プロはヘアークラックを絶対放置しない!必要な対策や補修を完全ナビ

業者に「ヘアークラックがありますね」と言われて、

それって何なの?悪いものなの?何かしなきゃいけないの?

と、よく分からずに疑問に思っている方も多いはず。

 

ヘアークラックは、外壁にできる細いひび割れのことで、訪問業者などが最も気付きやすい劣化症状の1つです。

そのため、家のメンテナンスではよく聞く言葉ですが、日常では使いませんから、耳慣れない言葉で指摘されても“なるほど”とは言いにくいですよね。

 

そこで今回は、実際にヘアークラックとは何なのか、どういう原因でできてしまうのかという基礎知識からしっかり解説していきます。

またヘアークラックがもたらす影響や、その対策までお伝えしますので、ヘアークラックの理解から、何をしなければいけないのかの判断までできるようになりますから、ぜひ最後までじっくりお読みくださいね。

 


1章 ヘアークラックとは

ヘアークラックとは、外壁やコンクリート部分にできる「ひび割れ」のことです。

家のどの部分にも発生する可能性があるため、ご自宅の壁を見てみるとすぐに見つかる方もいるかもしれません。

ヘアークラック

▲モルタル壁にできたヘアークラック

 

1-1 ヘアークラックは0.3㎜以下のひび割れ

「ヘアークラック」は定義があり、幅0.3㎜以下、深さ4mm以下の細いひびのことを指します。

この髪の毛ほどの細いひび割れを総称して、ヘアークラック(ヘアクラック)と言います。

 

ヘアークラックは細いひび割れで、劣化の中でも初期症状なので、今すぐ何かしなくてはいけない緊急性はありません。

ですが後々大きなひび割れになっていく可能性があるので、ヘアークラックが出たら、そろそろメンテナンスが必要なタイミングの目安と思って、準備をしましょう。

 

モルタルのひび

▲クラックスケールという道具でひびの幅を測ります。写真は0.3㎜の太さのヘアークラックです。

 

1-2 クラックが起きる原因

クラック

そもそも外壁やコンクリートにクラックが起きてしまう主な原因は

  • ・経年劣化
  • ・乾燥(モルタル・コンクリートの場合)
  • ・地震や地盤沈下
  • ・施工不良

です。

 

特に経年劣化は最も多い原因で、外壁は日々の紫外線でダメージを受け続け、その内に雨水を弾かず吸収するようになってしまいます。

雨水の吸水~乾燥を繰り返すと、外壁自体が膨張~収縮をしてしまうため、その負荷からひび割れが起きてしまいます。

 

また、真横にヘアークラックが延びている場合は、地震や地盤沈下による構造の問題が発生している可能性が高いため、クラックの状態をよく見て原因を判断することが大切です。

 

外壁の吸水

▲紫外線のダメージを受けて、吸水してしまっている外壁。別の面はヘアークラックが出ていました。

 

外壁クラック

▲真横に延びたヘアークラック。縦筋よりも雨水も受け止めやすくなるため、クラックの広がりも早いです。

 


2章 ヘアークラックは放置NG

バツ

ヘアークラックを放置するのはNGです。

今は細いクラックでも、放置し続ければどんどん幅が大きくなり、水を吸収しやすくなって外壁自体をもろくしてしまうからです。

 

とはいえ、ヘアークラックはクラックの中でもまだ初期症状なので、今すぐに何かしなければ家が崩れてしまうような緊急性はありません。

ですが、近い将来には必ず何かしらのメンテナンスが必要です

ヘアークラックが出た時点で放置し続けてしまうと、さらに雨水を吸収した外壁が原因で

  • ・ひび割れがもっと大きくなって割れる
  • ・躯体の木部が濡れて腐る
  • ・雨漏りする
  • ・シロアリが発生する

など、家にとって悪いことばかりが起きてしまうので、ヘアークラックが出たら、放置せずに近い将来のメンテナンスを検討しましょう。

 

サイディングのクラック

▲ヘアークラックが進行するとひびは太くなり、割れ目から雨水がどんどん家の中に浸水します。

割れた外壁も元に戻すことはできません。

 

ひびの入った家

▲家のあちこちにヘアークラックがあるなら、更に危機感を持たなければいけません。

 


3章 2つのクラック修繕方法と費用

クラックの修繕方法は、大きく分けて2つあります。

簡単にできる順に紹介をしていきますが、クラックの状態によって合うメンテナンスは異なるので、状況に合った修繕をすることが大切です。

 

3-1 コーキング補修=1万円~

クラック 補修

コーキングやパテでひび割れ部分を埋める補修は、1か所あたり1~5万円ほどです。

ひび割れ部分にこれ以上水が直接入り込まないように埋める作業なので、ひとまずの応急処置として、何もしないよりは、やっておくと安心です。

 

但し、コーキング補修は補修箇所が目立つのと、2階など高所部分には足場を建てての作業が必要なことから、あまりおすすめできません。

あくまで応急処置と捉えてやるかどうかを決めましょう。

 

●業者に依頼した場合

費用:10,000円~/箇所

ブラシで汚れを掻き出して掃除した後にコーキング材を塗り込み、表面を整えて完了です。

クラック補修

▲サイディングのクラック補修

 

クラック補修

▲モルタルのクラック補修

 

●ご自身でやる場合

費用:1,000~5,000円前後

修理する外壁材と使用する補修材が適切かを、パッケージの説明を見て確認しましょう。

 

【スプレーセメント】

手軽にスプレーを吹き付けて、ひびが埋まれば完了です。

早く簡単にできるのが魅力ですが、スプレーなので周りの飛び散りに注意が必要です。

補修材

スプレー補修材キット(モノタロウ:税抜4,540円)

 

【チューブ・パテ補修】

直接クラックに絞り出してパテで整えれば完了です。

材料を出しすぎるとはみ出してしまうので、少しコツがいります。

補修材

サイディング用補修材(Amazon:税抜550円前後)

 

ヘラ

均し用のヘラ(税抜550円前後)

 

※足場が必要な場合、プラスで10万円~20万程度掛かります。

 

☆DIYでやりたい方は要注意!

DIYでやるメリットは、費用が安く抑えられる点です。

ですが、

  • ・補修跡が目立ちやすい
  • ・高所は足場がないと作業できない
  • ・後々、塗装をする時に、塗料と相性が悪い補修材を使っているとやり直しが必要になり、無駄な費用が発生する
  • ・家の内部が傷んでいても気付けず、表面を塞ぐだけで終わってしまう

など、デメリットも多いため、DIYはおすすめできません。

 

クラック補修

▲ご自身でヘアークラックを補修した外壁。

雨水は入りませんが、補修箇所がかなり目立ちます。

 

3-2 塗装工事=70万円~

下塗り

塗装工事でクラックも修繕する場合、費用はおおよそ70万円~です。

使用する塗料の種類・耐用年数によって金額が変わります。

 

ヘアークラック程度のひび割れであれば、塗装の下準備である「下塗り」工程でほぼ埋められるため、コーキングでの修理跡が目立ちにくいです。

また塗装によって家の吸水自体も止められ、これ以上ヘアークラックが出るのを止められます

 

30坪塗料相場表

※一般的な302階建ての概算。

 

下塗り

下塗り ひび割れ補修

▲下塗りに使う塗料がヘアークラックを一緒に補修してくれます。

 

>下塗りがヘアークラックも補修してくれる詳しい解説はこちら

 


4章 おすすめの対策は「塗装工事」

上塗り

ヘアークラックの対策は「塗装工事」がおすすめです。

ひびが目立たない内から塗装をしておくと、見た目が良い状態で修繕ができ、さらには家の防水機能が復活するので、耐久性も上がるためです。

クラックが大きくなると、塗装の下塗りだけでは埋まらず、コーキング補修した上で塗装をするため、補修跡が目立ってしまう可能性があります。

 

補修跡

補修跡

▲縦に入った深いクラックを補修後に塗装しました。

角度によっては補修材の質感が異なるため目立ってしまいます。

見た目を良い状態で保つためにも、早い段階で塗装工事をしましょう。

 


5章 まずは塗装専門店に点検してもらう!

ヘアークラックがどのくらい出ているか、どのような状態かというのは、塗装専門業者に点検をしてもらう事でよく分かります。

ヘアークラックの解消には塗装工事が最適なので、専門家ならではの適切なアドバイスが受けられます。

 

具体的には

●危険なクラックかどうか判断してくれる

構造クラック

クラックスケールを使ってひびの太さを測っている写真。

クラックスケールという専用道具を使用して、クラックの度合いから、深刻なひび割れかどうかまでプロ目線で判断してくれます。

 

●ヘアークラックが出やすいところも熟知しており発見できる

ヘアークラックが出やすいサッシ回りやサイディングの釘回りなど、通常では見逃しがちな細かい部分まで、豊富な知識と経験から見逃さず発見してくれます。

 

●ヘアークラック以外の症状もチェックしてくれる

カビ、苔

ヘアークラックが出ている以外にも、家の劣化サインをチェックして総合的に判断してもらえます。

コケやカビが生えていないかなど、クラック以外の劣化にも着目して今の家の状態を判断してもらえます。

 

  • ●隅々から高所までチェックしてくれる

点検

▲屋根に近い2階の高所部分

普段気付かないような家の隅々や、自分ではなかなか見られない高所部分もチェックしてもらえます。

最近ではドローンや高所カメラを使用した、安全且つ鮮明な画像での点検もあるので、ご自身で無理して登らなくても、隅々まで正確なチェックをしてもらう方が安心です。

 

●現在の家に必要なメンテナンスや工事方法をアドバイスしてもらえる

打合せ、説明

塗装工事をするにあたり、家の状態をしっかり見た上で必要な工事を提案・アドバイスしてもらえます。

リフォーム業者の中には、ヘアークラックの相談をしているのに、窓やソーラーパネルなど別案件まで提案するところもいます。

しっかりと必要な対処にフォーカスしてアドバイスできるのは、塗装専門店ならではです。

 

塗装専門店に点検を依頼すると、このようなメリットがたくさんあります。

ヘアークラックが気になる方はぜひ、塗装専門店に点検・ご相談をおすすめします。

 


まとめ

ヘアークラックとは、0.3㎜以下、深さ4㎜以下のひび割れを言います。

クラックが起きる原因は

  • ・経年劣化
  • ・乾燥(モルタル・コンクリートの場合)
  • ・地震や地盤沈下
  • ・施工不良

で、特に経年劣化に関しては、紫外線劣化によってどの家でも出てくる症状です。

 

ヘアークラックが出てきたら、放置はNGです。

今すぐ処置が必要なほど緊急性は高くありませんが、将来のために放置しない方が、見た目や家の耐久性も守れます。

 

クラックの修繕方法と費用

  • 1.コーキング補修=1万円~…一時的な応急処置
  • 2.塗装工事=70万円~…美観や耐久性を守る適切なメンテナンス

です。

費用は補修範囲や使用する塗料により異なってきます。

 

将来的なことを考えると、おすすめの修繕は「塗装工事」です。

ヘアークラックの細いひび割れの段階で対処しておくことで、見た目も良く、さらには家自体の耐久性も上げることができます。

塗装工程でヘアークラックを埋めることができるので、一番おすすめの修繕方法です。

 

点検は塗装専門業者へ依頼すると以下のようなメリットがあります。

  • ・危険なクラックかどうか判断してくれる
  • ・ヘアークラックが出やすいところも熟知している
  • ・ヘアークラック以外の症状もチェックしてくれる
  • ・隅々から高所までチェックしてくれる
  • ・現在の家に必要なメンテナンスや工事方法をアドバイスしてもらえる

 

ヘアークラックが気になったら、ぜひ塗装専門店に点検を依頼して適切なアドバイスを受けましょう。

適切な判断とメンテナンスをして、見た目も耐久性も守られたお家を維持していってくださいね。

 

 

【この記事を読んだ方におすすめ】

外壁はプロによる点検が必要!内容・チェックポイントと業者の選び方

ヘアークラックがあった場合は、ほかにも症状が出ている可能性があります。

ご自身でもチェックできるポイントをまとめていますので是非ご覧ください。

 

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