外壁や屋根の塗装をお考えのあなた。
業者が持ってきた見積もりに「破風板 塗装」と記載されているのを見て
「破風板ってどこのこと?」
「本当に塗装は必要なの?」
と疑問に感じているのではないでしょうか。
破風板(はふいた)とは屋根の側面についている板のことです。
目線よりかなり上にあるので、普段生活している中では気にされない方がほとんどですよね。
ただ、破風板は紫外線や風を受けやすいため、塗装などのメンテナンスが必要です。
今回はその破風板に塗装が必要な3つの理由をご説明します。
また、破風板塗装にかかる費用相場や塗装の注意点、色選び、劣化したときの対処方法など、全体をしっかりご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1章 破風板の塗装は必要!3つの理由
普段あまり気にすることはない破風板ですが、耐久性や美観を保つために塗装が必要です。
具体的な理由を3つご説明します。
1-1 破風板自体の劣化を防ぐため
一つ目の理由は、塗装することで破風板自体の劣化を防ぐためです。
破風板はほとんどの場合、「ケイカル板(ケイ酸カルシウム板)」か「木材」で出来ています。
ケイカル板も木材もどちらも水を吸うようになると素材自体がボロボロになって劣化してしまうので、塗装して防水機能を持たせることが大切です。
塗装を行わずに放っておいてしまうと、最終的には塗装ではなくカバー工事や交換工事が必要になり、費用が2~4倍かかってしまいます。
メンテナンス費用を抑えるためにも定期的な塗装を行ないましょう。
※「ガルバリウム鋼板」や「銅」製の破風板の場合は、水を吸い込まない素材なので、基本的に塗装が不要です。 ただし、錆が発生しているなど、状態によっては塗装が必要な場合があります。 塗装の有無は業者に点検してもらった後に相談して決めましょう。 錆が発生していなくても錆を予防するために塗装を行うこともあります。 |
1-2 雨漏りのリスクをなくすため
二つ目の理由は、雨漏りのリスクをなくすためです。
破風板は劣化して水を吸い込むようになると、膨張収縮を繰り返し、変形します。
歪んで隙間できるとそこから水が入り、軒天や屋根裏に水が伝っていってしまう恐れがあります。
水が破風板から軒天に浸透し、さらに家の中に入り込んで、2階の一室の天井から雨漏れしてしまった事例もあります。
雨漏りを発生させないためにも、破風板を塗装して水を吸い込まないようにすることが重要です。
■破風板が原因の雨漏り
劣化した破風板が反って軒天に水が浸透し、軒天の板が腐ってしまった様子です。
1-3 綺麗な見た目を維持するため
三つ目の理由は綺麗な見た目を維持するためです。
★切妻屋根などの破風板が見えやすい造りの家は、破風板が劣化しているままだと美観が損なわれてしまいます。
また劣化した後に塗装を行っても、結局は補修の跡や凸凹が目立ってしまうので、表面が劣化する前に塗装することが大切です。
★切妻屋根とは 切妻屋根とは屋根の形状のひとつで、本を伏せたような形の屋根です。 切妻屋根の場合、破風板が風や紫外線で傷みやすく、また劣化が目立ちやすいです。 |
2章 破風板塗装の費用相場
破風板を塗装する際の費用相場をご紹介します。
破風板塗装の費用相場はおよそ800~1,400円/mです。
基本的には2回塗りですが、下地の状況によっては下塗り剤を一回塗装してから上塗りをする場合もあります(3回塗り)。
また、破風板を塗装する際は足場が必要になります。
上記の相場に足場代がプラスでかかるので、外壁塗装や屋根塗装のタイミングで行うことをおすすめします。
★DIYで塗装するのはNG!
破風板をご自身で塗装するのはお勧めできません。
破風板は高所にあり危険ですし、素材によって選ぶ塗料も変わってくるので専門的知識や経験が必要になってきます。
失敗すると仕上がりも悪くなってしまうので、破風板の塗装はプロに依頼しましょう。
3章 破風板塗装の注意点3つ
破風板を塗装する前に注意するポイントをご紹介します。
注意点を知っておくことで業者との打ち合わせもスムーズにいきますし、要望も伝えられます。
塗装を行う前に確認しておきましょう。
3-1 下地処理を行なってから塗装する
破風板が劣化している場合、下地処理としてケレン(平らになるように表面を削る)作業や補修などを行なってもらうように打ち合わせをしておきましょう。
下地処理をしっかり行うことで塗料が密着しやすくなり剥がれにくくなります。
また板の継ぎ目のコーキングも紫外線で劣化します。塗装前に打ち直してもらいましょう。
■板の継ぎ目をコーキングで打ち直す作業
3-2 素材に合った塗料を使用する
破風板は家によって使っている建材がさまざまです。
特に金属の破風板は「スチール」や「塩ビ鋼板」などいくつか種類があるので、素材に合った塗料を使用してもらわないと不具合が起きる場合があります。
見積もりの際にどんな塗料を使用するかは確認しておきましょう。
破風板の素材 | 塗料を選ぶ際の注意点 |
木材系 | ・木材用塗料を選ぶ ・浸透タイプがおすすめ |
金属系 | ・金属用の下塗りかさび止めを塗る ・塩ビ鋼板の場合は専用の塗料を選ぶ |
ケーカル板・窯業系 | ・色付けの塗料を選ぶ ・下地が傷んでいる場合はケレンする |
3-3 傷み過ぎていたら塗装ではなくカバーか交換をする
■破風板板金カバー工事
破風板がひび割れていたり、欠けている場合は、塗装ではなく上からカバーする工事か、新しいものに交換する工事を選びましょう。
軽度のひびなら補修して塗装することもありますが、余りにも補修の面積が大きいと塗装後も補修跡が目立つ恐れがあります。
特に見た目が気になる方や、長く持たせたい方はカバー工事や交換工事をおすすめします。
4章 破風板の色は雨樋に合わせよう!
破風板を塗装する際、色は雨樋に合わせるのがおすすめです。
附帯(屋根・外壁以外の細かい部分)の色を合わせることで家全体にまとまりが出ます。
基本的には家を建てたときと同じ色を維持して塗装する方が多いですが、破風板の色を変えたい方は、破風板だけでなく全体のバランスをみて色を選んでいきましょう。
■こげ茶の破風板で落ち着きのある家に
破風板を屋根と同じ色にすることで家の雰囲気が落ち着きます。
■白の破風板で明るい印象の家に
白の破風板にすることで家全体が明るくかわいらしい印象にまとまりました。
破風板をアクセントとして活用した家も…
■ブラウン×グリーンのモダンな家
破風板と帯板のグリーンが効いた大人モダンな家に。
■イエロー×ブルーの爽やかでおしゃれな家
イエローの外壁にブルーのラインを入れることで洋風のデザインに。
5章 破風板の塗装が剥がれたときの対処方法
破風板を塗装した後に塗料が剥がれてきたときは、塗装の専門業者に点検してもらい、剥がれの原因を調べてもらいましょう。
破風板が塗装後に剥がれてしまう原因には①素材の劣化が進んでいた、②塗料の選定ミス、③施工不良があります。
この中で最も多いのが、①素材の劣化が進んでいたことによる塗料の剥がれです。
表面の劣化のみの場合は、下地処理を十分に行って再塗装することも可能です。
ただし、補修跡などは塗装後に多少残ってしまうので、見た目が気になる方は、上から新しく板金をかぶせるカバー工事か新しい破風板に交換する工事を行ないましょう。
◆各工事の詳しい内容や費用相場が知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
まとめ
いかがでしたか。
最後にこの記事をまとめます。
■1章まとめ
破風板は塗装が必要で、その理由は以下の3つ
- ①破風板自体の劣化を防ぐため
- ②雨漏りのリスクをなくすため
- ③綺麗な見た目を維持するため
■2章まとめ
破風板塗装の費用相場は800~1,400円/m
足場が必要な工事なので、外壁や屋根の塗装工事と一緒に行うのがおすすめ。
■3章まとめ
破風板を塗装する際は以下の3点に注意する。
- ①下地処理を行なってから塗装する
- ②素材に合った塗料を使用する
- ③傷み過ぎていたら塗装ではなくカバーか交換をする
■4章まとめ
破風板の色は雨樋の色に合わせるのがおすすめ。
アクセントとして色を変えたい場合は全体のバランスを考えて決めるのがベスト。
■5章まとめ
破風板の塗装が剥がれたときはまず塗装の専門業者に点検してもらい、原因を特定することが大事。
原因が分かった上で長持ちするメンテナンスや工事を行なっていきましょう。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
◆破風板のすぐ近くにある軒天(のきてん)もメンテナンスが重要です。塗装のポイントなどを紹介しています。
⇒軒天塗装の疑問解決!必要な理由・タイミング・費用や注意点を解説