
そろそろ塗り替えだけど、前回の色選びは正直失敗したと思っている…。
何年も見続ける家の色、今度こそは絶対に後悔したくない。
でも、結局どうしたらいい?
実は、外壁の色選びにはポイントがあります!
ここでは、美大卒で10年職人として経験を積んだカラーアドバイザーが実際にあったエピソードを元に「もう後悔しない色の選び方のポイント」を分かりやすく解説!
さらに、人気のカラーもイメージ別で分かりやすくお届けします!
このポイントを押さえておけば、気に入る自分のお家の色を見極められるようになり、塗り替えた後も長くお家を好きになれること間違いなし!
目次
1章 「外壁の色で後悔した…」主な3つの理由
自分で選んだはずの色なのに…色選びで後悔した人達には、様々な理由がありますが、実はおおよそ3つのパターンに分かれます。
この3つのパターンが分かれば、対策を打って外壁の色を選ぶことが出来ます。
ではさっそく、実際にあった外壁の色によるエピソードを見ていきましょう!
1-1 思った色と違った仕上がりに…
ほんのりクリーム色を選んだつもりが、塗ってみたらほぼ白…。周りの家と変わらなくて正直がっかり。もう少し濃いクリーム色にすればよかったなって思っています。
こんな色にしたい!というイメージも出来ていて、色見本の中から選んだのに、実際の仕上がりのイメージが異なってしまった。
カタログの小さな色の中から選んで、実際の外壁に塗ると色の印象が変わってしまった、というのは後悔したという声の中でも実は一番多い事例です。
1-2 塗り替えて3年で汚れが目立ってしまった…
落ち着いてカッコいいかなと思ってダークブラウンにしたけど、3年たったあたりから白っぽい雨染みがすごく目立って…。次は汚れに強い色にしたいけど、どう選べばいいのか迷っています。
選んだ色は気に入ったけど、汚れが目立ったり、色が褪せたという別の問題が出てきてしまったというケースもよく聞くエピソードです。
1-3 勧められたまま塗ってもらったけど…
特にこだわりがなくて知り合いの職人さんのオススメで決めちゃったんだけど…やっぱり無難すぎた色で、あまり好きになれなくて後悔しています。10年以上住む家だから、ちゃんと自分で比べて選べばよかったなって。
理想の色やこだわりも無かったけど、いざ仕上がってみたら思ったより気に入らなかったというケースです。
仕上がりのイメージが出来ていないと、あれ?こんなはずでは…という後悔することも。
今と同じ色で良い、無難で良いと思っていても、他の素敵な色のお家を見てこうすればよかったなあとあれこれイメージする機会に出会えなかった、ということもあります。
2章 これでもう後悔しない!色選びの4つのポイント
外壁の色と一言でいっても、メーカーや種類によって同じような色でも少しずつ違いがあり、選択肢が沢山あります。
白やベージュだけでも似たような色がいくつもある中から、どう選べば…と頭を悩ませているそこのあなた。
実は、「色選びのポイント」は4つあります。
このポイントを押さえておけば、「イメージと違う仕上がりになった!」「こんなはずじゃなかった…」という後悔をせずに見極めることが出来ます。
2-1 「面積効果」を考えること
外壁の色を選ぶ時、カタログで見るような指の爪ほどのサイズの色と、外壁に塗った後の大きな面積の色とでは、同じ色でも全く違う色に見えることがあります。
これを「面積効果」と言います。
面積効果とは、広い面積になると色を「より明るく、より鮮やか」に感じやすいというものです。
「カタログでクリームのような色を選んだのに、塗ってみたら思ったより白っぽかった…」
「ほんのり淡いピンクを選んだはずなのに、思ったより鮮やかなピンクの仕上がりになってしまった…」
など、仕上がりの色の印象に差が出てしまうのが、この面積効果によるものです。
つまり、実際に使う色は見本よりも「少しくすみが入ったような落ち着いた色」、「ワントーン濃い色」を選ぶのがポイントです。
2-2 色板で「天候・周囲の色」による見え方の変化を知ること
色を選ぶ時、室内で「これがいいかな?」「いやこっちの方が…」とカタログの色を見比べていませんか?
実はその見方は良くありません!色板見本を屋外で確認しましょう。
なぜなら外壁の色は、家の外の壁に塗る色だからです。
カタログよりも大きな面積で実際のペンキの色が塗られているA4サイズの色板というものがあります。
この色板を、常に一定の明るさの室内の電気の明るさではなく、外に出て外壁の色を見てみましょう。
晴天の日に強く陽が当たった場合と曇りや雨の日では、光の強弱や影の強さが異なり、見え方もかなり変わりますよね。
さらに外壁の色選びの時は、「晴れ寄りの曇り」の状態で色を比べて決めるのがオススメです。
これは、日当たりと影の強弱が少なく、太陽光の下で本来塗られる塗料の色のフラットな見え方が分かるからです。
ですので、手元のカタログだけ見て選ぶのではなく、
- ・色板を持って
- ・曇りの日に外で
- ・外壁に当てながら
色を見比べるようにしましょう。
こうしたポイントも知っておくと選びやすくなります。
2-3 カラーシミュレーションと色板を使い分けること
カタログや色板だけでは家全体のイメージが分からない!という時には、カラーシミュレーションが大変便利です。
お家の全景写真を、パソコン上で塗料別に色を入れ替えながら見比べることが出来るからです。
例えば、「今まで白だったけど、今回はガラッと雰囲気を変えたい!」「黄色系もいいな。でもオレンジや青も捨てがたい。」など、全然違う色を見比べたい時や家全体のイメージを見たい時には、カラーシミュレーションがオススメです。
ただし、カラーシミュレーションはあくまでも画面上の色であり、実際の塗料の色とは異なります。
完成イメージの参考程度に、が基本です。
ある程度色の系統が決まって、少しの違いを見比べたい時は色板を使って外で見比べるのが良いでしょう。
曇りの日に外壁に当てながら、違いを見比べた方が実際の塗料の色で比較することが出来ます。
つまり順番としては、
- カラーシミュレーションで大まかな仕上がりイメージをつかむ
- 色板を使って細かな色差を比較する
が良いでしょう。
2-4 ツヤが気になる人は“ツヤなし塗料”を選ぶこと
外壁の塗料は、色だけでなく「ツヤの度合い」が塗料の種類によって異なります。
ツヤありの塗料は雨を弾きやすく、汚れも流れるので付着しにくいという利点があります。
しかし好みによっては、テカテカした印象が好きではないという意見もあるでしょう。
落ち着いたマットな雰囲気がお好きな場合はツヤなし塗料を選びましょう。
ツヤなしの塗料は、ツヤによる乱反射が起きにくいので色板の印象と実際に塗った外壁の色のイメージがほぼ同じという利点もあります。
また塗料によっては、ツヤあり塗料でも調色と同じように5分ツヤ、3分ツヤなどツヤの度合いを調整して作れるものもあります。
ただしツヤなし塗料のデメリットとしては、雨を弾きにくいため、雨染みや汚れが付きやすいということも知っておきましょう。
3章 汚れが目立ちやすい・色褪せしやすい色の法則
さて、次に外壁の色選びの後悔で多い理由「汚れ・色褪せが目立つこと」について、傾向と対策を具体的に解説致します。
これは避けた方が良い!という色があり、知っておくことで「塗って数年後の後悔」をつぶしておきましょう。
3-1 汚れが目立ちやすい色は白、黒
汚れが目立ちやすい色は、ずばり①真っ白②黒など濃い色です。
- 真っ白は、白い服や白い車でも分かるように、黒っぽい汚れが目立ちます。
実は外壁につく黒い汚れというのは空気中のホコリだけでなく、車の排気ガスが雨と交わって定着する黒カビも目立つ原因となります。
日当たりが悪い場所や湿気がたまりやすい場所で、黒カビの他に苔なども目立ってしまうことがあります。
- ⿊などの濃い外壁の⾊は、⽩っぽい汚れが⽬⽴ちやすいです。
⽩っぽい汚れは主に⾬だれ汚れ、カルシウム成分の汚れが原因です。
このような⽩い汚れと黒い外壁のコントラストがはっきりわかるため、軽い汚れでも跡がくっきり⾒えてしまのです。
まずは塗り替える前に
- ・家のどこにどんな汚れが付きやすいか
- ・その汚れはどんな色をしているか
- ・日当たりが良い立地か
- ・木々が多くて湿気がたまりやすい場所か
など、家の周りの環境にも目を向けてみましょう。
どうしても白や黒などの濃い色を選びたい時の対策としては、
- ・ツヤあり塗料、耐候年数の高い塗料、撥水性・防汚性の高い塗料を選ぶこと
- ・雨だれしやすい場所にカバーや水切りを設置すること
が挙げられます。
3-2 色褪せしやすい色は鮮やかな色
外壁の色は、赤・緑・黄色など色鮮やかな色は、色褪せがしやすい傾向にあります。
逆に色褪せしにくいのは白系、黒系、青系です。
太陽の紫外線や雨風によって、年数が経つとどうしても色褪せしてきます。
ですが、色や塗料の種類によって色褪せのしやすさが変わります。
特に原色に近い赤や緑、黄色などの鮮明な色は、日光に長時間さらされることで色褪せが進行しやすい傾向にあります。
一方、淡い色や中間色は色褪せの変化が目立ちにくく、耐久性も比較的高いとされています。
例えば、ベージュの塗料では顔料の使用量が少なく、樹脂の割合が高いため、塗膜の保護性能が高く、劣化しにくい傾向があります。
これに対し、赤などの原色は顔料の占める割合が多く、樹脂分が相対的に少なくなるため、耐候性や耐久性が低下しやすいのです。
塗料における顔料と樹脂の割合は、製品の種類や用途によって多少異なりますが、一般的な例として以下のような傾向があります。
■ ベージュなどの淡彩色の場合
顔料 |
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樹脂 |
|
- 淡い色は発色に必要な顔料が少量で済むため、その分、塗膜の耐久性や密着性に関わる樹脂の割合を高くできます。
これにより、紫外線や雨風による劣化に強く、長期間美観を保ちやすくなります。
■ 赤などの原色の場合
顔料 |
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樹脂 |
|
原色は高い発色を得るために顔料を多く必要としますが、その分樹脂の含有量が減りやすく、塗膜の保護性能がやや劣る傾向にあります。
このため、色褪せやチョーキング(触れると白い粉がつくこと)などの劣化現象が起こりやすくなります。
※実際の配合は製品ごとに異なるため、詳細な比率はメーカーの技術資料を確認する必要があります。
ですので淡い色や中間色の方が、色褪せが起こりにくく長持ちします。
原色に近い色をどうしても選びたい場合の対策としては、
- ・フッ素塗料
- ・無機塗料
- ・ラジカル制御型塗料
などを選びましょう。耐久性が高く、紫外線に強いため、長く美しさを保てます。
3-3 これで安心!オススメの色はベージュ・アイボリー、グレー、青色系
汚れが目立ちにくい外壁の色とはずばり、くすみの入った中間色と呼ばれる色合いです。
例えばホコリや砂ぼこりなど自然にできる汚れもくすみの入った色なので、中間色の色であれば多少の汚れがあっても目立ちません。
つまり、ベージュ・アイボリー、グレーでも、くすみの入った落ち着いた中間色は、色褪せもしにくく、長持ちします。
① ベージュ・アイボリー系
- 落ち着いた印象でどんな家にも合いやすく、汚れも目立ちにくい。
- 周囲の景観ともなじみやすく、飽きがこない。
②グレー系
- モダンでおしゃれな印象。汚れが目立ちにくく、スタイリッシュに見える。
- ピンクや緑などにグレーが入ったくすみカラーもオススメで、色の個性も出しつつ汚れが目立ちにくい。
- ③青色系
- 明るく鮮やかなものではなく、ネイビーやグレーブルーなど。
- くすみの入った青は比較的色褪せしにくく、やや個性的でありながら落ち着いた印象を与える。サッシや屋根と合わせやすい。
4章 みんなが選んだお気に入りの色3選!自分の理想の色を見つけよう
オススメされるままに塗って後悔した…
知り合いの業者だから言いづらかった…
こだわりがないから選ぶのが難しい…
そんな方でも、もっとお家を好きになる!
イメージ別の外壁人気カラーを美大卒カラーアドバイザーが写真付きで4つご紹介します。
4-1 いつでも人気のモダン系
色 | グレー、ブラック、ネイビー、ホワイト |
特徴 | 直線的で洗練された印象。 シンプルモダン住宅やスタイリッシュな家に合う。 |
人気の理由 | 落ち着きがあり、長く飽きがこない。 都会的で上品な雰囲気。 |
前はクリーム一色だったんですが、今回は思い切ってオフホワイトとグレーのツートンにしてみました。落ち着いた感じが好みで、自分たちの家の形にもよく合っていると思います。飽きが来ないし、かっこよく仕上がって満足しています。
4-2 お庭とよく合うナチュラル・カントリー系
色 | ベージュ、アイボリー、ブルーグレー、ブラウン、オリーブグリーン |
特徴 | 自然素材(木・石)との相性が良く、温かみのある雰囲気。 |
人気の理由 | 周囲の景観に溶け込みやすく、穏やかで優しい印象。 |
妻と意見が分かれたんですが、最終的に濃いアイボリーのカントリー風に決めて正解でした。木の玄関ドアとも相性が良くて、庭の花も映えて、まるで海外の家みたいな雰囲気になったんですよ。以前は白で無難でしたけど、今は家を見るたびに嬉しくなりますね
4-3 オシャレ可愛い北欧風・カフェ風
色 | 淡いグレー、くすみブルー、ミントグリーン、スモーキーピンク |
特徴 | おしゃれで柔らかい雰囲気。 木目のドアや窓枠とよく合う。 |
人気の理由 | 個性的ながら主張しすぎず、流行に敏感な方に人気。 |
色褪せが心配で緑は避けていましたが、落ち着いたグレイッシュなグリーンにして大正解!隠れ家カフェのような雰囲気になり大満足です。
まとめ
いかがでしたか。
一度塗装をしたら、10年はそのお家で過ごすことになります。
せっかくの塗装で後悔したくないなら、
- ・「面積効果」を考えて、少しくすみが入ったような、ワントーン濃い色を選ぶこと
- ・大まかな色をカラーシミュレーションで、細かな色差は色板で曇りの日に外で確認すること
- ・ツヤが気になる人は“ツヤなし塗料”を選ぶこと
- ・汚れが目立ちにくく色褪せしにくいくすみの入った中間色を選ぶこと
この後悔しない4つのポイントを是非活用してみましょう!
お読みいただきありがとうございました。
コノイロでは丁寧な点検と分かりやすいお見積りでお客様の大切な財産であるお家を守ります。 さらにご契約後にはカラーシミュレーションや、カラーアドバイザーによる色のご提案もしております。 ぜひお気軽にお問い合わせください。 |
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