外壁塗装の見積もりを取ったら“雨樋 塗装”の文字が。
「雨樋の塗装って本当に必要なの?」
「塗装しないとどうなるの?」
と気になって調べているのではないでしょうか。
確かに雨樋は普段気にしない場所なので、塗らなきゃ!とはあまり考えないですよね。
そもそも雨樋がどこなのか分からない方もいらっしゃるかと思います。
雨樋は屋根の周りに付属している管のことで、降ってきた雨を下に流す役割があります。
ただ、雨樋はほとんどが塩化ビニルで出来ており、紫外線で劣化するため、外壁塗装工事と一緒に雨樋も塗装が必須です。
そこで今回は雨樋が塗装必須の理由や放っておくとどうなってしまうか、費用相場をご紹介します。
また、雨樋塗装の注意点や塗装以外のメンテナンスについてもご紹介しますので、工事の際の参考にしてみてください。
目次
1章 雨樋は塗装が必要!2つの理由
雨樋は外壁や屋根同様、塗装が必要です。
この章ではその理由を詳しくご説明します。
★塗装が要らない雨樋もある 「銅製」や「アルミ製」の雨樋の場合は塗装が必要ありません。 ただ紫外線によって色は褪せていくので、見た目が気になる方は、素材に合った塗料で塗装しましょう。 |
1-1 耐久性を高めるため
雨樋の塗装が必要な一番の理由は耐久性を高めるためです。
雨樋はほとんどが「塩化ビニル」という素材で出来ています。塩化ビニルは紫外線によって劣化し、割れやすくなります。
そのため、塗装をする事で紫外線から雨樋を守ることが出来ます。
1-2 美観を保つため
雨樋を塗装することで、美観が保たれます。
紫外線で色があせたり、傷や泥が付いたままだと見た目も良くありません。
綺麗な状態を保つためにも塗装を行いましょう。
2章 放っておくと破損・交換のリスクが高まる
雨樋は塗装せずに放っておくと、耐久性が弱くなり割れやすくなってしまいます。
また雨樋を外壁に固定する「でんでん」は金属製なので、そこが錆びてしまうと「でんでん」が外れて雨樋がずれてしまう可能性もあります。
■錆びてしまったでんでん
■紫外線劣化で割れやすくなってしまった雨樋
雨樋が破損した場合、全部交換するのに20~50万円ほどかかります。(※足場代別途)
無駄なメンテナンス費用をかけないためにも、定期的な塗装を行うことが大切です。
3章 雨樋塗装の費用相場
雨樋塗装の単価相場は1,000~1,800円/mです。
ただ、塗装費用とは別で足場代(㎡=800~1,100円)が必要になります。
足場代を節約したい方は、外壁や屋根の塗装のときに一緒に行うことをおすすめします。
4章 雨樋塗装の3つの注意点
雨樋を塗装する際の注意点を3つご紹介します。
塗装工事をより良いものにするためにぜひご覧ください。
4-1 “ケレン”で下地処理をしてもらう
雨樋塗装の際はケレン(=軽くやすりをかけて雨樋に多少の傷をつける)の作業をしてもらいましょう。
ケレン・下地処理を行うことで塗料が密着しやすくなります。
特につるつるとした表面の雨樋を塗装する際はケレン作業を行なってもらうことを覚えておきましょう。
4-2 塗装は必ず2回以上塗ってもらう
雨樋を塗装してもらう際は2回以上塗ってもらいましょう。
1回塗りだと、透けてしまったり塗料の耐久性が弱いので、2回塗りがおすすめです。
ただ下地の状況や、雨樋を固定する金属の「でんでん」は錆止めなどの下塗りを入れる場合があるので、その時は3回塗りになります。
施工業者に何回塗りで塗ってもらえるのかは確認しておきましょう。
★雨樋の内側は塗らない! 雨樋の内側は水が流れるところなので、塗装すると塗料が詰まってしまう可能性が高くなります。 多少塗料が垂れてしまった程度であれば気にする事はありませんが、雨樋を塗る際は外側のみ塗ってもらいましょう。 |
4-3 外壁や屋根と同じ耐久性の塗料で塗ってもらう
雨樋は外壁・屋根と同等または近い耐久性の塗料を選びましょう。
雨樋の塗装は基本的に外壁・屋根と同じタイミングで行うので、同等の耐久性の塗料を選ぶことでメンテナンス時期を合わせることが出来ます。
メンテナンス時期を合わせられれば、その分足場を建てる回数が減るので、足場代の節約になります。
外壁がシリコンであれば雨樋もシリコン、フッ素であれば雨樋はシリコンかフッ素、など耐久年数が近いものを選ぶようにしましょう。
塗料の種類 | 耐久年数 |
アクリル | 3~5年 |
ウレタン | 5~8年 |
シリコン | 10~12年 |
フッ素 | 15~20年 |
無機 | 20~25年 |
外壁がシリコン以上なのに、雨樋塗料だけアクリル塗料等を選んでしまうと、雨樋だけ3~5年くらいで塗り替え時期が来てしまうので注意しましょう。
4-4 色は屋根かサッシに合わせる
雨樋はあまり目立たないように、屋根やサッシの色に合わせて全体がまとまるようにしましょう。
家に使用する色は全体で3~4色におさえるとまとまります。
屋根やサッシと色を揃えて、雰囲気を統一させるのがおすすめです。
■屋根と同じ色の雨樋の家
屋根と附帯物(雨樋・ドア・破風板等)を同色にしてまとまった仕上がりに。
■サッシと同じ色の雨樋の家
白い雨樋にすることで外壁の色を邪魔せず、明るくおしゃれに仕上がります。
5章 雨樋が破損していた場合は他の工事が必要
雨樋が破損していた場合は、塗装以外の工事が必要になります。
破損したまま放っておくと水が正常に流れずあふれてしまったり、本来流れてこないところから水が漏れてきてしまう可能性があります。
水が溜まるとカビ・コケ・藻が繁殖してしまうので、早めの修繕を行ないましょう。
5-1 歪んでいたら調整
雨樋が歪んでいたら、傾斜や金具の調整を行いましょう。
一部が歪んでいることで、水が流れず、コケなどの汚れが溜まりやすくなってしまいます。
歪みやちょっとした傾きが見つかったら、調整を行ないましょう。
また、歪みが全体にわたっていたり、大きな変形の場合は交換工事をおすすめします。
まずは専門業者に点検してもらいましょう。
5-2 割れていたら交換
雨樋が割れてしまっていたら交換工事を行ないましょう。
交換は一部交換も全交換も可能です。
ただし2階の雨どいなど高所の交換は足場代も必要になるので、外壁や屋根工事と一緒に行うことをおすすめします。
※交換する雨樋の種類や劣化状況によって金額に差が出ます。
★台風などの天災の場合は火災保険を使って費用を減らそう!
台風などの天災によって歪みや割れ等が発生した場合は、火災保険が適応され、費用負担が軽減される可能性があります。
ただし台風の時期は保険会社も忙しくなるので、早めに連絡相談することをおすすめします。
以下、火災保険申請の流れです。
【申請の流れ】
①保険会社に連絡して被害内容を伝え、保険適用できるかを聞く。
②申請書類を送ってもらう。
③工事の業者から「被害写真」「見積書」をもらう。
④申請書類をご自身で記入する。
※保険代行業者というものもありますが、費用が掛かります。書類は難しいものではないので、ご自身での記入、申請をおすすめします。
⑤保険会社へ申請を送り、現地調査(鑑定)をしてもらう。
⑥保険金の確定、入金
※工事費用が20万円以下の場合は適応されていないケースもあります。保険会社によって適応条件が異なりますので、加入されている保険会社に確認しましょう。
まとめ
いかがでしたか。
最後にこの記事をまとめます。
■1章まとめ
雨樋は塗装が必要。その理由は「耐久性を高めるため」と「美観を保つため」。
■2章まとめ
雨樋を塗装せずに放っておくと、耐久性が低くなって割れやすくなったりサビやすくなる。
破損してしまうと、交換が必要になりメンテナンス費用が高くなる。
■3章まとめ
雨樋を塗装する際にかかる費用は1,000~1,800円/m
塗装自体はそこまで費用がかからないが、足場が必要になるため足場代が加算される。
そのため、外壁屋根塗装と一緒に雨樋も塗装するのがおすすめ。
■4章まとめ
雨樋の塗装の注意点は以下の3つ
- ・雨樋は2回以上塗ってもらう
- ・外壁や屋根と同等の塗料を選ぶ
- ・色は屋根かサッシに合わせる
■5章まとめ
雨樋が破損していた場合は塗装ではなく、他の工事が必要
- ①雨樋が歪んでいたら、傾きを調整する
- ②雨樋が割れていたら、新しいものに交換する
- ★雨樋の破損が台風などの自然災害によるものであれば、火災保険が適応される可能性が高い。
雨樋をきれいに長持ちさせていけるように塗装を行なっていきましょう!
最後までご覧くださりありがとうございました。
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