家の目立つ場所にある破風板(はふいた)。
塗装じゃなくて「板金工事」を勧められたけど、実際どんなもの?
と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
破風板は屋根の一番端部分についているもので、雨風からお家を守ってくれています。
しかしその分劣化も起きやすく、剥がれや色あせの状態が目立ってしまうことも多いです。
そんな破風板のお手入れで実はよく行われるのが、「板金工事(板金巻き、カバー工事)」です。
本記事は、破風板板金工事の基礎知識やおすすめする理由、費用、注意点までを詳細に解説いたします。
破風板のお手入れを考えている方は、ぜひ安心してご検討くださいね。
目次
1章 破風板板金工事とは
破風板の板金工事とは、傷んでしまった破風板の上に金属(主にガルバリウム鋼板)を被せるリフォーム工事です。
板金巻き工事、カバー工事とも呼ばれます。
一般的には破風板は「塗装」でメンテナンスをしますが、塗装では直せないような全体的な剥がれなどの傷みがあるときに、板金工事を行います。
■破風板のお手入れ方法
| 傷み状態 | 費用 |
塗装 | 色あせ、軽度な剥がれ程度の場合 | 1,000~1,300円/m |
板金工事 | 全体的な剥がれ、表面の割れ、欠けがある場合 | 3,000~4,500円/m |
交換 | 割れ、欠けから内部まで傷んでいる場合 | 4,000~5,500円/m |
■板金工事
板金工事は、破風板を完全に覆ってしまうため、雨風や紫外線による劣化を止めることができます。
また、全面を工事/気になる一面だけを工事、というように、状態や予算によって範囲を選んで実施できます
見た目を綺麗にしたいという方や、劣化したところからの雨漏りが心配だという方に、破風板のお手入れとしてよく実施される工法です。
2章 板金工事がオススメな2つの理由
破風板板金工事は、塗装とは違ったメリットがあるお手入れ方法です。
主な特徴を2つに絞りましたので、それぞれご紹介します。
我が家にも良さそうだな、と思ったら、ぜひ工事をご検討ください。
2-1 20年近くメンテナンス不要
| 次のメンテナンス |
塗装 | 10年前後 |
板金工事 | 20年以上後 |
交換 | 10年前後 ※素材による |
破風板を板金工事すると、その後20年近くメンテナンス不要になります。
使われる金属はほぼ「ガルバリウム鋼板」というもので、非常に耐久性が高いからです。
塗装や交換の場合は、5~10年前後で表面塗膜が弱ってきたらまた塗り替えが必要です。
しかし板金工事は長期間安心できてメンテナンス回数も減るので、お手入れのコストパフォーマンスがとても良いです。
2-2 見た目が綺麗になる
板金工事なら、破風板の傷みを隠して、すっきりと綺麗な見た目に整えることができます。
新しい金属を上から張り付けるため、元の状態に関係なく一定の綺麗な状態にできるからです。
一方の塗装は、傷み具合によっては凹凸がそのまま残ってしまうことがあります。
破風板は特に目立つ場所にあるというお家も多いですから、見た目はとても気になるところですよね。
板金工事は、やるからには見た目も綺麗にしたいという方にもおすすめの工法です。
3章 費用相場:3,000~4,500円/m
| 費用 | 次のメンテナンス |
塗装 | 1,000~1,300円/m | 10年前後 |
板金工事 | 3,000~4,500円/m | 20年以上後 |
交換 | 4,000~5,000円/m | 10年前後 ※素材による |
※足場代別途
破風板板金工事の費用は、3,000~4,500円/mほどです。
「塗装」よりも高くなってしまいますが、「交換」と比べると撤去・処分の費用が無い分少しお安い、といった位置づけです。
ただ、交換で使われるガルバリウム鋼板は耐久性がとても高いため、コストパフォーマンスは抜群です。
長期的に見ると最もお得な工事と言えます。
しかも板金工事は「一部の面だけ」と限定して行われることが多いです。
破風板は日当り・風当りの強い特定の面だけが激しく劣化するケースがほとんどだからです。
状況に合わせて部分的な工事ができれば、費用を抑えられます。
例:破風板の妻側のみ 9m 板金工事 →約32,000円+諸経費 |
4章 板金工事3つの注意点
破風板板金工事はコストパフォーマンスの良いおすすめの工法ですが、注意点もあります。
ポイントを3つにまとめましたので、工事を決める前に必ずご確認くださいね。
4-1 足場代が別途かかる
破風板は屋根の端に付いているため、ほとんどが2階より上での作業になります。
2m以上の高所作業では足場が必要なため、別途で10~20万円ほど足場代がかかりますのでご注意ください。
近いうちに屋根外壁の塗装工事や別の箇所の修理などもお考えの方は、全て一緒に工事することで足場を併用できてお得になります。
足場を組む工事はできるだけまとめて行なうのをおすすめします。
4-2 場所によっては雨樋の脱着が必要
破風板は、面によっては雨樋(軒樋)がついていることがあります。
その面の板金工事をするときには、一度雨樋を外して、工事後にまた付け直す必要があるため、作業の時間・手間で追加費用が発生することがあります。
ご自宅の板金工事をしたい箇所がどこなのか、具体的に確認しておきましょう。
4-3 素材の質感が変わってしまう
破風板を板金工事すると、完全に金属に覆われてしまうため、元の質感は失われます。
新築時は窯業系ボードや木材を使っていることが多いですが、これらの素材の質感が好きだという場合は、板金工事ではなく「塗装」か「交換」をおすすめします。
また、凹凸がついてデザイン性の高い破風板の場合も、カバーをするとすべて平らになって見えなくなってしまいます。
交換する際も、全く同じデザインのものがあるかは分かりませんので、業者に確認をしておきましょう。
■木材の破風板(デザイン入り)
2本のラインが入ったタイプの破風板です。
木の独特の温かみを残したい方は、傷みの少ないうちに塗装するか、交換が必要です。
■窯業系ボード材の破風板(デザイン入り)
凹凸のラインが何段にも入ったおしゃれな破風板です。
カバーするとこのラインも消えてしまいます。
まとめ
破風板板金工事とは、既存の破風板の上に金属を被せて保護するものです。
一般的なメンテナンスは塗装ですが、塗装では直せない剥がれや傷みが出ているときによく実施されます。
- ・20年近くメンテナンス不要
- ・見た目が綺麗になる
という点で優れているため、破風板の劣化が気になる方にはおすすめの工法です。
費用相場:3,000~4,500円/mで塗装より高いですが、耐久性が良いためコストパフォーマンスは板金工事の方がよくなります。
注意点として、
- ・足場代が別途かかる
- ・場所によっては雨樋の脱着が必要
- ・素材の質感が変わってしまう
ということを押さえておきましょう。
破風板も大切なお家の一部です。適切なお手入れをきちんとしてあげましょう。
お読みくださりありがとうございました。
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