数年前から雨漏れが…
業者に見積もりをとったけどそもそもこれが適正な価格なの?
相場はどれくらいなの?
と疑問に感じられているのではないでしょうか。
どんな工事でも費用相場を知らないと適正な価格なのかは分からないですよね。
雨漏りの修理は場所によって費用相場も変わってきますので、場所別の修理の費用相場をご紹介します。
また、雨漏りの修理は専門家でも原因を解明するのが難しく、手を抜かれることも多い工事です。
うまいことを言って大きな金額を要求してくる悪徳業者や、専門知識のない業者も多く存在しています。
そういった業者に騙されないために、記事の後半で見積もりのチェックポイントや点検から金額を提示してもらうまでで判断できる業者選びのポイントもご紹介します。
優良業者を見極めて適正価格で工事を依頼しましょう。
目次
1章 【場所別】費用相場
雨漏りの修理にかかる費用相場を、雨漏りが起きやすい、屋根・外壁・窓サッシ周り・ベランダの4か所に分けてご紹介します。
相場を把握しておくことで、高く費用を取られること・安い費用で手を抜かれることが防げます。
また雨漏りは場所や程度によって修理費用が変わってきますので、ご自宅の雨漏りのしている場所にあった費用相場を確認してみましょう。
1-1 屋根からの雨漏り
雨漏りの被害が最も多いのが「屋根」からの雨漏りです。
天井に雨染みが出来たり、クロスが剥がれてくるなどの症状が起きます。
修理方法は、雨漏りが発生している場所が特定できれば費用をおさえて修理することが出来ますが、雨漏りはそもそも発生源を特定するのが難しいので、大きな工事になることも多いです。
では修理費用が安い方法からご紹介します。
屋根の雨漏り修理 | 費用相場 |
スレート屋根の場合 | |
スレートの差し替え | 5千~2万円/箇所 |
棟板金の交換 | 10~30万円 |
屋根カバー工事 | 40~100万円 |
スレートの葺き替え | 60~120万円 |
瓦屋根の場合 | |
瓦の交換 | 5千~2万円/箇所 |
棟瓦の漆喰補修 | 15~30万円 |
瓦の葺き替え | 80~130万円 |
その他 | |
足場仮設 | 5~20万円 |
下地板の交換 | 10~30万円 |
破風板、軒天など木部の交換 | 15~30万円 |
天井の張替え | 5~15万円 |
〈30坪2階建て、屋根面積80㎡程度の概算〉
1-2 外壁からの雨漏り
外壁から水が入るようになってしまうと室内に雨漏りが発生する場合があります。
クロスが剥がれる、シミができるなどの症状が見られます。
こちらも原因が特定できればピンポイントで修理することが出来ますが、発生源が分からないと張り替えなどの大規模な修理が必要になります。
外壁の雨漏り修理 | 費用相場 |
コーキング補修 | 700~1,000円/m |
ひび割れ補修 | 1,000~2,000円/m |
外壁の部分張替え・修繕 | 5000~8000円/㎡ |
※1 外壁カバー工事 | 120~220万円 |
内部木材の交換、補強 | 10~50万円 |
※1 外壁材の種類によって差あり
1-3 窓サッシからの雨漏り
窓は外と中を貫通している場所なので窓周りのコーキングや外壁に隙間ができると雨漏りが発生します。
強い雨が降った時にサッシから水が滴り落ちるなどの症状が起きます。
コーキングや外壁の補修で雨漏りがおさまる可能性は高いですが、放っておくと内部の木が腐ってしまい、交換が必要になる場合もあります。
窓サッシの雨漏り修理 | 費用相場 |
コーキング補修 | 700~1,000円/m |
窓枠補修 | 3~10万円/枚 |
※2 窓サッシ交換 | 5~30万円/枚 |
外壁の張替え・修繕 | 10~30万円 |
内部木材の交換、補強 | 10~50万円 |
※2 窓の大きさによって変動
1-4 ベランダの雨漏り
ベランダの床は専用の防水材で水を弾いていますが、築年数が経って防水材が劣化すると、水が内部に浸透し、雨漏りが発生します。
ベランダ下の軒や、ベランダ下の部屋が雨漏りしていたら、ベランダが原因で雨漏りしている可能性が高いです。
一部の補修や防水工事だけで改善する場合もありますが、大規模になると大工工事が必要になる場合もあります。
ベランダの雨漏り修理 | 費用相場 |
手すりコーキング補修 | 700~1,000円/m |
※3 手すり交換 | 3~10万円 |
※4 ベランダ防水工事 | 10~30万円 |
床下地交換 | 15~20万円 |
ベランダ軒張り替え | 5~10万円 |
住宅本体木材の交換、補強 | 10~50万円 |
※3 素材によって価格に差あり
※4 防水材によって差あり
1-5 【番外編】検査費用相場
雨漏りの原因を調査する検査費用の相場をご紹介します。
雨漏りは原因を特定するのが難しいため、目視だけでなく専門の検査が必要になる場合があります。
その場合は、検査するだけでも費用がかかりますので、覚えておきましょう。
調査方法/費用相場 | 調査内容 |
目視調査/ 無料~3万円 | 目で見て状況を確認する方法です。ひび割れ、屋根のズレ、外壁の浮きなど、目で見える範囲で行います。業者により、交通費や人件費がかかる場合があります。 |
散水調査/ 3~20万円 | 原因となりそうな部分にホースで水を流し、実際に雨漏りが発生するか再現してみる調査です。規模によっては足場を立てる必要があります。水道はお客様のお家から借りることがほとんどです。 |
発光液調査/ 5~25万円 | 紫外線を当てると光る塗料を水に混ぜ、原因となりそうな部分に流す調査です。屋根裏などから紫外線を当てて、光っているところを探り、原因場所を特定します。 |
赤外線サーモグラフィー調査/ 5~30万円 | 物体の温度が見た目でわかる機械・サーモグラフィーを使った調査です。水が通っているところは温度が低くなるため、そこを探して辿っていき原因を特定します。散水調査と合わせて行う場合もあります。 |
※これらの調査によって、必ず原因が特定できるわけではありません。
※規模によって金額差あり
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2章 【見積付】雨漏り修理の具体例3パターン
この章では実際の雨漏り修理の見積もり具体例を3パターンご紹介いたします。
具体例を知ることで、症状ごとの必要な作業が把握できます。
必要な作業を把握して手抜き工事や高額請求を防止していきましょう。
◆パターン①
▪ 築20年・サイディング塗装歴なし
▪症状:外壁の表面やコーキングが剥がれ、室内のクロスも剥がれてきた。
▪原因:外壁の防水切れ・コーキング劣化による水の侵入
▪診断結果:外壁が水を含んで塗装ではメンテナンス不可のため、一部張り替え工事推奨。コーキングも劣化し水が」侵入するようになっているので打ち替えが必要。
▪補修方法:一部外壁張り替え、コーキング打ち替え
▪費用:119,000円
見積例
◆パターン②
▪ 築15年・ベランダ防水歴なし
▪症状:ベランダの下の軒が剥がれてきている。
▪原因:ベランダ防水の劣化による浸水
▪診断結果:ベランダ表面劣化のため、水分が内部に侵入。水分を外部に逃がすために、通気緩衝工法によって防水工事が必要。また、水を含んだ軒天や木部は補修推奨。
▪補修内容:ベランダ防水(通気緩衝工法)、軒天一部張り替え、木部補修
▪費用:156,500円
見積例
◆パターン③
▪築40年・瓦屋根
▪症状:強い雨が降った後に天井に雨染みが出来ていた
▪原因:屋根のルーフィング(防水紙)の劣化による水の侵入
▪診断結果:築年数が40年を過ぎており、全体のルーフィングが劣化。一部補修しても数年のうちに別箇所から再度雨漏りが発生する可能性があるため、全体の葺き替えを推奨。
▪補修内容:屋根の葺き替え
▪費用:1,116,400円
見積例
3章 見積もりチェックポイント3つ
続いては見積もりのチェックポイントをご紹介します。
修理を依頼して損しないためには、見積もりの内容が妥当なものかの判断が必要になります。
見積もりを取った方も、これからの方もチェックするポイントはおさえておきましょう。
3-1 相場の金額と合っているか
修理費用が相場の金額内におさまっているか確認しましょう。
高すぎたら下請けに工事を任せて中間マージンを取られている場合もありますし、
安すぎても修理の手順を省かれてしまう可能性があります。
見積もりをもらったらまず相場と相違がないか確認してみましょう。
3-2 工事内容の詳細な記載があるか
見積もりの中に詳しい工事内容が記載されているか確認しましょう。
記載や説明がなく、「一式」のみ書かれている場合は要注意です。
実際に合ったケースでは見積もり書に「一式」とのみ記載されており、実際の工事では必要な作業が見積もり金額に組み込まれておらず、追加料金が発生する場合もあります。
修理の知識がない一般の方を騙すためにあえて工事内容の記載や説明をしない悪徳業者も存在します。
もし見積もりの工事内容に「修理工事 一式」と記載されている場合は、具体的な作業内容と費用の内訳を業者に確認してください。
3-3 大幅な値引きがないか
半額値引きや50万円以上の大幅な値引きがある場合は危険です。
なぜなら、必要な材料費や外注費(足場など)は削ることが出来ず、無理に削ると、材料をごまかして修理が雑になる場合があるからです。
または、値引き後の金額が妥当の金額で、それを倍以上の金額を伝えてあたかも値引きしているようにしている場合もあります。
大幅な値引きを提案されたら疑ったほうがいいでしょう。
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4章 工事を安く済ませる2つのコツ
雨漏りの修理は場合によっては大きな金額が必要になります。
そのためできるだけ安く工事をしたいですよね。
かといって相場を下回る工事も心配です。
この章では、手を抜かれることなく費用負担を減らす方法をご紹介します。
4-1 火災保険をつかう
自然災害や不慮の事故で雨漏りが発生してしまった場合は、火災保険が適用される場合があります。
例としては、
- ・台風で屋根が飛ばされてしまった。
・強風で飛ばされた看板が飛んできて壁に当たった。
・大雪で雨どいが破損して水が家の中に流れてきた。
などが火災保険が適応されたケースです。
火災保険を使用する場合は、以下のステップで申請をしましょう。
火災保険申請のやり方 ①保険会社に連絡して被害内容を伝え、保険適用できるかを聞く ②申請書類を送ってもらう。 ③修理工事の業者から「被害写真」「見積書」をもらう。
⑤保険会社へ申請を送り、現地調査(鑑定)をしてもらう。 ⑥保険金の確定、入金 |
4-2 相見積もりを取る
出来るだけ安い業者を選ぶためには相見積もりを取ることをおすすめします。
相見積もりを取ることで、費用の比較や修理方法の比較ができます。
また金額に関しては3社ほど見積もりを取るとだいたいの相場が分かってきます。
3社以上取ってしまうと、かえって迷って決められなくなってしまいますので取りすぎにはご注意ください。
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5章 点検~金額提示まで優良業者を見分けよう!
見積もり書以外でも、優良会社を見分けるポイントはあります。
雨漏り点検~見積書を提示してもらうまでの間でチェックできる優良会社の見分け方をご紹介いたします。
信頼できる業者を選んでいきましょう。
5-1 担当の印象は良いか
点検に来た作業員や地域担当は印象が良かったか、チェックしておきましょう。
中には横柄な態度の作業員もいますが、工事で何かあった時に高圧的な態度の人になかなか質問などもしづらいです。
特に日中は女性だけの場合もありますので、なんでも相談しやすい雰囲気の良いスタッフの業者を選びましょう。
5-2 写真を撮っているか
点検の際に写真を撮っているかチェックしましょう。
雨漏りの点検は口頭では説明しにくい場合も多いですし、一般の方は見られない場所の点検結果は業者が言っていることが本当か分からないですよね。
点検の時に写真を何枚も撮って見せてくれる業者を選びましょう。
5-3 見積もり対応が早いか
点検から、1週間~2週間程度で見積書を持ってきてくれる業者を選びましょう。
中には点検から半年たっても見積書を用意しない業者もあります。
そういった業者は会社内の連携に不備があったり、そもそも時間にルーズだったりと工事中もしっかり工事してくれるのか信用できない部分があります。
点検の時に、見積書を持ってきてもらう日を設定しておくと遅れることもなくなりますので、業者に日程の相談をしておきましょう。
5-4 見積もりと一緒に詳しい説明があるか
見積書を提示してもらう時に、詳しい説明をしてくれる業者かチェックしましょう。
なぜなら見積書を見ただけでは分からない作業内容があるからです。
使う材料や工事内容の詳しい説明ができない業者は知識もない可能性があります。
より細かく丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。
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6章 修理後は1年以内にアフター点検を!
雨漏りの修理が完了したら、1年以内にアフター点検をしてもらいましょう。
雨漏りは原因の特定が難しく、様々な点検をしても原因が特定できない場合があります。
その場合は修理後も雨漏りする可能性がありますので、修理が完了したら終わりではなく、一年以内にアフター点検をしてもらい、
経過観察をしてあげましょう。
まとめ
いかがでしたか。
雨漏りの修理相場をご紹介しましたが、実際の金額は状態によって費用も変わってきます。
優良業者に妥当な施工内容と金額で工事をしてもらうには3社ほど相見積もりを取って見比べることが重要です。
相場はもちろん、見積もりのチェックポイントや、業者選びのポイントもおさえておきましょう。
適正価格で安心な工事をしてくれる業者を選んで雨漏りを直していきましょう!
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