サイディング外壁にあるコーキング。
訪問してきた業者に「コーキングが劣化している!すぐに補修したほうがいい!」と言われたけど、
「業者の言っていることは本当なの?」と不安で調べているのではないでしょうか。
コーキングとは、窯業サイディング外壁の隙間を埋めているもので、「シーリング」「目地」とも呼ばれます。
コーキングは年数が経つと劣化するので補修や交換などのメンテナンスが必要です。
しかし、そもそも何のためにあるのか、なんでメンテナンスが必要か分からないと、やろうとは思わないですよね。
そこでこの記事では、サイディング外壁のコーキングの役割・寿命と、補修が必要なサインについて解説していきます。
また、補修方法や補修の流れ、費用相場も丁寧にご紹介しますので、コーキングのメンテナンスをされたことがない方はぜひご覧ください。
あまり目立たないコーキングもお家を守る重要な部材の一つです。
正しい知識と適切なメンテナンスで、お家を長持ちさせていきましょう!
目次
1章 サイディング外壁にある「コーキング」とは
まずは、サイディング外壁の「コーキング」とはどういったものなのかを解説していきます。
役割と耐用年数を知ってメンテナンスに生かしていきましょう!
1-1 主な役割
コーキングの主な役割は「お家を雨から守る(防水)」「地震の揺れで外壁が傷つくのを防ぐ(緩衝)」の2つです。
それぞれ解説していきます。
お家を雨から守る(防水)
サイディング外壁の隙間を埋めるコーキングは、雨の侵入を防いでいます。
もしコーキングが劣化したまま放っておくと、隙間から雨水が外壁の内部に入って、雨漏りの原因になります。
またサイディングボード自体の耐久性低下にも繋がります。
外壁材やお家を水から守るためにコーキングはとても重要です。
地震の揺れで外壁が傷つくのを防ぐ(緩衝)
外壁に張られるサイディングボードは、とても硬く丈夫な外壁材です。
そのため、隙間なく敷き詰めてしまうと、地震がきたときに硬い外壁同士がぶつかり割れやすくなってしまいます。
コーキングは緩衝材として、地震の揺れで外壁材が傷つくのを防いでくれます。
1-2 寿命は5~15年
コーキングの寿命は約5~15年です。
寿命の長さは、もともと施工されているコーキング量や紫外線を浴びる量によっても差が出ます。
例えば、厚いサイディングボードのお家よりも、薄いサイディングボードを使っているお家の方が、使用しているコーキング量が少ないため、劣化が早くなります。
また、日があまり当たらない北面外壁のコーキングと、日が当たる南面外壁のコーキングでは、南面外壁のコーキングの方が、劣化が早いです
そのため、築5年を過ぎたら、お家のどこかで劣化症状が出てくる可能性は十分にあります。
次章で具体的な劣化サインをご紹介します。
2章 補修が必要な4つの劣化サイン
これからご紹介する劣化サインが出ていたら、メンテナンス時期です。
見られる範囲でご自宅のコーキングもチェックしてみましょう。
2-1 表面のひび割れ
コーキングが縮れてひびが入っている状態です。
長い間、紫外線を浴び続けるとコーキングが硬くなり、ひび割れがおこります。
この状態になるとコーキングが固くなって緩衝材としての機能も低下します。
そのため、この状態になったら早めにメンテナンスが必要になります。
2-2 隙間があく
コーキングとサイディングの間に隙間ができる状態です。
こちらも紫外線でコーキングが縮むことが原因となります。
この状態になると、サイディングの断面に水が浸透し、サイディング自体を傷めてしまいます。
2-3 破断している
コーキングのひび割れが進行し、完全に切れてしまった状態です。
ひび割れを放っておくと、ひびの幅が広がり中の下地が見える状態になります。
この状態になると、直に内部に水が浸透してしまいます。
特に紫外線を浴びる南面や2階周りの外壁に起きやすいです。
2-4 取れている
コーキングの劣化が進むと、最終的に取れてしまう状態になります(欠落)。
日向においておいた輪ゴムがボロボロ崩れてしまうように、コーキングもボロボロになってしまいます。
こうなると、中の下地が見え、大量の雨水が直接内部に浸透してしまいます。
劣化がかなり進行しているので、早急なメンテナンスが必要です。
3章 補修方法と費用相場
コーキングの補修方法には「打ち替え」と「増し打ち」という方法があります。
それぞれの補修の流れと、費用相場について解説していきます。
3-1 打ち替え=900~1,200円/m
打ち替えは、今あるコーキングを取り外して、新しいコーキングに交換する方法です。
コーキングのメンテナンスは「打ち替え」がメインになります。
費用は1mあたり900~1,200円で、お家1軒あたり10~20万円ほどです。(※足場代別途)
補修の流れ
①劣化しているコーキングを切り取る
サイディングボードとコーキングの間に刃を入れ、劣化しているコーキングを切り取ります。
②マスキングテープで養生
コーキング部分の端にマスキングテープを貼ります。
③プライマーを塗る
サイディングの断面にシールプライマーを塗ります。
④コーキングを打ち込む
溝にコーキングを充てんします。
⑤ヘラで均(なら)す
打ち込んだらすぐにヘラで均します。
⑥マスキングを剥がす
ヘラで平らにしたらマスキングテープを剥がして完成です。
3-2 増し打ち=700~1,000円/m
「増し打ち」は今あるコーキングの上から新しいコーキングを打っていく方法です。
費用は1mあたり700~1,000円です。
既存のコーキングを撤去する作業がないため、「打ち替え」よりも費用がおさえられます。
しかし「増し打ち」は劣化したコーキングを撤去せずに新しいコーキングを打つので、数年で古いコーキングと一緒に剥がれてしまう可能性があります。
そのため、窓回りや角などのコーキング撤去ができない箇所以外は、「打ち替え」で行うことをおすすめします。
>より詳しい使い分けについてはこちら
補修の流れ
①マスキングテープで養生
コーキングの両端にマスキングテープを貼ります。
②プライマー
コーキングの上からプライマーを塗ります。
③コーキングを打ちこむ
新しいコーキングを打ち込んでいきます。
④ヘラでならす
ヘラでコーキングを平らにします。
⑤マスキングテープを剥がす
マスキングテープを剥がして完成です。
4章 築7年以上なら一緒に外壁塗装をしよう
築7年以上経っている、前回塗装から10年以上経っている場合は、コーキング補修だけでなく、外壁塗装も行いましょう。
なぜならサイディングボード自体も7年以上経つと、防水性がなくなり塗装メンテナンスが必要になるからです。
同じタイミングで行うことで、サイディングボードのメンテナンス時期を逃すこともなくなります。
また、コーキング交換後に塗装することで、コーキングが塗料によって紫外線から守られ、新築時よりも長持ちさせる事が出来ます。
▼コーキング交換後の塗装
新築時には、コーキングの上に塗装はされていません。
さらに、コーキングの工事と一緒に塗装工事も済ませる事で、工事費用もお得なります。
※費用は2回建て30坪前後のお家の概算です。
コーキングとサイディングボードは同じくらいのタイミングで劣化するので、一緒にメンテナンスする事をおすすめします。
>サイディング外壁の塗装費用や注意点についてはこちら
>ALC外壁の塗装費用・注意点についてはこちら
まとめ
いかがでしたか。
窯業サイディングの目地部分に施工されている「コーキング(シーリング)」には、緩衝と防水の役割があります。
ただし、輪ゴムのように紫外線によって固く縮れてしまいます。
そのため、下記のような劣化症状が出てきたら、メンテナンスが必要です。
・表面のひび割れ
・隙間があく
・破断している
・取れている
劣化症状が出たら、今のコーキングを取り外して新しいものにする「打ち替え」か、
今のコーキングの上から新しいものを打っていく「増し打ち」を行ないます。
▪打ち替え=900~1,200円/m
▪増し打ち=700~1,000円/m
また、築7年以上であれば、サイディングボード自体も劣化している可能性が高いです。
コーキングの工事と一緒に塗装を行ないましょう。
コーキングもサイディングも適切なメンテナンスで長持ちさせていきましょう!
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
◆コーキングとシーリングの違いについてはこちらの記事をご覧ください。
5分で解決!コーキングとシーリングの違い解説|種類と適材適所ナビ
◆塗装される方はこちらの記事もご覧ください。
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