「わが家はもう寿命…?木造だし、そろそろ建て替えてないといけないの?」
と不安になって調べている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
大切なお家ですし、できれば長く住み続けたいですよね。
「木造住宅の寿命は30年」という話もよく耳にしますが、これは”家は30年で住めなくなる”わけではありません。
住む人のライフスタイルの変化で、”まだ住めるけれど30年前後で建て替えを選ぶ人が多い”というだけのことです。
実際には木造住宅はもっと長持ちします。
ただし長く住み続けるためには、メンテナンスが必要です。
そこでこの記事では、木造住宅の寿命を延ばす、お家を長持ちさせるためのコツを3つ紹介します。
また、住み続けるには水回り、外壁、屋根など、様々な箇所のお手入れが必要です。
具体的にいつどこをメンテナンスすればいいのかを、築年数ごとにまとめました。
あなたのお家の築年数にあわせて、適切なメンテナンスをしていきましょう。
この記事を読むことで、今のお家を大事にして、長く住み続けられるようになります。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
1章 木造住宅はメンテナンスで80年持つ
木造住宅本来の寿命はおよそ80年です。
こんなに長いのは意外かもしれませんが、実は木材は湿気・腐敗さえ防げば、良い状態を長く保てる素材なのです。
逆に、お家に湿気を入れてしまえば、湿った木材を好むシロアリが発生したり、家を支える木材が腐って弱くなったりして、寿命が短くなります。
そのため、木造住宅の寿命を延ばすには定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
よく耳にする「木造住宅の寿命は30年」というのは、実は”実際にお家が取り壊される年数の平均”であって、”お家本来の平均寿命”ではありません。
ハウスメーカーが『3世代住宅』『100年住宅』などと謳っているのも決して誇張ではなく、お手入れすればそれだけ持つようなしっかりした設計をしています。
しかし暮らす人のライフスタイルの変化などから、実際はそこまで住み続けない人も多いというだけなのです。
30年以上ずっと住みたいと思うなら、適切なメンテナンスをすることで、あなたのお家ももっと長持ちさせることができます。
次の章から、長持ちさせるためには具体的にどのようにすればいいのかを紹介していきます。ぜひ実践してみてくださいね。
2章 木造住宅を長持ちさせるコツ3選
80年住めるお家にするには、日々のお手入れが必要不可欠です。
そこで、お家を長持ちさせるためのコツを3つ紹介します。
手軽に出来る順で紹介していくので、ぜひ取り入れてみてください。
2-1 こまめに掃除する
お家にとっては、日々のお手入れが大切です。
特に水廻り・雨どいは特に意識して掃除するようにしましょう。
なぜこの場所かというと、水廻りは漏れや異臭、雨どいは詰まりや割れに早く気付くことができるからです。
内外で排水がうまくいかないと、お家に湿気が溜まる原因になります。
頻度としては、水回りは数日に一回、雨どいは年に1回は掃除してあげましょう。
水廻りは乾燥を保つのは難しいですが、水漏れや浸水がなくじめじめしてない状態がベストです。
使った後はきちんと片づけ、カビなどが目立つときには換気を増やすなど、何気ないことですがやってあげましょう。
雨どいは、砂、泥、落ち葉、ごみ等が詰まることが意外とあります。
雨の時に水が溢れているところがないかチェックし、詰まりは清掃用パイプなどを使って取り除いてあげましょう。
★雨樋の詰まりの掃除方法について、詳しくはこちらをご覧ください。
→雨樋の詰まりを解消!3つの原因と自分でできる掃除方法&対策グッズ
2-2 専門業者に定期点検を依頼する
年に1回は、建てた会社or専門業者にお家の定期点検を依頼するようにしましょう。
専門業者とは、リフォーム全般を扱っている業者のことです。
なぜ専門業者に依頼すべきかというと、何か異常が見つかったときに早めに対処でき、傷みや修繕費用を最低限に抑えることができるからです。
見てもらう際は、お家全体の外回り、床下なども見てもらいましょう。
また、自分だけではなかなか見ることが難しい、2Fや屋根まわりを見てもらえる所がベストです。
早期発見・対処するため、必ず見てもらうようにしましょう。
このサイトを運営するユーコーコミュニティーでは、無料でお家の全体点検を行っています。
外壁塗装から内装リフォームまで、さまざまなリフォームを扱っており、何かお家に異常があれば、必要なリフォームを提案することが可能です。
また塗装を専門とする会社に依頼するメリットは、プロの目線で外壁・屋根からお家全体まで見ておくことでメンテナンスの有無を見極められ、雨漏りを予防できるという点です。
実は、外壁と屋根は何もせず放置していると雨漏りの原因になってしまうことが多い場所です。
リフォームというと、お家の中の工事をイメージする方が多いかもしれません。
しかし、外側からしっかりとメンテナンスすることが、結果的にお家を長持ちさせることにつながります。
どこに依頼したらいいのかわからない…という方は、ぜひ弊社にお問い合わせください。
2-3 定期的にリフォームやメンテナンスを行う
お家はできるだけ、何か壊れた、傷んだ、となる前に定期的にメンテナンスをしてあげましょう。
なぜなら、傷んでからでは周りの部材にも影響が広がっているかもしれないのと、気づいたときにはもう寿命が縮んでしまって、直すには大規模な工事が必要かもしれないからです。
例えば外壁なら、築後5~10年目ごろ、大きなひび割れなどが出るまえに塗装するのがベストです。
メンテナンスの目安になる年数・サイクルは部位ごとに違います。
具体的に何年くらいでどこをお手入れすべきかを、次の章で解説していきます。
3章 【築年数別】メンテナンススケジュール&費用相場
お家の築年数ごとに、どこをメンテナンスすべきなのか表にまとめました。
メンテナンスすべきタイミングを知っていると、必要なお金の計算もしやすくなり、計画的なメンテナンスが出来るようになります。
表を参考に、状況にあったメンテナンスをしていきましょう。
3-1 築10~15年目
場所 | 費用 |
外壁塗装 | 80~120万円(180㎡) |
屋根塗装 | 42~50万円(80㎡) |
クロス(壁紙張替え) | 14~23万円(10畳50㎡) |
シロアリ工事 | 約15万円(30坪2階建て) |
ベランダ防水 | 約8~12万円(10㎡、ウレタン防水) |
外壁塗装・屋根塗装は、塗料のグレードによりますが、約10年に一回が目安です。
ベランダ防水も工法により耐用年数が違ってきますが、一番メジャーなウレタン工法で施工した場合は7~10年に1回となります。
壁紙も、汚れや剥がれなどが気になるところは張り替えましょう。
3-2 築16~20年目
場所 | 費用 |
給湯器 | 20~30万円 |
洗面化粧台 | 15~30万円 |
レンジフード | 約10万円 |
トイレ本体 | 20~40万円 |
シロアリ工事 | 約15万円(30坪2階建て) |
築16年~20年目で給湯器や化粧台、レンジフード、トイレ本体が寿命を迎えます。
シロアリ工事は5年に1回が目安なので、15年目で工事した場合は、築20年を目安に行うようにしましょう。
3-3 築21~25年目
場所 | 費用 |
外壁塗装 | 80~120万円(180㎡) |
屋根塗装 | 42~50万円(80㎡) |
クロス(壁紙張替え) | 14~23万円(10畳50㎡) |
キッチン交換 | 50~150万円 |
ユニットバス交換 | 50~100万円 |
シロアリ工事 | 約15万円(30坪2階建て) |
ベランダ防水 | 約8~12万円(10㎡、ウレタン防水) |
20年を超えると、キッチン・ユニットバスも劣化が出てくるようになります。
水漏れなどから大きな故障になる前に、ライフスタイルに合わせた設備に交換することで、より快適な暮らしができるようになります。
3-4 築26~30年目
場所 | 費用 |
フローリング交換 | 40~50万円(60㎡) |
シロアリ工事 | 約15万円(30坪2階建て) |
ベランダ防水 | 約8~12万円(10㎡、ウレタン防水) |
混合水栓※ | 30~70万円(30坪2階建て) |
※混合水栓とは、洗面台・キッチン、浴室等にある蛇口のことでお湯と水を混合して流せる水栓器具のことです。
30年近くなると、よく使うお部屋のフローリングなどが傷んでくることが多いです。
たわみ、軋みなどがあれば床の張り替えをしてあげましょう。
3-5 築31年目以降
場所 | 費用 |
外壁塗装 | 80~120万円(180㎡) |
屋根塗装 | 42~50万円(80㎡) |
屋根葺き替えorカバー | 100~200万円(80㎡) |
水道管・配管交換 | 20~50万円 |
シロアリ工事 | 約15万円(30坪2階建て) |
クロス(壁紙張替え) | 14~23万円(10畳50㎡) |
給湯器交換 | 20~30万円 |
築31年目以降で、屋根材が寿命を迎えます。
屋根の下地が雨漏りしている場合は葺き替え、そうでない場合や予算を抑えたい場合はカバー工事を行いましょう。
また水回りの配管なども傷んでくることがあります。
水漏れやカビ臭さが気になったら、配管回りもしっかり点検してもらい、必要に応じて交換や修理をしましょう。
4章 寿命が近づいたら全面リフォームor建て替え
メンテナンスをしていても、いつかは寿命がやってきます。
さすがにもう年数かな、あちこちずっと修理ばかりに追われているなと感じたら、全面リフォームまたは建て替えを行いましょう。
「全面リフォーム」はお家の構造物(柱や梁など)を残したまま行う工事で、
「建て替え」は基礎の部分からすべて取り壊して作り直す工事です。
それぞれのメリット、デメリットと、どんな人におすすめなのかをまとめました。
工事期間や費用相場も一緒に紹介するので、お家の状況と予算を考えながら選びましょう。
■全面リフォーム
メリット | ・リフォーム中の仮住まいや引っ越しが不要なケースもある。 ・建て替えよりはリフォーム費用が抑えられる可能性がある。 ・建て替えに比べ、工事期間が短い。 ・各種税金(不動産取得税、固定資産税、都市計画税、登録免許税等)の軽減ができる。 |
デメリット | ・住宅の大きさは変わらないので、大きな間取り変更はできない。 ・残した基礎や構造物の補強が必要な場合は、費用が高額になるケースがある。 |
こんな方にお勧め | ・建ぺい率※がいっぱいで、建て替えても広さは変わらない。 ・地盤や建物の構造物に致命的な問題がない。 ・仮住まいの用意や引っ越しはしたくない。 |
工事期間 | 約1か月 |
費用目安 | 約300~2,000万円(内容により前後します) |
- ※建ぺい率とは、敷地面積に対して定められた建築物の面積の割合のことです。
- 土地の用途によってことなりますが、約30~80%の割合で定められています。
- 例えば、1000㎡の土地で建ぺい率が50%の場合、真上からみた面積が500㎡までの建物なら建てられるということになります。
■建て替え
メリット | ・間取りの細かいところまで変更が可能。 ・最新の法律基準で建てるので、耐久性や機能面で充実した家にできる。 ・建物自体の強度を増すことができる。 ・今の生活スタイルにあった家にできる。 |
デメリット | ・全面リフォームよりも工事期間が長くなる。 ・建て替え中の仮住まいや引っ越しが必要。 ・今まで住んでいた家の解体費用が掛かる。 ・お家の建築条件によっては、建て替えが選択できない場合がある。 ・各種税金(不動産取得税、固定資産税、都市計画税、登録免許税等)がかかる。 |
こんな方にお勧め | ・すでにシロアリ被害にあっている。 ・地盤や建物の構造物に致命的な問題がある。 ・家の広さ、間取りなどを大きく変えたい。 |
工事期間 | 約4~6か月 |
費用目安 | 約1,000~4,000万円(内容により前後します) |
まとめ
木造住宅の本来の寿命は80年です。
ただし、80年長持ちさせるには日々のメンテナンスが必要不可欠です。
建ててからそのままにしていると、お家の部材に不具合が発生し、そこからお家自体の寿命を縮めてしまう原因となります。
年に1回は専門業者に定期点検を依頼し、なにか壊れたり傷んだりする前に必要なところはリフォームやメンテナンスができる状態にしておきましょう。
また、寿命が近づいてきた場合は建て替えか全面リフォームを行います。
間取りの自由度や費用、工事期間などもそれぞれ異なりますので、予算やお家の条件にあったものを選びましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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