業者に「そろそろ塗り替えた方がいい」と言われたけれど、
うちの外壁塗装の寿命は何年くらいなのかな?と気になった方も多いかと思います。
実際どのくらい持つのかは、使われている塗料によって大きく変わってきます。
塗料には樹脂が含まれています。この樹脂のグレードによって、お家を何年間雨水から守ってくれるか(耐候性)が違うためです。
そこでこの記事では、以下のポイントを紹介します。
・外壁塗料ごとの寿命
・塗り替えが必要な(寿命が来ている)サイン
・外壁塗装を長持ちさせるポイント
外壁塗装の寿命が切れているかどうかは、現在出ている症状(見た目)でもある程度判断可能です。
この記事を読むことで、今ご自宅の塗り替えが必要かどうか判断できるようになります。
また、今度塗装するときさらにお家を長持ちさせる方法も紹介します!
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
1章 外壁塗装の寿命は使用している塗料により異なる
外壁塗装の寿命は、前回使用している塗料により異なります。
以下の表をご覧ください。
■塗料のグレードと耐用年数
塗料のグレードにより、寿命(耐用年数)が異なります。
寿命が来たら、再塗装が必要です。
新築のお家の場合、アクリル塗料を使っていることが多いため、寿命は約5~7年となります。
1回以上塗装しているお家は、前回使った塗料を確認してみましょう。
ただ、上記の寿命の年数もあくまで目安です。
同じ塗料を塗っていても、お家の日当りなどの立地条件や工事の質によって寿命は変化するからです。
また、前回塗った塗料の種類が分からない方もいらっしゃると思います。
次の章では、今の外壁の状態から寿命をチェックするポイントを紹介していきます。
2章 1つでもあれば寿命が来ているサイン!症状5つ
外壁塗装の寿命が来ているサインを5つ紹介します。
前回塗装した塗料がわからない方や、本当に必要かどうか迷っている方は、これらの症状の有無で寿命かどうかチェックしましょう。
ちなみに、逆に塗り替え不要なのは、以下のような状態です。
■塗装で水をはじいている状態の外壁 車にワックスをかけたときのように、水玉ができています。この状態ならお家に水が入るのを防げます。 水が外壁にしみこまなければ、お家の内部への水の侵入も防げます。 そのため、写真のように水をはじく状態が理想的です。 |
これから紹介する寿命が来ているサインは、塗料が雨水からお家を守れなくなっていることを示す症状です。
一つでも以下の症状が出ていたら、塗装工事を行いましょう。
2-1 水が外壁にしみこむ
ホースや霧吹きで外壁に水をかけてみましょう。
水がしみこんだり、水玉ができないようであれば塗り替えが必要なサインです。
塗料に含まれる樹脂が紫外線で分解されてしまい、水をはじかなくなってしまっているからです。
こうなってしまうと水を常に含んだ状態になるため、苔・カビの発生など外壁がさらに傷む原因となります。
2-2 手に粉がつく
外壁に触れてみて、粉がつくようなら塗り替えが必要です。
このときつく粉は、塗料の色付けのための顔料という成分です。
塗装から年数が経ったことで塗料に含まれる樹脂(油分)がなくなり、顔料だけが残った状態ですが、顔料だけではお家を紫外線や雨水から守れません。
再塗装して樹脂(油分)を復活させて、お家を雨水から守りましょう。
2-3 ひび割れ
外壁に一か所でもひび割れがあったら、塗り替えが必要です。
水をはじかなくなったことで、外壁が水を吸収して膨張・晴れて乾燥すると収縮、という伸び縮みを繰り返すようになって割れてしまいます。
今あるひびだけふさいでも、今度は別の場所がひび割れてしまい、根本的な解決になりません。
全体を塗装することで、水の侵入やひび割れを防げます。
ひび割れの補修と、その上からの全体塗装を依頼しましょう。
■ひび割れを放置した外壁 ひび割れを放置すると、外壁自体が割れて欠け落ちてしまいます。 何か所にもなると塗装だけでは補修できないため、張り替えが必要になる場合があります。 |
2-4 苔・カビがある
苔・カビが発生していたら、塗り替えが必要です。
放置すると、どんどん繁殖し外壁の耐久性を落としてしまうからです。
緑色のものが苔、黒いものがカビです。特にお家の北側や日陰など湿気の多い場所に発生しやすくなっています。
症状が軽いものなら、洗浄と再塗装で元の状態に戻せます。
しかし、なにもせず放置するとカビ苔が根を張って壁材を弱らせていき、壁を触ったら簡単に崩れるくらいにもろくなってしまいます。
そうなると外壁の交換が必要になり、それだけで何十万と掛かってしまうケースもあります。
■カビ・苔でもろくなった外壁 苔やカビが根を張ったことで外壁がもろくなり、一部が欠けてしまっています。 |
カビ、苔程度と甘く見ているのは非常に危険です。症状が軽いうちに塗装を行いましょう。
2-5 外壁が反っている
外壁が反っている・浮いている場合も、塗り替えが必要です。
水をはじかなくなったことで、外壁が水を吸収・乾燥を繰り返して、少しずつ変形している症状です。
軽度の反りであればビス留めで押し戻すことができますが、あまりに大きく反ってしまうと元に戻せません。
早めに塗り替えを行いましょう。
注意!劣化は放置するとシロアリ被害の原因になる
ここで紹介した寿命のサイン放置すると、最終的にはシロアリ被害を呼ぶ原因となります。
お家の中に水が入り続けることで内部の木材まで浸水し、湿った木を好むシロアリが寄ってきてしまうからです。
■シロアリに食べられた柱
シロアリがお家の内部の柱を食べてしまっています。
被害の度合いによっては、何十万円と修繕費用がかかる場合があります。
さらに、大切な柱や基礎をシロアリが食べることでお家の耐久性が低下し、地震発生時に倒壊しやすい状態になってしまいます。
適切な時期に塗装することで、このような被害を防ぐことができます。
外壁塗装の寿命が来ていたら、しっかり塗装してあげましょう。
3章 次の外壁塗装を長持ちさせる3つのポイント
塗装の寿命はいつか必ず来てしまうものですが、どうせなら少しでも先に延ばしたいですよね。
ここでは、次の塗装を長持ちさせるためのポイントを3つご紹介します。
今後のためにぜひ実践してみてくださいね。
3-1 塗料の使用日と使用量の記録を取ってもらう
塗装工事をするときには、実際に塗料を塗装した日や使用量がわかるように記録を残してもらいましょう。
正しい仕様で施工が行われているか確認するためです。
塗料は、工程ごとに決められた「乾燥時間」や「使用量」の仕様があります。
これを守らないと塗料本来の性能が発揮されず、寿命も縮んでしまいます。
(例えば、15年以上持つはずのフッ素塗料でも、薄めて塗ってしまったら10年も持たなくなってしまいます)
■塗料の乾燥時間
「塗装間隔」ともいい、塗料カタログの裏面に記載されていることが多いです。
乾く前にすぐ塗り重ねるのも、乾いてから時間が経ちすぎているのもNGです。
■使用量
1㎡に対し、どのくらい塗装すればいいのかも塗料ごとに決められています。
面積に対して多すぎても、少なすぎても本来の効果を発揮できません。
どの塗料をいつ、どのくらい使用したのか記録があれば、きちんと仕様が守られているのかわかり安心です。
長持ちする仕上がりにするためにも、適切な乾燥時間・使用量で施工してもらいましょう。
3-2 壁周りの雑草は掃除する
家の周りにある雑草を定期的に掃除したり、壁に近い植木のお手入れをきちんとしてあげましょう。
外壁の周りで常に草が生い茂った状態だと湿気がこもりやすくなり、苔やカビの温床となってしまうからです。
カビや苔が付着して繁殖すると外壁が傷み、塗装も耐久性が落ちてしまいます。
お家の周りを掃除することで風通しの良い状態となり、カビや苔が発生しにくくなります。
外壁が傷みにくい環境づくりで、塗装後も長持ちさせましょう。
3-3 年に1回は定期点検を行う
塗装工事が終わったら、年に一回は定期点検を行いましょう。
点検しておけば、ほんの小さな劣化も早期発見と補修ができるからです。
例えば、台風などで飛んできた物が当たっていたり、お子さんが自転車をぶつけてしまったり、と外壁は気づかないうちに傷んでしまう場合があります。
ほんの小さな傷み・塗装の剥がれでも、気づかないまま放置するとそこから劣化が進んで、外壁の寿命を縮めてしまいます。
数千円~程度で直せる軽い傷みなら、安く収まるうちに補修してあげる方がお得です。
点検で早期発見・補修をして、塗装の寿命を延ばしてあげましょう。
まとめ
【1章まとめ】
外壁塗装の耐用年数は使用している塗料により異なります。
新築のお家の場合はアクリル塗料が多いため、約5~7年です。
【2章まとめ】
以下の症状は1つでも当てはまるものがあれば、寿命が来ているサインです。
なるべく早めに塗装を行いましょう。
- ①水を吸いこむ
- ②手に粉がつく
- ③ひび割れ
- ④苔・カビがある
- ⑤外壁が反っている
そのまま放置すれば、シロアリ被害の原因となり耐震性も弱まる恐れがあります。
【3章まとめ】
次の外壁塗装を長持ちさせるポイントは以下の3つです。
- ①塗料の使用日と使用量の記録を取ってもらう
- ②壁周りの雑草は掃除する
- ③年に1回は定期点検を行う
塗装の寿命を知って、適切な時期で塗り替えを行いましょう。
お読み下さりありがとうございました。
◆塗装の寿命が来ていたら次の塗装を検討します。費用の確認や業者選びを始めましょう。
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