床下を点検した業者にシロアリ防除工事を勧められたけど…
「本当に防除工事って必要なの?」
「そもそもどんな事をするの?」
「費用はどれくらいが相場?」
と気になって調べているのではないでしょうか。
確かにやった方がいいと言われても、具体的にどんな工事をするのか、いくらくらいかかるのか分からないと不安ですよね。
特に床下の工事はお客様があまり確認できない場所なので、過剰に不安をあおって工事を迫ってくる悪徳業者も多く、注意が必要です。
「必要ない工事を契約させられていた」「相場よりも高い工事費用を請求されていた」なんて事が無いように事前に知識を付けておきましょう。
今回はシロアリ防除工事が必要な症状や、費用相場、工事の流れをご紹介します。
また記事の後半では、信頼できる業者選びのポイントもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1章 シロアリ防除工事とは
まずはシロアリ防除工事の内容と工事が必要な状態をご紹介します。
工事の内容や必要な状態を把握してご自宅の床下に必要なのか判断していきましょう。
1-1 シロアリ防除工事とは
工事名 | 防除(駆除)工事 | 消毒工事 |
内容 | シロアリを「除いて」 再発生を「防ぐ」 =駆除と消毒 | シロアリ発生を「予防」する =消毒のみ |
・シロアリが発生した場所の駆除の処理を行う ・シロアリが発生した場所、被害に遭っていない場所に薬剤を散布・注入する ・被害の状態によっては修復作業を行う | ・シロアリが発生しそうな場所に薬剤を散布・注入する |
シロアリ防除(駆除)工事とは、シロアリを駆除して、予防する工事のことです。
つまり、すでにシロアリが発生している又はシロアリがいた形跡がある場合に行う工事です。
点検の時点でシロアリがいないことが分かった場合は、防除工事ではなく消毒工事を行ないます。
※ただし、業界内で明確な言葉の定義があるわけではありません。 業者によっては駆除=シロアリ駆除、防除=シロアリ消毒として扱っている場合もあるので、工事内容の確認が必要です。 この記事では防除=シロアリ駆除・消毒、消毒=シロアリ消毒とします。 |
1-2 防除工事が必要な症状
シロアリ防除(駆除)工事が必要な症状をご紹介します。
点検してもらった業者に写真をもらった方は、これから紹介する症状があるか確認してみてください。
■シロアリが発生している
■蟻道(ぎどう)がある
シロアリは光が苦手なので、姿を現すことはほとんどなく砂をかぶって移動します。
シロアリが通った一本道のような跡「=蟻道」があればシロアリが生息している可能性が高いです。「蟻道」を見つけたら防除工事を行ないましょう。
■木がスカスカになっている
空洞になってスカスカになった木はシロアリによるものです。
床下点検の際にスカスカになっている木があったら防除工事を行ないましょう。
※被害の状態によっては、床下補強工事が必要になる場合もあります。
★放っておくと地震で倒壊の危険性 シロアリを放置しておくと、基礎の木が食べられ、耐震性に影響します。 実際に1995年に発生した阪神淡路大震災で倒壊した家の7割が実はシロアリ被害に遭っていたことが調査によって判明しています。 日本は地震が多く、いつ来るか分からないので、家の倒壊を防ぐためにも防除工事を行うことが大切です。 (1995年4月26日 朝日新聞 夕刊) |
◆以上の症状がなくシロアリ被害に遭っていない方は、防除(駆除)工事ではなく、シロアリを予防する消毒工事を行ないましょう。
2章 シロアリ防除工事の費用相場
シロアリ防除工事の費用相場は6,000~8,000円/坪です。(1㎡あたり約1,800~2,700円)
大手ハウスメーカーや農協でも頼む事が出来ますが、大きい会社は中間マージンや人件費が余計にかかるので1坪あたり10,000円ほどかかります。
また、相場よりも安かった場合は、工事内容に不備がないか、保証内容はきちんとしているか、保証書はもらえるか等事前に確認が必要です。
3章 シロアリ防除工事の流れ
シロアリ防除工事の流れについてご紹介します。
防除工事には半日ほどかかります。
シロアリ被害の状態によってはより時間が必要な場合もありますので、1日空けておくと安心です。
シロアリ防除工事の流れは上記の通りです。
各工程の作業内容をご説明します。
3-1 養生
工事をする前に、点検口の周りや廊下・玄関周りなどの養生(ビニールや布を敷いて汚れ飛散を防ぐ作業)を行います。
床下にはほこりや砂・土があるので、作業を終えた後に家の中が汚れるのを防ぎます。
3-2 床下への薬剤散布・注入
続いて床下に入り、薬剤を散布します。
シロアリが発生した場所や、木部や、土壌・基礎の隙間などのシロアリが発生しやすい場所を中心に行います。
▽基礎と木部の隙間
▽木の柱
★シロアリが発生した場所が明確に分かっていれば、発生場所の壁にも薬剤を注入します。
3-4 外周への薬剤散布・注入
最後に家の外で外壁から薬剤を注入します。
また、外回りの土等、シロアリが発生しそうな場所にも薬剤を散布していきます。
作業が終わったら、片付け・清掃をして終了です。
4章 信頼できる業者選び3つのポイント
信頼できる業者選びのポイントをご紹介します。
床下の工事は、普段見えない場所の工事なので悪徳業者も多いです。
きちんと信頼できる業者を選べるように、業者選びのポイントをおさえておきましょう。
4-1 工事前の点検と報告が丁寧
工事前に行う点検と報告が丁寧な業者を選びましょう。
そもそも業者によっては工事前に点検することもなく見積もりを持ってくるケースもあります。
しかしそれでは本当に自分の家に防除工事が必要なのか、分からないですよね。
また、点検してくれたとしても、点検後の状況説明が口だけの業者もいます。口だけの説明だと分かりにくいですし信用性に欠けます。
したがって、工事前はきちんと床下に入って点検してもらって、写真も撮って見せながら説明してくれる業者を選びましょう。
ただし、悪徳業者の中には別の家の被害写真を見せて工事契約を迫ってくる場合もあります。
心配な方は自宅の床下だと証明できる写真を撮ってもらうように依頼しましょう。
(※当日家にあるものを渡して、それも一緒に写し込んでもらうなど)
シロアリ防除工事を行なう点検の時点で、信頼できる業者なのか見極めていきましょう。
4-2 点検写真だけでなく施工写真もくれる
工事前の点検写真だけでなく、施工時の写真もくれる業者を選びましょう。
点検の時の丁寧さも大切ですが、大事なのは工事が始まってからです。
契約通りの工事がきちんと行われているのか、床下に一緒に入って確認することは難しいですよね。
そのため作業中の写真を残してくれる業者だと安心です。
契約前に、工事中の写真はもらえるのか確認しておきましょう。
4-3 保証書を紙で渡してくれる
シロアリ防除工事の保証書をきちんと紙面で渡してくれる業者を選びましょう。
シロアリ防除工事の保証は5年が相場です。
昔は10年持つ薬剤もあり、10年保証を出している業者もありましたが、薬剤を使った事件をきっかけに強い薬剤の使用が禁止されたため、現在はどこの業者も5年保証になっています。
見積金額が相場より安い業者は保証が付いていない場合もあるので、契約前に保証は付くのか、保証書としてもらえるのか確認をしておきましょう。
5章 工事後も5年に一度は点検しよう
シロアリ防除工事をした後も5年おきに点検を行ないましょう。
床下は一度消毒すれば、永遠に大丈夫というわけではありません。
薬剤の効果は保証年数の通り5年経つと切れてしまうので、定期的に状態の確認を行ないましょう。
★床下の湿気を改善したい方は調湿工事がおすすめ
シロアリは湿気がある場所を好みます。したがって床下が湿気やすい・シロアリが発生したことがあるなどの不安がある方には「床下調湿工事」がおすすめです。
床下が乾燥していれば、床下を支える木が湿気ることもないですし、シロアリが寄ってくる可能性も低くなります。
カビコケなどの発生も防ぐことが出来るので、床下の湿気にお悩みの方は「床下調湿工事」を行なってみてください。
まとめ
いかがでしたか。
シロアリ防除工事は、シロアリを「駆除して」再発生を「防ぐ」工事です。
床下は家を支える大切な場所なので、シロアリに木を食べられないように対策していきましょう。
費用相場は6,000~8,000円/坪ですが、ハウスメーカーや農協で頼むと1万円ほどかかる場合もあります。
また、床下の工事はお客様が確認しづらい場所なので悪徳業者も多いです。
相場よりも高い金額を請求されたり、騙されたり等がないように業者選びは慎重に行なってください。
シロアリから床下や家を守って長く住んでいきましょう。
最後までご覧くださり、ありがとうございました!
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