「外壁塗装は必要ない」という考えは危険!起こるリスクとムダな費用

塗装職人

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「実際のところ、外壁塗装ってやらなきゃなの?それとも必要ないの?」

と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

 

汚れとか劣化とかが見えていなければ別に…と思うかもしれませんが、ほとんど全ての住宅は塗装が必要です

塗装には、「水」から建物を保護するという役割があるからです。

地震や火事に強くて頑丈な日本の建物ですが、唯一の大敵は「水」なのです。

 

この記事では、外壁に塗装が必要な理由を詳細に具体的にお伝えしていきます。

そして、ご自宅は今塗装が必要なのかどうか判断するためのポイントも紹介します。

(最後には、ごく稀に例外的にある塗装不要な外壁についても紹介しています)

 

「塗装=お家の防水メンテナンス」です。

お家の寿命に直結する大切なことですので、ぜひ最後までお読みください。

 


1章 外壁塗装が必要な12の理由

お家にとって外壁塗装は必須のメンテナンスです。

塗装は「防水」の役割を持っており、行わないと家がどんどん劣化してしまうからです。

最終的には、莫大な修繕費用が発生したり、取り返しがつかなくなって寿命より早く建替えせざるをえない状態になってしまいます。

 

塗装しないといけない理由と、どうなるのかの具体例を、順を追って紹介していきます。

 

理由1 徐々に艶が落ちてくる

艶の減少

新築から数年経つと、少しずつ艶が落ちてきます

表面にもともとしてある塗装が、紫外線を浴びることで弱ってくるからです。

一番最初にその様子が見えてくるのが艶です。

(艶無しの塗装がされている場合は、あまり差が出ないため気づきにくいです)

 

■新築時の塗装表面

艶の減少

■経年劣化した塗装表面

艶の減少

 

理由2 汚れが付きやすくなる

換気口からの汚れ

サッシ下の汚れ

塗膜が弱ってくると、砂埃や雨染みなどの汚れが付きやすくなってきます。

当初は塗装が汚れを弾いてくれたり、雨と一緒に流してくれたりしているのですが、その効果も弱っていくからです。

窓サッシの下や換気口周りなどが特に目立ちやすいです。

 

理由3 色が褪せ、手に粉が付く(チョーキング)

チョーキング1

やがて、外壁が少し色あせたように感じたり、触ると手に粉がつくようになります。

これはチョーキング現象と呼ばれます。

塗料は主に「油分(樹脂)」と「粉(顔料)」でできているのですが、油分は紫外線によって劣化し、粉だけが残ってしまうからです。

 

粉(顔料)は色を付ける役割をしています。

粉が手に付くということは、雨風などでも少しずつ流れ落ちてしまうため、色が褪せていってしまうのです。

 

■チョーキング現象が起こる理由

チョーキング

チョーキング

 

理由4 外壁が水を吸い込むようになる

外壁の給水

チョーキングが起こるようになると、壁が水を吸い込んで湿気を帯びるようになります。

水を弾く役割の「油分(樹脂)」が紫外線で劣化しているからです。

例えば、壁に水をかけてみるとそこだけ色が濃く変わるのは、水を吸い込んでいる状態です。

 

理由5 カビ・コケ・藻が繁殖する

カビコケ

壁が湿気を含むようになると、カビ、コケ、藻などが繁殖しはじめます。

これらはじめじめした湿気の多いところを好むからです。

特に、日当たりの悪い面や北側に現れやすいです。

 

カビやコケの胞子は自然界ならどこにでも漂っていますが、外壁が水を弾いているうちは付着しても雨と一緒に流れてくれます。

しかし水分を含んだ外壁にはしっかり根を張ってしまい、繁殖していくのです。

 

理由6 中性化現象が起こり外壁が弱くなる

カビやコケが繁殖することで、外壁そのものの強度が落ちていってしまいます

外壁材はアルカリ性なので、酸性のカビコケに触れることで中性になっていき(中性化現象)、本来の頑丈な状態から変化してしまうからです。

 

■中性化によりもろくなって崩れた外壁

中性化現象

カビコケの繁殖が進むと、その付近の外壁は触っただけでぽろぽろと崩れることもあります。

 

また、カビコケの根は水分を含んでいるため、外壁の中もずっと湿った状態になり、ふやけるように弱まってしまいます。

 

理由7 ひび割れが起き始める

ひび割れ

壁が湿気を含むようになると、各所で小さなひび割れ(クラック)が起き始めます。

外壁は水を吸うとわずかに膨らみ、乾くと縮んで元に戻る、という動き(伸び縮み)が出るからです。

この動きが、雨の日晴れの日に毎回繰り返されることで、少しずつ外壁に負荷がかかって、ひび割れが起きるのです。

 

特にひびが起こりやすいのは、窓サッシまわりやサイディングの釘付近です。

 

理由8 ひびが広がり、壁が欠落する

ひび割れ

ひび割れ

はじめは小さなひびも、放っておくと少しずつ伸びたり広がったりしていきます。

最終的には、完全に割れて落ちてしまいます

 

ひび割れや欠落部分は、数か所なら補修材で埋めたりくっつけたりすることはできます.

しかし割れの数が多くなりすぎると壁本来の強度が保てないため、部分張替え・作り直しが必要になります。

 

【補修費用】

ひびを埋める軽補修:12万円/箇所

部分張替え(サイディング):1020万円/

※サイディングの種類や大きさ、人件費によって変動

 

理由9 ひびに水が入って結露・凍害を起こす

ひび割れたところからは、雨が降るたびに中に水が入ります。

すると建物の内部が湿気て内部結露が起こり、かび臭くなったり、壁紙が浮いてきたりと室内へも悪影響をおこしてしまいます。

 

また、壁の中の水分が冬場などに凍ると、凍害(爆裂)現象によって壁がさらに大きく割れてしまいます。

水は氷になると体積が増える(膨らむ)ため、内側から壁を押し出してしまうのです。

 

■小さなひびを放っておいたら…

ひび割れ

 

1年後、凍害が起こっていた

凍害現象

凍害現象

 

こうなると壁に大きな穴が開いた状態です。

さらにたくさんの水が侵入してきてしまい、悪循環です。

 

理由10 外壁の反り・浮きが起こる

外壁の反り

サイディングボードなどの板状の外壁材は、水を含むようになると反り・浮きが起こります。

水を吸って膨らんだ外壁は、日の当たる表面から先に乾いて縮んでいくためです。

先に縮む表面側に引っ張られて、外壁材が変形してしまうのです。

 

■反り・浮きが起こる理由

反り・浮き

 

 

反った外壁材は、元に戻すことができません

ほんのわずかな反りならビスを打ち込んで無理やり平らにできることもありますが、反りが激しいものはかえって割れてしまう危険があります。

直すためには部分張替えが必要です。

 

【補修費用】

ビス打ち補修:12万円/箇所

部分張替え:1020万円/

※サイディングの種類や大きさ、人件費によって変動

 

理由11 内部に浸水し木材が腐る

内部腐朽

サッシ下の腐朽

ひび割れや反りによる隙間からは、どんどん水が入ってきます。

そうすると、建物の木材部分(柱、躯体)にまで水が到達し、内部腐朽を起こします。

 

※壁の中には「防水シート/防水紙」がありますが、全ての水分を完全に防げるわけではありません。

多量の水に長期間あたっていれば、シートも弱って効果を為さなくなります。

 

木は腐るともろく弱くなってしまいます。

家の強度を保つ為には、木材の交換という大がかりな工事が必要です。

 

【補修費用】

内部木材の交換:10150万円

※工事範囲や木材の状態によって変動

 

理由12 湿った木材がシロアリに食べられる

シロアリによる被害

シロアリによる被害

 

建物内部に水が入ると、シロアリ被害に遭う危険が高まります。

シロアリは湿った木材が好物だからです。(逆に、乾いた木材には寄ってきません。)

水は重力に従って下へ下へと流れていきますから、家を支える土台・基礎まわりの木材が被害に遭うことが多いです。

 

シロアリ被害に遭ったお家は非常に脆くなり、地震などで倒れやすい危険な状態になってしまいます。

実は、阪神淡路大震災の時に倒壊した建物の多くは、シロアリ被害に遭ったお家でした。

 

■シロアリ被害による家の倒壊を伝える記事

シロアリ被害の新聞記事

(1995/4/26 朝日新聞夕刊)

 

家を支える部分のリフォームとなると、50万~数百万円と大規模になってしまいます。

耐震性がもう復旧できないほど傷んでしまっていれば、建て替えです。

せっかくのお家にもう住めない状態になるのは、あまりにも辛いですよね。

 

 

これらの被害の原因は「外壁の防水が失われたこと/家の中に水が入ったこと」です。

大切なお家に長く住み続けるためには、塗装工事で防水性を維持することが最重要なのです。

 


2章 自宅の塗装必要性の見極め方

それでは、今現在の我が家は塗装が必要なのかどうか、見極めるポイントを紹介します。

塗装が必要=防水効果が切れている状態 です。

  • 築年数
  • 劣化症状

の両方を確認しておきましょう。

 

2-1 築後57年以上経っている

目安として、築後5~7年以上経っていたら、塗装の必要な時期です。

新築時の標準的な塗装は、このくらいの年数には防水効果が切れてくるからです。

 

建材メーカーなども、このくらいの時期からメンテナンスをするよう推奨しています。

 

■建材メーカーのカタログ

ニチハカタログ

出典:ニチハ株式会社 モエン カタログ

 

■外壁のメンテナンススケジュール

サイディングボードのメンテナンススケジュール

出典:日本窯業外装協会「サイディングの維持管理はどうするの」

 

※上記の資料は、住宅の7割を占めるサイディングボードという外壁材のものですが、モルタル外壁もメンテナンス時期は同様です。

 

一般的によく言う10年ごろ、というのは、ひび割れなどのわかりやすい劣化症状が現れる時期です。

普通の方が見てすぐわかる程度ということは、既に劣化が進行してしまっているのです。

 

劣化してから塗装では、補修費用などが追加でかかります。

また、補修はしても強度は100%までは戻せません。

お家を長持ちさせるには、良い状態のうちのメンテナンスが必要です。

まずは目安として築年数を確認しておきましょう。

 

2-2 劣化症状5つをチェック!

それでは実際に、防水効果が切れるとどんな劣化症状が起こるのか見ていきましょう。

具体的に5つご紹介していきます。

一つでも当てはまったら、塗装が必要な(水を弾く効果がなくなっている)サインです。

お近くの塗装専門業者に相談して、全体点検をしてもらいましょう。

 

①触ると手に粉が付く

チョーキング

ポイント:南面など日当りの良い場所

 

白い壁は白い粉、ピンクの壁はピンクの粉、という風に手に色がつく状態。

専門用語では「チョーキング現象」と言います。

塗料の中の油分(樹脂・水を弾く成分)が無くなって、粉(顔料)だけが残されるため起こる現象です。

防水効果が弱ってきたときに最初に現れるサインです。

 

②水をかけると吸い込む

吸水

ポイント:南面など日当りの良い場所

 

水をかけたところに染み込む」かけたところだけ色が変わり、水玉ができない

この状態であれば、塗装が必要なサインです。

お家にはもう防水性が無く、雨が降るたびに水を吸っています。

 

■健康な状態(水玉になって弾く)

このように「水玉になってすべり落ちる」状態であれば、塗装の必要はありません。

 

③カビ、コケ

カビコケ

ポイント:北面など日当りの悪い場所

 

外壁面が緑がかってきます。カビやコケが生えて繁殖している状態です。

カビ・コケの胞子は自然界のどこにでもありますが、特にじめじめした場所を好みます。

壁が水を吸うようになっていると胞子がくっつき根を張ってしまいます。

 

④ひび割れ

ひび割れ

ポイント:サッシやドアの周り、釘の周り

 

ひび割れが出ている場合は、すぐに塗装をする必要があります。

なぜなら、既にサイディングが雨水を吸水して伸び縮みを繰り返した結果で割れが起きているからです。

ノーガードの所に更に雨水を入れてしまうと、サイディング自体が弱って欠け落ちてしまう事もあります。

そうなると塗装ではどうにもならなくなってしまうので、割れが広がる前に塗装をしましょう。

 

⑤反り・浮き

外壁の反り

ポイント:南面・ベランダ面など日当りの良い場所

 

サイディングボードの場合は、壁の一部が反って浮き上がってくることがあります。

見付けた場合は、すぐに塗装を検討しましょう。

こちらもひび割れと同様、吸水して伸び縮みした結果の症状だからです。

一度反ったボードは元に戻せません。これ以上進行させないためにも、早急に塗装をしてあげましょう。

 

 


3章 外壁塗装が必要ない希少ケース

ごく稀にですが、外壁塗装が必要ない住宅も存在はします。

それは、水によって劣化しない外壁材の場合です。

代表的な4パターンをご紹介します。

 

  • ※外壁そのものはメンテナンスが不要でも、つなぎ目(コーキング)部分や、窓枠や雨どいなど細かなパーツに別部材を使っていれば、そこはお手入れが必要です。

    下記の素材のお家が、“お家まるごとメンテナンスフリー”というわけではありませんのでご注意ください。

 

3-1 タイル

外壁タイル

タイルとは、石や砂を高温で焼き固めたものです。

石・砂は無機物(自然界にある劣化しないもの)なので、タイルが水によって割れたりすることはありません。

よって、塗装による防水メンテナンスは不要となります。

 

ただし、塗装不要なのはタイル本体だけで、タイルとタイルの間にある“目地”メンテナンスが必要です。

目地にはモルタルやセメントなどを使っているため、水を吸って劣化してしまうからです。

目地(下地)が吸水して伸び縮みすることで、表面にあるタイルに負荷がかかって割れたり落ちたりすることがあります。

 

■タイルの目地

タイルの目地

 

■割れてしまったタイル

タイルの割れ

目地部分は、専用防水塗装などのお手入れが必要です。

 

【参考】

タイルの劣化症状やメンテナンスについて詳細はこちら

 

3-2 レンガ

レンガ

レンガとは、粘土を焼き固めた建材です。

こちらも水を吸い込んで割れる心配がなく、温度変化での伸縮にも強いため、塗装でのメンテナンスは不要です。

 

ただし、レンガとレンガの間にある目地部分はモルタル材のことが多いので、ここのメンテナンスは必要です。

定期的に点検して、目地にひびなどの劣化があれば補修をしましょう。

 

3-3 ガルバリウム鋼板

ガルバリウム

ガルバリウム鋼板」とは、非常に錆びに強い金属の建材です。

金属サイディングというと基本的にはこのガルバリウムの事を指します。

金属なので水を吸い込むことが無いため、築10年前後で防水切れによるひびなどの心配はありません。

 

ただし、維持には1520年を目安に塗装が必要です。

ガルバリウム鋼板も経年劣化すると錆びて弱くなり、放っておくと穴や隙間ができてしまうため、完全なメンテナンスフリーではありません。

 

■ガルバリウム鋼板のメンテナンススケジュール

ガルバリウムのメンテナンススケジュール

出典:アイジー工業 外壁 カタログ

 

一般的なセメント系の外壁とくらべればはるかに長持ちしますが、将来的には塗装が必要ですので注意しましょう。

 

【参考】

ガルバリウム鋼板のメンテナンスについて詳細はこちら

 

3-4 樹脂系サイディング

樹脂系サイディング

樹脂系サイディングとは、塩化ビニル樹脂というプラスチックのようなもので作る外壁材です。

日本ではほとんど見かけませんが、アメリカやカナダでは広く普及しています。

こちらも水や湿気を吸い込まないため、劣化しにくくメンテナンスが楽と言われています。

 

しかし、やはり完全なメンテナンスフリーではありません。

紫外線を浴び続けると弾性が失われ硬く割れやすくなるため、2030年を目安に塗装が必要です。

(古いプラスチックのおもちゃが割れやすくなるのと同様です)

※表面の加工によっては塗装ができない商品もあります。

 

外装建材の中では非常に高耐久ではありますが、いつかはメンテナンスが必要になります。

メンテナンス回数が少ない分、点検やスケジュール管理を忘れないようにしましょう。

 


まとめ

外壁塗装は、ほぼすべての住宅に必要です。

防水性を持たせることによって、外壁の劣化や水の侵入を防ぎ、家の寿命を縮めるリスクを回避できるからです。

塗装はお家を水から守る「防水工事」ですので、正しい時期に必ず行いましょう。

 

塗装が不要な住宅はごく稀です。

また、塗装以外のメンテナンスが必要、ということも多々ありますので注意しましょう。

 

たいせつなお家のお手入れにお役に立てれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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