外壁塗装の見積もりを取ったけれど、軒天塗装は本当に必要?
そもそも軒天塗装って何?
聞きなれない言葉があると、戸惑ってしまいますよね。
結論から言うと、軒天塗装は必要です。
なぜなら軒天はお家の美観や耐久性に関わる大切なパーツの一つで、塗装しないと劣化してしまうからです。
軒天とは、屋根の真下部分にある部材です。
軒下、軒天井ともいいます。
屋根裏の湿気を逃がしたり、外壁に水が当たるのを防ぐ役割をもっています。
外壁や屋根と同様に雨や紫外線の影響で劣化してしまう為、塗装が必要な個所の一つです。
普段なかなか目につきにくい場所の為、ここも塗るの?と疑問に思う方も多いかとおもいます。
そこでこの記事では、軒天塗装が必要な理由をプロの目線で紹介します!
また塗装が必要な時期かどうか判断できる劣化症状、工事の工程、費用相場、注意点など、全体的に解説していきます。
読むことで、軒天塗装に関する疑問を解決した上で工事を任せられるようになります。
お家にとって最高の塗装工事にしていきましょう。
補足:屋根の真下以外も軒天という場合がある 屋根の真下以外でも、ベランダ床の真下(ベランダ軒)、玄関ポーチの天井部分(玄関軒)などもまとめて「軒天」という場合もあります。 |
目次
1章 軒天塗装が必要な3つの理由
軒天塗装をすべき理由は大きく3つあります。ひとつずつ紹介していきます。
1-1 塗装しないと軒天が傷んでしまう
軒天は経年劣化で傷んでしまうため、塗装によるメンテナンスが必要です。
放っておくと素材が湿気を吸い込み続けて、カビや表面の剥がれ、破損を引き起こすからです。
傷んだままにしておくと劣化が進み、塗装では直せない状態になって、交換工事が必要となってしまいます。
交換工事は場合によっては数万~30万円ほどになってしまうこともあり、塗装よりも高額で非常にもったいないです。
軒天の傷みを防いで余計な出費を出さないためにも、必ず塗装を行いましょう。
■傷んでしまった軒天
表面が剥がれたり水がまわってしまうと、交換が必要となります。こうなる前に塗装を依頼しましょう。
1-2 軒天の劣化で周りの部材まで傷んでしまう
軒天の劣化をそのままにすると、周囲の他の部材まで傷んでしまいます。
劣化部分から湿気や水分が家の内部に侵入してしまうからです。
軒天は家の高いところにある部材です。
侵入した水は重力に従って下へ下へと伝っていきますので、他の部材への影響も広がりやすいのです。
そうして周りの部材に被害が広がると、最悪の場合、修繕費用に数十万も掛かってしまうケースもあります。
塗装を行っていれば、湿気や水分で周りまで傷んでしまう心配がなくなります。必ず軒天の塗装を行いましょう。
1-3 家の美観を大きく損なう
軒天の劣化は、家の美観(見た目)を著しく損ねてしまいます。
なぜなら、軒天は家の高い位置に一周ぐるりとめぐっており、実はとても目に入りやすい場所だからです。
普段あまり意識しない場所ではありますが、特に軒天が傷んだままだと家全体が古く見えてしまいます。
また、外壁塗装の際に軒天のみ塗装しなかった場合、外壁が綺麗になる分、傷んだ軒天がさらに目立ってしまう恐れがあります。
お家の美観を保つためにも、必ず軒天塗装を行いましょう。
2章 当てはまったら塗装必須!4つのチェックポイント
軒天塗装が必要な症状を5つ紹介します。
1つでも当てはまったら、塗装を業者に依頼しましょう。
2-1 色褪せ
経年劣化により、色あせが発生しています。
比較的軽い劣化症状ですが、この早めの段階で塗装することで軒天の劣化を抑え、長持ちさせられます。
2-2 軒天塗装の剥がれ
軒天表面の塗装が剥がれてきていたら、塗装が必要な時期です。
剥がれた箇所から水分や湿気が入り、軒天だけでなくお家の中まで傷んでしまうためです。
■軒天自体が剥がれている場合は交換+塗装
軒天ごと剥がれてしまっている場合は、交換と塗装どちらも必要です。
2-3 カビ
軒天は日が当たりにくい箇所の為、カビが発生しやすいです。見つかった場合は塗装が必要です。
そのままにしていると、苔やカビが繁殖し、軒天に湿気や水分が溜まったままになってしまうためです。
湿気や水分が溜まったままだと、お家の耐久性が大きく下がってしまいます。
カビ苔を防いで建物を長持ちさせるためにも必ず塗装が必要です。
2-4 穴があいている
軒天に穴があいてしまっている箇所が1つでもある場合は、早急に軒天の交換と塗装工事が必要です。
穴があいたままになっていると、水が侵入してしまう他、鳥が巣をつくってしまい、糞などで家が汚れてしまう危険もあるためです。
万が一そうなると、鳥の巣にはノミやダニがたくさんついている為、お家の中にまでノミ・ダニが侵入してきてしまう恐れがあります。
3章 軒天塗装の工程
軒天塗装の工程を紹介します。
軒天塗装を単体で行った場合、約6日間程度(足場の設置・解体含む)かかります。
※雨天時は作業が出来ないため、これよりも長引く場合があります。
①足場仮設 工期:半日
足場を組み立てます。基本的に軒天は2m以上の高所の為、足場の上で作業することが法律で義務付けられているためです。
外壁や屋根と同時に塗装する場合は、同じ足場を使用します。
②下地処理 工期:1~1.5日
剥がれかけている古い塗膜があれば、ヤスリ等で落としてから塗装します。そのまま塗装すると、後から剥がれてしまう原因となるためです。
③下塗り 工期:1日
外周から軒天用の塗料を塗装します。ここでは塗料のはみ出しを防止するため、テープを端に貼っています。
④上塗り 工期:1日
下塗りが乾燥したら、もう一度塗装します。
⑤手直し・清掃 工期:1日
テープを剥がし、塗り残しがあれば修正します。周りの清掃も一緒に行います。
⑥足場解体 工期:半日
足場を解体し、工事完了です。
※⑤の手直し・清掃から数日後の解体になる場合があります。足場は予約制で、空き状況や完成の時期に合わせて予定を組むためです。具体的な日数は業者に確認しましょう。
補足:軒天塗装のDIYはNG! 軒天塗装は必ず塗装業者に依頼しましょう。理由は2つあります。
①常に上を向いた状態で不安定な姿勢での作業となり、転落の恐れがあるため DIYをする場合、脚立の上で作業される方が多いかと思いますが、足を踏み外してしまう場合があるのでお勧めできません。
②狭いスペースの塗装が難しい 塗装箇所によっては、塗装用の刷毛が届きにくく綺麗に仕上がらない場合があります。 また、刷毛が届かない場所とそうでない場所でムラが出来てしまうと見た目が悪くなるだけでなく、施工後に不具合が出てしまう恐れがあります。
安全に工事を終わらせ、失敗をなくすために必ず塗装業者に依頼するようにしましょう。 |
4章 軒天塗装工事の費用相場
軒天塗装工事の費用相場を紹介します。
適正価格を知って、高すぎる見積もりで損をしてしまったり、安すぎる見積もりを選んで質の悪い工事になるリスクを避けましょう。
■費用相場一覧
※使う材料や施工面積、人件費によって価格は変動します。
軒天塗装を単独で行うよりも、屋根や外壁塗装と一緒に行う方が、足場代を節約できます。
お家全体の塗装工事と合わせて行うことをおすすめします。
5章 ここまで綺麗になる!軒天施工事例4選
軒天の施工事例を集めました。
普段あまり意識しないパーツですが、塗装するときちんと綺麗になってお家の印象もすっきりしますよ!
■軒天の張替え+塗装で玄関を明るく
■剥がれた箇所を補修し、お家を若々しく。
■剥がれかかった箇所や外壁も一緒に塗装し、お家をフレッシュな印象に。
■塗装+換気口を取り付け、通気性をUP!
6章 軒天塗装を依頼する際の注意点2つ
軒天塗装を依頼する際に注意するべき点を2つ紹介します。
6-1 透湿性のある塗料を選ぶ
見積もりの際に、「透湿性のある塗料かどうか」を業者に必ず確認しましょう。
(透湿性塗料=湿気を逃がす作用のある塗料のこと)
なぜなら、軒天は内部の湿気が逃げないと、塗装した表面が剥がれたり膨れてしまう原因になる為です。
剥がれ、ふくれが発生してしまうとやり直しが必要となり、時間や費用に無駄が出てしまいます。
仕上がりを綺麗にし、余計な時間・費用をかけない為にも、透湿性のある塗料で塗装してもらいましょう。
透湿性かどうかは、業者に質問する以外にも、塗料カタログや製品紹介ページでも確認可能です。
色の打ち合わせ時にカタログを持ってきてもらうか、塗料名を教えてもらいましょう。
■透湿性のある塗料の例
出典:日本ペイント株式会社
6-2 白or淡い色を選ぶ
軒天の塗装の際は、基本的には白色か淡い色を選びましょう。
なぜなら、濃い色にすると圧迫感のある仕上がりとなってしまう恐れがある為です。
軒天は外壁と違い、ほとんど常に影になります。
濃い色で塗装した場合、影の影響で暗く見えてしまったり重い印象になってしまいます。
重たい圧迫感のある仕上がりを避ける為、軒天は白か淡い色を選びましょう。
■重く見える色と軽くみえる色 同じ材質でも、色が白に近ければ近い程軽い印象、黒に近いと重い印象になります。 |
※デザインによっては、新築時から暗い色、グレー系などの軒天のお家も存在します。
まとめ
軒天はお家の美観や耐久性にかかわる、とても重要なパーツです。
必ず塗装を行いましょう。
軒天塗装が必要な理由は大きく3つあります。
- ①塗装しないと軒天が傷んでしまう
- ②軒天の劣化で周りの部材まで傷んでしまう
- ③家の美観を大きく損なう
劣化症状を見て適切な時期で塗装をしましょう。
工事費用の相場はありますが、お得にするには屋根外壁塗装と一緒に行うことをおすすめします。
注意点もありますので以下2つは必ず抑えておいてください。
- ①透湿性のある塗料を選ぶ
- ②白or淡い色を選ぶ
普段あまり気にかけないパーツだからこそ、きちんとお手入れをして、お家を長く保ってくださいね。
【参考】
外壁塗装の見積もりには、軒天以外にも入れておくべき細かい項目がたくさんあります。
こちらの記事で項目や費用相場をまとめていますのでぜひお読みください。
→見積もりの比較ポイント解説|外壁塗装で安心の業者選び10のコツ