ぶかぶかしてて、そのうち剥がれそう…
そんな、モルタル壁の一部が”浮いている”ような症状があったら、不安な気持ちになりますよね。
モルタルの浮きは劣化現象の一つで、原因はいくつか考えられます。
放っておくとそこから水が入り込んでしまうため、できるだけ早く直すことが大切です。
この記事では、モルタルの浮きの原因から補修の流れ、費用相場までを具体的にご紹介します。
適切な対応方法を学んで、お家を長く維持できるようになりましょう。
目次
1章 モルタルが浮いてくる原因は3つ
出典:街の外壁塗装やさん
そもそもなぜ、モルタルが浮いてきてしまったのだろう?と気になっている方もいらっしゃるかと思います。
モルタルが浮いてくる原因は、主に3つあります。
まずはこちらを1つ1つ解説していきます。
■モルタルの構造 モルタル壁は、金属のラス網と呼ばれるベースにひっかけるようにしてモルタルを塗りつけ、一番最後に表面に塗装してあります。 実はモルタルの浮いてくる症状の出方には2パターンあります。 モルタルの表面の塗膜(図の緑色の部分)のみが浮いてしまう場合と、 塗膜の下のモルタルそのもの(図のグレーの部分)ごと浮いてしまう場合です。 これによって補修方法も変わってくるので原因と一緒に知っておきましょう。 |
それでは、原因を詳しくみてみましょう。
1-1 経年劣化
紫外線や雨による経年劣化により、表面塗装が浮いてくることがあります。
年数が経ったモルタルが雨を吸収・乾燥を繰り返すようになって負荷がかかるためです。
この負荷モルタル自体と表面塗装との間の接着力が弱まることで、浮いてきてしまいます。
1-2 内部に水が溜まる
モルタルは乾燥や経年劣化により、ひび割れができます。
小さなひび割れからでも水が入りこみ、モルタルの奥にあるラス網のところまで到達してしまうと、モルタル自体がラス網から浮いてきてしまいます。
1-3 施工不良
モルタルは職人による手作業で仕上げる外壁です。
下地処理や材料の混ぜ方が十分でなかった場合、短期間でモルタル自体がラス網から浮いてきたり、表面塗膜が浮いたりしてしまう原因となります。
2章 モルタルの浮きは早めの補修が必須!
モルタルの浮きは、放置するとお家自体の寿命を縮めてしまいます。
決して後回しにはせず、できるだけ早く補修を検討しましょう。
浮いたところからはどんどん雨水が侵入してしまうためです。
日本の住宅の大半は木造住宅ですから、雨水が入ると内部の木が腐食して、家の耐久性を落としてしまうのです。
また鉄骨造などの住宅であれば、鉄筋がさびてしまいます。
このように、浮いたところから内部構造まで水が入ってしまうと、内部改修工事などの大規模な工事が必要となり、何十万と掛かってしまうケースもあります。
モルタルの浮きはそれだけ危険で重症なものなので、見つけたら一日でも早く補修を依頼するようにしましょう。
3章 浮いたモルタルの補修方法と費用相場
補修方法や費用は、モルタルの浮きの程度によって異なります。
表面塗装の補修だけなら比較的少額で済みますが、モルタルごと浮いている場合はやや手間のかかる左官工事が必要です。
お家のモルタルの状態にあった方を選びましょう。
3-1 表面補修: 約1~6万円/箇所
仕上げの塗装表面が浮いている状態です。
この補修を業者に依頼した場合、約1~6万円/箇所になります。
一度浮いている所を剥がし、下塗り材でモルタルと似たようなパターンをつけて塗装し直します。
【補修手順】
①浮いている所を一度剥がします。
②砂骨ローラー(細かい凹凸がついたローラー)で下塗り材を塗ります。
③下塗り材が乾燥したら、上塗りを行い、完成です。
3-2 左官補修:約3.5~7万円/㎡
出典:街の外壁塗装やさん
モルタルごと浮いてしまっている場合は、表面だけ塗装しても根本的な解決にならないため、左官作業からやり直します。
この場合の浮きの目安は、触ってみてぐらぐらするかどうかです。
補修の費用相場は、約3.5~7万円/㎡となります。
【補修手順】
①浮いてしまっている所を剥がします。
出典:有限会社ナカヤマ彩工
②木材が腐食しているところは新しく交換します。
出典:有限会社ナカヤマ彩工
③水が侵入しないよう、防水紙を貼ります。
出典:有限会社ナカヤマ彩工
④モルタルのベースとなるラス網をはっていきます。
出典:有限会社ナカヤマ彩工
⑤モルタルを塗ります。(1回目)
出典:有限会社ナカヤマ彩工
⑥1度目に塗ったモルタルが乾燥したら、もう一度モルタルを塗り、厚みを確保します。
出典:有限会社ナカヤマ彩工
この後、上から仕上げの塗装をしたら完成です。
4章 補修は実績のある業者に依頼しよう
モルタル壁の浮きの補修は、過去に補修の施工実績がある業者に依頼しましょう。
なぜなら、モルタル壁は施工する人の技術がそのまま耐久性や仕上がりに直結するためです。
すべて手作業で行うので、技術がない人が行うと施工不良の原因となってしまい、結局またやり直す必要が出てきてしまいます。
そうならないためにも、必ず施工実績のある業者に依頼しましょう。
また、表面だけの補修は塗装職人でもできますが、左官工事は塗装とは別の技術で、”左官職人”と呼ばれる人が行います。
大掛かりな工事になるときは特に、過去に似たような工事経験があるのか、左官ができる職人もいるのかもチェックしましょう。
実績があるかどうかは、HP等を見たり担当者に直接聞いたりして確認してみてくださいね。
まとめ
モルタルが浮いてくる主な原因は、①経年劣化 ②内部に水が溜まる ③施工不良 の3つです。
放置していると浮いた所から水が入りお家の寿命を縮めてしまうため、早急に補修を行いましょう。
補修の費用相場は、
モルタルの塗膜表面のみが浮いている場合
→一度浮いた所を剥がし、ローラーで補修(約1~6万円/箇所)
モルタル自体が浮いてしまっている場合
→左官作業からやり直し(約3.5~7万円/㎡)
モルタル工事は職人の技術力に左右されてしまうため、施工実績のある業者に依頼しましょう。
お家のモルタル壁をしっかり直すために、お役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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