周りのお家が最近塗装工事をやっているけど、うちのサイディングもそろそろ…?
「本当にサイディングは塗装が必要?」
「サイディングの塗装工事には費用はいくら必要?」
「業者はどこに頼めばいいの?」
と、塗装について分からないことも多いのではないでしょうか。
サイディングの外壁は、軽くて丈夫で防火性が高いので、地震の多い日本では住宅の約7割ほどを占めている優秀な建材です。
ただし、製造時に塗られた塗料が紫外線によって劣化すると、サイディング自体の耐久性が落ちてしまうため、再塗装は必須です。
とはいっても、塗装時期や費用などが分からないとなかなか決断できないですよね。
そこで今回は、サイディング外壁の塗装の必要性や時期、費用相場、塗料選びについて解説していきます。
さらに、塗装の工程や業者選びについてもご紹介。
この記事を読めば、ご自宅のサイディングの塗装を失敗なく終えることが出来ますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
0章 サイディング外壁は塗装必須!!
まずはサイディング外壁の塗装の必要性についてご説明します。
サイディングには主に①窯業系 ②金属系 ③木質系 ④樹脂系の4つの種類があります。
この中でも最も用いられているのが「窯業系サイディング」です。
「窯業系サイディング」は新築戸建て住宅の約7割に使用されており、セメントや木材などを混ぜて固めて作られています。
工場で製造されたときは塗装されていますが、その塗料が紫外線で劣化すると雨水を吸水するようになり、建材自体の耐久性が低下してしまいます。
そのため、塗料が劣化してきたら再塗装が必要になります。
もし塗装を行わずに放っておいてしまうと、サイディング自体がもろくなってしまうのはもちろん、家の内部まで水が浸透して家自体の耐久性が落ちてしまいます。
↑サイディングは水を吸うと脆くなってしまいます。
↑サイディングが劣化すると内部の防水シートも傷んでしまいます。
↑水を吸った状態のまま放置すると内部の木部が腐ってしまいます。 |
サイディングを塗装せずに放置すると、塗装ではなく大規模修繕が必要になります。
サイディングや柱など、家自体の耐久性を維持するためにも、定期的な塗装メンテナンスを行ないましょう。
塗装の必要性が分かったところで、次の章からサイディング塗装でおさえておくべき5項目についてご紹介していきます。
1、塗装時期を逃さないようにしよう!
2、適正価格で工事をしよう!
3、自宅に合った塗料を選ぼう!
4、工程・工期を把握しよう!
5、優良業者を見極めよう!
【1、塗装時期を逃さないようにしよう!】
まず、サイディングのベストな塗装時期を逃さないようにしましょう。
塗装の時期が遅れると、劣化が進んで余計な工事費用がかかってしまいます。
目安の時期や塗装が必要なサインを見逃さず、工事時期を判断していきましょう。
1-1 塗装時期の目安
サイディングの塗装時期の目安は築5~7年です。
「思ったよりも早いな」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、築5~7年ほどで製造時に塗られた塗料が劣化し、水を吸うようになります。
実際にサイディングボードを作っているメーカーでも、築5~7年のうちに点検するように推奨しています。
▼ニチハ株式会社のカタログ
ただ、この年数は目安にしかすぎません。
年数に限らず、塗装が必要な劣化症状が出ていないかどうかも確認しましょう。
1-2 塗装が必要な劣化症状
塗装が必要なサイディング外壁の劣化症状をご紹介いたします。
これから紹介する5つの劣化症状のうち1つでも出ていたら、すでに塗装が必要な状態ですので、築年数関係なく塗装を行ないましょう。
①チョーキング・吸水
サイディングを触った時に手に粉が付く(チョーキング)、水をかけたときに吸い込むなどの状態になっていたら塗装の時期が来ています。
②釘回りのひび割れ
サイディングを固定している釘の周りにひび割れが出てきていたら塗装の時期を過ぎています。
ひびが入ったところからさらに水が入ってきてしまうので、早急に塗装が必要になります。
③コケの繁殖
サイディングにコケが生えてきたら塗装の時期を過ぎています。
サイディングに塗られた塗料が切れて水を吸収するようになると、空気中に漂っているコケの胞子が外壁に付着し、繁殖します。
放っておくと外壁に根を張って洗浄しても落とせなくなってしまうので、早急に塗装工事が必要です。
④浮き・反り
サイディングが浮いている、反っている状態は、塗装時期を過ぎています。
吸水によって膨張したサイディングが、表面から乾いて反ってしまいます。
丈夫な建材ですが、一度反ってしまうともう元には戻せなくなってしまうので、張替工事になる場合もあります。
浮き・反りが発生する前に塗装することが大切です。
⑤目地のひび割れ
サイディング外壁の場合は、外壁と外壁の間にシーリング(コーキング)と言われる目地が入っています。
シーリング(コーキング)は緩衝材としての役割があるゴム状のものですが、こちらも紫外線によって劣化してしまいます。
シーリングが劣化して、ひび割れが起きると内部に水が浸入してしまうので、塗装工事の際に交換することが必須です。
外壁だけでなく、目地もチェックしてみましょう。
◆塗装時期についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
【2、適正価格で工事をしよう!】
続いてはサイディングの塗装工事費用についてです。
塗装工事は大切なお家のメンテナンス工事なので、安くない買い物です。
損したり騙されることがないように費用相場を把握して、適正価格かどうか判断できるようにしておきましょう。
2-1 工事全体の費用相場
※上記の費用は足場や附帯塗装等すべて込みの費用相場です。
工事費用は使う塗料の種類で変わってきます。
再塗装の工事で用いられる塗料はウレタン、シリコン、フッ素、無機の4種類です。
耐用年数が長いほど、費用相場も上がってきます。
2-2 サイディング塗装工事の内訳と見積例
見積を貰った時は単価の金額を見て、相場と大体合っているか確認しましょう。
また、業者によっては細かい作業内容が記載されておらず、「一式」で記載されている場合もあります。
「必要な工程を省かれている」「やってもらえると思っていたのに契約外と言われた」などのトラブルにつながるので、一式見積は避け、詳細な見積もりをもらいましょう。
■見積例(30坪の場合)
シリコン塗料=932,160円(税込)
無機塗料=1,265,410円(税込)
◆塗装の適正価格や見積書の見方について詳細はこちら
【3、自宅に合った塗料を選ぼう!】
塗装工事の際に重要なのが、塗料選びです。
サイディング外壁で塗料を選ぶ際の注意点を4つご紹介します。
3-1 ライフプランに合わせて塗料を選ぶ
塗料はライフプランに合ったものを選びましょう。
特に塗料で気になるのは耐用年数ですよね。
耐用年数は長いものほど単価が高いですが、長期的に見ればお得になります。
サイディング自体は塗装メンテナンスで長く使える良い素材ですから、長期間長持ちさせたい方はフッ素塗料や無機塗料を選んだ方がお得です。
ただし、10年以内に家を離れる予定があるなどの場合は、ウレタン塗料やシリコン塗料などがおすすめです。
ご自宅のライフプランに合った塗料を選んでいきましょう。
(例)小学生の子供がいてこれからお金がかかるから、しばらくメンテナンスしたくない (例)10年以内に息子夫婦と同居するから家は売る |
◆高耐久の塗料について詳しく知りたい方はこちら
◆手軽でスタンダードなシリコン塗料についてはこちら
3-2 クリヤー塗装は劣化が進むと出来なくなる
模様が付いた外壁(多色サイディング)であれば、透明な塗料で柄を生かせるクリヤー塗装がおすすめです。
ただ、このクリヤー塗装は劣化が進んでしまうと出来なくなってしまいます。
なぜなら、劣化が進むことによってひび割れや反り、色褪せ等が発生すると、透明な塗料では隠せず、そのまま残ってしまうからです。
クリヤー塗装は透明な塗料でコーティングするような仕上がりになるので、劣化している外壁にはお勧めできません。
今の柄をそのまま生かしたい!という方は劣化症状が出る前にクリヤー塗装を行ないましょう。
目安としては築7~10年未満がおすすめです。
◆クリヤー塗装についてはこちらの記事をご覧ください。
3-3 ツヤが気になる人は“艶消し”塗料を選ぶ
塗装後のツヤが気になる方は “艶消し”が出来る塗料がおすすめです。
再塗装の際は、新築時よりも耐久性の高い塗料で塗装するため、ツヤも強くなります。
凹凸の深いサイディングなら多少のツヤは気になりにくいですが、平らな面が多いデザインだとより強くツヤを感じてしまいます。
また、濃い色で塗装する場合もツヤが目立つので、ツヤをあまり出したくないという方は「艶消し」の塗料にしてもらいましょう。
塗装を依頼する業者に「ツヤを抑えたい」相談してみてください。
◆塗装のツヤについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
3-4 “直貼り”なら油性塗料はNG!
サイディングが直貼り(じかばり)工法の場合は油性塗料は選ばないようにしましょう。
サイディングの外壁は、多くの場合が「通気工法」という通気の隙間が確保された造りになっています。
ただ一方で、サイディングと壁の間に通気の隙間がなく、サイディングが直に貼られている「直貼り」という工法もあります。
直貼りのサイディングに油性塗料を塗ってしまうと、通気性が余計に悪くなってしまい、表面から水が蒸発しようとして表面の塗膜が剥がれてしまいます。
直貼りの外壁に塗装する際は「透湿性」の高い水性塗料を選びましょう。
(※劣化の程度によっては水性塗料でも剥がれる場合があります。)
■塗装後に表面が剥がれてしまった直貼りのサイディング
直貼りの外壁を改善したい方はカバー工事または張り替え工事が必要になります。
塗装専門業者にしっかり点検してもらった上で工事内容を決めていきましょう。
◆直貼り外壁の方はこちらの記事をご覧ください。
◆張り替え・カバー工事について知りたい方はこちら
【4、工期・工程を把握しよう】
サイディング外壁の塗装工期・工程をご紹介します。
外壁塗装工事は足場を立てて行い、生活にも多少影響が出ることがあるので、工期はある程度知っておくことをおすすめします。
また工程においては必要な工程を省いて工期を短縮する業者もいるので、正しい工程を把握して高品質な工事をしてもらいましょう。
4-1 サイディング塗装の工期
サイディング外壁の塗装には約2週間程度必要です。ただし、雨天や雪など作業ができない場合はその分工期が長引きます。
また、外壁と一緒に屋根を塗装する場合は+2~4日かかります。
サイディングの外壁は他の外壁と違って、シーリング(コーキング)の作業があるので、シーリングの量が多い家は、その分作業時間がかかります。
天気や家の造りによって工期は多少の変動があるので施工業者も確実な工期は伝えられません。
工期に合わせて予定を立てたい方は、3週間~1か月ほどかかることもあり得ることを理解した上で予定を立てていきましょう。
◆できるだけ工期を長引かせたくない方はこちらの記事もご覧ください。
4-2 サイディング塗装の工程
サイディング塗装の主な工程は全部で9工程です。
塗装する面積や数量によってかかる日数は変動します。
また、塗装の作業後は、乾燥時間も品質に直結する大切な工程になるので、下塗り後や中塗り後にきちんと乾燥時間を設けているかも確認しておきましょう。
◆各工程の詳しい内容や注意点についてはこちらの記事をご覧ください。
【5、優良業者を見極めよう!】
優良業者を見極める6つのポイントをご紹介します。
サイディング塗装工事を行なっている業者には様々ありますが、前提として塗装の専門業者に依頼することをおすすめします。
ハウスメーカーや大手リフォームチェーン会社などは結局下請けを連れてくるため、金額も高く、質にばらつきがあるためです。
また、塗装専門業者の中にも品質が悪かったり、知識や経験がない業者もいます。
せっかく地震にも強くて優秀なサイディングなのに、塗装が悪くて傷んでしまってはもったいないですよね
その中から高品質で適正価格の工事をしてくれる優良業者を選んでいきましょう。
5-1 サイディング塗装の実績がある
サイディング外壁の塗装実績が1,000件以上ある業者に依頼しましょう。
ひとくちにサイディング外壁と言っても様々な形や柄のものがあります。
多くの実績を持った業者の方が対応経験から最適な工事が提供できます。
HPやチラシなどで実績数を確認しておきましょう。
★当サイトを運営するユーコーコミュニティーは、累積14,000棟以上のお家の塗装工事を行なっております。 様々なサイディングボードの住宅を施工しています、ぜひ施工の内容などをご覧ください! |
5-2 点検写真を50~100枚撮ってくれる
サイディング塗装は、点検を依頼した際に点検写真を細かく撮ってくれる業者を選びましょう。
丁寧な業者は50~100枚ほど撮ってくれます。
サイディングやコーキングの細かいひび割れなど、わずかな劣化でも写真があることで自宅の状態もしっかり確認できます。
また工事が終わった後にきちんと修繕されているか比較することも出来ます。
点検してもらっているときに写真を撮ってくれているか、何枚くらい撮ってくれているか、確認しておきましょう。
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5-3 自宅に合った塗料を提案してくれる
塗料提案の際に、うちの一押しです!とワンパターンの提案しかしない業者もいます。
ただサイディングの種類やデザイン、お住まいの方のライフプランは様々です。
あなたのお家やご家族のことをきちんと理解して、ご自宅に合った塗料提案をしてくれる業者を選びましょう。
●NG例 ●OK例 |
5-4 見積もりが「一式」ではなく細かい
見積書を貰った際は、費用や単価、数量などが細かく記載されているか確認しましょう。
中には「塗装工事一式=○○万円」という大雑把な見積もりを出す業者もいます。
数量や単価が記載がないと正しい数値で出された見積もりなのか分からないですよね。
また、「塗装工事一式」にはどこまでの範囲が入っているのかも後で確認が出来ません。
・コーキングもやってもらえると思ってたのに、実は入っていなくて追加契約させられた
・3回塗りかと思ったら1回しか塗っていない
なんてトラブルがないように、できるだけ詳細な見積もりをくれる業者に依頼しましょう。
◆見積のチェックポイントを詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
5-5 自社職人が在籍している
塗装工事は自社職人が在籍している業者に依頼しましょう。
最近はハウスメーカーや電機メーカー・生協など、塗装をメインに行なっていない業者でも塗装工事を行なっています。
しかし、そういった業者は自社で塗装職人を抱えていないので、作業自体は下請けや孫請けに依頼し“中間マージン”が発生します。
本来100万円で出来る工事が、マージンがのせられて200万、300万と費用が余計にかかってしまうので、無駄なお金をかけないためにも自社職人が在籍している業者を選びましょう。
5-6 工事後もアフターサービスがある
塗装工事が終わった後のアフターサービスが充実した業者を選びましょう。
例として挙げると、工事後も定期的に点検に来てくれる、点検のお知らせハガキが届くなど、工事が終わった後も気にしてくれる業者だと安心です。
サイディングの外壁はきちんとメンテナンスをすれば20年、30年と長持ちする、とても優れた建材なので、こまめに点検のお知らせをくれる業者だと長期的に安心です。
業者の中には工事が終わったら一切連絡してこない業者もありますので、塗装後も何かあった時にすぐ対応してくれる体制の整った業者を選んでいきましょう。
◆業者選びについてはこちらをご覧ください。
まとめ
いかがでしたか。
サイディング外壁の塗装でおさえておくべきことは以下の5項目です。
①塗装時期を逃さないようにする! ②適正価格で工事しよう! ③自宅に合った塗料を選ぼう! ④工程・工期を把握しよう! ⑤優良業者を見極めよう! |
サイディングは耐震性・耐火性・デザイン性に優れたとても人気の外壁材です。
これからも丈夫にきれいに保つために、適正価格で高品質な塗装工事を行ないましょう!
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
◆サイディング外壁のメンテナンスについて知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
◆サイディングのおしゃれな事例が見たい方はこちらの記事をご覧ください。