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棟板金(むねばんきん)の釘が抜けていると言われたけど…
「棟板金ってそもそもどこの部分?」
「釘が抜けると何が良くないの?」
と気になって調べているのではないでしょうか?
棟板金とは、スレート(コロニアル)屋根や金属屋根の頂点にある板金のことです。
屋根の内部に雨水が入らないようにかぶさっています。
この棟板金には注意してほしい劣化現象があります。
それは、棟板金をおさえる釘が、だんだんと抜けてきてしまう症状です。
釘が抜けたまま放っておくと、台風や強風で飛んでしまうこともあるので、無視できない症状です。
今回は、棟板金についての役割・構造と、釘抜けが起こる原因・補修方法についてご紹介します。
スレート・コロニアル屋根・金属屋根の方は、必ず知っておいてほしい知識になりますので、ぜひ最後までご覧ください。
2023年現在、突然訪ねてきて「棟板金の釘が抜けている」「点検しますよ」などと言って嘘の点検結果を報告したり、わざと屋根を壊したりして、高額な修理費を請求するような悪質な業者が、全国各地で報告されています。
屋根の細かいところは、地上から見えることは滅多にありません。知らない業者は絶対に屋根に上らせないようご注意ください。
ただ、屋根の釘が抜けてくること自体は、あらゆるお家で実際に起こる可能性があります。
本記事でも屋根の劣化や修理について具体的に解説します。
正しい知識を身に付けて、被害から身を守りましょう。
目次
1章 棟板金(むねばんきん)とは
棟板金とは、屋根の頂点にある板金のことです。
スレートやコロニアル・カラーベスト・金属屋根などの屋根に使用されます。
昔はトタンを使用していたため、錆が発生することもありましたが、現在はガルバリウム鋼板を使用することが増えてきたため、錆にくく丈夫になっています。
■棟の構造
棟の構造としては、下から葺きあげられたスレートなどの屋根材を貫板(ぬきいた)という板でおさえ、上から棟板金をかぶせて雨水の侵入を防いでいます。
この棟板金は横から釘で固定されているのですが、こちらの釘が棟板金を劣化させる原因になっていきます。
2章で詳しい内容をご説明します。
2章 築7~10年で「棟板金の釘」が抜けてくる!
棟板金を止めている釘は、築7~10年で抜けてきてしまいます。
これは新築の時の施工不良ではなくどの家でも起こることです。
この章では、釘が抜ける原因と釘が抜けることで起こる劣化症状をご紹介します。
2-1 釘が抜ける原因は“熱膨張”
築7~10年すると、大抵のお家で棟板金を固定する釘が抜けてきます。
釘が抜ける原因は、棟板金の“熱膨張”にあります。
“熱膨張”とは金属が熱で温められた時に膨張が起きる現象です。
棟板金は金属のため、日に当たると太陽の熱で膨張し、夜気温が下がると収縮します。
膨張するときは釘も一緒に引っ張られますが、収縮するときは板金だけが収縮して、長い間膨張・収縮を繰り返すことで、徐々に釘が抜けてきてしまいます。
日当たりの良い家だと釘が抜けるスピードも速くなるので、築7年が過ぎたら専門業者に屋根に登って釘のチェックをしてもらうことが大切です。
2-2 釘が抜けたことで起こる劣化症状
棟板金の釘が抜けることで起こる劣化症状をご紹介します。
棟板金の釘は、抜けただけでは大したことがないように感じられるかもしれませんが、後々大きな劣化に繋がっていきます。
無駄な補修費用をかけないためにも、どんな劣化が起こるのか把握しておきましょう。
①貫板の腐食
釘を打たずに放っておくと、抜けた釘から貫板に雨水が伝わり腐食が進みます。
貫板が腐ると、釘を打ち込んでも木がボロボロになって釘が効かなくなるので貫板交換工事が必要になります。
〈ボロボロになった貫板〉
②棟板金の飛散
釘が抜けていることに気付かずに放っておくと、15年前後で棟板金が風で飛ばされてしまうことがあります。棟板金は先が尖っているため落ちてきたら大変危険です。
また、棟板金が飛ばされると貫板に直接雨が当たるため、雨漏りの原因になります。
飛んでいるのが分かったら業者に点検してもらい応急処置してもらいましょう。
〈棟板金の飛散の応急処置〉
棟板金が飛んでしまって工事まで期間が空く場合は、業者に依頼して応急処置でブルーシートをかけてもらいましょう。
※屋根の勾配(傾き)や立地によっては足場がないと作業ができない場合もあります。
3章 補修方法と費用相場
棟板金の劣化の補修方法と費用相場をご紹介します。
屋根の作業なので、基本的に足場仮設も行いましょう。
足場費用は別途かかるので、塗装やその他の屋根工事と一緒に行うことをおすすめします。
★DIYでの補修はNG!
棟板金は、DIYでの補修は絶対にやめましょう。
屋根の上は傾斜があるため滑りやすいです。屋根から落ちると命に関わるケガをする可能性があります。
必ずプロに依頼してください。
3-1 釘打ちコーキング=1.5~4万円
棟板金の釘が抜けてしまっている場合は釘打ちコーキング工事を行ないましょう。
抜けてしまった釘を打ち込み、釘頭をコーキングで留めて再度釘が抜けるのを防ぐ工事です。
屋根の勾配(傾き)によっては足場がなくても作業できる場合があります。
足場が必要かどうかは点検の際に確認しておきましょう。
工事の流れ
①抜けてきている釘を打ち込む
(完全に抜けてしまっている場合は新しくステンレス製の釘を打ち込む)
②上からコーキングで蓋をして釘が再び抜けるのを防ぐ
費用相場
1.5~4万円/一棟あたり
3-2 棟板金交換=7,000~12,000円/m
中の貫板が腐って傷んでいた場合や、強風などで棟板金が飛んで行ってしまった場合は棟板金交換工事が必要になります。
棟板金交換工事は、貫板と棟板金の両方を撤去処分して新しい貫板・棟板金を取り付ける工事です。
工事の流れ
①既存の棟板金と貫板を撤去処分する
②新しい貫板を設置
③新しい棟板金を設置
④釘頭をコーキングする
費用相場
7,000~12,000円/m
★天災による被害は火災保険を活用してお得に工事! 台風などの強風で棟板金が飛んでいってしまったときは火災保険が適応される場合があります。 火災保険が活用できれば工事もお得にすることが出来ますので、まずは保険会社に確認してみましょう。
【申請の流れ】 ①保険会社に連絡して被害内容を伝え、保険適用できるかを聞く。 ②申請書類を送ってもらう。 ③屋根工事の業者から「被害写真」「見積書」をもらう。 ④申請書類をご自身で記入する。 ※保険代行業者というものもありますが、費用が掛かります。書類は難しいものではないので、ご自身での記入、申請をおすすめします。 ⑤保険会社へ申請を送り、現地調査(鑑定)をしてもらう。 ⑥保険金の確定、入金
※工事費用が20万円以下の場合は適応されていないケースもあります。保険会社によって適応条件が異なりますので、加入されている保険会社に確認しましょう。 |
4章 築7年を過ぎたら屋根点検で釘の状態を確認!
築7~10年を過ぎたら屋根の点検を業者に依頼して釘の状態を確認しましょう。
屋根は下から確認出来ない場所なので、知らない間に抜けてしまっていることがほとんどです。
気付かないまま放っておいてしまうと、貫板の腐食や棟板金の飛散の原因になり、修繕費用もかさんでしまいます。
早めの対処をするためにも、プロによる点検を依頼しましょう。
そして、釘が実際に抜け始めていれば、釘打ちコーキング工事を行なっていきましょう!
⋆棟板金の点検はユーコーコミュニティーへ! 築7年以上のスレート(コロニアル)屋根・金属屋根の方は、当サイトを運営するユーコーコミュニティーへ点検をご依頼ください。 ただ棟板金の状態を見るだけでなく、屋根全体の劣化も一緒に確認し、写真を撮ってお渡しいたします。▼ 屋根の状態はご自身で見ることが出来ない場所なので、 写真を撮らない業者だと「本当に釘抜けているの?」と心配な方もいらっしゃると思います。 ユーコーでは、状態が分かる細かい写真をお渡しするので、ご自身の目で確認いただけて安心です。 また、屋根に登ってわざと釘を抜くのでは?と不安な方にはドローン点検も実施可能です。 お気軽にユーコーコミュニティーにご依頼ください。
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まとめ
いかがでしたか。
最後にこの記事をまとめます。
【1章まとめ】
棟板金とは、スレートやコロニアルの屋根の頂点にある板金のこと。
屋根の内部に雨水の侵入を防ぐためにかぶせられていて、横から釘で止められている。
【2章まとめ】
棟板金の劣化は釘の抜けが原因で起こる。
釘が抜ける原因は棟板金の“熱膨張”で築7~10年でどの家も釘が抜けてしまう。
釘が抜けているのを放っておくと、貫板の腐食や棟板金の飛散などの劣化症状が起こる。
【3章まとめ】
棟板金に関する補修方法は
- ①棟板金釘打ちコーキング=1.5~4万円
- ②棟板金交換工事=7,000~12,000円/m
の3つで、足場は別途費用がかかる
【4章まとめ】
棟板金の劣化を防ぐためには、棟板金の釘を打ち込んで水を入れないことが重要なので、築7年を過ぎたら屋根点検を依頼して、釘の状態を確認する。
棟板金の釘抜けを見逃さず、屋根を長持ちさせていきましょう!
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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棟板金の釘が浮いてくる年数は、塗装の目安時期でもあります。
合わせて塗装も検討してお家全体のメンテナンスをしてあげましょう。
→塗装のプロが教える!屋根塗装の費用相場と安くて良い工事5つコツ