2.3年前に塗装したばっかりなのに破風板が剥がれてきた…
当時工事を依頼した業者に連絡して見てもらったけど「原因を確認します」と言って帰ったきり何も音沙汰なし。
なんでこんなに早く剥がれたの?原因は?手抜き工事をされたの?と心配されているのではないでしょうか。
結論から言うと破風板の剥離の原因は、ほとんどが破風板自体の劣化です。
なぜなら、破風板は紫外線や雨が当たりやすく傷みやすい部分だからです。
そのため、塗装工事の前に破風板の状態をしっかり見てもらう必要があります。
素地が劣化していると、どんなにきれいに塗っても数年も経たないうちに剥離してきてしまう恐れがあります。
せっかくきれいになっても剥離してしまったらもったいないですよね。
またほかにも剥離の原因はあります。
今回は破風板が剥離する原因と対処方法をご紹介いたします。
さらに剥離が起きるのを防ぐ方法もご説明しますのでぜひ最後までご覧ください。
剥離が起きてしまった方も、起きる前の方もこの記事を読んで破風板をきれいに保たせましょう。
目次
1章 破風板の剥離の原因
剥離の原因はおもに「破風板自体の劣化」「塗料の選定ミス」「施工不良」の3つです。
それぞれの原因について詳しくご説明します。
ご自宅の剥離の原因究明の参考にしてみてください。
1-1 破風板自体の劣化
破風板剥離で一番多い原因が「破風板自体の劣化」です。
破風板は、屋根の側面にあり、家の中でも特に雨風や紫外線が当たる場所です。
新築時に破風板は塗装されていますが、紫外線によって外壁よりも早く塗膜が劣化します。
塗膜が劣化すると雨が降った時に水を浸透させて破風板自体が弱くなっていきます。
また長い間水を含むようになった破風板は、素材自体に水分が含まれ、塗装すると中に含まれた水分が外に逃げようとして塗膜を内側から押し出し、膨れが起きてしまう場合もあります。
2.3年で剥がれると施工業者に手を抜かれたと心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、塗装前に劣化が進んでいればどんなにきれいに塗装してもすぐに剥がれてしまいます。
塗装する場合は劣化前に塗装をしてください。
〇塗装ができる状態 ・ひび割れがない ・欠けていない |
×塗装しないほうがいい状態 ・ひび割れている ・表面が剥がれている ・水が染みこんだ跡がある |
1-2 塗料の選定ミス
続いて多いのが塗料の選定ミスです。
なぜなら、元々塗ってあった塗料と相性の悪いものを塗り重ねてしまうと、剥がれが起きてしまうからです。
例えば、2回以上塗装している方は、前塗ったものと今回塗ったものの相性が悪かったり、
1回目の塗装の方は、新築時の塗装が破風板用のものではなかった、というケースがあります。
選定ミスを起こさないためには、前回、何の塗料を使用したのかを施工業者に伝えるのが安心です。
塗料の種類が分かる書類(契約書又は見積書など)をとっておき、再度塗装の際に施工業者に前回塗料の種類を伝えましょう。
新築の方は、見積もり時には梯子などを使って、破風板も近くからきちんと点検してもらいましょう。
1-3 施工不良
あまり多くはないですが施工不良の可能性もゼロではありません。
施工時に塗料を薄めすぎた、雨が降っている中で塗装したなど施工時に問題があった場合は剥がれてしまう可能性があります。
施工不良が原因の場合は、証拠となる写真や記録が必要になりますので、工事中の写真は撮ってもらっておきましょう。
もし手元にない場合は施工業者に連絡して、施工中の写真や塗料の発注量が分かる資料をもらいましょう。
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2章 対処方法と費用相場
破風板の剥離が起きてしまった後の対処方法をご紹介します。
まず、破風板の剥離や劣化を放置するのはやめましょう。
なぜなら放っておくと破風板から屋根や軒に水が回り雨漏りしてしまうからです。
雨漏りから家を守るためにも破風板の劣化を止める工事をしましょう。
- ※ご紹介する金額はあくまで相場です。
- 使う材料や作業日数、交通費、足場の有無などにより別途費用が掛かります。
2-1 再塗装=1,000~1,300円/m
剥離しているのが一部の表面だけで、素材自体にひび割れや欠けがなかった場合は再塗装が可能です。
剥がれた部分や弱くなった塗膜を削り、補修してから、再度塗装します。
ただ表面は塗装後も多少凸凹が目立ってしまう場合があります。
板金巻きや交換よりも安く済みますが、一度剥離が起きると再度剥離が起きる場合があり、長い目で見るとメンテナンスに費用がかかります。
2-2 板金巻き=2,000~3,000円/m
剥離が一部だけでなく広範囲にわたっている場合は再塗装はおすすめできません。
破風板に板金を巻いて表面をカバーする「板金巻き」をおすすめします。
金属は木やボードよりも耐久年数が長いので一度板金を巻いてしまえばメンテナンスはほぼいらなくなり、見た目も凸凹がなくきれいに仕上がります。
■施工前
■施工後
2-3 交換=4,000~5,000円/m
破風板自体が劣化してひび割れや欠けなどが起きていると塗装も板金巻きもおすすめ出来ません。
素材自体がボロボロになってしまっている場合は交換が必要になります。
交換をする場合は木材でなく耐火性ボードなどを使用する場合が多いです。
劣化が進むと破風板が接している軒なども劣化が進んで雨漏りの原因にもなりますので放置せずにメンテナンスを行ないましょう。
☆別途費用=足場代
破風板は高所にありますので、立地によっては足場仮設が必要になる場合があります。
足場の単価相場は700~900円/㎡です。
(例)2階建て30坪、200㎡の場合
700~900×200㎡=140,000~180,000円
3章 剥離が起こる前に心がける3つのこと
破風板の剥離を起きる前に心がけるべきことをご紹介します。
剥離が起きてしまうと直す手間や費用も掛かってしまいますので、今後剥離をおこさないよう対策していきましょう。
3-1 築5年を過ぎたら点検をする
築5年を過ぎたら点検をしましょう。
なぜなら破風板は屋根に付属している紫外線や風を強く受ける傷みやすい場所だからです。
また、屋根や破風板は高所にあるのでご自身で劣化を確認するのが難しい場所になります。
そのため築5年を過ぎたら、塗装の専門業者に点検を依頼しましょう。
ご自身では確認しづらい場所なので点検の際に業者に写真を撮って見せてもらうようにしましょう。
3-2 素地が傷む前に塗装する
破風板に初期症状が見られたら塗装を依頼しましょう。
なぜなら破風板が傷んでしまった後に塗装しても数年で塗装が剥がれてしまうからです。
破風板が退色してきたら塗装の時期ですので、点検の際に写真を見せてもらい退色が確認出来た場合や、破風板を触ってもらい手に色が付く状態になっていたら早めに塗装を依頼しましょう。
■劣化の初期 ・退色(色褪せ)
■劣化の末期 ・コケ ・剥離 |
3-3 傷んでしまったら板金巻きをする
点検の際に破風板が末期症状の状態だった場合は、塗装ではなく板金巻きをしてもらいましょう。
なぜなら傷んでいる状態で塗装しても数年で剥がれてしまう可能性が高いからです。
再び塗装してもまた剥離が起きてしまってはもったいないですよね。
点検で末期症状が確認出来たら、塗装ではなく板金巻きを依頼しましょう。
まとめ
いかがでしたか。
破風板の剥離は、最初は業者による施工不良なのではないかと心配されるのではないでしょうか。
しかし、実際は破風板自体の劣化が原因の場合が多く、劣化の状態を把握することが大切です。
破風板は高所で確認しにくい場所なので、定期的に専門業者に点検してもらいましょう。
そして劣化を進行させる前にメンテナンスを行ない再剥離を防いでいきましょう。
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お読みいただきありがとうございました。