
「50坪の家の外壁塗装、いくらくらいが相場なんだろう…」
見積もりを取る前にあらかじめ調べる人もいれば、見積もりを見て「この金額は妥当なの?」と迷う人も少なくありません。
実は、50坪のお家の相場は、お家のさまざまな条件によって変わってきてしまいます。
なぜなら、一般的な30坪の住宅と比較して大きなベランダや窓が多く、デザインにこだわって建てられているケースが多いため、お家によって「塗装面積が増える」「足場が大きくなる」などの金額の変化が起きやすくなるからです。
そのため、建物の条件によって変わる外壁塗装の費用や工期をイメージするために、あらかじめ相場を知っておくことが大切です。
この記事では、50坪住宅の外壁塗装費用の一般的な相場から、価格が変動する主な要因、さらにおすすめの塗装プランや見積もりチェックのポイントまで、わかりやすく解説します。
読み終えていただければ、あなたの見積もりが適正かどうか判断でき、安心して外壁塗装工事を依頼できるようになります。
1章 50坪の外壁塗装費用相場
50坪のお家の外壁塗装の相場は、110万〜170万円です。
これから塗装を検討されている方は、まずはこの金額を目安に考えてみてください。
30坪・40坪・50坪のお家の外壁塗装の相場は、以下の通りです。
なぜここまで差が出るのか?
その疑問を解消するために、まずは費用に大きな影響を与える 「塗料の種類と金額」 から解説していきます。
1-1 塗料別の相場
外壁塗装の費用は、選ぶ塗料で大きく変わります。
長持ちする塗料ほど金額も高くなるため、工事をお考えの方は「何年くらい持たせたいか」を基準に選ぶのがおすすめです。
下記は代表的な塗料と、50坪のお家での費用・耐用年数の目安です。
塗料の選び方ひとつで、将来のメンテナンス回数や総費用が大きく変わってきます。
1-2 項目別の単価相場
外壁塗装は塗料代だけでなく、足場・養生・補修・付帯部の塗装など、さまざまな作業の積み重ねで成り立っています。
それぞれの単価を知っておくと、見積もりが適正かどうか判断しやすくなります。
※お家によって必要な作業項目、量は異なります。
単価はあくまで目安であり、地域や業者によって差があります。
そのため、見積もりの単価が相場より高く感じても、必ずしも間違っているわけではありません。
外壁のデザインが複雑だったり、下地の劣化が進んで補修が増えたりすると、費用が上がることもあります。
気になるときは「なぜこの金額になるのか」を確認してみましょう。
納得できる説明があれば安心です。
屋根・外壁塗装の際に一緒に塗装することが多い附帯物は、主に「破風板」「軒天」「雨樋」「戸袋・雨戸」、「霧除け・出窓天板」「シャッターボックス」「水切り」で、場所は下図の通りです。
▼塗装が必要な附帯物の場所
これらの場所も塗装対象に含まれるかどうかを把握しておくことで、見積もりが適正かどうかを判断しやすくなります。
1-3 業者選びでも相場は変わる
外壁塗装の費用は、塗料や作業内容だけでなく、どの業者に依頼するかによっても変わります。
特に、施工を自社で行っている専門業者に依頼すると、中間マージンが発生しないため、適正価格で品質の高い工事を期待できます。
一方で、ハウスメーカーやリフォーム会社では、下請けに工事を任せるケースが多く、その分の費用が加わり、同じ工事でも金額が高くなることがあります。
相場を理解するには、「塗料」「工事内容」「業者選び」 の3つをセットで考えることが大切です。
2章 費用と工期が変動する7つの理由
50坪のお家の外壁塗装は、30坪と比べるとどうしても費用も工期も増えてしまいます。
なぜなら、建物が大きくなるほど外壁の面積や部材が増え、それに伴い塗装に必要な作業量や工程も増えるからです。
外壁塗装は「塗るだけ」ではなく、足場を組んだり、養生で窓や床を保護したり、ひび割れを補修したりと多くの工程があります。
50坪の家は30坪に比べて、使う材料も作業の手間も時間も増えるため、必然的に費用と工期が膨らむのです。
2-1 建物が大きくなると塗装面積が増える
外壁塗装の料金は、「坪数」だけでは正しく出せません。
なぜなら、「坪」は床部分の面積でしかなく、実際に塗るのは壁=塗装面積だからです。
たとえば同じ50坪のお家でも、
- ・四角くてシンプルな総二階の家なら外壁面積は小さめ
- ・ベランダや角、凹凸の多いデザイン住宅なら、外壁面積が大きくなる
つまり、同じ50坪でも家の形によって必要な塗料や作業量が変わり、費用に差が出るのです。
建物の面積(坪数)が同じでも、形が複雑になると外周が長くなり、外壁の面積や塗装の手間が増えるため、塗装費用が高くなる可能性があります。 |
2-2 階数や形状によって足場代が上がる
50坪のように大きなお家では、階数や形が複雑になるケースも多く、足場代が高くなることがあります。
足場は職人が安全に作業するために欠かせないもので、階数が高いほど、また形が複雑なほど、資材や手間が増えるからです。
たとえば50坪のお家では、3階建てになるケースもあります。
3階建ては2階建てより高さがあるため、足場をそのまま上に伸ばすだけでは安全を確保できず、資材も工事の手間も増えます。
そのため、2階建てに比べて足場代が高くなることがあります。
また、ベランダや凹凸の多い家は足場を複雑に組む必要があり、相場として単価が300〜500円/㎡ほど上がるケースもあります。
さらに、一緒に屋根塗装を行う場合、屋根の傾斜が急なお家では「屋根足場」という専用の足場が必要です。
50坪のお家だと、デザイン性を重視してロフトや屋根裏収納を設けることも多く、屋根の勾配が急になるケースがあります。
5~6寸勾配以上の傾斜の場合に、屋根足場をかける場合が多いです。
こうした急勾配の屋根では、安全に作業を行い、しっかりと塗装品質を保つために屋根足場が欠かせません。
費用はおおよそ900~1,100円/㎡の追加となります。
急勾配の屋根は見た目のおしゃれさが魅力ですが、その分、安全への配慮と丁寧な施工が必要です。
仕上がりを長く美しく保つためにも、必要な費用だと考えておきましょう。
つまり、50坪のお家では階数・形状・屋根の傾斜によって足場代が大きく変わるため、見積もりの段階で「足場費用がどう算出されているか」を確認することが大切です。
2-3 帯板など飾り部材があると手間が増える
50坪のお家では、外壁に帯板やモール(縁飾り)といった装飾部材を取り入れていることが多く、その分塗装の手間が増えて費用が上がることがあります。
帯板は外壁を横に区切る装飾材で、平らな部分はローラーで塗れますが、細かい段差や外壁との境目は刷毛で丁寧に仕上げる必要があります。
さらに、境目をきれいに見せるための養生や補修も増えるため、シンプルな外壁に比べて数万円ほど費用が高くなるケースもあります。
また「帯板を境に色を塗り分けたい」という希望があると、工程が増えて追加費用につながります。
つまり、外壁に帯板などの飾り部材が多いお家は、その分だけ塗装にかかる時間や費用が増えると考えておきましょう。
2-4 大きなベランダや窓が多く養生作業が増える
50坪のお家は、一般的に大きな窓や複数のベランダがあることが多く、その分養生の手間が増えて費用が高くなる傾向があります。
養生とは、塗料がついてはいけない部分をビニールやテープで覆って保護する作業のことです。
下準備ですが、これを丁寧に行うことで仕上がりが大きく変わります。
窓やベランダの数が多いほど養生範囲が広がり、準備に時間と労力がかかります。
実際に、養生だけで半日〜1日余計にかかり、数万円ほど費用が上乗せになるケースもあります。
つまり、窓やベランダが多いお家は、その分だけ養生に時間と費用がかかると考えておきましょう。
見積もりを確認する際は、「養生費用が含まれているか」も必ずチェックすることが大切です。
2-5 コーキングの打ち替え・打ち増しが増える
家が大きいほど、コーキングにかかる費用も増えます。
コーキングとは、外壁材のつなぎ目やサッシの周りに充填されているゴムのような素材のことです。
雨水の侵入を防ぎ、外壁の動きを吸収する大切な役割を持っています。
建物が大きくなると、外壁の目地やサッシ周りの長さも増えるため、その分コーキングの施工量も多くなります。
たとえば30坪に比べて50坪のお家では、数十メートル単位でコーキングの長さが増えることもあります。
「打ち替え(古いコーキングを撤去して新しく充填)」と「増し打ち(既存の上から充填)」では費用が異なりますが、どちらにしても建物が大きいほど数万円単位で費用が増加します。
つまり、50坪のお家ではコーキングの施工量も増えるため、見積もりで「打ち替えか増し打ちか」「どのくらいの長さを施工するのか」を確認することが重要です。
2-6 外壁のひび割れや欠けなど補修が増える
外壁にひび割れや欠けが多いほど、補修の手間と費用が増えます。
外壁塗装は「塗るだけ」ではなく、塗料がしっかり密着するように下地を整える作業が必要です。
ひび割れや欠けを直さずに塗ってしまうと、すぐに剥がれたり、再び劣化が進んだりしてしまうからです。
たとえば50坪のお家では、外壁の面積が広い分、ひび割れや欠けの数も増えやすくなります。
小さなひび割れを埋める補修は1カ所数千円程度ですが、大きなひび割れや欠けの場合は1万円以上かかることもあります。
こうした補修箇所が多ければ、数万円単位で追加費用になることもあります。
つまり、外壁が広い50坪のお家は補修の量も増えやすく、「塗装前の下地補修にどのくらい費用がかかるか」を確認することが大切です。
2-7 50坪では工期が長くなる
50坪のお家の外壁塗装は、30坪に比べて工期が長くなるのが一般的です。
家が大きい分、塗装面積や補修箇所が増えるため、同じ人数の職人で作業するとどうしても日数がかかるからです。
30坪前後のお家なら工期は10日〜2週間程度で終わることが多いですが、50坪になると2〜3週間ほどかかります。
さらに雨の日が続けば、工期は予定より延びてしまいます。
そのため、工事中は洗濯物を外に干せない・車の出入りに制限が出るなど、生活面への影響も長く続くことになります。
つまり、50坪のお家では工事が長引く前提で、余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。
50坪のお家は、30坪に比べてどうしても費用も工期もかかります。
その理由は「面積が広い・足場や養生が複雑・補修が増える」といった点です。
次の章では、そんな50坪のお家に合った最適な塗装の選び方を解説します。
3章 50坪のお家に合った最適な塗装の選び方
50坪のお家は、面積が広い分だけ塗装にかかる費用や工期もかかります。
だからこそ、「どんな塗料を選ぶのか」「デザインをどう活かすのか」で、将来のメンテナンス費用や外観の仕上がりに大きな差が出るのです。
ここでは、50坪のお家に合った最適な塗装の選び方を紹介します。
3-1 足場代を節約!耐久性の高い塗料で回数を減らす
50坪のお家では、耐久性の高い塗料を選んで塗装の回数を減らすことが、結果的に大きな節約につながります。
高耐久の塗料で塗装回数を少なくすると、長期的にみるとコスパがよくなります。
塗装工事のたびに必ずかかるのが足場代です。
50坪のお家では20〜30万円前後かかるのが一般的です。
さらに、足場だけでなく、第2章で説明した養生・補修・コーキング・人件費といった費用も、その都度かかります。
つまり、塗装の回数が増えれば増えるほど、それらの費用も倍々で必要になるのです。
たとえば、シリコン塗料(耐用年数10〜12年)を2回塗り替えるのと、フッ素塗料(耐用年数15〜20年)を1回塗り替えるのとでは、トータルでかかる費用が大きく変わります。
フッ素塗料の方が塗料代は高くても、足場代や付帯費用を1回分節約できるため、長期的に見れば、お得になるケースが多いのです。
つまり、50坪のように大きなお家では、塗装の回数が少ない=工事全体のコストを抑える近道になります。
3-2 こだわりのデザインを保ちたい!クリヤー塗装を選択
50坪のお家は注文住宅などデザインにこだわって建てられていることも多く、「新築時の外観デザインをそのまま残したい」という方にはクリヤー塗装がおすすめです。
通常の塗料を使うと外壁の模様や質感が塗りつぶされてしまいますが、クリヤー塗装は透明な塗料のため、外壁のデザインを活かしながら紫外線や雨風から守ることができます。
たとえばタイル調サイディングに色付き塗料を塗ると、せっかくの模様が消えて単色になってしまいます。
一方クリヤー塗装なら、模様や素材感をそのまま残したまま美しさと耐久性を両立できます。
ただし、クリヤー塗装は基本的に一度きりの施工と考えておくのが安心です。
前回のクリヤー層が劣化していると、新しく塗っても仕上がりにムラが出たり白く濁ったりすることがあります。
また、外壁にチョーキング(白い粉化)が多く出ている場合は施工できないケースもあります。
そのため、「何度でもできる」と思うのではなく、状態を点検して“できるうちに施工する”という意識が大切です。
もしすでにクリヤー塗装を一度行っていて外壁の劣化が進んでいる場合は、色付きの塗料に切り替えるのが一般的です。
外観デザインを大切にしたい方は、早めにクリヤー塗装を検討することが、美しさと耐久性を両立するポイントになります。
◆クリヤー塗装について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
4章 追加費用トラブルを防ぐ!見積もりチェックのポイント
外壁塗装では「見積もりを取って比べること」が大切ですが、その内容をしっかり確認しないと、あとから追加費用が発生してしまうこともあります。
安心して工事を進めるためには、見積もりにどんな情報が書かれているかを見極めることが重要です。
ここでは、追加費用のトラブルを防ぐために確認すべきポイントをまとめました。
「㎡数で算出されているか」「塗料や保証が明記されているか」「十分な点検をしているか」「写真付きで説明があるか」について、詳しく解説していきます。
これらを押さえておけば、見積もりが適正かを判断できるようになります。
4-1 「一式」表記ではなく、㎡数で算出されているか
見積もりは「一式」とまとめて書かれているものではなく、㎡数で算出されているものを選ぶことが大切です。
「一式」とだけ書かれていると、どこまでの作業や塗料が含まれているのかがわかりません。
㎡数で算出されていれば、実際の面積と照らし合わせて内容が適正かどうか確認できるからです。
たとえば見積もりに「外壁塗装 一式 120万円」とだけ書かれていたら、それが高いのか安いのか判断できず、とても曖昧です。
一方「外壁塗装 150㎡×3,000円=45万円」と㎡数で書かれていれば、塗料の単価や使用量を比較でき、相見積もりの際にも役立ちます。
つまり、見積もりを確認するときは「一式」と曖昧にまとめられていないかをチェックし、㎡数でしっかり算出されているかを見ることが重要です。
4-2 塗料の種類と保証内容が明記されているか
見積もりには、塗料の種類と保証内容がしっかり書かれているかを必ず確認しましょう。
「高耐久の塗料を使います」と口頭で言われても、実際にどのメーカーのどのグレードを使うのかが書かれていなければ、契約後に違う塗料を使われても気づけません。
また、保証の内容が曖昧だと、工事後に不具合があったとき「保証対象外です」と言われてしまう可能性もあります。
たとえば見積もりに「シリコン塗料使用」としか書かれていないと、それが一般的なシリコンなのか、耐久性を高めたシリコンなのかがわかりません。
一方で「日本ペイントや関西ペイントなどのメーカー名+商品名(耐用年数◯年)」「外壁保証◯年」と具体的に記載されていれば、どの塗料を使うのかが明確になり、安心して判断できます。
塗料は「種類」だけではなく、メーカー名・商品名・耐用年数まで確認しておくことが大切です。
つまり、見積もりを受け取ったら「塗料の種類は具体的に書かれているか」「保証期間や範囲は明記されているか」を必ずチェックしましょう。
4-3 点検に十分な時間をかけているか
見積もりを出す前に、しっかり点検してくれる業者かどうかを確認しましょう。
点検の時間が短いと、外壁の劣化や補修が必要な部分を見落とす恐れがあります。
その結果、工事が始まってから「ここも補修が必要です」と言われ、追加費用につながることがあるからです。
たとえば、現地調査にわずか15分ほどしかかけない業者だと、細かいひび割れやコーキングの劣化を見落としがちです。
一方で30分〜1時間以上かけて写真を撮り、外壁・屋根・付帯部まで細かく確認してくれる業者なら、工事に必要な作業を正確に見積もってくれるため、追加費用のリスクが少なくなります。
つまり、見積もりを依頼する際は「点検にどれくらい時間をかけるのか」を確認し、丁寧に調査してくれる業者を選ぶことが安心につながります。
4-4 詳細な写真付きで説明があるか
見積もりや調査報告には、詳細な写真が添えられているかどうかを必ず確認しましょう。
写真がないと「どこが劣化しているのか」「本当に補修が必要なのか」が判断できず、業者の説明を信じるしかありません。
写真付きで説明があれば、依頼者自身が劣化の状態を確認できるため、納得して契約できます。
たとえば「外壁にひび割れがあるので補修が必要です」と口頭だけで言われても、本当に必要なのか不安になりますよね。
一方で、ひび割れの写真やコーキングの劣化部分の写真を見せてもらえれば、状態がはっきりわかり安心感が増します。
さらに施工前・施工中・施工後の写真を残してくれる業者なら、工事の過程を確認できるので信頼性も高いといえます。
つまり、業者を選ぶ際は「写真を撮って説明してくれるか」「工事後に報告写真をもらえるか」を確認することで、後悔のない外壁塗装につながります。
まとめ
50坪のお家の外壁塗装は、30坪に比べてどうしても費用がかかる傾向があります。
家が大きい分、外壁の面積が増え、足場・養生・補修・コーキングなどの作業量も増えるからです。
また、工期も30坪より長くなり、生活への影響も出やすくなります。
実際の相場は、外壁のみで110〜170万円程度、屋根塗装を含めるとさらに費用がかかります。
費用や工期に差が出る理由を理解し、塗料の選び方や見積もりの確認ポイントを押さえることで、安心して工事を進めることができます。
50坪のお家をしっかり守るためには、高耐久の塗料で回数を減らす工夫や、クリヤー塗装でデザインを活かす方法があります。
さらに、見積もりでは内容を細かくチェックし、信頼できる業者を選ぶことが成功のカギです。
コノイロは外壁塗装の専門店として、丁寧な点検とわかりやすい見積もりを心がけています。
「相場がわかりにくい」「見積もりを見ても不安」と感じる方は、ぜひ一度ご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
◆高耐久の塗料について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。