床下点検をやった方が良いって言われたけど…
「本当に床下点検って必要なの?」
「床下点検では何を見るの?」
と気になって調べているのではないでしょうか。
確かに、築年数もそこまで経っていないと床下点検をやる必要性もあまり分からないですよね。
また床下点検をすることで無理に契約させられるのでは?と業者に依頼するのにもためらいがある方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回の記事では、床下点検が必要な理由とご自身で点検する方法や見るべきポイントをご紹介します。
また、症状が出たときの補修方法・費用相場や悪い業者に騙されないための業者の選び方についてもご説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1章 築5年を過ぎたら床下点検をしよう!
築5年を過ぎたら床下点検を行ないましょう。
家を建てるときにシロアリ消毒をしている場合も多いですが、消毒をしている・いないに関わらず、点検は必要です。
なぜならシロアリ消毒は5年ほどで効果が切れてしまうからです。
家を建てたときにシロアリ消毒を行っているから大丈夫ということはありません。
万が一シロアリに気付かないまま過ごしてしまうと単に床下の木が傷むだけでなく、家の耐震性も落ちてしまいます。
実際に平成7年に起きた阪神淡路大震災でも倒壊した家の大半はシロアリに木を食べられていました。
いつ来るか分からない地震に備えて床下の状態は定期的に確認しましょう。
■当時の新聞記事(平成7年4月26日 朝日新聞夕刊)
2章 自分で点検する方法
それでは、床下の状況が気になる方のために、ご自身で点検する方法をご紹介します。
準備や流れもご説明しますので、点検をする前に必ずご確認ください。
2-1 点検をする前の準備・知っておくべきこと
点検をする前に、点検をする時期や服装、準備などのご説明をします。
前もって準備をしてから点検を行ないましょう。
点検におすすめの時期
点検におすすめの季節は秋です。
春や夏は虫の活動が活発になるため、虫が嫌いな方は特に避けた方が良いでしょう。
また、夏や冬は気温的に厳しいのでおすすめしません。
こんな人には自己点検はお勧めできない
虫が苦手な方・閉所恐怖症の方・肥満体質の方・お年寄りや子供・呼吸器系の持病がある方は床下に入って点検することはお勧めできません。
専門業者に依頼して点検してもらいましょう。
床下点検に必要なもの
床下点検に必要なものは主に6~7つです。
・つなぎ(汚れても良い服) |
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・防じんマスク ※メッシュのマスクだと、ちりやほこりを吸い込んでしまう恐れがあります。 |
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・長靴 |
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・軍手 |
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・タオル |
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・懐中電灯 |
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・カメラ(記録として残したい場合) | ※カメラはレンズにほこりが入って壊れてしまうので、防塵レンズの物を使用するか、透明の袋に入れて使いましょう。 |
床下点検時の服装
床下はほこりや砂で汚れるので、なるべく肌が出ないようにしましょう。
2-2 点検の流れ
実際に点検する際の流れをご紹介します。
床下に入る前に全体の流れを確認しておきましょう。
①準備をする ②床下点検口から床下へ入る ③床下を確認する |
①準備をする
準備や服装を整えましょう。
準備については2-1をご確認ください。
②床下点検口から床下へ入る
キッチンや洗面所などにある床下点検口から床下に入りましょう。
※点検口がない場合は、別途点検口設置工事が必要になります。
③床下を確認する
床下に潜って点検を行います。
床下は暗く狭いので、迷わないよう注意が必要です。
・光をたどって戻れるように、点検口を開けたままにしておく
・右回りで見ると決めておく
などの対策をしておきましょう。
床下点検で確認すべき点は次章でご説明します。
3章 床下点検で確認すべき5つのポイント
床下点検の際に確認すべきポイントを5つご紹介します。
ご自身で見る場合も業者に見てもらう場合も確認すべきところになりますので、床下で注意する場所を把握しておきましょう。
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3-1 床下の湿度
床下の湿度が高くないか確認しましょう。湿度が高いと、床下からカビの臭いがします。
シロアリは湿気を好むので、湿度が高いのは危険です。
床下調湿工事を行なうことをおすすめします。
3-2 配管の状態
配管から水漏れがないか、配管が錆びていないかなど確認しましょう。
水漏れが発生していると、湿気が高くなったり、木部が腐ってしまいます。
また、湿った木はシロアリの大好物です。シロアリが来る前に発見して対処することが大切です。
万が一配管から水が漏れていたり配管が錆びていた場合は、配管交換工事を行ないましょう。
3-3 断熱材の有無
断熱材が入っているか、劣化していないか確認しましょう。
断熱材が入っていても床下に落ちてしまって機能していない場合があります。
断熱材が機能していない場合は断熱材の交換・設置工事を行ないましょう。
〈落ちてしまった断熱材〉
3-4 シロアリの有無
シロアリがいないか確認しましょう。
ただ、シロアリは滅多に姿を現しません。そのためシロアリがいた形跡を見つけることがポイントです。
以下の形跡が見つかった場合は、シロアリが生息している可能性が高いのでシロアリ駆除工事が必要になります。
形跡1、蟻道(ぎどう)
シロアリは砂や土で道をつくって移動します。
こういった蟻の道=蟻道があったらシロアリがいた形跡になります。
形跡2、スカスカになった木
床下の木がスカスカになっていたら、既にシロアリに食べられています。
3-5 基礎のひび割れ
基礎コンクリートにひび割れが入っていないか確認しましょう。
基礎のひび割れは幅によって補修方法が変わりますが、補強が必要な状態を放っておくと家の耐震性も下がってしまいます。
ひび割れが見つかったら補修工事を行ないましょう。
4章 床下工事の費用相場
床下工事の費用相場をご紹介します。
床下点検で欠陥や劣化が見つかった場合は、早めの修繕工事を行ないましょう。
※劣化の状態によって補修範囲や費用に差が出ます。
①シロアリ消毒工事
シロアリ消毒工事の費用相場は6,000~10,000円/坪です。
シロアリが発生するのを防ぐために築5~10年でシロアリ消毒を行ないましょう。
シロアリは湿気や養分のある木があると寄ってきます。
消毒の効果は5年ほどで切れてしまうので、定期的な消毒でシロアリを寄せ付けない家にしましましょう。
◆シロアリ消毒について詳しく知りたい方はこちら
②シロアリ駆除工事
シロアリ駆除工事の費用相場は6000~10,000円/坪です。
シロアリが発生している場合はシロアリ駆除工事が必要になります。
シロアリを放っておくと木を食べてスカスカにしてしまい、耐震性が低くなって地震に耐えられない家になってしまうので、早めの駆除工事を行ないましょう。
③床下調湿工事
調湿材などを入れて湿気を改善する、床下調湿工事の費用相場は10,000円/坪です。
床下の風通しが悪く湿気がこもりやすい状態の場合は、床下調湿工事をおすすめします。
湿気がこもるとカビの繁殖や湿気による木の劣化が促進され、シロアリを呼び寄せる原因になってしまうので、床下の湿気が気になる方は床下調湿工事を行ないましょう。
④断熱材設置工事
出典:セルフ ビルド
断熱材設置工事の費用相場は30~40万円(30坪)です。
断熱材がない、または劣化してしまっている場合は断熱材工事をおすすめします。
断熱材を設置することで、冬場に暖かい空気を逃がさないようにすることが出来ます。
⑤基礎補修工事
基礎のひび割れ補修工事は1~2万円(箇所)です。
基礎のひび割れは補修工事をすることでひびが大きくならないように予防することが出来ます。
ひび割れが0.5㎜以上の大きなものであれば一部分の補修だけでなく補強工事が必要になる場合があります。
⑥配管交換工事
配管交換工事は5~10万円(箇所)です。
配管が劣化して水漏れやサビが発生している場合は交換が必要になります。
水漏れが発生すると、水道代が高くなってしまったり、床下の木が水で腐ってしまう恐れがあります。
5章 専門知識のある業者に見てもらうのが安心
ご自身でも点検はできますが、確実に床下の状態を知りたい方は、専門知識のある業者に点検してもらうことをおすすめします。
なぜなら床下の点検は経験や知識がないと、劣化や異常を見逃してしまう恐れがあるからです。
専門知識のある業者に点検してもらうことで、
・床下の状態が分かり、必要な補修方法を提案してもらえる。 ・点検自体は無料でしてくれるところがあるので、自分で点検するよりも費用がかからない。 ・自分で点検しないので汚れたり準備・片付けの必要がない。 |
などのメリットがありますので、確実に床下の状態を把握するために、点検は業者に依頼しましょう。
ただ業者の中にも、点検後に無理に契約させる、必要ない工事を勧めてくるなどの悪徳業者も存在します。
そういった悪徳業者に騙されないための業者の選び方を次章でご紹介します。
6章 悪徳業者に注意!信頼できる業者選びのポイント
悪徳業者に騙されないために、信頼できる業者選びのポイントをご紹介します。
点検を依頼する前に確認しておきましょう!
6-1 点検の際の写真を見せてくれる
点検写真を見せてくれるか、事前に確認しましょう。
床下はお客様が普段見えない場所なので、大げさなことを言って工事を勧めてくる業者もいます。
また中には、他の家の床下写真を見せて工事を勧めてくる悪徳業者もいるので、不安な方は自分の家と分かるように写真を撮ってもらうことをおすすめします。
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6-2 防蟻工事に保証を付けてくれる
シロアリ消毒工事に、きちんと保証を付けてくれる業者を選びましょう。
保証があれば、万が一保証期間内にシロアリ発生した場合、無償で再施工をしてもらうことが出来ます。また保証によっては、シロアリが発生したことで建物に損害が発生したときに損害賠償金を受け取れる場合もあります。
しかし、業者の中には保証を出さない、又は書類で渡さない業者も存在するので、点検を依頼する前に、工事を頼んだ際に保証を書類で出してくれるのか確認しておきましょう。
※保証年数は一般的には5年です(それ以上強い薬剤が禁止されているため)。
※保証内容の詳細は業者によって異なります。
まとめ
いかがでしたか。最後にこの記事をまとめます。
- ■1章まとめ
- 築5年を過ぎたら、シロアリ消毒の効果が切れるので、定期的に点検を行う。
- ■2章まとめ
- 自分で点検する場合、おすすめ時期は秋で、準備するものは以下の7つ
- ・つなぎ(汚れても良い服)
- ・長靴
- ・防じんマスク
- ・タオル
- ・軍手
- ・懐中電灯
- ・カメラ(記録として残したい場合)
- ■3章まとめ
- 床下に入ったら確認すべきポイントは、
- ・床下の湿度
- ・配管の状態
- ・断熱材の有無
- ・シロアリ・蟻道の有無
- ・基礎のひび割れ
- ■4章まとめ
- 点検後異常が見つかったら補修工事が必要になる。劣化具合によって費用や補修方法に差がある。
- 床下の主な工事は以下の6つ。
主な床下工事名 | 費用相場 |
①シロアリ消毒工事 |
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②シロアリ駆除工事 |
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③床下調湿工事 | 10,000円/坪 |
④断熱材設置工事 | 30~40万円(30坪) |
⑤基礎ひび割れ補修工事 | 1箇所1~2万円 |
⑥配管交換工事 |
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- ■5章まとめ
- 床下の状態を正確に把握するためには、専門知識を持った業者に点検を依頼することがおすすめ。
- 業者に依頼するメリットは以下の3つ
- ・床下の状態が分かり、必要な補修方法を提案してもらえる。
- ・点検自体は無料なので、自分で点検するよりも費用がかからない。
- ・自分で点検しないので汚れることもなく、床下の状態が分かる。
- ■6章まとめ
- 床下点検を業者に依頼する前に、業者選びに注意する必要がある。
- 以下の2点を満たす業者に依頼するのがおすすめ。
- ①点検の写真を見せてくれるか
- ②シロアリ防蟻工事に保証書を出してくれるか
定期的な床下点検を行うことで、床下の状態が把握でき、家の耐震性を保たせることが出来ます。
家を支える床下を守っていくために、築5年を過ぎたら行うようにしましょう。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
◆築5年を過ぎた方は、外壁のお手入れも必要な可能性があります。
外壁を防水メンテナンスすることで、シロアリ被害の予防にもなりますので、ぜひあわせてチェックしてみてください。
→塗り替え時期は築5~7年!外壁塗装タイミングの簡単セルフチェック