「屋根が壊れているのが見えたので、修理しますよ」という飛び込み業者がきた!
本当に信用して大丈夫?
悪質な業者だったりしない?
と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
こうした飛び込み業者による悪質な被害、トラブルが全国であとを絶ちません。
当サイトにも日々ご相談をいただいておりますし、
国民生活センターにも屋根の点検商法に関する相談が多く寄せられており、件数も2018年からの5年で3倍に増えているのが現状です。
出典:国民生活センター「屋根工事の点検商法のトラブルが増えています」
まずは知らない業者を屋根に登らせないこと、そして信用できるか見極めることが大切です。
本記事では、屋根修理の悪質な飛び込み業者がよく使う手口や、信頼性を見分けるポイントをご紹介します。
まずはお家に来た飛び込み営業の特徴と照らし合わせて、良し悪しを判断しましょう。
また後半では、被害に遭わないための対処方法や断り方と、もしも契約してしまったときの対応も解説します。
実践していただくことで、悪質な飛び込み営業から身を守れるようになります。
ご自身のことはもちろん、ご家族やお知り合いが「もしかしたら悪い業者と契約してしまったかもしれない…?」という方も、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1章 屋根修理の悪質飛び込み業者がよく使う手口・パターン
屋根修理の飛び込み営業に騙されないためには、パターンを知っておくことが大切です。
ここではよくある手口を5つご紹介します。
当てはまる場合は特に警戒してくださいね。
1-1 「親方に言われて…」親切を装う
まず飛び込み業者は、“屋根が壊れているのを見つけたので教えに来ました”という親切のフリをして訪問してきます。
「近くで工事をしている者なのですが、屋根がおかしいから伝えてこいと親方に言われまして…」
「たまたま通りかかったら板金がめくれているのが見えて、これは大変だと思って…」
「実はいまちょうど道具があるので、すぐ修理できますよ」
などがよくあるパターンです。
しかし実際は、屋根には異常はなく、業者が近隣のお家へ順に同じことを言っていることが大半です。
屋根は住んでいる人も見えない場所なので、なんとでも言えてしまうからです。
いきなり飛び込みでやってきた業者の言うことは、簡単には信用しないようにしましょう。
1-2 イケメン・好印象の人が来る
飛び込み訪問では、イケメンな人を使った手口も多数報告されています。
人々が好意的な印象を持ちやすい人を使って安心感を与え、巧みに契約を結ばせるためです。
特に高齢者や日中ひとりでお家にいる女性の警戒心を薄れさせるために、このような手口が使われます。
また外見だけでなく、丁寧な対応やフレンドリーな態度なども、安心感を持たせるために狙って行っている場合があります。
しかしどんなにいい人そうだと思っても、初対面でいきなり点検や修理を依頼してはいけません。
見た目や態度に惑わされずに、業者の実績や信頼性を冷静に判断しましょう。
1-3 足場の近隣で施工業者になりすます
近所で塗装やリフォーム工事をしているお家がある場合、
「そこで工事をしている者です」と言う口実で、全く無関係の業者が訪問してくるパターンがあります。
近くで工事をしている会社なら大丈夫だろう、と安心させたり、工事の連絡と思わせて話をしたりするためです。
この場合は、近隣で工事している業者だとしても、必ず身分証明書や会社名・連絡先を確認するようにしましょう。
不審な点があれば、実際に工事しているお家の施主や業者に直接連絡することをおすすめします。
1-4 台風やゲリラ豪雨のあとを狙う
あやしい飛び込み営業は台風・大雨・ゲリラ豪雨・突風・地震などの自然災害のあとは特に増えることが想定されます。
なぜなら、多くの人が不安になるタイミングだからです。
特に異常は感じていなくても、災害の後に「お家の屋根が大変ですよ」と言われたら、信用はしていなくても、もしもの可能性を考えて心配になってしまいます。
そのような人の心理を利用する手口です。
心配になるからこそ、冷静に対処することが肝心です。
すぐ業者に依頼をせず、家族や知人に相談する時間を取ってください。
1-5 「保険が使える」とお金がかからないことを強調する
飛び込みで修理を持ちかける際に、費用が掛からない・負担が少ないことを強調して契約を進めようとするパターンがあります。
これは、お金がかからないならいいか…と警戒が緩むのを狙うためです。
よくあるのは、「台風被害は火災保険が使えますよ」というものですが、
保険が適用になるかどうかや、保険でおりる金額は、加入しているプラン次第のため、
「絶対に保険がおりる」「全額出るので実質0円」というのは間違いなくオーバートークです。
この場合、業者は安心させて高額な契約を結び、急ぎ修理しなければならないからと先に支払いをさせます。
その後保険会社に連絡したら保険が下りず、業者に言っても何の対応もしてくれない(すでに連絡が取れない)、というパターンです。
保険の話をされたら、まずは保険会社に確認をして、修理の手続き手順などを聞くようにしましょう。
-
2章 飛び込み業者の信頼性を見分ける3つのポイント
このように、飛び込み業者は様々な手段で警戒心を解いて契約しようとしてきます。
その業者が信頼できるのかどうか見分けるための必須ポイントを3つご紹介します。
急に訪問されて不安になったら、冷静に以下の内容を調べるようにしましょう。
2-1 名刺、パンフレットがしっかりしているか
まず飛び込みで来た業者から名刺やパンフレットをもらいましょう。
言葉を濁して渡してくれない業者はその時点でNGです。
次に、そこに書いてある会社住所や電話番号を調べましょう。
・会社が存在するかどうか(住所が正しいか)
・別の会社が出てこないか(名義変更を繰り返していないか)
・あやしい会社だという口コミが多数ないか
をチェックしてください。
当てはまる場合はその業者は危険と判断しましょう。
2-2 実績やお客様の声はきちんとあるか
会社を調べたら、屋根修理やリフォームの実績数とお客様の声(アンケート)を調べましょう。
きちんとした業者であれば、地元での実績は公開されているはずです。
逆に悪徳業者は、トラブルが多いため実績がなく、お客様の声を集めることもできません。
そもそもホームページ自体が無かったり、簡素で内容が薄いページだったりした場合も、良くない会社だと判断しましょう。
2-3 リフォーム瑕疵保険に加入しているか
リフォーム瑕疵保険とは、加入している施工店の工事で瑕疵(かし…施工不備による傷やほころび)があった際に保険金を使って補修してくれる保証です。
飛び込みで来た業者のパンフレットやホームページを見て、この保険に加入しているかを確認しましょう。
加入していれば、ひとつの安心材料になります。
なぜなら、工事に不備が多い業者や、会社としての信頼性が無い業者は、この保険に加入できないからです。
また、下記のページからも登録業者を検索できるようになっています。
ページ内の「JIOリフォーム瑕疵保険」にチェックを入れ、都道府県を選択して、お近くの登録業者を検索してみてください。
3章 屋根修理の飛び込み業者に騙されないための対処方法
悪い飛び込み業者はいつやってくるか分かりません。
いざ来たときに冷静に行動できるよう、対処法をご紹介します。
3-1 絶対に屋根に登らせない
どんな場合でも、第一に「屋根に登らせない」ことを徹底してください。
なぜなら、上らせてしまうと最悪の場合わざと屋根を壊されてしまうからです。
何でもないのに不安を煽って屋根点検をさせ、そこで屋根を踏み割るなどして高額な修理費を請求する手口は非常に多く報告されています。
修理自体を断ったとしても、屋根に被害が出てしまっては大変です。
信頼できると判断できるまで、飛び込み業者は絶対に屋根に登らせないでください。
3-2 その場で即決しない
どんなに業者に急かされても、即日で点検や契約を決めないようにしましょう。
悪い業者が即決を迫るのは、冷静に考えたり周囲に相談したりする時間を作らせないためです。
家族や知人に相談できるような、落ち着いて考える時間を確保しましょう。
3-3 確実な断り方「お帰り下さい」「契約しません」
飛び込み業者は、想定される台詞に対して様々な切り口から反論して食い下がってくる場合があります。
そのようにしつこいときは、
「お帰り下さい」または「契約しません」
という言葉を使いましょう。
○「お帰り下さい」
帰るよう言っているのに帰らないのは、不退去罪に該当します。
参考:刑法130条
○「契約しません」
契約する意思がないことを伝えたのに再度訪問・勧誘をするのは、特定商取引法に違反します。
参考:特定商取引法 第3条の2
このような言葉ではっきり伝えても帰らない場合は、警察を呼べば注意または逮捕をしてもらえます。
しつこい営業を確実に断るときは、この言葉を使って撃退しましょう。
※実はNGな断り方
△「結構です」「いいです」
…断りにも承諾にも取れる曖昧な言葉なので、業者にいいように解釈されてしまう可能性があります。
△「忙しいので」
…「すぐ終わりますから」「じゃあまた時間改めて来ますね」などと切り返されてしまいます。
△「お金ないので」
…「今日ならお値引きできます」など価格交渉に持ち込もうとしてきます。
△「自分では決められないので」
…「ご主人(奥様)はいついらっしゃいますか?」など情報を聞き出そうとしてきます。
このように、様々な切り返しを用意している業者も多いので、困ったときはシンプルな言葉ではっきりと断るようにしましょう。
4章 もし飛び込み業者で契約してしまったら
断り切れずに契約をしてしまった、あとから危険だと気づいた場合は、
・クーリングオフ制度でキャンセルする
・公的機関に相談する
といった手段を取りましょう。
それぞれ解説します。
4-1 クーリングオフ制度でキャンセルする
クーリングオフとは、契約から8日以内に業者に対して契約解除の意志を伝えることで、契約を無効にする制度です。
もし飛び込み業者で契約してしまった後で詐欺や高額請求など不審なことに気づいたら、クーリングオフを行いましょう。
クーリングオフの通知は、書類(ハガキや内容証明郵便)、メール、FAXで行えます。
▼クーリングオフについて詳しくはこちら
4-2 公的機関に相談する
対処方法が分からない場合は、公的機関に相談しましょう。
屋根修理やリフォーム関係で相談できるところには、以下のようなものがあります。
・警察署や弁護士会
まとめ
- 1章 屋根修理の悪質飛び込み業者がよく使う手口・パターン
- 1-1 「親方に言われて…」親切を装う
- 1-2 イケメン・好印象の人が来る
- 1-3 足場の近隣で施工業者になりすます
- 1-4 台風やゲリラ豪雨のあとを狙う
- 1-5 「保険が使える」とお金がかからないことを強調する
このようなパターンで飛び込み訪問が来たら、あやしいと思って警戒心を緩めず対応しましょう。
- 2章 飛び込み業者の信頼性を見分ける3つのポイント
- 2-1 名刺、パンフレットがしっかりしているか
- 2-2 実績やお客様の声はきちんとあるか
- 2-3 リフォーム瑕疵保険に加入しているか
きちんとした業者なのかどうか判断するために、上記の3点は確実にチェックしましょう。
- 3章 屋根修理の飛び込み業者に騙されないための対処方法
- 3-1 絶対に屋根に登らせない
- 3-2 その場で即決しない
- 3-3 確実な断り方「お帰り下さい」「契約しません」
もしあやしい飛び込み業者が来ても、冷静に対処しましょう。
- 4章 もし飛び込み業者で契約してしまったら
- 4-1 クーリングオフ制度でキャンセルする
- 4-2 公的機関に相談する
万が一後から危険性に気づいたときは、早めに上記のような対処を行いましょう。
悪徳飛び込み業者から身を守るために、ぜひ実践してお役立てください。
最後までお読み下さりありがとうございました。