「ガルバリウム鋼板の屋根」と言っても実際どんな種類があるの?とイメージしづらいのではないでしょうか。
そもそも屋根ってじっくり見る機会無いし…家の立地的に屋根を見る事が出来ない!という方も多いはず。
ガルバリウム鋼板はここ10年、金属屋根の中でも出荷数が2倍に増えています。
それだけ需要がある、注目の屋根材です。
実際に今回はガルバリウム鋼板の屋根にどんな種類のものがあるのか、具体的に紹介していきます。
ただし、お家によっては選べる種類、選べない種類もありますので、それも解説していきます。
後半では具体的な単価や工事の注意点もお伝えしますので、
ご自宅で使用できる種類を見極め、ガルバリウム鋼板を使用した納得できる工事を行いましょう!
1章 ガルバリウム鋼板の屋根の種類と特徴
ガルバリウム鋼板は何百種類もの商品が販売されています。
その中で代表的な種類は7つに分ける事が出来ます。
この章ではそれぞれ種類ごとのメリット、デメリットをご紹介します。
屋根の形状によっては使用出来ない種類もありますので、特徴をしっかりと知った上でご自宅に合った種類を選びましょう!
ご紹介する種類は以下7種類です。
ガルバリウム鋼板(本体)に共通する特徴としては
「メンテナンス性に優れている」
という点があります。
これら特徴をふまえた上でそれぞれの種類の詳しい内容を見ていきましょう。
・価格重視の方→1-1、1-4、1-7へ
・見栄え重視の方→1-2、1-6へ
・断熱性、遮音性重視の方→1-2、1-3へ
・大規模建築物でお探しの方→1-7へ
★屋根勾配 屋根の傾きを表す用語。数字が大きくなる程急な屋根となります。 種類によって「○寸勾配以下は使えない」などの制限が出る場合があります。 |
1-1 横葺き・断熱材無し
横葺きとは、地面と平行に葺く屋根材の工法の事を言います。
こちらは単板(一枚の金属板)でガルバリウムを使用した屋根材で、断熱材が挟まれていないタイプのものです。
断熱、遮音の面に不安があるため、現状のお家に屋根裏の断熱がしっかりとされているお宅、
もしくは現在の屋根の上に重ねて新しい屋根を取り付ける(二重にする)等の対策が必要です。
出典:月星商事 月星GL SELIOS prime カタログ
メリット | デメリット |
・安価である
| ・断熱性が無い ・遮音性が無い ・施工できない屋根がある |
様々な種類がありますが、ガルバリウムの屋根材の各種の中で最も安価なタイプです。
ガルバリウム鋼板は金属屋根のため、断熱をされていない状態だと太陽から受けた熱を含み、屋根からその熱をお家の中まで伝えてしまいます。
また金属板単板のため、葺き替えに使った場合で雨が降った際などは、現状より雨音が響く様になる可能性もあります。
屋根周りに断熱されていないお宅、葺き替えで新設する場合にはおススメしません。
もし断熱面に不安があるお宅で採用される場合、屋根裏の断熱改修工事も一緒にやられる事をおすすめします。
断熱問題をクリア出来れば費用面は魅力的な種類です。
※屋根の勾配(傾き)によっては使用出来ない屋根材です。→詳しくは2章でご紹介します。
1-2 横葺き・断熱材無し 表面石粒付き
横葺き・表面石粒付きタイプは、ガルバリウム鋼板の屋根材の中でもデザイン性にもこだわった建材と言えます。
洋風の外観のお宅には特にしっくりくるおすすめの屋根材です。
ガルバリウム鋼板の表面に石粒を付けたタイプのため、見た目も金属感が無く高級感のある仕上がりです。
出典:D’s Roofing
メリット | デメリット |
・見栄えが良い ・遮音性が高い ・断熱性がある ・耐久性が高い | ・高価である ・経年劣化で表面石粒が剥がれる ・施工できない屋根がある |
断熱材が無い分、遮音性・断熱性も表面の石材部分でカバーしています。
保証年数も一番長いため、メンテナンス性の部分も安心感があります。
また、接着層にそれぞれの色の石粒をくっつけ、上からトップコートをしているため、建材を触ってみるとザラザラとした石の感触がハッキリと分かります。
以下は表面石粒の色の例です。一色では無いため複雑な色味が出ます。
出典:D’s Roofing
見た目、機能性も良い分費用はやや高額です。
また、直接製品上の問題は無いですが経年で表面の石粒がポロポロ剥がれて落ちてきます。
※屋根の勾配(傾き)によっては使用出来ない屋根材です。→詳しくは2章でご紹介します。
1-3 横葺き・断熱材有り
横葺き・断熱材ありのものが、ガルバリウム屋根の中で最も需要のある種類です。
新築の建材としてはもちろん、リフォーム時の建材として屋根に遮熱・断熱・遮音効果が得られると人気の建材です。
横葺きは洋風、和風のお宅選ばず外観に合うため、既存住宅の屋根は横葺きが一般的です。
絶対数が多いので、必然的に需要も多くなります。
メリット | デメリット |
・断熱性が高い ・遮音性が高い ・耐久性が高い | ・施工できない屋根がある
|
特徴としては下図のように金属板だけではなく内部に断熱材が挟まれている仕様の屋根材です。
出典:アイジー工業
金属板だけで構成されていないため、断熱効果だけでなく雨音等の遮音効果もあります。
屋根に長持ちする、させる、だけでなく+の付加価値をつけたい方にはおすすめの屋根材です。
また、遮熱効果付きのものは、色によって効果にも多少差が出ます。
出典:アイジー工業
明るい色ほど光を反射するので、熱反射率はチャコール>ブルー>ブラウン>グリーン>ブラックです。
ぜひ選ぶ際の参考にして下さい。
※屋根の勾配(傾き)によっては使用出来ない屋根材です。→詳しくは2章でご紹介します。
1-4 縦葺き・心材有り(瓦棒型)
縦葺きとは地面と垂直に屋根材を葺く工法の事を言います。
こちらはガルバリウム鋼板屋根の中で最も緩い勾配の屋根でも施工できる屋根材です。
3寸未満の勾配屋根のお宅にはおすすめです。
瓦棒型・瓦棒葺きは、その中でも「心木(瓦棒)」という木材を使ったタイプです。
メリット | デメリット |
・安価である ・緩勾配の屋根も施工可(どの勾配屋根も施工可) | ・見栄えがあまり良くない ・工事方法による耐久性が不安 |
緩い勾配屋根でも工事が出来る理由は、接合部、つなぎ目が少ない=一枚の金属板(長尺)で工事が出来る種類だからです。
出典:一般社団法人金属屋根協会
上図の様に心木と呼ばれる木が屋根材を留める為に入っています。
ここに雨水が入ってしまうと木が腐り、留め具が外れ屋根の一部が飛ばされてしまったり、屋根ごと剥がれてしまったりする原因となります。
1寸以下の勾配から施工可能なため、リフォームの場合など元々の屋根勾配が緩いお宅にも使用出来ます。
勾配のせいで横葺きは難しいかも・・・というお宅の方はご検討下さい!
1-5 縦葺き・心材無し(立平型)
立平型は、基本的な特徴は1-4瓦棒葺きと同様で、こちらもガルバリウム鋼板屋根の中で最も緩い勾配の屋根でも施工できる屋根材です。
見た目も瓦棒葺きと比べスッキリとしたデザインです。
3寸未満の勾配屋根のお宅にはおすすめです。
メリット | デメリット |
・安価である ・緩勾配の屋根も施工可(どの勾配屋根も施工可) ・瓦棒葺きと比べ見栄えが良い | ・瓦棒葺きより高価
|
出典:一般社団法人金属屋根協会
瓦棒葺きとの違いは、心木を使用せず屋根材を留めている点です。
弱点だった木材の劣化によるメンテナンスの心配が無くなり、瓦棒葺きより耐久性が向上しています。
ただし、費用面がその分高価になります。
心木が無い分見た目もスッキリスタイリッシュな仕上がりになるため、
緩い勾配で屋根面が目立つが屋根を目立たせたくない、スッキリと仕上げたい、という方向けの種類です。
1-6 瓦調葺き
瓦調葺きとは、横葺きと同じ、地面と平行に葺く工事方法ですが、使用する屋根材が瓦屋根の様な見た目のものです。
こちらは本物の瓦の様な見た目、重厚感が欲しい方におすすめの屋根材です。
素材がガルバリウム鋼板なので軽量ですが、見た目は瓦と遜色ない仕上がりになるため、
和風の建物や、洋風の建物、瓦屋根の耐震面の心配から軽量化する際にも見た目を変えずに使用する事が出来ます。
メリット | デメリット |
・見栄えが良い ・重量感ある見た目で軽量化出来る
| ・高価である ・断熱性が無い ・遮音性が無い |
出典:セキノ興産
見た目は瓦の様にに見えますが素材はガルバリウム鋼板のため、経年によるメンテナンスは必要になります。
また、形状が複雑なため費用も高価になります。
瓦調の屋根がお好みの方、現状が瓦でそのイメージを変えずに屋根を軽くしたい方はこちらの種類を選びましょう!
1-7 折板葺き
折板葺きとは、断面の構造に重点を置いて開発された屋根材です。
大型、長尺の建物に合うデザイン性、強度、経済性を備えています。
一般の住宅に使用される事もありますが、駐車場の屋根など下地がいらない箇所に使用する場合や工期を短縮したい場合、強風な地域等におすすめの種類です。
メリット | デメリット |
・安価である ・耐風性能が高い ・大規模建築物にも施工可 | ・一般住宅の屋根には向かない
|
出典:一般社団法人金属屋根協会
このタイプは一般住宅より公共物に使用されることが多い屋根です。
通常の屋根の様に野地板(下地材)を使用せずそのまま骨組みに施工が出来るため、通常の屋根よりも施工費が安く出来ます。
また、一枚板をただ乗せるだけではなく、表面に凹凸を付ける事で耐風性能、強度も上がります。
そのため工場等の大規模建築物や駅舎、中規模ビルや商業施設等に使用される事が多くなっています。
デメリットは、形状が複雑だったり小さいことが多い一般住宅にはあまり向かない点です。
工法は2タイプありますが、断熱材充填型の方が高価です。
住宅の屋根材として使用される事もありますが稀です。
特別この形にこだわりがある方や、耐風性能等こだわるポイントがある方はこちらの種類もご検討下さい!
2章 屋根形状別、選べる種類、おススメの屋根
ガルバリウム鋼板の屋根は形状やお家の造りによって選べる種類や、
住むうえで知っておくと得をする、お家に合ったおススメの屋根があります。
お家の設計の時点である程度造りに合う、合わない、選ぶ事が出来る種類、出来ない種類は決まっています。
4パターンに分けて詳しくご紹介しますので、お家のパターンと見比べてどれを選ぶと良いか選別しましょう!
■代表的な屋根の形状
2-1 切妻・片流れ
切妻(きりづま)屋根や片流れの場合、屋根勾配によって選べる種類が変わります。
3寸以上であればどの種類も対応可能ですが、おススメは横葺き、瓦調葺きです。
3寸未満の場合は縦葺きしか選べなくなります。
勾配があっても横葺き・瓦調をすすめるのは、最近以下のの写真の様な軒出(屋根の先端の、壁から飛び出す部分)が極端に少ない、もしくはほぼ無いデザインのお宅も増えているからです。
■軒出の少ないお家
このような軒の出が無いお家は、出来れば屋根勾配が3寸以上の場合でも、縦葺き以外の屋根を選びましょう。
軒の出が無いお家で縦葺きを採用すると雨仕舞の問題状、伝い水からの雨漏りのリスクが高くなるからです。
雨仕舞(あまじまい)とは-屋根の場合- 雨が降った時に上から下へ雨水を流し切る事が出来る、雨水の通り道を作る造りの事を言います。 また、台風や強風時に風で雨水が吹き上げられ逆流した際に、雨水が家の中に浸入しない様な造りや防水処理の構造の事を総称した用語です。 特に外壁と屋根の境目の部分や、雨水を受ける横樋との境目の部分の防水が重要になります。 |
2-2 寄棟
寄棟(よせむね)屋根のお家には横葺き、瓦葺きがおすすめです。
こちらの屋根の場合は棟が一番上にあり、棟から家の角に向かって下方向に軒を伸ばすため、3寸未満の屋根形状にする方が難しい屋根です。
基本的にどのタイプの屋根も対応可能です。
(※3寸未満の屋根の場合は他と同様に縦葺きのみ施工可能です)
寄棟屋根の場合は切妻、片流れ屋根と対照的で、軒の出幅が比較的長い家が多いため雨仕舞がしっかりしており、軒下からの雨漏りの心配は少なくなります。
どっしりとしたデザインのお家や和風のお家が多く、屋根が見えるデザインが比較的多いので、外壁と合わせた屋根のデザインも考え種類を選ぶと良いでしょう。
2-3 陸屋根
陸屋根(りくやね・ろくやね)の場合、基本的に平坦な屋根のため防水工事仕上げの場合がほとんどです。
ガルバリウム鋼板の屋根をそのまま使用して工事は出来ません。
屋根材を葺く場合は、基本的に傾き(傾斜)が無いと屋根としての機能を発揮できないからです。
断熱性能等に不満があるなど、どうしても屋根を作りたい場合は、陸屋根の上に屋根を骨組みから増築し、その上に新規の屋根材を施工して使用する事は可能です。
ただし「増築」の為かなり費用が高額になります。
どうしても断熱効果を得たい、メンテナンスを楽にしたい、という方は見積もりを工事会社に依頼してみましょう。
2-4 その他
特殊なお家におすすめの屋根の種類もご紹介します。
屋根も含めた外観に特にこだわりがある方はこちらの種類を使用してみましょう!
ログハウス
横葺き 断熱材無し 表面石粒付き(colオニキス)
出典:D’s Roofing
ログハウス
横葺き 断熱材無し 表面石粒付き(colテラコッタ)
出典:D’s Roofing
ペンション
縦葺き(立平葺き)
出典:セキノ興産
デザイナーズ住宅
縦葺き(立平葺き)
出典:セキノ興産
3章 ガルバリウム種類別の単価相場
次にガルバリウム鋼板の種類別の単価を把握しましょう。
単価と自宅の屋根の㎡を把握する事で、金額にデザイン・機能を含め選択する事が出来る様になります。
いくらデザインや機能が充実していても予算面で合わなければ選ぶ事は出来無いですし、単価、予算、選びたいデザインのバランスが重要になります。
ガルバリウム鋼板 種類 | ㎡単価 |
横葺き 断熱材無し | 5,400円~ |
横葺き 断熱材無し 石付 | 7,000~8,500円 |
横葺き 断熱材有り | 5,800~6,500円 |
縦葺き 瓦棒葺き | 5,400円~ |
縦葺き 立平葺き | 5,800円~ |
瓦調葺き | 8,000円~ |
折板葺き | 5,400~8,300円 |
折板葺き 断熱材有り | 13,600~14,000円 |
※工事費は別途かかります。
後は実際にご自宅の屋根の㎡数と合わせて具体的な予算組を行いましょう!
4章 工事を依頼する際の注意点
お好みの種類を選んでいざ工事会社を選定して工事を依頼・・・
しかしその前にもう一つ確認するべきことがあります。
それは工事会社にちゃんとした工事の知識があるかどうかを見極めて依頼する事です。
ガルバリウム鋼板を使用した工事の場合、保証の取り扱い時の注意点があります。
上記に「施工店様による施工や取り扱いが原因で不具合が生じた場合」とあります。
工事で現場のお家の屋根に合わせて加工(切断、曲げ)を行った時点で、メーカーからの保証はなくなります、という意味です。
つまり下手な業者に工事を依頼して何か不具合があった場合、メーカーは本体の保証に関しては一切責任を負わないという事です。
メーカーの製品保証が得られないのであれば工事会社を選定する際に重要なのは以下3点です。
4-1 工事実績が豊富な会社を選ぶ
まず一番はガルバリウム鋼板の屋根工事に関しての工事実績が豊富な会社を選ぶ事です。
工事実績が豊富という事は過去に扱っている事例や種類の絶対数が多い為、自宅の工事と近い事例があれば安心して依頼する事が出来ます。
また、単純に件数が多い=材料の発注数も多いため、実績が多い工事会社であればある程、同じ種類の商品の単価が下げられます。
つまり、同じ種類の同じ商品でもより安く良い工事を行える可能性があるのです。
ぜひ、使用したい種類のガルバリウム鋼板の工事実績が豊富な会社を選びましょう。
4-2 施工マニュアルがある会社を選ぶ
次に、工事会社内で施工マニュアルがある会社を選びましょう。
メーカー商品を扱う場合、”工事の際はこの点に気を付けて工事を行って下さい”という注意事項が必ず説明書内にあります。
もちろんどの工事会社もその仕様を守り工事を行っています。
ただ工事をするのは人間のため、そのとき入る職人の気分や体調等によって、ちょっとしたミスやむらが出る場合があります。
それを防ぐのが「施工マニュアル」です。
工事をする人以外の第三者が見ても分かるように工事行程を定めてあれば、だれが工事を行ってもチェックをすることが出来るため、同じ品質を保つ事が出来ます。
どういう流れで工事を行う、という明確な工事スケジュール、マニュアルが確立している会社を選ぶ事で、質の良い工事が出来る会社を選べる様にしましょう。
4-3 工事の保証をつけてくれる会社を選ぶ
最後に工事会社が行う工事の内容に対して、保証をつけてくれる会社を選びましょう。
章の最初にもお伝えしましたが、メーカーは、工事会社が工事をした時点で工事後の商品に対しての保証はほぼつけてくれません。
(※全く加工をせず工事が出来る場合は保証対象となります)
その為、施工会社が「商品」ではなく「工事の内容」に対して不備があった場合に保証をしてくれるかどうかが重要になります。
工事に関してのクレームが多い会社は、保証を付けるという事は絶対にしません。
工事に入る前に保証の有無と内容に関しての確認を行い、納得できる内容の会社に工事を依頼しましょう。
5章 工事後、キレイを長持ちさせる方法
いざ、工事が終わってこれで一安心…
しかし、今工事が終わったここから今後の準備を行う事で、先々長く綺麗な状態でお家に住む事が出来るか、出来ないかが決まります!
実際新築時にお家のメンテナンスの事を視野に入れて買われている方は、全体の3割程度です。
何故こういうことが起こるのかというと、
メンテナンスの事まで説明を受けていたとしても現状の必要性が無ければ忘れてしまう。
もしくはそもそも家を売る側が意図的に説明をしていない。
そもそもメンテナンスが必要だという認識が全くない。
等状況は様々です。
一番怖いのは、いざメンテナンスの時期が近づいて来た時に初めて「どういうメンテナンスが必要で、予算がいくらで…」と考え出し、
優先順位や予算の都合上、見送りになるパターンです。
いざメンテナンスが出来る状況になった!という時に、時期が遅れていたせいで、先々で払わなくてもよかった補修費を払う羽目になる、というパターンが多く見受けられます。
そうならない為にも、今からの準備をしっかり行い綺麗なお家に安心して住めるようにしましょう!
5-1 定期点検を行う
まず重要なのは工事後定期的に点検を行う事です。
定期点検を行う事で、傷みの早期発見とメンテナンスを行う事が出来ます。
工事して1年しか経ってないのに…まだ3年だから、5年だから、と「まだまだやったばかりだから」という感覚が一番危険です。
例えば台風の後、地震の後、長雨の後、雪の後等、いつもと違う気象状況があった後は点検をしてもらいましょう。
以下、定期点検の目安です。
当たり前ですが、工事をした直後は綺麗です。
しかしお家の外装は日々厳しい気象条件にさらされているため、思わぬタイミングで思わぬ劣化をする事もあります。
ガルバリウム鋼板の場合気を付けたい劣化の症状が3つあります。
赤錆び(傷からの劣化)
通常のトタン板と同じ様な錆びです。
ガルバリウム鋼板は表面メッキ層で傷が付きにくい作用(犠牲防食作用)が働くため、少しくらいの傷では錆びないように加工されています。
しかし、あくまでも表面メッキ層部分の傷の話で、例えば鋭利な石がぶつかってメッキ層より下の層も傷つけてしまったとしたら、その部分から錆が広がる原因となります。
もらい錆び(異種金属接触腐食)
ガルバリウム鋼板自体に傷が無くても、例えば錆びている他の金属が触れているとその部分からガルバリウム鋼板にも錆が広がります。
この現象を「もらい錆び」と言います。
違う種類の金属をそばに置かない工夫が必要です。
また、工事時にビスを誤って屋根上に放置する、切断面のバリ(金属の屑)を適切に処理しなかった場合等にも、もらい錆びする可能性があります。
白錆び
沿岸地域の場合は、表面メッキ層の亜鉛が酸化することにより白い斑点状の錆が出ます。
通常の地域でも普段雨が当たらない様な場所、高温多湿の場所に出来やすい錆びです。
見えない、気づかない部分でこの様な傷みが出てそのまま放置していると、どんどん劣化が進行し危険です。
これらの症状を点検時に発見した場合には、なるべく早めにメンテナンスを行いましょう。
早めにメンテナンスを行う事で綺麗な状態をながもちさせることが出来、将来的なメンテナンス費用を抑える事にもつながります。
5-2 それぞれの種類に合ったメンテナンスを行う
選ぶそれぞれの屋根の種類に合ったメンテナンスを行うようにしましょう。
同じ素材のガルバリウム鋼板でも種類・施工方法が違えば、メンテナンスが必要になる箇所もメンテナンスする場所の数も違ってくるからです。
例えば、横葺きと縦葺きではガルバリウム鋼板のつなぎ目の部分の数が違います。
気を付けたいのが、素材自体の耐久年数と実際のメンテナンスにおいての必要時期は違う、という点です。
例えばこちらの横葺きですがガルバリウム鋼板の推奨メンテナンス時期はこちらです。
商品自体は15年、20年と耐久年数が長いのに対し、シーリング部分に関しては10年単位でのメンテナンスが必要になります。
ガルバリウム鋼板とガルバリウム鋼板のつなぎ目をシーリングで留めている個所が多い種類程、本体部分以外のメンテナンスが定期的に必要になります。
メンテナンス性を考えた場合、
横葺き=瓦調葺き<縦葺き<折板葺き
の方がシーリングのメンテナンスは少なく済みます。
こちらも選ぶ際にメンテナンスが必要な個所の確認を行い、選んだ種類ごと適正な時期にメンテナンスを行いましょう。
まとめ
最後まで読み進めて頂きありがとうございました。
ご自宅に合ったガルバリウム鋼板の種類は見つかりましたか?
ガルバリウム鋼板はきちんとした知識を持って選び、施工をすれば綺麗に長期間、持たせることが出来るとても良い素材です。
デザインや施工性、先々のメンテナンスの事も含め、好みや費用面、これだ!というものを選び、納得できる工事を行いましょう。
また、工事をする事で大切なお家により愛着を持って長くお住まいになる事ができれば幸いです!
ありがとうございました!
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