外壁塗装の保証期間って、一般的に何年くらい?
たまにチラシで見る「10年保証」って信用していいの?
と、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
保証というと、期間が長いほうが嬉しい!と思うかもしれませんが、実はそうと言い切れません。
外壁塗装の保証にも、相場の年数があります。
あまりにも長すぎる保証期間は、逆に信頼度が低い可能性も。
さらに、外壁塗装の保証は内容にもいくつか種類があるので、年数だけで良し悪しを判断することができません。
そこで本記事では、外壁塗装の適切な保証期間を、塗料の種類別にまとめました。
意外と知られていない保証内容の種類と違いも分かりやすく解説。
最後には、保証も含めた信頼できる業者の見極めポイントも紹介します
この記事をお読みいただければ、本当に信頼できる保証内容の業者を見極めることができます。
安心の塗装工事を行うために、どうぞ最後までご覧ください。
目次
1章 外壁塗装の正しい保証期間【一覧表】
外壁塗装の適切な保証期間は、塗料の耐用年数によって変わります。
基本的には、「耐用年数の3~4割程度」と考えておきましょう。
また同じ塗料でも、紫外線の影響を受けやすい屋根の方が劣化が早いため、保証期間も短くなることが多いです。
■塗料の種類と保証期間の一覧表
思ったより短い?と思われるかもしれません。
しかし保証期間とは本来、「普通ならば問題が起こらない年数」が設定されるものです。
例えば家電製品でも、10年くらい使える冷蔵庫の保証期間は1~5年程度ですよね。
この考え方は外壁塗装においても同様です。
たまに、「うちはすべての工事で10年保証ですよ!」や
「10年持つ塗料だから10年保証します!」という業者さんもいるようですが、
さすがにオーバートーク気味で、信頼性に欠けると思われます。
また、長期保証だと思ったら保証内容が思ったのと違っていた、という事例もあります。
次の章では、実は保証期間よりも重要な、保証内容について解説します。
2章 保証の2つの種類
意外と知られていないのが、外壁塗装の保証には種類がある、ということです。
実は塗装の保証は、業界での決まりは特にありません。
ほとんどの場合、業者がそれぞれ好きなように設定しています。
「保証って、何か不具合が出たら無料で直してくれることでしょ?」と思っている方は、必ずお読みください。
実際には業者によって細かい点が異なることも多いですが、代表的な2パターンご紹介します。
2-1 塗膜剥離保証(塗膜保証)
『塗膜剥離保証』とは、塗装工事に不具合があって塗膜が剥がれてしまったときに対応してくれる保証のことです。
皆さまが一般的に想像する内容がこれに近いと思います。
1章でお伝えした保証期間も、この剥離保証の相場年数です。
「保証が付きます」と言われた場合は、まずは「塗膜剥離保証のことですか?」と確認するようにしましょう。
ただし、塗膜剥離保証には保証対象外となる場合(免責事項)があります。
例えば塗装が剥がれてきたとしても、
- ・自然災害や事故
- ・建物の構造上の欠陥
- ・経年劣化
が原因の場合は、対象外です。
保証対象はあくまで”塗装工事(作業)に問題があって剥がれた場合“となります。
また、“剥離保証”という名前の通り、対象は「塗膜の剥がれ」に限定されることが多いです。
- ・ひび割れが起きた
- ・カビやコケが生えてきた
などの症状は経年劣化や災害によるものと区別できないため、保証対象外となることが多いので、注意しましょう。
このほか、保証箇所も対象、対象外があります。
- ・シーリング(コーキング)上の塗膜
- ・付帯物(屋根・外壁以外の細かいパーツ)の塗膜
は対象外のことが多いです。
なぜなら、シーリングや付帯物は素材が屋根外壁とは違って伸縮しやすいため、そこの塗膜が伸縮についていけず、どうしてもひび割れたり剥がれたりしてしまう場合もあるからです。
このようなときは補修には別途で費用がかかりますので、注意しましょう。
以上のような免責事項もあるのが、一般的な塗膜剥離保証です。
「なんでも無料で直します!」というのは逆に誠実さに欠けていて怪しいので、剥離保証の詳しい内容については、事前に業者に聞いておきましょう。
また免責事項は保証書に記載されますので、気になる方は保証書のサンプルを見せてもらうと安心です。
2-2 アフター点検保証
『アフター点検保証』とは、工事後も無料で点検を実施する保証です。
点検は本来、移動時間や人件費がかかるため、お金が発生します。
特に、お家から遠くにある会社やハウスメーカーなどは、工事後の点検は有料になることが多いです。
また業者によっては、工事が終わった後一切来ない、連絡がないというところもあるので、
アフターケアも気になるという方はこの保証も付いているか確認しましょう。
ただ、こちらはあくまで「点検」が無料なだけです。
もし何か不具合が見つかったら補修には別途お金がかかる可能性がありますので、そこはどうなっているのか、塗膜剥離保証とセットになっているのか、等チェックしましょう。
3章 実は重要!『だれが』保証を出すか
塗装の保証では、だれが(どこが)保証をしてくれるのか、という点もとても重要です。
それによって保証の信頼度が変わってくるからです。
保証期間、保証内容と合わせて、だれが保証するのかもチェックしておきましょう。
3-1 施工店保証
『施工店保証』とは、工事をする塗装業者自身が出す保証です。
一般的な保証はほとんどこちらになります。
施工店保証は、業者が自分たちで発行するものなので、保証期間や内容も業者が自由に決められます。
例えば、
- ・塗膜剥離保証
- ・塗膜剥離保証とアフター保証がセットになったようなもの
- ・保証で対応できる修理費用の上限が決まっているもの
- ・アフター保証のみ
など、業者によって様々な形のものがあります。
ただ注意としては、その業者が廃業してしまったら保証も効力がなくなってしまう点があります。
10年保証をもらっても、10年後にその会社がなければ、ただの紙になってしまうのです。
長期の保証を検討している方は、その業者がきちんと存続できるような安定した会社か、というところはチェックしておきましょう。
3-2 塗料メーカー保証
『塗料メーカー保証』とは、文字通り、塗料を作っているメーカーが施工店と一緒に保証をしてくれるものです。
こちらの方が、保証としての信頼度は非常に高いですが、出せる業者はごく一部に限られます。
そもそも塗装でメーカー保証は、基本的に出せません。
なぜなら、どんなに良い塗料を開発しても、現場の職人が正しく使っているかを、メーカーは逐一チェックできないからです。
本当は10年持つ塗料でも、職人が仕様よりも薄めて使ってしまったら保証は出せないのです。
しかし一部の塗装業者では、施工の技術力や会社の信頼性を認められ、使った塗料の量の記録や報告などを行うことで、メーカー保証がつくところがあります。
内容は一般的な塗膜剥離保証のことが多いですが、施工店保証だけのところよりは信頼度が高いといえます。
メーカー保証が出せる業者=メーカーという第三者に認められている、信用力のある業者
と捉えることができるので、
もし似たような保証内容ばかりで迷ったら、「メーカー保証はありますか?」と聞いてみましょう。
ないよりは、ある会社のほうが信頼度が高いと言えます。
※すべての塗料にメーカー保証が出るわけではありません。 メーカー保証を付けたい場合は、対象にできる塗料はどれなのか必ず業者に確認しましょう。 |
4章 保証は年数ではなく内容が肝心
ここまでお伝えしてきた通り、外壁塗装の保証は、保証期間の年数だけで良し悪しを判断することはできません。
内容や保証の信頼度は、業者によって変わってしまうからです。
例えば、
・「長期10年保証!」と広告に書いてあったが、よくよく内容を聞くとアフター点検保証のことで、不具合への補修はお金がかかる
・なんでも直してくれる保証が付く!と思っていたら、採算が取れなくなって数年後には会社が倒産していた
…ということもありえます。
本当に安心できる保証とは、適切な保証期間、内容、そして会社の信頼度などを総合的に見なければわかりません。
絶対に、年数だけで比較しないようにしましょう。
5章 信頼できる業者の見極め3ポイント
最後に、保証の内容以外の点でできる、業者の信頼度チェックポイントをご紹介します。
信頼できる、工事品質が高い業者は、それに見合う取り組みをきちんと行っています。
安心して工事を任せられる業者を見極めるために、ぜひ確認してみてくださいね。
5-1 契約前に保証内容の説明がある
保証期間や内容については、こちらが聞かなくとも事前に説明をしてくれる業者だと安心です。
こちらが想像していた保証内容と実際のものが食い違ってしまうと、工事後トラブルのもとになってしまうからです。
きちんとした業者であれば、こうしたトラブルを避けるためにも説明があります。
あるいは、見積書や契約書に保証についても記載があります。
逆に、聞かれるまで何も言わないようなところは注意しましょう。
保証も契約の中に入っていることがほとんどなので、思っていたのと違う!となっても契約後に保証だけを変更させることは難しいからです。
必ず、契約する前に保証内容については説明をもらっておきましょう。
5-2 工事中に二重チェックがある
監督部門や品質管理部門など、”職人以外”もチェックに入ってくれる管理体制が整っている業者を選びましょう。
塗装工事は職人が行う手作業だからです。
どんなに熟練の職人でも人間ですから、ミスがゼロになることは難しいため、2重チェックが重要です。
そして保証とは、業者が「自分たちの仕事の品質に自信をもっている」という証拠でもあります。
チェックや管理ができていないのに保証だけが手厚いというのは、かえって怪しいですよね。
2重チェックは手間がかかりますが、それだけ品質を大切にしているということです。
工事中の管理体制がしっかりしている会社に選びましょう。
5-3 塗料使用量の記録を取っている
工事1軒ごとに使った塗料の量を記録に残しているか、確認してみましょう。
塗料が本来の性能を発揮するには、メーカーに定められた正しい使用量を守る必要があるからです。
どの塗料も、1㎡あたりこのくらい使ってくださいね、という量がカタログ等に書いてあります。
■塗料カタログ 仕様書の例
出典:アレスクール2液Si
塗料は薄めてしまってはダメですし、たくさん塗りすぎても良くありません。
メーカーが定めた適正な使用量をきちんと守る業者かどうか、記録の有無をチェックしましょう。
★ユーコーでは塗料使用量を管理し、多数のメーカー様から保証をいただいています。 当ブログ運営元のユーコーコミュニティーでは、各現場で使った塗料の量を記録シートにまとめ、塗料販売店のチェックも通して塗料メーカーへ報告。 会社の管理体制や職人の技術レベルも評価していただき、国内7社もの塗料メーカーから保証を出すことができます。 仕様をきちんと守った正しい塗装工事をお求めの方は、ぜひ一度ユーコーにお声がけください! |
まとめ
外壁塗装の保証期間は、長ければ良いわけではありません。
適切な年数の目安は以下の通りです。
また、塗装の保証には「塗膜剥離保証」「アフター点検保証」といった種類の違いがあります。
保証内容が全く異なるので、皆さまが思い描いていたものと食い違いが出ないよう、必ずチェックしましょう。
さらに、保証はだれが出すかによっても信頼度が違います。
「施工店保証」なのか「塗料メーカー保証」も出せるのか、確認しておきましょう。
結局、外壁塗装の保証は年数より内容の方が重要です。
信頼できる業者を見極めるために、
- ・契約前に保証内容の説明がある
- ・工事中に二重チェックがある
- ・塗料使用量の記録を取っている
というポイントは押さえておきましょう。
これからも長く住む大切なお家だからこそ、保証が気になると思います。
保証期間だけに騙されず、本当に適切な保証の業者に出会うために、お役に立てれば幸いです。
最後までお読み下さりありがとうございました。
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