シロアリ点検ってうちも必要?そろそろやった方が良いの?
と気になっている方も多いかと思います。
結論から言うと、シロアリ点検は定期的に実施が必要です。
うちは大丈夫でしょ、と思う方もいるかもしれませんが、日本の住宅はほとんどが木造です。
万が一シロアリが発生してしまうと家の寿命が縮んだり、最悪は倒壊を招くなど、被害が大きくなってしまいます。
予防と早期発見のために、点検はとても重要なのです。
ただ、初めての点検だと分からないこともおおいですよね。
この記事ではそんな方にむけて、シロアリ点検をすべきタイミング、点検の流れ、費用相場、業者選びのポイントまでを網羅的に紹介します。
さらに、シロアリ予防としてご自身でできることもまとめました。
まずは点検について知ることで、大切なお家をシロアリから守れるようになりましょう。
目次
1章 シロアリ点検は5年に1回がベスト
以前にシロアリ消毒をしているなら、その後は5年に1回点検するのがベストです。
消毒に使う薬剤は5年で効果が切れてしまうからです。
このタイミングで点検をし、問題なければまた消毒をして効果を途切れさせない、というのが理想のサイクルです。
また、まだ一度も消毒をしていないのであれば、点検はすぐに行いましょう。
消毒工事は後回しにしていても、定期的に点検することで早期発見ができ、万が一シロアリが発生していても、被害を最小限に抑えられます。
一般的にシロアリは、数万~100万匹の群れで生活しています。
一つの群れで一日に70gの木材を食べます。
1年間シロアリを放置すれば、約25kg、柱でいうと約5m分もの木材が食べられてしまいます。
そうすると、地震が発生した際に倒れてしまうような状態になる恐れがあります。
■シロアリ被害が家の倒壊を招いたことを示す記事 出典:1995年4月26日 朝日新聞夕刊 実は阪神淡路大震災で倒壊したお家の多くが、シロアリ被害にあっていたお家でした。 |
万が一シロアリ被害が発生してしまうと、お家の耐久性を大きく低下させてしまいます。
定期点検で早期発見が出来れば、その分シロアリに食べられる箇所も少なくすみ修繕費用も抑えられます。
シロアリ点検は必ず定期的に業者に依頼しましょう。
2章 点検の流れ
業者がどのようにシロアリ点検をするのか紹介します。
点検時間は約1時間程度です。
※大きなお家や複雑の形状のお家の場合は、もう少し時間がかかる場合もあります。
◆自分で点検してみたいという方は、以下の記事を参考にやってみてくださいね
【シロアリ点検の流れ】
①お家の間取りを確認する
室内を一周し、間取りを確認します。
床下にもぐったときに、どこがどの部屋の床下で、どのような状態になっているのかをきちんと説明できるようにするためです。
特に注意が必要なキッチン・水回りなどが大体どの位置なのかも把握できるとスムーズに点検できます。
②点検口から床下に入る
床下収納の下や、畳の床板が外せる場合はそこから床下に入り点検を行います。
注意:点検口新設が必要な場合がある 点検の際は、床下収納の下にある点検口か、和室の床が外れるところから出入りします。 大体のお家はどちらかの入り口があるのですが、両方とも無いお家や、床下が細かく区切られて点検できない場合は、点検口を新設する必要があります。 新設にかかる料金は一か所で約25,000~50,000円程度です。 点検を依頼する前に、お家に点検口があるかどうかも確認しておきましょう。 |
③水回りの配管をチェック
配管のさびや水漏れの有無を確認します。
水漏れがあると、そこから床下の木材に水が浸み込み、シロアリが発生する原因となるためです。
シロアリ予防のために大事なポイントです。
④目視でシロアリがいるかどうかをチェック
シロアリの有無だけでなく、基礎のヒビやカビが発生しているかどうかも一緒に確認します。
シロアリは「蟻道(ぎどう)」の有無でチェック!
シロアリは、床下に蟻道(ぎどう)と呼ばれるシロアリの通り道があるかどうかで判断します。
蟻道とは木くずや土で作られた細いトンネルで、基礎や木材に沿って作られています。
⑤点検終了
床下を1周したら、点検完了です。
3章 シロアリ点検費用は無料~8,000円
シロアリ点検は、基本的に無料の業者が多いです。
ただし、ご自宅から遠くにある会社に頼むと有料になることが増え、高いと8,000円ほどかかる場合があります。
どうしても人件費・交通費などが発生してしまうからです。
あまりお金をかけたくない方は、無料でやってくれる地元企業がおすすめです。
また、業者によっては無料点検と有料点検の2種類に分けているところもあります。
有料の点検だと写真付きの点検報告書がある、他の害虫等の点検もしてもらえる、などサービス内容が異なる場合があります。
業者に点検依頼する場合は、
- ・点検費用
- ・点検箇所の写真
- ・点検結果の説明
- ・他に行ってもらえる点検の内容
以上の4つの有無を確認したうえで依頼しましょう。
4章 信頼できる業者選びの3つのポイント
信頼できる点検業者を選ぶためのポイントを紹介します。
床下はお住まいの方がご自身でチェックするのが難しい場所なので、嘘の報告をされる、強引に高額な工事の契約を迫られる等の悪徳業者トラブルに巻き込まれてしまうリスクが高いためです。
このポイントを押さえて、安心して任せられる業者を見極めましょう。
4-1 写真を使って点検結果を報告してくれる
点検箇所の写真を撮影し、それを使って点検結果を報告してくれる業者に依頼しましょう。
床下は普段見えない部分ですから、お客様ご自身が写真で状況を知って、消毒や予防工事が必要かどうかの判断をするためです。
また、悪い業者だと、シロアリ被害が大きいお家の写真を前もって用意し、「あなたのお家はここまでシロアリ被害にあっていますよ」と嘘の点検結果を話してくる場合があります。
心配な方は、目の前で書いてもらった紙や目印になるものなどを床下に持って行ってもらい、一緒に撮影してもらいましょう。
そうすることで、今あなたのお家の床下で撮った写真であることが証明できて安心です。
■点検写真の例 ここでは、お家の方の古い携帯電話をお借りして一緒に撮影しました。 |
床下の状態を正しく把握するために、必ず点検時には写真を撮影してもらいましょう。
4-2 水道管の水漏れがないかも見てくれる
配管からの水漏れがないかもしっかり見てくれる業者を選びましょう。
シロアリは湿った木材を食べるため、床下の配管が水漏れを起こしていると、そこからシロアリ被害にあってしまうためです。
「今はシロアリはいませんでしたよ!」という確認だけして水漏れを見逃していた場合は、それを放置して柱が腐ったり、後々シロアリを呼んでしまったりして、お家の寿命を大きく縮めてしまいます。
点検時には必ず、シロアリの有無と一緒に配管からの水漏れの有無も見てもらうようにしましょう。
4-3 HPで施工実績を紹介している
HPでシロアリ点検や駆除の実績を紹介している所に依頼しましょう。
きちんと実績を公開している所から選べば、知識や経験を持った業者に依頼できるからです。
多くの実績がある業者なら、今シロアリがいるかどうかだけでなく、シロアリ被害の原因になりそうなものがないかも細かく点検してくれます。
そのため、シロアリ被害を未然に防いだり、被害を最小限に抑えることができます。
全く知らない業者だと、どの位の知識・経験があるのかが判断できません。
HPを見て、実績が多いところから選びましょう。
5章 シロアリ予防のためにできる6つのコト
消毒・予防工事以外に、シロアリを寄せ付けないお家にするためにできる方法6つを紹介します。
シロアリは湿った木材が大好物ですから、それを作らない環境が大切です。
ぜひ実践し、湿気や水分がこもらないお家にしていきましょう。
5-1 雨漏りを放置しない
雨漏りしている箇所がある場合は、放置はNGです。
お家の中の木材に雨水が浸み込むことで、シロアリが好む環境になってしまうためです。
お家が雨漏りで常に水が入る状態になれば、木材も常に湿った状態となり、シロアリが木材を食べにやってきて、お家の寿命を大きく縮めてしまいます。
雨漏りはなるべく早めに修理を依頼しましょう。
◆雨漏り修理について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
5-2 廃材・家具・切り株を放置しない
庭に廃材・いらなくなった家具・切り株などの木材を放置するのはやめましょう。
外で雨風にさらされて湿気を含むことで、シロアリが寄ってきてしまうためです。
本当はお家の床下は大丈夫だったのに、庭の廃材に来たシロアリが家のほうにも移ってきた…ということもあります。
どうしても庭で保管したい場合は、地面から離し、湿気がこもりにくい状態で保管しましょう。
注意:お庭のウッドチップも危険! 花壇の乾燥防止やおしゃれのためにお庭にウッドチップを敷いている方もいるかもしれませんが、これもシロアリが寄って来てしまう場合があります。 ウッドチップの下に湿気が溜まりやすいのと、ウッドチップ自体がシロアリのえさになってしまうためです。 シロアリが寄ってきやすいものはなるべく減らし、お家を守りましょう。 |
5-3 段ボールを放置しない
お庭などに段ボールを放置するのも避けましょう。
樹木が原料である段ボールも湿るとシロアリの好物になってしまうためです。
外に置いておくことでシロアリが寄ってきてしまう原因になります。
段ボールでの荷物保管や、いらなくなった段ボールの放置は避け、庭にシロアリのえさとなるものが極力ない状態にしていきましょう。
5-4 基礎の通風穴をふさがない
基礎には通風穴(通気口)といって、床下の湿気がこもるのを防止する穴があいています。
ここが荷物や雑草でふさがった状態にならないようにしましょう。
ここがふさがってしまうと、湿気が床下から逃がせなくなり、シロアリが好む暗くて湿った環境になりやすいからです。
■基礎の通風穴・通気口 基礎の外周5mごとに1つ作られています。格子がつけられていることが多いです。 |
通風穴のまわりに荷物を置いていた場合は、最低10~15cm離しておくことで空気の逃げ道を確保できます。
雑草が生い茂っていたら掃除をして湿気がこもらないようにし、床下の換気ができるようにしてあげましょう
5-5 ウッドデッキは定期的に塗装する
庭にウッドデッキがあるなら、定期的に塗装を行いましょう。
塗装を行うことで、水がウッドデッキに浸み込まなくなり、シロアリに食べられるリスクが減らせるからです。
ウッドデッキに常に水が入る状態になってしまうと、シロアリの温床となるだけでなく、そこからお家の中にシロアリが侵入してしまう原因となります。
シロアリは乾いた状態の木には寄ってきません。
塗装で木を水から守り、シロアリが入ってきにくい環境をつくりましょう。
◆ウッドデッキ塗装について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
5-6 外壁塗装で家に水を入れない
実は、外壁塗装工事もシロアリ予防になります。
塗装をすることでお家の壁に防水性を持たせられ、また壁がひび割れたりするのを防げるため、中の木材に雨水が浸み込むのを防げるからです。
外壁塗装=家に水を入れないための防水工事です。
大事なお家を綺麗に長く保つためにも、シロアリ予防のためにも、とても重要だということを知っておきましょう。
◆外壁塗装の適切な時期目安については以下のページもご覧ください
まとめ
シロアリ点検は、以前にシロアリ消毒をしている方なら5年に1回、そうでない方ならすぐに行いましょう。
点検は約1時間程度で実施できます。
点検は多くの業者が無料で行っていますが、有料の場合は高いと8,000円程度かかることがあります。
ただ、床下は自分でチェックするのが難しい場所な分、業者とのトラブルも多いです。
以下の3つにあてはまる業者に依頼すると、安心して任せられます。
・写真を使って点検結果を報告してくれる
・水道管の水漏れがないか見てくれる
・HPで施工実績を紹介している
シロアリを寄せ付けないためにできる5つの方法は以下の通りです。
・雨漏りを放置しない
・廃材・家具・切り株を放置しない
・段ボールを放置しない
・基礎の通風孔を塞がない
・ウッドデッキは定期的に塗装する
・外壁塗装で家に水を入れない
定期的な点検や日々の対策でシロアリ被害を防ぎ、長く暮らせるお家にしていきましょう。
お読み下さりありがとうございました。
◆点検して問題なかった場合は、この良い状態を保つために消毒工事をおすすめします。
シロアリ消毒工事について詳しくはこちらをご覧ください
⇒シロアリ消毒の前に知ってほしい10の事|費用相場から業者選びまで