「お宅の外壁の目地、三面接着ですよ!直したほうがいい!」と言われたあなた。
「三面接着ってなに?」
「家にとって良くないことなの?」
と気になって調べているのではないでしょうか。
大切なお家のことを良く分からない専門用語で指摘されたら、誰でも不安になりますよね。
先にご説明すると、「三面接着」とは、外壁の目地に対して使われる建築用語です。
「三面接着」のほかに「二面接着」があります。
一般的な木造戸建て住宅であれば、「二面接着」で施工されることが多いですが、中には「三面接着」の目地もあります。
三面接着だからといって絶対NGというわけではありませんが、建物や場所によってはおすすめできないケースもあります。
なぜなら「三面接着」の目地はひび割れが入りやすいからです。
ただ、「三面接着」の目地であっても、正しく対処することで、今からでも「二面接着」に直すこともできます。
今回は、「三面接着」とはどのような状態なのかを初心者の方でも分かるように解説していきます。
また、記事の後半では、三面接着だった場合の対処方法や費用もご紹介。
知識をつけた上で、あなたのお家に最適な対処を行なっていきましょう!
目次
1章 目地の「三面接着」とは
目地の「三面接着」についてわかりやすく解説していきます。
図でご紹介しますので、どのような状態なのか確認していきましょう。
1-1 目地には三面接着と二面接着がある
まず、目地には「三面接着」と「二面接着」があります。
それぞれ、目地が三面接着しているか、二面接着しているかの違いです。
・三面接着は、コーキング材と外壁が三面、接着している状態です。
密着性があるので防水性も高いですが、外壁が揺れたときに、三面から力が加わってひび割れが発生しやすいです。揺れの少ない建物・場所(窓回りなど)で用いられることが多い工法です。
・二面接着は、コーキング材と外壁が二面接着している状態です。
コーキングを打ち込んでいく前に、バックアップ材という発泡ポリエチレンの部材(またはボンドブレーカーという養生テープのような部材)を入れていきます。
接着面を二面に抑えることで、目地が地震などの揺れにも順応してひび割れにくくなります。
構造上、動きが出やすい外壁の縦目地であれば「二面接着」で施工されることが多いです。
1-2 三面接着の目地はひび割れやすい
三面接着の目地は、ひび割れやすいです。
なぜなら、3つの方向から動きが加わってコーキングの伸び縮みがうまくいかなくなり、亀裂が入りやすいからです。▼
目地は外壁と外壁の隙間を埋める重要な部分なので、そこにひびが入ると、雨が降ったときに外壁材の内部に水が浸入してしまいます。
築5~7年ほどで目地が割れてしまったという方は、三面接着になっている可能性もあります。
三面接着かも…と心配な方は、外壁メンテナンスの業者に点検を依頼し、目地の奥にボンドブレーカーまたはバックアップ材が入っているかチェックしてもらいましょう。
▼青く見えるのがボンドブレーカーです。
もしボンドブレーカーなどのバックアップ材が入っていなければ、目地を交換する際に入れてもらうようにしましょう。
※ビル・マンションなら三面接着でもOK ひび割れが入りやすい「三面接着」ですが、絶対にNGというわけではありません。 構造上、動きが少ないビル・マンションのコンクリート目地や窓回りなどであれば「三面接着」でも大丈夫なケースがあります。 なぜなら、建物自体の揺れが少なく、ひび割れが起きにくいからです。 むしろ構造によっては「三面接着」でないと雨漏りしてしまうという場合も。 「三面接着になっているよ」と言われ不安に感じている方は、ご自宅がコンクリート造・RC造か確認してみましょう。 |
2章 「三面接着」の対処方法と費用
ご自宅が「三面接着」だった場合の対処方法と費用相場をご紹介します。
三面接着だったとしても、二面接着に施工し直すことが出来ます。
安心してお住まいいただくためにも、正しい施工方法をチェックしていきましょう!
2-1 目地交換時に「二面接着」にする
縦の目地が「三面接着」で施工されていた方は、メンテナンス(目地交換)のタイミングで「二面接着」で施工し直してもらいましょう。
目地交換は以下のような流れで行ないます。
①既存目地の撤去 |
①既存の目地を撤去
三面接着になっているコーキングをカッターで取り外していきます。
②マスキングテープを貼る
コーキングがはみ出さないように、マスキングテープを貼っていきます。
③バックアップ材を入れる
三面接着にならないように、バックアップ材(又はボンドブレーカー)という部材を目地に入れていきます。
④プライマーを塗る
新しいコーキングを打つ前に、プライマーをハケで塗っていきます。
プライマーを塗ることで、コーキングと外壁が密着しやすくなります。
⑤コーキングを打ち込む
新しくコーキングを打ち込んでいきます。
ヘラでならして仕上げます。
⑥マスキングテープを剥がす
マスキングテープを剥がしたら完了です。
この手順で施工することで、二面接着での施工が完了します。
2-2 費用は900~1,100円/m
コーキング交換工事は1mあたり900~1,100円です。
バックアップ材が必要な場所は1mあたり500~900円追加でかかります。
一般的な戸建て住宅で約100~120mあるので、14~24万円ほどかかります。(足場代別途)
ただし詳細な長さはお家の形や外壁材の大きさによっても変わってきます。
そのため、概算ではなくきちんと測ってもらった上で見積りをもらうようにしましょう。
コーキングの劣化は、外壁塗装の時期が来ているサインです。
サイディング外壁・モルタル外壁・ALC外壁の場合は、外壁塗装工事も一緒に行なうことをおすすめします。
足場を立てるのも一度で済むので、コスト削減にもなります。
>まずは外壁塗装の時期が来ているかチェックしてみましょう。
3章 きちんと施工方法を説明してくれる業者を選ぼう
ご自宅の目地が心配だという方は、施工方法まで細かく説明してくれる業者に工事を依頼しましょう。
難しいことは分からないから、と業者にすべて任せてしまうと、三面接着で施工されてしまう恐れがあるからです。
どのように施工するのかは、必ず説明をもらって納得した上で工事を依頼しましょう。
そのため、急に来た訪問営業とその場で契約するのも要注意です。
しっかりお家を点検して、見積もりや施工の説明をもらった上で契約する・しないの判断をしましょう。
即決で契約を結ばせようとしてくる強引な営業マンもいますが、
・手抜き工事をされた
・結局追加工事になって高額になった
などトラブルも多いです。
後悔のないメンテナンスをするためにも、業者は慎重に選んでいきましょう。
★外壁の目地のことならユーコーコミュニティー! 「外壁の目地の状態が気になる」 「訪問営業に目地のことを言われて不安」 と目地の状態・お家の状態が心配な方は、東京・神奈川の外壁塗装専門店ユーコーコミュニティーにご相談ください! 当社では、実際に目地の状態や周りの外壁の状態を細かくチェックし、写真を用いて分かりやすくご報告させていただきます。▼ ご自宅でどのような傷みが発生しているのか、納得のいくまでご説明しますので、「建築のことは何も分からない」という方でもご安心ください。 丁寧な点検・報告が評価され、工事実績は15,000件以上! 国際規格ISO9001(品質)、ISO14001(環境)のダブル認証取得! お家のことで気になることがあればお気軽にご相談ください。 |
まとめ
いかがでしたか。
三面接着とは、外壁の目地に関する建築用語です。
コーキング材が直接接着している面が3つか2つかで「三面接着」「二面接着」が変わってきます。
三面接着の目地は、地震などの揺れでコーキングが割れやすくなってしまいます。
そのため、動きが大きい外壁の縦目地は「二面接着」で施工されます。
ただし、動きが少ないコンクリート目地や窓回りの目地は「三面接着」でも問題ないケースがあります。
もし外壁の目地が「三面接着」になっていれば、メンテナンスの際に「二面接着」でコーキング交換をしてもらうようにしましょう。
お家がより長持ちするように、適切なメンテナンスを行なってくださいね。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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