ雑巾などで汚れを落としていきましょう。
ただし、2階周りなど手が届かないところはキケンなので無理に洗浄しないようにしましょう。
高所はご自身で汚れを洗うのにも限界がありますし、年数が経ってきたら塗装などのメンテナンスも必要になってくるので、5年毎に点検してもらうこともおすすめします。
定期的な水洗い&点検でお家を長持ちさせていきましょう!
まとめ
いかがでしたか。
金属サイディングは、金属製のサイディングのことです。
メリット・デメリットは以下の通りです。
■メリット
・断熱性が高い
・耐凍害性が高い
・軽量で地震に強い
・割れ・欠けが起きない
・耐用年数が長い
・モダンなデザインに仕上がる
■デメリット
・錆びが起きやすい
・傷がつきやすい
・施工できる人が限られている
金属サイディングの単価相場は5,000円~/㎡です。
30坪のお家をリフォームする場合の費用相場は以下の通りです。
カバー工事 | 150~250万円 |
張り替え工事 | 200~300万円 |
金属サイディングのメーカーには様々あり、各社特徴的な商品を出しているので、耐久性や機能性を見て選んでいきましょう。
金属サイディングは耐久性の高い外壁ですが、決してメンテナンスフリーではありません。
定期的に水洗いをして長持ちさせていきましょう!
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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