外壁塗装の剥がれ4つの原因を徹底解説!補修の流れと保証の注意点

剥がれ

あれっ、剥がれてる…。

塗装した箇所が剥がれていたら、施工不良じゃないか?問い合わせたらちゃんと直してもらえるよね?と不安になる方も多いのではないでしょうか。

 

外壁塗装の剥がれは経年劣化でも起こりますが、塗ってから23年以内で剥がれてきた場合は、やはり施工不良が原因と考えられます。

具体的に何が良くなかったのかは、剥がれの代表的な原因を押さえておけば大体の目安になってくれます。

剥がれは放っておくとさらに悪化したり、お家の寿命を縮めてしまったりするため、原因を知ってしっかり補修することが重要です。

 

本記事では、塗装が剥がれる主な原因と、業者に補修してもらうまでの流れ注意点を解説します。

また、補修業者を新たに探す人のための、適切な対応をしてくれる業者選びのコツもご紹介します。

 

最後までお読みいただくことで、剥がれに対して正しい対応ができ、しっかり補修することができます。

大切なお家をこれからも維持するために、ぜひじっくりとお読みくださいね。

 


1章 塗装が剥がれる4つの原因

剥がれ

剥がれ

外壁塗装が剥がれる原因は、経年劣化以外にも様々あります。

代表的なものは主に4つです。

ご自宅の剥がれの原因がどれかは、専門家による点検をしないとわかりませんが、まずはこういう原因がありうる、という目安として知っておきましょう。

 

1-1 塗料の選定ミス

塗料

剥がれの原因で良くあるのが、塗料の選定ミスです。

外壁塗装は、外壁の素材や状態によって適切な「下塗り」を選ばなければいけません。

下塗り塗料とは、素材と上塗り(仕上げ塗料)の間で接着剤のような役割をしてくれるものです。

これを間違えてしまうと、せっかくいい塗料を塗ったとしても、素材と合わなくて剥がれてきてしまうのです。

 

例えば市販の接着剤やボンドも、紙やプラスチックなら使えるけれど金属にはあまりくっつかないもの、など使える素材が決まっていますよね。

外壁塗装の下塗りもそれと同じです。

ボンド

 

例えば、ひび割れを埋める効果のある弾性フィラー系の下塗りなどは、モルタル壁にはよく使われますが、サイディングボードに塗ると膨れや剥がれの原因になることがあります。

また、劣化が進んでいて塗料をどんどん吸い込んでしまう状態のお家だったら、吸い込まれやすい塗料は避けるか、重ね塗りをしてしっかり上塗り塗料が乗るようにする、などの対策が必要になります。

 

このような選定ミスは、そもそもの業者の知識・経験不足や、事前の点検不足で起こることが多いです。

 

>下塗りの重要性について詳しくはこちら

 

1-2 下地処理の不足

下地調整

また、剥がれは下地処理不足で起こることも多いです。

下地処理とは、塗る前に素材を綺麗にして、しっかり塗料がくっつく状態にしてあげる作業です。

具体的には、高圧洗浄ケレンという工程が該当します。

 

高圧洗浄では、汚れ、ホコリ、カビ、コケ、古い塗膜などの余計なものを洗い落としていきます。

洗浄で落とし切れなかった頑固な汚れがあれば、スポンジや皮スキなどを使って手作業で落とすケレン作業を行ないます。

 

この下地処理が足りないと、汚れの上に塗料を塗ることになるので、塗料が素材ときちんと密着できず、早くに剥がれてしまう原因になるのです。

 

この工程は塗装してしまうともう見ることができません。

そのため、悪徳業者が早く工事を終わらせるために雑に下地処理を済ませる、ということもあります。

 

1-3 乾燥不良

艶消し塗料

外壁塗装は3回塗りが基本的ですが、この間の乾燥が足りない場合も剥がれが起きる可能性があります。

 

塗料カタログや仕様書には、必ず乾燥時間(塗装間隔)が書いてあります。

これを守らずにすぐ次の分を塗り重ねてしまうと、きちんと塗膜が固まっていないため、通常よりも弱い塗膜になります。

本来ならもっと長持ちするはずの塗料でも耐久性が落ちて、数年で剥がれることがあるのです。

 

■仕様書の例

塗料カタログ 乾燥時間

出典:関西ペイント セラMシリコンⅢ

この塗料は、下塗りの後は8時間以上、中塗りの後は4時間以上の乾燥時間が必要です。

 

これは職人の知識不足や、人件費を浮かせるために早く工事を終わらせようとしたときなどに発生する危険があります。

 

1-4 建物の構造上の問題

注意してほしいのが、業者の施工不良ではない原因の剥がれです。

そもそもお家や外壁の構造自体が、塗装が剥がれやすいものだった、ということがあるのです。

 

一番多いのは、サイディング外壁の「直貼り工法」というものです。

これは2000年以前に建てられたお家に多かった工法で、外壁の内側に通気スペースがないため、湿気が逃げる時に塗装をはがしてしまいます。

(近年は、通気スペースを設けた「通気工法」のお家が多いです)

直貼り工法、通気工法

 

これによる剥がれは、塗装ではなくお家の造り自体が原因で、業者も直貼りと気づかずに塗装してしまったというケースが多いです。

直貼り工法について詳細や塗装する際の注意点などは、以下のページをご覧ください。

 


2章 放置は危険!見つけたら補修必須

剥がれ

塗装の剥がれを見つけたら、例えほんの小さなものでも、必ず補修を行いましょう

剥がれは放っておくと周りに広がって補修が大変になるうえに、お家の寿命も縮めてしまうからです。

 

塗装は外壁を水から守る“防水”の役割をもっています。

剥がれた場所は防水できていないので、外壁材やお家の内側に水を入れて弱らせてしまいます。

もしも外壁材やお家の内側がひどく傷んでしまったら、直すには壁材・木材の交換などの大掛かりな工事が必要です。

 

人間の健康と同じで、軽症のうちに手当てをしておくことで、重症になってから大手術する可能性を減らすことができます。

これくらい別にいいかと思わずに、剥がれは見つけたら1日も早く補修を検討しましょう。

 


3章 剥がれ補修の流れ

それでは、実際に剥がれを補修するまでの流れを見ていきましょう。

業者にしっかり直してもらうための手順を説明していきます。

 

3-1 まずは塗装工事した業者に連絡

電話

塗装の剥がれを見つけたら、まずは前に塗装工事をしてもらった業者に連絡しましょう。

剥がれの状態を点検しに来てもらいます。

このときには、

  • 何年前に塗装したか
  • 具体的にどこが剥がれているのか(例:北面外壁の下のほう、ベランダの内側の1面、など)

も伝えておくとスムーズです。

 

※塗装した業者がもうなくなっている、以前トラブルがあったのでその業者には声をかけたくない、などの事情がある場合は、別の業者を探す必要があります。

そのような場合は、→5章をご覧ください。

 

3-2 当時の資料と保証範囲をチェック

保証書

点検に来てもらう日にちが決まったら、それまでの間に塗装した当時の資料を探しましょう。

見てほしいのは、

  • 契約書
  • 見積もり書
  • 保証書

3つです。

契約書と見積書には、使った塗料や工事の仕様が書いてあることが多いです。

契約段階で塗料の選定ミスなどがなかったかの確認のために出しておきましょう。

 

そして保証書は、剥がれ補修が保証範囲内でやってもらえるかの確認です。

  • 保証箇所(どこをやってくれるか)
  • 保証範囲(どの場合ならやってくれるか)
  • 保証期間(いつまでやってくれるか)
  • 保証内容(どんなことをやってくれるか)

4点をチェックしましょう。

 

保証箇所(どこをやってくれるか)

保証対象になっているのは、ほとんどの塗装会社が「外壁と屋根」のみです。

例えば剥がれているのが破風板や雨どいだった場合は、対象外になりますのでご注意ください。

 

保証範囲(どの場合ならやってくれるか)

一般的なのは「業者の施工が原因の塗膜剥離(剥がれ)」に対する保証です。

色あせやコケの発生は経年劣化や自然環境の影響でなかなか避けられないので、保証の対象にならないことが多いです。

また台風で飛んできたものが当たって剥がれた、直貼り外壁という建物の構造上の問題だった、という場合も、業者の施工が原因ではないので、対象外になります。

 

保証期間(いつまでやってくれるか)

保証期間・保証年数は、業者によっても塗料によっても変わります。

「工事完了後○年」と書いてあることが多いので、今がその期間内かチェックしましょう。

この工事完了日をいつとするかも、「塗装作業が終わった日」「足場解体した日」「完了のサインをした日」など、業者によって少し変わることがあります。

 

保証内容(どんなことをやってくれるか)

具体的に何をしてくれるのか、も業者によって異なります。

「不具合箇所を補修する」「無料で点検をする」「上限金額○○円分までは業者負担で補修し、それ以上はお客様負担となる」

など、様々なパターンがありますので、チェックしておきましょう。

 

これらの書類を探して確認したら、あとは業者が点検に来るのを待ちます。

内容で不明点があったら、来てもらったときに聞いておきましょう。

 

3-3 補修方法と費用を確認

点検をしたら、具体的な補修の見積もりを出してもらいましょう。

剥がれの補修は、状態や原因などによって異なります。

 

ごく一部分を塗りなおす(タッチアップ)程度であれば、材料代+人件費で1~3万円ほどで済むことが多いです。

一方、足場も必要な広範囲の塗りなおしや、外壁材の張り替え工事になると、20万円以上の見積もりになることもあります。

 

見積もりをもらうときは、「こういう原因で、このような補修が必要なので、いくらかかります」と、点検の結果と合わせて内容を説明してもらいましょう。

 


4章 自己判断でのDIYは失敗しやすいのでNG

DIY NG

塗装の剥がれは、たとえほんの小さな症状だったとしても、DIYで直すのはやめましょう

結局すぐまた剥がれてきたり、次の補修がさらに難しくなったりと、失敗しやすいからです。

 

一度塗装が剥がれてしまったということは、普通にまた塗装しても同じように剥がれる可能性があります。

症状や原因にもよりますが、下塗り塗料の選定や下地処理など気を付けなければいけないことが多いので、専門家に任せるのが安心です。

 

せっかく自分で直してみたのに何度もやり直しになり、どんどん見た目も状況も悪くなっていく…ということにだけはならないよう、塗装業者にきちんと連絡して対応してもらいましょう。

 


5章 相談できる業者がいないときの探し方3つのコツ

ここまで、塗装の剥がれは前に塗装してもらった業者に見てもらうようお伝えしてきました。

しかし中には、すでにその会社がなくなってしまった職人さんが引退してしまったあそこにはもう声をかけづらい・・・等の理由で、新しく業者を探さなければいけない方もいらっしゃると思います。

 

そんな場合は、信頼できる業者を見極めるコツ3つにまとめましたので、ぜひこちらを確認して探しましょう。

これから塗装をする方で、剥がれが起きないような業者に頼みたいという方にも参考にしていただけます。

 

5-1 施工実績が豊富

n.t_fujisawa

まずは、地元で実際に工事した実績が多い会社を探しましょう。

工事件数が多く、様々な種類の外壁材、塗料を扱った経験があれば、皆さまのご自宅の状態に似た状況を対応したこともある可能性が高いからです。

逆に工事経験が少ない業者では、塗料の仕様などの知識がそもそも足りないこともあります。

 

お家の状態や状況は、本当に一軒一軒異なります。

同じメーカー、同じ外壁材だったとしても、立地や住む人の暮らし方によってお家に現れる劣化症状も違ってきます。

そんななかでは、1つでも多くのパターンを経験している会社の方が、より適切な提案ができるでしょう。

 

5-2 事前診断、説明が丁寧

点検中

次に、見積もり前の事前診断(点検)とその説明が丁寧なところを選びましょう。

剥がれの状況はきちんと現地にきて見ないと適切な処置ができません。

例えば写真だけメールで送ったら見積もりを出してくれた、というようなところは、単に見た目をちょっと整えるだけの工事になる可能性が高いので、避けた方が良いです。

 

そして見積もり書の内容も、点検の結果どういうことが原因と考えられるので、こういう補修を行います、と分かりやすく説明してもらえると安心できます。

 

剥がれの補修は、一度不具合が出てしまった箇所ですから、また塗装するにしても慎重にならなければいけません。

納得のいく補修をしてもらうためにも、必ず点検と説明を丁寧に行ってくれる業者を選びましょう。

 

5-3 リフォーム瑕疵保険に加盟している

最後に、「リフォーム瑕疵保険(JIO)」の登録業者かどうかをチェックしましょう。

リフォーム瑕疵保険とは、加入している施工店の工事で瑕疵(かし…施工不備による傷やほころび)があった際に保険金を使って補修してくれる保証です。

 

つまり塗装業者が加入する保険なのですが、これは一定の工事品質、信用力が認められた業者でなければ入れません

施工不良が多い信頼できない業者には保険が出せないので、加入できないということです。

 

このリフォーム瑕疵保険の有無は、業者の信用度を見るひとつの目安になります。

加入業者はホームページやパンフレットに登録番号が載せてあることが多いので、チェックしてみましょう。

JIOリフォーム瑕疵保険

また、以下のサイトで地域ごとに登録業者の検索もできますよ。

JIO 届出・登録事業者検索

 

この保険を実際に利用するには、工事費とは別に3万~5万前後の保険料が必要になります。

保険は使わないけども、登録事業者=信頼できる、という業者選びの目安の一つとして押さえておくだけでも、役立ちますよ。

 


まとめ

塗って23年で外壁塗装が剥がれてしまう場合の原因は、

  • ・塗料の選定ミス
  • ・下地処理の不足
  • ・乾燥不良
  • ・建物の構造上の問題

などが挙げられます。

剥がれは放っておくとお家を傷める危険がありますので、必ず補修をしましょう。

 

まずは塗装工事した業者に連絡をして点検に来てもらい、当時の資料と保証範囲をチェックしたうえで、見積もりをもらって補修方法や費用を確認しましょう。

自己判断でのDIYは失敗しやすいのでおすすめしません。

 

また、相談できる業者がいないときは、以下の3点を見て業者を探しましょう。

  • ・施工実績が豊富
  • ・事前診断、説明が丁寧
  • ・リフォーム瑕疵保険に加盟している

 

塗装の剥がれは施工不良によるものが多いです。きちんと手順を踏んで確認をし、適切に直せるようにしましょう。

最後までお読みくださりありがとうございました。

 

【おすすめ記事】

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