「屋根につける雪止めってどんなもの?」「本当に必要なの?」
普段あまり耳にしない、意識して見ることがないものですから、疑問に思って調べている方も多いのではないでしょうか。
■雪止め
雪止めとは、屋根に取り付ける金具の一種で、積もった雪が屋根から滑り落ちてこないようにする為のものです。
塗装したばかりの屋根はつるつるしていて雪が非常に落ちやすくなるため、屋根塗装工事のときに一緒に取りつけるお家も多いです。
そんなに雪が多くない地域なら不要なんじゃない?と思われがちですが、実は、豪雪地帯でなくても雪止めは重要な役割をもっています。
少しでも雪が降る地域のお家には、ぜひ設置していただきたいのです。
本記事では、屋根の雪止めが重要な理由から、実際に設置する際の費用相場や注意点を具体的に解説します。
読むことで雪止めが本当に必要かを知った上で、設置するかを判断することができるようになります!
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
1章 屋根の雪止めが重要な理由
屋根に取り付ける雪止め金具には、大きく2つ重要な役割があります。
重要性を把握し、ご自宅には設置工事をするか判断できるようにしておきましょう。
1-1 近隣トラブルを防ぐため
雪止めが無いと、積もった雪がそのままお隣のお家の敷地に滑り落ちてしまう可能性があります。
何もないスペースに落ちたならまだ雪をどかすだけで良いですが、
例えばカーポートなどに落ちて破損させてしまった、置いてあったものを傷つけてしまった…等の事故も発生することがあり、大きなトラブルになってしまうのです。
雪の落下による被害は対策をしていなかったあなたの責任となってしまい、修理費用を請求される場合もあります。
■破損したカーポート
出典:石川商店
雪の重みでカーポートが大きくゆがんでしまってします。
雪止めは普段あまり見えないものですが、こうした落雪によるトラブルを防ぐ重要なパーツです。
1-2 雪の重みで雨樋等を破損させないため
近隣トラブルを防ぐだけでなく、あなたのお家を守るためにも、雪止めはとても重要です。
雪止めが無いと、積もった雪が雨樋や軒先に溜まり、その重みで破損してしまうからです。
一軒のお家に10cm程の雪が積もったとすると、全体での重さは約1.6トンにもなります。
雨樋や軒先のパーツは、そこまでの重さを支えきれません。
■歪んでしまった雨樋
出典:石川商店
雨どいの交換は、規模によっては数十万円という大きな出費になる恐れがあります。
雪止めはお家を守る、重要なパーツです。
2章 雪が少ない地域こそ必要!!
実は、豪雪地帯のお家ではあまり雪止めが使われません。
雪止め金具でも止められないほどの重量の雪が積もるのと、屋根の雪下ろしをするときに雪止めがあると逆に邪魔になるからです。
しかし普段あまり降らない地域では、雪止めはとても重要です。
たまに積もってもわざわざ雪下ろしするほどのことではない場合こそ、落雪による被害が発生するからです。
最近では関東地方でも記録的な大雪になることがあり、特に被害が大きかったものだと、2018年2月8日の大雪があげられます。
この大雪で、東京では最大27cmもの積雪が観測されました。
この時、多くのお家に雪止めがなかったために雪の重みで屋根やその周りが破損したり、落雪でのケガが相次ぎました。
雪が積もってからでは、こうした事故を防げません。
普段降らない地域だからこそ、積もっていないうちに雪止めを設置して対策しておくことが必要です。
3章 【種類別】雪止め設置の費用相場
屋根に雪止めを設置する費用は約7~40万円です(30坪のお家の屋根に設置した場合)。
設置する範囲にもよりますが、使用する金具も様々な種類があるため、費用に差が出てきます。
また、急こう配の屋根(5寸勾配以上)の屋根の場合は、別途足場代(約10~16万円)が必要となります。
ここでは、屋根材ごとに雪止めの種類と費用を紹介していきますので、ご自宅の屋根の項目を参考にしてみてくださいね。
■スレート
扇形:6~10万円 一番オーソドックスな形状の雪止めです。 |
L型アングル:8~12万円 出典:街の屋根やさん 扇形の金具にL字型の金具を載せて施工します。材料費は掛かりますが、雪はその分落ちにくくなります。 |
■和瓦
富士型:7~10万円 部材の形が富士山に似ていることから、富士型と呼ばれています。 |
雪止め瓦:20~40万円 既存の瓦の一部を、雪止め効果がある突起がついた瓦に差し替えます。 |
■金属屋根
羽根付き:10~20万円 出典:あとから雪止め 亜鉛メッキやステンレスで出来ていて、ステンレスの方が耐久性が高い分高額になります。 |
L型アングル:15~25万円 出典:あとから雪止め 専用の金具を屋根に固定し、その上にL字型の金具をのせて施工します。他の雪止めと違い、金具の間にすき間が開かない為効果が高いです。 |
■平板瓦
扇形:7~10万円 出典:あとから雪止め |
L字アングル:8~12万円 |
■スパニッシュ瓦
富士型:7~10万円 出典:あとから雪止め |
マウント形:10~14万円 出典:あとから雪止め 富士型よりも割高ですが、スパニッシュ瓦専用の為落雪防止効果は高いです。 |
■波型セメント
マウント型:8~12万円 出典:あとから雪止め 屋根材と屋根材の間にすべりこませて施工します。 |
マウント型+L字アングル:12~16万円 出典:あとから雪止め マウント型の雪止めの上に、L字型の部材を載せて施工します。材料費は掛かりますが、落雪防止効果は高いです。 |
3章 雪止めを設置する際の注意点
雪止めを設置するときには、注意していただきたい点が2つだけあります。
工事を検討するときには、念のため必ずチェックしておいてくださいね。
3-1 アスファルトシングル屋根には後付け設置できない
アスファルトシングルという種類の屋根へは、雪止めの後付けができません。
この屋根材はシート状でとても柔らかい為、雪止め金具を後付けするには強度が足りないのと、金具を入れ込む隙間がないからです。
(※カバー工事や葺き替え工事など、新しく屋根を作る際には雪止めを設置できます)
ただし、他の屋根材と違い細かい凹凸がある屋根材なので、雪止めがなくても落雪しにくい構造ですのでご安心ください。
3-2 適切に施工をしないと雨漏りする恐れがある
雪止めの後付けは、施工が悪いと雨漏りトラブルの原因になる恐れがあります。
業者が誤って屋根を破損してしまうことがあるためです。
ただし、こうしたトラブルは業者の技術によるものなので、施工実績のある業者に依頼することで、トラブルのリスクを減らしていきましょう。
4章 雪止め設置の依頼は地元の屋根工事会社へ
雪止め設置は、地元の屋根工事・修理を扱っている業者に依頼しましょう。
雪止め設置はほかの屋根工事とセットで行うことが多いため、ほとんどの屋根工事会社で扱っているからです。
また、雪止めはお家の屋根の状態や材質によって適切なものや価格が異なるので、屋根の構造に関する知識や経験をもっている専門業者なら安心です。
また、あまりにも遠い業者に依頼してしまうと、工事費とは別に出張費が掛かってしまうケースもありますので、ご自宅に近いところがおすすめです。
良い工事と適正価格にしていくため、ぜひ地元の屋根工事会社に依頼しましょう。
☆雪止めの設置依頼はユーコーコミュニティーへ! このサイトを運営しているユーコーコミュニティーでも、雪止めの設置工事や各種屋根リフォームを取り扱っています。 地元密着で行っていますので、屋根になにかあったときにすぐに駆け付けられるので安心です! ご検討の際は、ぜひお問合せ下さい。 |
まとめ
屋根に雪止めが必要な理由は二つです。
1つ目は 隣の敷地や人に雪を落とさないため、
2つ目は 雪の重みで雨樋を破損させないためです。
雪が多くない地域なら、必要ないのでは?と思う方もいらっしゃるとは思いますが
数年間雪が降らなかった地方でも大雪被害にあうこともあります。
雪が少ないうちに対策しておくことが重要です。
実際に雪止めを設置する際の費用相場は、約7~40万円です。
ただし、屋根の材質により適切な雪止めは異なります。
適正価格で良い工事にするためにも、地元の屋根工事会社に依頼しましょう。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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