屋根材の一つである「アスファルトシングル」。
どんなものなのか気になって調べているのではないでしょうか。
アスファルトシングルの屋根は、新築だけでなくリフォームで用いられることが多い人気の屋根材です。
本記事ではアスファルトシングルの特徴(メリット・デメリット)を一つ一つ丁寧に解説していきます。
他の屋根と比較しながら見ていきましょう。
また、記事の後半では、アスファルトシングルのお手入れ方法やリフォームについてもご紹介。
新しい屋根を選ぶときには、メンテナンスについても気になるところだと思います。
将来的にどんな工事が必要になるのか、傷んでしまったらどうすればいいのか、わかりやすくご説明していきます。
この記事を読めば、アスファルトシングルの特徴・費用からメンテナンス・リフォームまですべて分かります!
屋根材の知識を付けて、最適な屋根材を見つけていきましょう!
目次
1章 アスファルトシングルとは
出典:オーウェンスコーニング
アスファルトシングルとは、屋根材の一種です。
もともとは、アメリカやカナダで一般的に使用されていた屋根材ですが、近年では日本でも使われることが多くなっています。
なぜなら、アスファルトシングルはとても軽くて柔らかく地震が来てもお家に負担をかけない(=地震が多い日本の住宅にとってメリットが多い)屋根材だからです。
ガラス繊維にアスファルトを染み込ませ、表面に色のついた砂や石粒をコーティングして作られています。▼
見た目がおしゃれなので、洋風な造りのお家と相性が良いです。
2章 アスファルトシングルの5つの魅力
アスファルトシングル屋根は機能性・デザイン性どちらをとってもメリットがあります。
この章では5つのメリットをご紹介していきます。
ご自宅の屋根に合っているか判断する材料にもなりますのでチェックしていきましょう。
2-1 耐用年数が15~30年
アスファルトシングルの耐用年数は15~30年です。
他の屋根と比較しても劣らない耐久性です。▼
屋根材 | 耐用年数 |
スレート・コロニアル屋根 | 20~30年(7~10年ごとに塗装した場合) |
セメント瓦 | 20~30年(10年ごとに塗装した場合) |
アスファルトシングル | 15~30年 |
軽量瓦 | 20~40年 |
ガルバリウム鋼板 | 20~30年 |
陶器瓦 | 60~100年 |
ほかのスレート屋根やセメント瓦は定期的な塗装が必須ですが、アスファルトシングルは防水性が高いので塗装が不要で、将来的なメンテナンス費用も削減できます。
長期間メンテナンスフリーの屋根材にしたい方におすすめです。
※ただし、耐用年数は使用する製品によって変動します。長持ちさせたいのであれば高耐久の製品を使用してもらいましょう。
★おすすめの高耐久アスファルトシングル ・「オークリッジスーパー(OWENS CORNING JAPAN)」 ・「リッジウェイ(旭ファイバーグラス)」 |
2-2 比較的安い
アスファルトシングルの費用相場は5,000~8,500円/㎡です。
屋根材が柔らかく加工も簡単なので、手間代が少なく済みます。
他の屋根と比較しても高くはないので、初めてお家を購入される若い世代の方にも人気です。
▼屋根材別の単価相場
屋根材 | 費用相場 |
スレート | 4,500~8,000円/㎡ |
セメント瓦 | -(現在は製造・販売中止) |
アスファルトシングル | 5,000~8,500円/㎡ |
軽量瓦 | 6,000~12,000円/㎡ |
ガルバリウム鋼板 | 5,000~10,000円/㎡ |
陶器瓦 | 5,500~13,000円/㎡ |
2-3 割れ・サビが発生しない
アスファルトシングルは、屋根材が割れない・サビが発生しません。
なぜなら、素材が柔らかくて衝撃に強いからです。
また、素材がアスファルトのため金属屋根のようにサビが発生する心配もありません。
屋根のよくある劣化症状であるひび割れやサビが発生しない点は大きな魅力です。
2-4 軽量で地震に強い
アスファルトシングルは軽量で地震に強いです。
具体的には陶器瓦の約5分の1の重さなので地震が来てもお家に負担がかかりにくいです。
また、万が一地震で屋根材が落ちてきても、アスファルトシングル自体が軽いため建物や人への二次被害が抑えられます。
地震が多い日本でも安心してお使いいただける屋根です。
2-5 デザイン性が高い
3つ目のメリットはデザイン性が高いことです。
表面に色とりどりの石粒が付いているため、マットでおしゃれな仕上がりになります。
▼オークリッジスーパー色見本
出典:オークリッジスーパー
また、シート状の屋根なので、円錐型など、どんな屋根の形にも柔軟に対応できます。
お家のデザインにこだわっている方におすすめの屋根材です。
3章 アスファルトシングル2つの注意点
アスファルトシングルの屋根は良い点もありますがデメリットとなる注意点もあります。
選んでから後悔しないように、あらかじめ特徴として把握しておきましょう。
3-1 風に煽られやすい
アスファルトシングル屋根は「風に煽られやすい」という注意点があります。
アスファルトシングルは薄い屋根材なので、少しめくれているところに風に煽られると一気に剥がれてしまいます。
そのため、高台にあるお家や屋根の傾斜が急なお家は注意が必要です。
3-2 表面の石粒が落ちてくる
2つ目の注意点は「表面の石粒が落ちてくる」ことです。
特に、施工したばかりの時は、パラパラと表面の石粒が落ちてきてしまいます。
実際のところ表面の石粒が少し落ちてきてしまうだけで、耐久性・品質にも問題はありません。
しばらくすれば、石粒が落ちてくるのも落ち着きます。
ただ「雨どいやベランダに色のついた砂のようなものが落ちている」と気になる人もいるので、事前に把握しておくようにしましょう。
4章 アスファルトシングル屋根のメンテナンス
おしゃれでコストパフォーマンスも良いアスファルトシングルのメンテナンスについて解説します。
長く安心してお住まいいただくためにもチェックしていきましょう。
4-1 5年ごとの定期点検
アスファルトシングルは15~30年持つ高耐久の屋根ですが、定期的な点検を行うことが大切です。
なぜなら、屋根の上は普段確認出来ない場所で、万が一屋根が剥がれてしまっても気付かずに放置してしまう恐れがあるからです。
もし剥がれなどの劣化を長期間放置してしまうと屋根材だけでなく、お家が雨漏りして家全体の耐久性も低下してしまいます。
そのため5年に一度や台風が去った後などは点検を行い、破損や劣化している箇所がないかチェックしましょう。
4-2 一部剥がれは補修
アスファルトシングル屋根が剥がれてしまったらその部分だけ補修しましょう。
アスファルトシングルは、風に煽られやすいため台風などで剥がれてしまう場合があります。
剥がれの範囲が広いと、雨漏りを防ぐ「防水シート」がむき出しになり雨漏りの危険性も高まります。
そのため、少しでも剥がれている場合は、早急に補修をしましょう。
補修費用は1枚あたり4,000~10,000円ほどです。
ただし屋根が急傾斜だったり、立地によっては足場仮設が必要になる場合もあります。
詳細な見積もりはきちんと点検をして出してもらいましょう。
4-3 色褪せが気になったら塗装
アスファルトシングルは塗装が不要な屋根ですが、色褪せや石粒の落下が気になる方は塗装をしましょう。
塗装をすることで、きれいに長持ちさせることができます。
費用は40~60万円ほどです。(80㎡の屋根の場合)
使用する塗料のグレードによって費用は変動します。
ただし塗装をする際は、塗料選びに注意が必要です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
>アスファルトシングルの塗装についてはこちら
5章 アスファルトシングル屋根のリフォーム
アスファルトシングルの耐用年数は15~30年です。
・石粒の剥がれ
・屋根材の広範囲な剥がれ
・屋根材のちぎれ・飛散
などの劣化症状が見受けられたら、新しい屋根へのリフォームを行いましょう。
具体的な工事は、カバー工事か葺き替え工事です。
それぞれの特徴・費用を解説していきます。
5-1 屋根材の劣化ならカバー工事
アスファルトシングル屋根が劣化している状態の場合は、今の屋根の上から新しい屋根をかぶせる「カバー工事」を行いましょう。
今の屋根を撤去せずに工事することができるため、撤去費用を削減でき葺き替え工事よりもお得に工事することができます。
費用は100~150万円ほどです。(80㎡の屋根の場合)
新しい屋根材によって費用は変動します。
>詳しくはこちら「アスファルトシングル カバー」
ただし、以下の場合はカバー工事がおすすめできません。
・すでに雨漏りしている(または疑いがある)
・過去に屋根カバー工事をしている
上記に当てはまる場合は葺き替え工事を行いましょう。
5-2 雨漏りしているなら葺き替え工事
雨漏りしている、過去に屋根カバーを行っている屋根の場合は、葺き替え工事を行いましょう。
葺き替え工事は、今の屋根をすべて撤去して下地から葺きなおしていく工事です。
雨漏りが起きているかのチェックや傷んだ下地の交換も行うことができます。
費用は150~300万円ほどです。(80㎡の屋根の場合)
新しい屋根材や、下地の劣化状況によって費用は変動します。
きちんと屋根を点検してもらった上であなたの屋根に合った見積もりを出してもらいましょう。
★屋根の状態が気になる方はユーコーコミュニティー! 「アスファルトシングル屋根にしてから点検をしていない」 「うちの屋根は大丈夫?」 と屋根の状態が気になる方は、東京・神奈川の塗装・リフォーム専門店ユーコーコミュニティーにご依頼ください。 屋根全体の状態や、一枚一枚の状態を細かくチェックし、最適なメンテナンスのアドバイスをさせていただきます。 また、当社ではドローンを使った屋根点検も行っているので、急傾斜の屋根も点検することができます。 実際の屋根の様子は、写真を撮ってお渡ししています。 なかなか見ることができない屋根の上をご自身の目で確認できるので安心です。 すぐのメンテナンスを考えていない方も大歓迎! 将来のために一度屋根の状態をチェックしてみませんか。 東京・神奈川地域の方限定で、点検からお見積り提示まで無料で行わせていただいております。 お気軽にお問い合わせください。 |
まとめ
いかがでしたか。
アスファルトシングルの特徴は以下の通りです。
■メリット
・耐用年数が15~30年
・比較的安い
・割れ・サビが発生しない
・軽量で地震に強い
・デザイン性が高い
■デメリット
・風に煽られやすい
・表面の石粒が落ちてくる
他の屋根材と比べても耐用年数の長い屋根材ですが、以下のメンテナンスは行うようにしましょう。
・5年ごとの定期点検
・剥がれがあれば補修
・色褪せが気になったら塗装
また寿命が来たら、カバー工事または葺き替え工事を行いましょう。
アスファルトシングルは機能性・デザイン性に優れた屋根材です。
おしゃれな屋根にしたい!地震に強い屋根にしたい!という方はぜひ選んでみてはいかがでしょうか。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
◆他の屋根材について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
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