「外壁塗装をするなら、信頼できるメーカーの製品を使いたい。」
「見積りを取ったら業者によって塗料がバラバラで、どれがいいのかわからない。」
このようにお困りの方も多いのではないでしょうか。
住宅に使われる塗料(建築塗料)のメーカーは、国内外に無数にあります。
ただその中でも、実績や製品の質などから主要なメーカーを絞り込むことが可能です。
本記事では、信頼できる建築塗料メーカー12社とそれぞれの代表的な塗料を具体的にご紹介します。
塗料提案から実際の塗装工事まで携わる“塗装のプロ”が厳選しましたので、塗料を検討中の方はぜひ参考にしてみてくださいね。
ただどんなに良い塗料でも、最終的に扱う業者・職人の腕次第で品質は変わってしまいます。
最後には良い業者の見極め方も簡単に解説しますので、塗料を決める前には必ずお読みください。
読み終えていただければ、信頼できる塗料メーカーが分かり、より良い品質で塗装工事ができるようになります。
どうぞじっくりとお読みくださいね。
目次
1章 塗料メーカー選びで見るべきポイント
塗料メーカーのことを調べようと思っても、なんとなく企業の情報を見ているだけでは、本当に信頼できるところなのかどうか判別できないですよね。
まずは、塗料メーカーを見比べるときに押さえてほしい点を2つ紹介します。
これだけは念頭に置いたうえで、気になる塗料メーカーをチェックしてみてください。
1-1 知名度だけで選ばない
「塗料メーカーの名前を聞いたことがある・ない」という知名度だけで判断しないように気を付けましょう。
一般的に知られていなくても技術力の高い信頼できるメーカーは多数あるからです。
塗料メーカーは一般の方向けに広告・CMなどをすることがほとんどないですから、関連業界以外の人がメーカーの名前を知る機会自体がめったにありません。
また、有名なメーカー商品だったとしても、あなたのお家の建材や下地状態に適応しているとは限りません。
今回の塗装に求める性能や価格帯も、ひとそれぞれです。
各メーカー、各塗料の強みや特徴があなたのお家に適しているかどうか、で選ぶことが重要です。
見積りで知らないメーカーの塗料が出されたからといってすぐ却下するのではなく、まずは業者に「なぜこの塗料を選んだのか?」「どんなメーカーなのか?」を説明してもらってから判断しましょう。
1-2 常に新しい技術を取り入れているか
塗料メーカーは最新技術を取り入れ、常に新製品の開発や、改良・改善をし続けているところを選びましょう。
塗料の技術発展は目覚ましく、この10年でも塗料業界の常識は変わっているからです。
昔は高額すぎて公共施設や大型物件でしか使われなかったフッ素塗料も、今では技術開発によって価格が下がり、戸建住宅でも一般的になりました。
水性塗料は油性塗料より耐久性が劣ると言われてきましたが、近年は油性に匹敵する水性塗料も出てきました。
また新しい外壁材の中には、昔からある普通の塗料では塗れないような加工のものもあります。
ずっと同じ塗料だけを作っているメーカーよりも、時代に合わせ、様々な技術を取り入れているメーカーの方がより良い製品を作っていると信頼できます。
本当にあなたのお家に適した塗料を選ぶためにも、新商品の開発や既存製品の改良をきちんと行っているメーカーか確認しましょう。
2章 信頼できる外壁塗料メーカー12社&代表塗料
数ある塗料メーカーの中でも、実際に選ばれていて実績や品質で信頼できるところは絞られてきます。
ここでは、1章の内容もふまえ、12,000件以上の施工、職人育成、塗料販売など、塗装工事に関してトータルに扱っているユーコーグループが、自信を持っておすすめできるメーカーと代表的な塗料をご紹介します。
関西ペイント | 創業100年を超える大手メーカー。自動車、船舶、家電などの塗料も扱う。独自の技術を活かした特許も多く、高品質・高耐久の塗料が豊富。 |
水谷ペイント | まもなく100周年の老舗メーカー。ナノテクノロジーを取り入れた最先端塗料も扱う。屋根用塗料の性能が特に優れている。 |
日本ペイント | 1881年創業・日本初の塗料メーカーで自動車用塗料なども扱う。塗料業界では国内売り上げ1位。安価で扱いやすい塗料が多い。 |
菊水化学工業 | 「下地から仕上げまで」を掲げる総合塗料メーカー。様々な建物に合わせた豊富な下地調整剤のラインナップが特徴。 |
エスケー化研 | 建築仕上げ塗材で国内シェア1位。断熱材や省エネ建材も扱う。豊富なラインナップと比較的安価な価格帯が人気。 |
ロックペイント | 建築塗料以外には、特に自動車用塗料でも有名なメーカー。比較的安価で、職人も作業しやすい塗料が多いのが特徴。 |
スズカファイン | 地球環境にやさしい水性塗料にいち早く着目したメーカー。遮熱塗料のバリエーションが豊富で、学校や公園など公共の場での実績も豊富。 |
AGCコーティック | 「AGC旭硝子」のグループ企業。旭硝子の作るフッ素樹脂を活かした、高品質なフッ素塗料を製造している。 |
ジャパンカーボライン | エッフェル塔、自由の女神などにも使われている世界的な重防食塗料メーカー。フッ素以上の耐久性である無機塗料の開発・実績が有名。 |
大同塗料 | 住宅用では高性能な屋根塗料に特化しているメーカー。他にはプール用、床コンクリート用など防水性・耐久性が必要な塗料の技術が高い。 |
アステックペイントジャパン | オーストラリアの塗料メーカーの日本向け代理店。紫外線に強い塗料の製造を得意とし、全国にフランチャイズ店舗を展開している。 |
日進産業 | JAXAの宇宙ロケット開発技術を応用した断熱塗料「ガイナ」を製造・販売するメーカー。 |
※金額は比較しやすいよう、メーカー公表の材工価格を記載します。(材料と工事費の概算。3回塗り、300㎡以上を基準とした場合の1㎡あたりの費用)。実際の見積金額は業者によって異なります。 |
2-1 関西ペイント
関西ペイントは、1918年設立の創業100年を超える総合塗料メーカーです。
建築塗料だけでなく自動車、船舶、家電など幅広い分野の塗料を扱っています。
このメーカーをおすすめする最大の理由は、技術力の高さ・バリエーションの豊富さです。
高品質で耐久性の高い塗料が多く、また独自の技術を活かした特許権利保有数は1,286件にも上ります。
戸建住宅向けの塗料では、例えば雨天でも使える塗料、漆喰の性質を活かした抗菌消臭塗料など、他社にはない新しいものを続々と開発しています。
歴史と技術力の高さ両方から、非常に信頼できるおすすめのメーカーです。
(外壁)アレスダイナミックTOP
出典:関西ペイント
グレード | シリコン |
水性/油性 | 水性 |
メーカー材工価格 | 3,300~4,000円/㎡ |
アレスダイナミックTOPは、「ラジカル制御」という技術を搭載した最新のシリコン塗料です。
ラジカルとは外壁を劣化させる原因物質のひとつで、これの働きを抑える機能によって劣化を遅らせ、シリコンの中でも上位の13~15年という高い耐久性を実現しています。
また、専用の強化剤を使うことで、従来は不可能だった雨天時や湿潤面でも塗装することができます。
梅雨時期や湿気の多い立地の方も安心して、良い品質の塗装にすることができます。
(屋根)アレスクール2液F
出典:関西ペイント
グレード | フッ素 |
水性/油性 | 油性 |
メーカー材工価格 | 4,000~4,600円/㎡ |
アレスクールは関西ペイントの屋根用遮熱塗料です。
上塗りだけでなく下塗りにも遮熱効果があるのが特徴で、しっかりと赤外線を反射して、屋根の温度上昇を抑えてくれます。
遮熱塗料のJIS規格(日本工業規格)も合格しているため、その性能はお墨付きです。
2-2 水谷ペイント
水谷ペイントは1922年創業、まもなく100周年を迎える老舗メーカーです。
地球環境に優しい水性塗料の開発に昔から力を入れています。
また、ナノテクノロジーを使った最先端塗料も扱うなど、優れた技術力を常に発揮し続けています。
特に屋根用塗料の性能の高さに定評がある企業です。
(外壁)ナノコンポジット
出典:水谷ペイント
グレード | シリコン |
水性/油性 | 水性 |
メーカー材工価格 | 3,200~3,400円/㎡ |
ナノコンポジットWは水谷ペイントを代表するロングセラー製品です。
独自のナノテクノロジーにより汚れ・色褪せに対して非常に強く、美しい外観を長く保てるのが特徴です。
汚れが目立ちやすい白い外壁にしたい方や、大通りが近くて排気ガス汚れなどが気になる方にぜひおすすめします。
また2004年の販売開始から15年以上経っており、実績数が多いだけでなく、随時改良を重ねられているのも信頼できるポイントです。
2019年6月には、柔軟性がアップしてシーリング材の上でもより割れにくいようにリニューアルされています。
(屋根)ルーフピアニ
出典:水谷ペイント
グレード | シリコン |
水性/油性 | 水性 |
メーカー材工価格 | 3,300円~/㎡ |
ルーフピアニは世界初の水性2液塗料※です。
以前は「水性塗料は油性(溶剤)塗料よりも性能が劣る」と言われていましたが、水谷ペイントが開発した水系2液硬化システムとナノシリコンテクノロジーにより、油性シリコンと同等の耐久性を実現しました。
環境への優しさ・臭いの少なさと耐久性を両立させたい人にぜひおすすめです。
※1液…塗料本体+希釈材(水やシンナー)で使う塗料。扱いやすいがやや性能が劣る。技術の関係で、以前は水性塗料は1液のみだった。 2液…塗料本体+硬化剤+希釈材(水やシンナー)で使う塗料。工事現場で硬化剤を混ぜる手間がかかるが高機能。
>1液、2液の違いについて詳しくはこちら |
2-3 日本ペイント
日本ペイントは1881年創業の、日本初の塗料メーカーです。
建築塗料以外に自動車用塗料など様々な分野を扱い、国内売り上げ1位、建築塗装でもシェア2位となっています。
各分野で培った技術力と、他メーカーと比べて安価で扱いやすい塗料が多いのが人気の理由です。
(外壁)パーフェクトトップ
出典:日本ペイント
グレード | シリコン |
水性/油性 | 水性 |
メーカー材工価格 | 3,000~3,400円/㎡ |
パーフェクトトップは、日本で初めて「ラジカル制御」の技術を取り入れた塗料です。
しっかりした光沢が出るので、仕上がりも新築のように美しくなります。
また、同シリーズには「パーフェクトトップローズ」という、施工中にバラの香りがする斬新な塗料もあります。
塗装工事中の臭いが心配だという人にはそちらもおすすめです。
(屋根)サーモアイ4F
出典:日本ペイント
グレード | フッ素 |
水性/油性 | 油性 |
メーカー材工価格 | 4,610円~/㎡ |
サーモアイ4Fは、日本ペイントの遮熱塗料の中でも最も耐久性の高い塗料です。
前述の関西ペイントの遮熱塗料と同じく、下塗りにも遮熱効果があってJIS規格も取得しているため安心です。
より安価な塗料をご希望の方は、シリーズ内のシリコン系塗料もお選びいただけます。
2-4 菊水化学工業
菊水化学工業は、「下地から仕上げまで」を掲げている総合塗料メーカーです。
塗料の性能を最大限発揮できるよう特に下塗り・下地調整剤の開発に力をいれており、様々な建物の種類に合わせた豊富なラインナップがあるのが特徴です。
また実際の塗装工事の品質に対しても強いこだわりを持っており、メーカー自らが塗装施工をするという、他社にはないサービスも行っています。
(外壁) グラナダフレッシュ
出典:菊水化学工業
グレード | シリコン |
水性/油性 | 水性 |
メーカー材工価格 | 2,350~2,700円/㎡ |
グラナダフレッシュは、高意匠外壁専用の塗料です。
他の一般的な塗料だと塗装後は”艶”が出てしまいますが、この塗料は完全艶消しでマットな仕上がりになります。
モルタル壁・ジョリパットなどの細かな凹凸感や、あたたかな風合いをそのまま残したい方におすすめです。
(屋根)SPパワーサーモF
出典:菊水化学工業
グレード | フッ素 |
水性/油性 | 油性 |
メーカー材工価格 | 3,900円~/㎡ |
SPパワーサーモFは、遮熱系のフッ素塗料です。
一般のフッ素よりも結合が強い4フッ化フッ素樹脂を使っており、15年以上の優れた耐候性があります。
またSPパワーサーモシリーズでは、チタン系黒色遮熱顔料を使用しているため、他の塗料の黒よりも変色しにくくなっています。
そのため屋根を黒系の色で塗装したい方におすすめの塗料です。
2-5 エスケー化研
エスケー化研は、「建築仕上げ塗材」の分野で国内No.1シェアの塗料メーカーです。
断熱材や省エネ建材の製造も行なっています。
新製品の研究開発に積極的で、豊富なラインナップと比較的安価な価格帯が人気の理由です。
(外壁)エスケープレミアムシリコン
出典:エスケー化研
グレード | シリコン |
水性/油性 | 水性 |
メーカー材工価格 | 2,700~3,350円/㎡ |
こちらはエスケー化研の代表的な水性シリコン塗料です。
特殊なハイブリッドシリコン樹脂によって、高い耐候性と低汚染性を実現しています。
また、職人が塗りやすい適度な粘性も特徴で、作業効率が良い塗料となっています。
(屋根)クールタイトSi
出典:エスケー化研
グレード | シリコン |
水性/油性 | 油性 |
メーカー材工価格 | 3700円~/㎡ |
クールタイトSIはエスケー化研の屋根用遮熱塗料です。
遮熱塗料は汚れがつくと効果が弱まってしまうのですが、この塗料は低汚染機能、防カビ、防藻機能もあるため、長期にわたって高い遮熱性を保ってくれます。
2-6 ロックペイント
ロックペイントは1931年創業の塗料メーカーです。
「人と環境にやさしい商品とサービスの提供」を掲げ、特に自動車用の塗料で有名ですが、建築用塗料もとても充実しています。
比較的安価で選びやすく、職人にとっても作業しやすい塗料が多いのが特徴です。
(外壁)ユメロック
出典:ロックペイント
グレード | シリコン |
水性/油性 | 油性 |
メーカー材工価格 | 2,600~2,900円/㎡ |
ユメロックはシリコンの耐久性とウレタンの柔軟性・密着性を融合させたハイブリット塗料です。
外壁にはもちろん、伸縮しやすい金属部や木部、塩化ビニル素材などにもおすすめです。
高級シリコンやフッ素などと比べると耐久性はやや劣りますが、安価で素材に合う塗装をしたい場合に適しています。
(屋根)サンフロンルーフ
出典:ロックペイント
グレード | フッ素 |
水性/油性 | 油性 |
メーカー材工価格 | 3,900円~/㎡ |
こちらはロックペイントのフッ素系屋根用塗料です。
4フッ化構造という強いフッ素樹脂により、紫外線や錆などから屋根を守ってくれます。
また、カビ・コケなどが繁殖しにくいのも特徴です。
2-7 スズカファイン
スズカファインは三重県鈴鹿市で設立した創業70年を超える塗料メーカーです。
業界でもいち早く水性塗料の可能性に着目し、人と地球にやさしい製品づくりを進めています。
特に遮熱塗料のバリエーションが豊富で、屋根外壁用だけでなく、学校などに使われる屋上防水用遮熱塗料、公園などに使われる歩道用遮熱塗料は、ヒートアイランド対策として実績があります。
(外壁)WBアートSi
出典:スズカファイン
グレード | シリコン |
水性/油性 | 水性 |
メーカー材工価格 | 3,900~5,300円/㎡ |
WBアートSiは、同社の窯業系サイディング塗替用シリーズ「ウォールバリア」の多彩仕上げ塗料です。
窯業系サイディングはタイル柄、石材柄などおしゃれなデザインが多いですが、一般的な塗装では単色で塗りつぶされてしまいます。
しかしこの塗料は「2色仕上げ」や「3色仕上げ」を選べ、塗り替え後もタイル柄などの模様を付けることができます。
せっかくのサイディングのおしゃれさを塗装後も楽しみたいという方にぜひおすすめです。
(屋根)ワイドエポーレFクール
出典:スズカファイン
グレード | シリコン |
水性/油性 | 油性 |
メーカー材工価格 | 3,600~4,200円/㎡ |
こちらはエポキシ変性シリコン樹脂系の遮熱塗料です。
エポキシとは強化剤・接着剤の成分で、強くはがれにくい塗膜を作ってくれます。
JIS規格を3つも取得しており、公共建築などにも採用実績がある、とても信頼できる塗料です。
また、屋根・外壁両方ともに使うことができますので、お家全体をこの塗料で統一して施工することもできます。
2-8 AGCコーテック
AGCコーテックは、世界最大手のガラスメーカー「AGC旭硝子」のグループ会社です。
旭硝子はフッ素樹脂のリーディングカンパニーでもあるため、その技術力を生かした高耐久のフッ素塗料を製造しています。
(外壁)ルミステージ
出典:AGCコーテック
グレード | フッ素 |
水性/油性 | 水性 |
メーカー材工価格 |
|
ルミステージはAGCのフッ素「ルミフロン」を用いた住宅専用塗料です。
施工技術やマナー面などを総合的にクリアしたメーカー認定施工店(メイクupショップ)しか扱うことができません。
独自のサポートシステムも設けており、10年の塗膜保証もつく安心感があります。
(屋根) ボンフロン サンバリアGT
出典:AGCコーテック
グレード | フッ素 |
水性/油性 | 油性 |
メーカー材工価格 |
|
こちらはAGCコーテックの高耐候性フッ素塗料「ボンフロン」の遮熱塗料です。
通常の3回塗りのあとに専用のクリヤーコーティングも行う4回塗り、という独自の仕様によって、高い耐久性を実現しています。
公共施設やビル、工場などにも使われている、信頼のおける塗料です。
2-9 ジャパンカーボライン
ジャパンカーボラインは、世界的に有名な重防食塗料※のカーボライン社の日本法人です。
パリのエッフェル塔、自由の女神や、世界各地の原子力発電所なども手掛けているメーカーで、フッ素以上の耐久性を発揮する「無機塗料」の開発・実績に定評があります。
※重防食塗料…簡単に塗り替えできない大型物件、橋、道路など向けの塗料。高い耐久性が求められる。
(外壁・屋根)セラスターシリーズ
出典:ジャパンカーボライン
グレード | 無機 |
水性/油性 |
|
メーカー材工価格 |
|
セラスターシリーズは、次世代の無機・有機ハイブリッド塗料です。
無機物(ガラス、石など経年劣化しないもの)の成分を配合したことで、20年以上という高い耐候性を発揮します。
外壁用のセラスターウォール、クリヤースターウォール(透明な塗料)、屋根用のセラスタールーフがあります。
他メーカーの無機塗料と比べて、無機成分の含有量が非常に高いのが特徴です。
日本だと中部国際空港や東京国際フォーラムの塗装にも使用されており、様々な無機塗料の中でも特に信頼性が高くおすすめです。
2-10 大同塗料
大同塗料は、1932年創業の歴史ある塗料メーカーです。
プール用塗料や床コンクリート用塗料など、高い防水性・耐久性が求められる分野での技術力が評価されています。
住宅向けでは、高性能の屋根用塗料に特化しているのが特徴です。
(屋根)ハイルーフマイルドシリコン
出典:大同塗料
グレード | シリコン |
水性/油性 | 油性 |
メーカー材工価格 |
|
ハイルーフマイルドシリコンは、通常の塗装が3回塗りであるのに対し、2回塗りでしっかり仕上がる、という画期的な塗料です。
しかも、スレート屋根だけでなく、金属屋根やモニエル瓦、さらにこれまで塗装は不向きとされていた陶器瓦にも使えるという、優れた密着性が特徴です。
2回塗りなので工期も短くなり、使う塗料の量自体も減るので、人件費・塗料代のコストカットになります。
お得に屋根塗装をしたいという方にはぜひおすすめしたい塗料です。
2-11 アステックペイントジャパン
アステックペイントジャパンは、オーストラリアの塗料メーカー・アステックペイントの日本向け代理店です。
オーストラリアの気候に適応した、紫外線に強い塗料の製造を得意としています。
また、メーカー直営のフランチャイズ施工店を全国規模で展開しています。
(外壁・屋根)超低汚染リファインシリーズ
出典:アステックペイント
グレード | シリコン、フッ素 |
水性/油性 | 水性 |
メーカー材工価格 |
|
こちらは建物の美観維持を徹底的に追求した超低汚染塗料です。
汚れがつきにくい、汚れがついても落ちやすい、という効果があります。
塗りたての美しさを長く楽しみたい方におすすめです。
また屋根用・外壁用どちらも遮熱効果がついているのも特徴です。
2-12 日進産業
日進産業は、断熱塗料に特化したメーカーです。
JAXAの宇宙ロケット開発技術を応用した断熱塗料「ガイナ」の研究・開発を行なっています。
(外壁・屋根)ガイナ
出典:日進産業
グレード | シリコン |
水性/油性 | 水性 |
メーカー材工価格 | 4,500~5,100円/㎡ |
ガイナは屋根・外壁両方に使える断熱塗料です。
暑さ寒さ対策はもちろん、防音効果や結露対策にもなる多機能性が特徴です。
※ガイナを使う場合は、下塗りに注意が必要です。 実は日進産業では下塗り塗料を開発しておらず、以前はガイナを塗るときは「下塗り材は他メーカーのものを各自選んで使う」というやや不安定な仕様でした。 2018年5月にようやく、菊水化学工業との共同開発でガイナ専用下塗り材が販売されました。 下塗りが適切でないと不具合が出る可能性もありますので、塗る場合は必ずこの専用下塗り材の使用をおすすめします。 |
3章 重要!最適な塗料提案・施工をしてくれる業者の見極め方
ここまで信頼できるメーカー選びについて解説してきましたが、実は同じくらい重要なのが業者選びです。
なぜなら、どんなに優れたメーカー、優れた塗料だったとしても、それを提案して工事するのは塗装業者だからです。
そもそもの提案があなたのお家に合わない塗料だったり、杜撰な工事をされたりしたら意味がありませんよね。
ここでは最後に、本当にあなたのお家に合った塗料提案と工事をしてくれる業者に見極めポイントを3つご紹介します。
今回の塗装工事を最高のものにするために、ぜひチェックしてみてください。
3-1 60分程度の丁寧な事前点検
塗料の提案・見積もりは、必ず現地で詳細な点検をしたうえで作ってもらいましょう。
事前点検がなければ、あなたのお家の建材や下地状態に合った塗料かどうかは判断できないからです。
たまにパッと外観を見ただけや図面を受け取っただけで見積もりを出す業者がいますが、これは絶対にNGです。
塗料の選定ミスで将来不具合が起きたり、工事がはじまってから仕様変更が出て混乱したりする可能性があります。
しっかりした点検をすると、外壁・屋根合わせて60分程度は必要です。
まずはこのくらい丁寧に見てくれる業者かどうか確認しましょう。
3-2 複数メーカーの提案を出してくれる
見積もりを取るとき、「見比べたいので、いくつかのメーカーの塗料で提案をもらえますか?」と聞いてみましょう。
もしも「いやおすすめがあるのでそれで出しますよ」「○○の塗料が一番ですからそれだけ見れば十分ですよ」などと断ってきたら要注意です。
特定のメーカーとしか取引していない、その商品だけ重点的に売りたいという業者側の都合がある、他のメーカーは使ったことがないから提案できない、という可能性があるからです。
それでは選択肢が狭まって、本当にあなたのお家に適した提案というのはしにくくなってしまいます。
優良な業者は、様々な塗料を扱った経験があるからこそ、より良いものを選んで提案してくれます。
業者は幅広い知識・経験があって多様な提案ができるところを選びましょう。
3-3 メーカー保証がある
塗装業者は、「塗料メーカーからの保証がつく」ところを選びましょう。
メーカー保証とは、その業者の技術力、信頼性の証拠だからです。
実は、一般的には塗装にメーカー保証はありません。
どんなに良い塗料でも、現場の職人が正しく使わなければ本来の性能は発揮できないためです。
例えば今あなたがネットで塗料を買って自宅の壁を塗ったとしても、メーカーはあなたの腕前や作業の様子が分かりませんから、保証の出しようがありません。
塗装会社であってもこれは同じで、メーカーは現場の状況まで知らないので簡単に保証は出せないのです。
しかし優良業者の中には、メーカーから技術力や工事品質などを認められて、メーカー保証を出せるところもあります。
メーカーとしては、万一不具合があったら自分たちも対応しないといけないため、保証を出す業者は技術力、品質管理、会社体制など、全体的に厳しくチェックします。
メーカー保証が出る=その業者がメーカーという第三者から信頼されている証拠、と言えます。
塗料選びにこだわったからには、当然その性能を100%発揮してもらいたいですよね。
そのためにはぜひ、メーカー保証が出る業者かどうかを確認しましょう。
※メーカーに認められた業者でも、全ての塗料にメーカー保証が付くわけではありませんのでご注意ください。 使いたい塗料でメーカー保証がつくのが一番ですが、もし対象外の塗料だったとしても、「メーカーから認められた塗装業者」であれば対象外の塗料も適切に取り扱うと考えられますので、業者の信頼度のポイントとして考えておくと良いでしょう。 |
まとめ
数ある塗料メーカーの中でも、実績や性能から信頼できるところをご紹介しました。
しかしメーカーだけで塗料を決めてしまうのは危険です。
その塗料の特徴や機能があなたのお家に適しているのかを確認してから選びましょう。
また、塗装の品質を最も左右するのは施工業者です。
優良業者を見極めて、あなたに最適な塗料の提案・塗装工事をしてもらいましょう。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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