自分で塗装をお考えのあなた。
塗料を購入しようとした際に「1液」と「2液」の2種類があってどちらを選べばいいのか分からず迷われているのではないでしょうか。
専門的で難しく思えるこの「1液」と「2液」ですが、実はそれほど複雑なものではありません。
この記事では塗料における「1液」と「2液」の違いやそれぞれの特徴について初心者の方でも分かるように丁寧にご紹介していきます。
この2種類の違いが分かればご自身の目的や要望に合った塗料を選ぶことが出来るようになります。
さらに、記事の後半ではどちらを選べばいいのか分からない方のために塗料選びのポイントもご紹介しますのでぜひ最後までご覧ください。
1液と2液の違いを理解し、適切な塗料を選べるようにしていきましょう!
目次
1章 塗料における1液と2液とは
まずは「1液」と「2液」の塗料とは何かをご紹介していきます。
塗料における「1液」「2液」の大きく違う部分は、「使用時に必要な材料の缶数」です。
主剤塗料+希釈剤(水又はシンナー)で塗装するものを「1液」
主剤塗料+硬化剤+希釈剤(水又はシンナー)で塗装するものを「2液」と言います。
水性塗料の場合は塗装する際に水を混ぜるので、
水性1液は「主剤」と水、
水性2液は「主剤」と「硬化剤」と水を混ぜて塗装を行ないます。
油性塗料の場合は塗装する際にシンナーを混ぜるので、
油性1液は「主剤」とシンナー
油性2液は「主剤」と「硬化剤」とシンナーを混ぜて塗装を行なっていきます。
また、1液と2液の塗料は「ウレタン」「シリコン」「フッ素」「無機」などのグレードにそれぞれあります。
そのため塗料を選ぶ際は、①塗料のグレードを選び、②水性か油性かを選び、③1液か2液かを選ぶという流れで塗料を選択していくのが一般的です。
2章 1液と2液の特徴を徹底比較
この章では1液と2液を比較してそれぞれの特徴をご紹介します。
どちらを選べばいいか迷っている方は、塗料を選ぶ前にそれぞれの良い点・悪い点を把握しておきましょう。
2-1 価格が安いのは「1液」
1液と2液の塗料を比べたときに価格が安いのは「1液」の塗料です。
なぜなら、1液の塗料は主剤のみですが、2液はプラスで硬化剤が必要になるからです。
さらに水性の1液であればシンナーの用意も不要なので、必要なのは主剤の塗料のみの金額になります。
2-2 耐久性が高いのは「2液」
耐久性が高いのは「2液」の塗料です。
1液と比較して、2液は硬化剤を混ぜて塗装するので、塗膜が強固になり耐久性が高くなります。
外壁塗装や屋根塗装など出来るだけ長持ちさせたい塗装は2液が多く用いられます。
2-3 手間がかからないのは「1液」
作業の手間がかからないのは「1液」の塗料です。
2液と違って、1液は蓋を開けてすぐに使用することが出来ます。
特に水性の1液の塗料は主剤の塗料のみ準備すればいいので、準備に時間がかからず手軽に塗装する事が出来ます。
それと比べて2液の塗料は、硬化剤を既定の量を測って混ぜる必要があるので、塗装初心者の方にとっては手間と時間がかかります。
2-4 使用可能範囲が広いのは「2液」
使用が出来る範囲が広いのは「2液」の塗料です。
硬化剤を混ぜることによって塗装出来る範囲が広がります。
▪1液の施工可能場所…コンクリート・サイディング・モルタル・木 ▪2液の施工可能場所…コンクリート・サイディング・モルタル・木・ALC・メッキ・GRC(ガラス繊維補強セメント)・アルミ・ステンレス |
様々な場所を塗装したい場合は、「2液」の塗料を選ぶのが良いでしょう。
※塗料によって施工可能箇所は変わるので、用途に合った塗料を選びましょう。
2-5 次の日も使えるのは「1液」
次の日も同じ塗料を使用できるのは「1液」の塗料です。
2液の塗料は使用する分のみ混ぜないと次の日に使用することが出来ません。
2液の塗料で数日間に分けて塗装する際は、その日に使用する塗料の量を考えて使っていきましょう。
★「1液」と「2液」の注意点 価格が安い1液と耐久性が高い2液の主剤の塗料は同じものではありません。 1液の塗料に硬化剤を混ぜて使用したり、2液を主剤のみで使用することはできませんのでご注意ください。 |
3章 要望に合わせた塗料の選び方
1液にするか2液にするか迷っている方のために塗料の選び方をご紹介します。
塗料にはたくさんの種類がありますのでご自身の目的に合った塗料を選んでいきましょう。
3-1 手軽に塗装したいなら1液
手軽に塗装したい方は1液の塗料がおすすめです。
価格が安く、手間がかからずに使用することが出来ることからDIY塗装で多く用いられます。
自分で小さい椅子や棚などを塗装する際など1液塗料を選ぶと良いでしょう。
3-2 長持ちさせたいなら2液
塗装を長持ちさせたい方は2液の塗料がおすすめです。
1液よりも価格が高く手間もかかりますが、強固な塗膜を作ることが出来ます。
また様々な素材に塗装することが出来るので、塗りたいものを綺麗に塗れるメリットがあります。
ただし、硬化剤をきちんと測って、十分に混ぜて塗装する事が重要になるので丁寧に作業する必要があります。
時間をかけても長く持たせたいという方は2液の塗料を選びましょう。
4章 プロに依頼するなら2液を使ってもらおう
プロに塗装を依頼する場合は2液の塗料を使用してもらうのがおすすめです。
特に屋外のもの(外壁や屋根、ウッドデッキなど)は紫外線によって劣化のスピードが速くなります。
そのため、耐久性の高い塗料で塗装してもらわなければ再度塗装が必要になってかえって費用がかかってしまいます。
耐久性重視の場所はプロに塗装を依頼し、2液の塗料で長持ちさせていきましょう。
※ただし、塗料によっては2液がない種類もあります。
★プロに依頼する際は塗料の説明をしてもらおう 塗装をプロに依頼する際は、どんな塗料を使うのか、何年持つのか、保証は何年かなど細かい説明をしてもらいましょう。 なぜならどんな塗料を使うか分からないと、見積もりの価格が適正なのかも判断できないからです。 塗料のカタログを見せてもらいながら丁寧に説明をしてくれる業者を選びましょう。 |
まとめ
いかがでしたか。
最後にこの記事をまとめます。
1液と2液の差は、使用時に必要な材料の数です。
1液は主剤と水(又はシンナー)を混ぜて使用します。
2液は主剤と硬化剤と水(又はシンナー)を混ぜて使用します。
1液と2液のそれぞれの特徴は以下の通りです。
塗料を選ぶポイントは以下の通りです。
・手軽に塗装したい方は価格も安く手間もいらない「1液」がおすすめ。
・長持ちさせたい方は手間はかかるけど強固な塗膜がつくれる「2液」がおすすめです。
屋外の塗装(外壁や屋根、ウッドデッキなど)をプロに依頼する場合は、耐久性の高い2液を使ってもらうようにしましょう!
ご自身に合った塗料で満足のいく塗装にしていきましょう!
最後までご覧くださりありがとうございました。
◆場所別に塗料を選ぶとより要望に沿った仕上がりになります。
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