外壁塗装の見積りを取ったら「付帯(ふたい)塗装一式」の文字が・・・。
「付帯塗装って何のこと?」
「本当に必要なの?」
「提示された金額は妥当なの?」
と気になって調べているのではないでしょうか。
そもそも「付帯(ふたい)」とは、「外壁の外側に付属している家のパーツ」を指します。
外壁塗装工事では、外壁以外の付属している部分も塗装をします。
とは言ってもなぜ附帯に塗装が必要なのか分からないですよね。
要らないなら費用を抑えるために塗装したくないとお考えの方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は付帯塗装が必要な理由を3つご紹介します。
また、塗装業者の中には、塗装が必要なものを契約にいれずに追加契約を取る悪徳業者も存在します。
騙すつもりはなくても知識がないために間違ったメンテナンスを行なう業者もいます。
そんな業者に工事を依頼しないために、塗装が必要な付帯箇所や付帯を塗装する際に気を付けるべきポイントについてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1章 付帯塗装は必要!3つの理由
付帯塗装が必要な理由を3つご紹介します。
塗装する理由を理解した上で、塗装工事を行ないましょう。
1-1 素材自体を長持ちさせるため
素材自体を長持ちさせるために塗装は必要です。
外壁以外の付帯物も紫外線によって劣化してしまうと破損してしまいます。
紫外線による劣化を防ぐためにも塗装することが大切です。
▼塗装せずに錆びてしまった雨樋の留め具
塗装せずに放置していると素材自体がボロボロになってしまいます。交換が必要になる前に塗装でメンテナンスをする事が大事です。
1-2 美観を維持するため
付帯物は塗装をしないと色が褪せて美観が損なわれてしまいます。
外壁を綺麗に塗装しても、付帯が色褪せていると目立ちます。
耐久性だけでなく見た目も重視したい方は塗装することをおすすめします。
1-3 メンテナンスコストを抑えるため
付帯を塗装することでメンテナンスコストを抑えることが出来ます。
付帯物の中には、足場がないと綺麗に塗装できないものもあります。
したがって外壁や屋根と同じタイミングで塗装しなければ、余分に足場費用や経費が掛かってしまいます。
無駄にお金をかけないためにも、外壁塗装工事や屋根塗装工事と同じタイミングで行うことをおすすめします。
▼付帯塗装を外壁に行なった場合と別で行った場合の費用比較
2章 塗装すべき9つの付帯箇所と費用相場
外壁塗装工事で塗装するべき「付帯」についてご紹介します。
塗装工事を依頼する前に、外壁や屋根以外にどこを塗ればいいのかを確認しておきましょう。
2-1 雨樋
屋根の周りや外壁の外側に付属している「雨樋(あまどい)」は塗装が必要です。
雨樋はほとんどの場合が「塩化ビニル」というプラスチック素材で出来ています。
プラスチックは紫外線に当たり続けると、衝撃に弱くなって割れてしまいます。
したがって紫外線による劣化を防ぐためにも塗装を行ないましょう。(※塩化ビニルではなく銅板などで出来ている場合は塗装不要です。)
■単価相場
1m当たり1,000~1,800円
◆雨樋を塗装する際の注意点や費用相場をまとめた記事はこちらです。
2-2 破風板
屋根の側面に付いている「破風板(はふいた)」も「ケイカル板」又は「木材」で出来ていることが多いため、素材保護や美観を維持するために塗装が必要です。
また、「破風板」は紫外線や風を多く受ける部分で劣化が進むと、破風板自体が水を吸って、変形してしまったりボロボロになってしまいます。
素材が劣化する前に塗装メンテナンスを行なうことをおすすめします。
■単価相場
1m当たり1,000~1,400円
◆破風板塗装の注意点や補修方法・費用をまとめた記事はこちらです。
2-3 軒天
屋根やベランダの裏側の「軒天(のきてん)」部分も塗装が必要です。
軒天は屋根の湿気を逃がす部分なので、透湿性の高い塗料で塗装をします。
■単価相場
1㎡あたり1,000~1,800円
◆軒天塗装の必要性や注意点をまとめた記事がこちらです。
2-4 シャッターボックス・雨戸・戸袋
窓を保護する「シャッターボックス」や「雨戸(あまど)・戸袋(とぶくろ)」もスチール(鉄)で出来ています。
スチール(鉄)は劣化すると錆が発生してしまうので、錆を防ぐためにも塗装によるメンテナンスが必要です。
シャッターボックスや雨戸・戸袋は塗装することを知らない方も多くいらっしゃるので、覚えておきましょう。
※素材がスチール以外の「アルミ」や「銅板」の場合は塗装不要です。
■単価相場
シャッターボックス=2,000~3,000円/箇所
雨戸・戸袋=2,000~3,500円/枚
◆シャッターボックス塗装についてまとめた記事はこちらです。
2-5 霧除け・出窓天板
「霧除け(きりよけ)」や「出窓天板(でまどてんばん)」もスチール(鉄)で出来ています。
劣化すると錆が発生して穴が開いてしまうこともあるので、保護するためにも塗装することが大切です。
万が一穴が開いてしまうと、そこから室内に雨漏りしてしまう可能性があります。
雨漏りを対策するためにも、塗装によるメンテナンスが必要です。
■単価相場
1箇所あたり2,000~3,000円
◆霧除け(庇)の塗装について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
2-6 水切り・換気フード
外壁と基礎の間にある「水切り(みずきり)」や外壁に付いている「換気フード」もスチールで出来ている場合は塗装が必要になります。
あまり普段気にしない付帯物は塗装されなくても気付きにくいです。
きちんと契約内容に入っているのか確認しましょう。
■単価相場
水切り=300~800円/m
換気フード=2,000~3,000円/個
2-7 ウッドデッキ・濡れ縁
「ウッドデッキ」や「濡れ縁(ぬれえん)」などの木材で出来た付帯は、紫外線や雨風によって劣化するため塗装が必要になります。
劣化したまま放っておくと、木が腐植してシロアリが寄ってくる可能性もあるため、耐久性や美観維持のために定期的にメンテナンスを行ないましょう。
※樹脂でできたウッドデッキは塗装が不要です。
■単価相場
1㎡あたり2000~3000円
◆ウッドデッキ塗装の注意点や費用相場をまとめた記事がこちらです。
2-8 帯板・幕板
「帯板(おびいた)」や「幕板(まくいた)」などの飾り板も「破風板」と同じ素材で出来ている場合が多く、塗装が必要です。
塗装せずに放置してしまうと、耐久性が落ちて見た目が悪くなってしまいます。
家のデザインを維持するためにも塗装を行ないましょう。
また劣化してボロボロになってしまうと、交換が必要になる場合もあります。
今の状態を長く持たせるためにもメンテナンスが必要です。
■単価相場
1m当たり800~1,200円
◆帯板・幕板が剥がれてしまった方はこちらの記事をご覧ください。
2-9 門塀
モルタル仕上げの門塀(もんぺい)は塗装が必要になります。
モルタルは築3~5年でひびが入り始めるので、塗装することで劣化を抑えていきましょう。
ブロック塀の場合は塗装するのはあまりおすすめしていません。
なぜならブロック塀自体が水を吸い込んで吐き出すので塗料が剥がれやすいからです。
どうしても塗装したい方は透湿性の高い水性塗料で塗装してもらいましょう。
■単価相場
1㎡あたり2000~2500円
◆おしゃれな門塀にしたい方はこちらの記事もご覧ください。
■ここは塗装しない!お家の「付帯箇所」 ①窓サッシ 窓サッシは「アルミ」で出来ていることが多いため、基本的には塗装しません。 その他アルミで出来ていることが多いのが「ベランダの手すり」や「郵便受け(ポスト)」です。
②シャッター シャッターボックスは塗装しますがシャッター自体は塗装しないことが多いです。 なぜなら塗装をするとシャッターを上げた時に、ボックス内で巻き取られたシャッターが塗料でくっつきやすくなってしまうためです。 破損の原因にもなるので塗装は避けましょう。
③ベランダの床 ベランダの床も付帯塗装に含まれるお考えの方もいらっしゃいますが、ベランダ床は塗装ではなく「防水施工」という工事が必要です。外壁のように塗料を塗ってしまうと不具合が発生してしまいますので知識のない業者に塗料で塗装されないようにご注意ください。 |
3章 付帯塗装の3つの注意点
付帯塗装の3つの注意点をご紹介します。
塗装業者の中には付帯塗装についての説明を十分にしないところもあり、工事中にトラブルになる場合もあります。
注意点を把握してトラブルを防いでいきましょう!
3-1 素材に合った塗料で塗ってもらう
付帯を塗装する際は必ず素材に合った塗料で塗装してもらいましょう。
また「アルミ」や「樹脂」、「銅板」などの塗装しないほうがいい素材や「塩ビ鋼板」などの塗料選定に注意が必要な素材も存在します。
業者にきちんと素材を確認してもらった上で塗料の提案を受けましょう。
どんな素材を塗装するにも同じ塗料を使う業者には注意が必要です。
提案された塗料が、素材に対応しているものなのか塗料のカタログやインターネット等で確認しましょう。
3-2 塗装する範囲を明確に書類に記載してもらう
付帯の塗装は必ず、塗装する範囲を見積もり書や契約書に記載してもらいましょう。
「付帯塗装一式=○○円」という記載をしている業者もありますがそれは危険です。
工事が始まってみたら塗装してくれなかった、ここも塗装してほしいと言ったら追加料金を請求されたなどのトラブルになりかねません。
重要な書類(契約書や見積書)にはどこからどこまで塗装するのか明確に分かるような記載をお願いしましょう。
曖昧な表記しかしない業者に依頼するのは避けてください。
🔻契約書のNG例とOK例
3-3 色は全体のバランスを見て決める
塗装工事で皆さんが意外に悩まれるのが付帯の「色」です。
付帯は細かい部分ではありますが、家全体の印象を変えることが出来ます。
あまり色を使いすぎると、まとまりのない印象になってしまうので、使用する色は家全体で3~4色におさえましょう。」
例① 全体を3色にまとめた爽やかな家 屋根・窓枠:グリーン 外壁:イエロー 外壁一部・付帯(破風板・雨樋・水切):ホワイト
インパクトのある屋根を際立たせる外壁と附帯の色でおしゃれに仕上がっています。 付帯の色は出来るだけ同色にすると悪目立ちすることなくまとまります。
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例② 全体を4色でまとめた暖色系の家 屋根・付帯(霧除け・出窓天板):ダークブラウン 外壁1階:ブラウン 外壁2階:ベージュ 付帯(破風板・雨樋・シャッターボックス・水切りり):ホワイト
窓サッシの色に合わせて付帯色を揃えると、色の使い過ぎを防ぐことが出来てまとまってし上がります。霧除けや出窓天板は、屋根の色と合わせると自然に仕上がります。 |
◆色の合わせ方を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
まとめ
いかがでしたか。
外壁塗装工事では、外壁以外にもたくさん塗装した方が良い「付帯」箇所があります。
付帯を塗装することで、付帯自体の耐久性や家全体の美観が保たれます
塗るべき付帯箇所は以下の9箇所です。
・雨樋
・破風板
・軒天
・シャッターボックス・雨戸・戸袋
・霧除け・出窓天板
・水切り・換気フード
・濡れ縁・ウッドデッキ
・帯板・幕板
・門塀
※ただし素材によっては塗装しない方がいい場合もあります。
また付帯塗装に関して、注意すべき点も3つあります。
1、素材に合った塗料を使用してもらうこと
2、契約書や見積に塗装箇所を明記してもらうこと
3、家全体がまとまるように付帯の色選びをすること
以上の3点に気を付けて工事を行なっていきましょう!
最後までご覧くださってありがとうございました!
◆付帯塗装を含めた外壁塗装の費用について知りたい方はこちらをご覧ください。