「タイルの外壁ってメンテナンスフリーじゃないの?」
「どんなメンテナンスが必要になるの?」と疑問に思われているのではないでしょうか。
結論から言うと高耐久なタイルを使用した外壁でもメンテナンスは必要です。
なぜなら、タイル自体は高耐久でも、タイルを貼り付けるための接着剤や、タイルの間の目地は劣化するからです。
ただ、どういったメンテナンスが必要になるのか分からないですよね。
そこで今回はタイル外壁の劣化症状別のメンテナンス方法と費用相場をご紹介します。
今後劣化が出たときにすぐに対処できるよう、メンテナンス方法を把握しておきましょう。
また記事の後半では外壁をきれいに保つためにおすすめの方法もご紹介しますのでぜひ最後までご覧ください。
目次
1章 タイル外壁はメンテナンスが必須!
タイルの外壁はメンテナンスが必要です。
なぜなら、タイルそのものは耐久性が高くても、タイルを貼り付けている接着材や目地は劣化するからです。
外壁に使用されるタイルそのものはガラスと同様に無機物で出来ているので水を吸収しにくく、汚れも弾きます。
さらに石や砂などを約1300度の高温で焼き固めた素材のため硬くてとても丈夫です。
しかしタイルを外壁に施工する際には目地に使用するコーキングなどの有機物を使います。
こういった有機物は太陽の紫外線や雨水で劣化してしまうので、定期的なメンテナンスが必要になります。
まずタイルのメンテナンスには
①定期的にメンテナンスが必要なもの
②劣化が見られたら補修が必要なもの
の2つの種類があります。
①定期的にメンテナンスが必要なもの
- ・タイル外壁の汚れ
- ・目地(コーキング)
■目地の劣化
②劣化が見られたら補修が必要なもの
- ・タイルの浮き
- ・タイルの剥がれ
- ・タイルの破損
■タイルの剥離
こういった劣化は定期的に表れる症状ではなく、施工時に使った材料や施工方法などで差が出ます。
そのため、定期的に点検をして劣化が見られた時点で補修が必要になります。
万が一メンテナンスをしないで放置してしまうと、劣化が大規模になり費用もかさんでいきます。
大きな工事でメンテナンス費用をかけないためにも、定期的な点検と補修が必要になります。
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2章 【5つの症状別】メンテナンス方法と費用
タイル外壁の主な劣化症状別でメンテナンス方法をご紹介します。
症状や劣化原因ごとに必要なメンテナンス方法が変わりますので、劣化が出たらまず点検を依頼して適切なメンテナンスをしましょう。
2-1 汚れ
タイルは汚れにくい建材ですが、10年前後経つと汚れも溜まっていきます。
汚れが気になってきたら高圧洗浄を行ないましょう。
タイル外壁の主なメンテナンス方法はこの高圧洗浄になります。
また手の届く範囲であればご自身でも洗浄していただけます。
汚れが落ちにくい場合はタイル専用の中性洗剤で洗いましょう。
メンテナンス方法と費用相場
・高圧洗浄(200~300円/㎡)
40坪200㎡のタイル外壁の費用相場
20~28万円(足場代込み)
★足場代の単価相場=800~1100円/㎡ |
★タイル外壁によくある“白い汚れ”=エフロレッセンス
「エフロレッセンス」とは、雨水と目地コンクリートに含まれる物質が化学反応を起こして、白い汚れが流れ出ている現象のことを言います。
このような症状が出ていたら、酸洗い(専用の薬品を使用して白くなっている部分を綺麗に洗い流す洗浄法)をしてキレイにしましょう。
2-2 目地のひび割れ
タイルの間のつなぎ目(目地部分)のコーキングは7~10年で劣化します。
そのため定期的な目地の交換(打ち替え・増し打ち)が必要です。
また、目地のモルタルが欠けてしまっている場合も補修が必要になります。
メンテナンス方法と費用相場
・コーキング打ち替え・増し打ち(700~1,200円/m)
・モルタル補修(500~700円/箇所)
40坪200㎡のタイル外壁の費用相場
コーキング150mの場合
26~40万円(足場代込み)
2-3 タイルの浮き
タイルを接着するモルタルや接着剤が劣化してくるとタイルが浮いてきます。
しかし、タイルの浮きは見た目では分からないことも多いです。
そのため定期的にプロの点検診断をおこない、早期発見して原因に合ったメンテナンス方法を行ないましょう。
メンテナンス方法と費用相場
■原因①モルタルの劣化の場合
→エポキシ樹脂充てん(500~900円/箇所)
→モルタル左官(1000~2000円/㎡)
■原因②接着剤の劣化
→接着材で付ける(500~700円/箇所)※DIYで施工可能
2-4 タイルの剥がれ
タイルの浮きを放置していると、タイルの剥がれが発生します。
タイルの剥がれも原因によって必要な補修方法が変わってくるので、まずはプロに点検を依頼しましょう。
補修方法と費用相場
■原因①モルタルの劣化
→モルタル左官(1,000~2,000円/㎡)
■原因②接着材の劣化
→接着剤で付ける(500~700円/箇所) ※DIYで施工可能
2-5 タイルのひび割れ
地震や衝撃によりタイルにひびが発生する場合があります。
放っておくとひびに汚れが溜まりひびが目立ってしまいます。
また内部のモルタルや接着剤に水が浸透し耐久性を弱らせます。
ひび割れを見つけたら交換を行ないましょう。
また補修方法については劣化の状態で変わってきますので、プロに点検診断を依頼して、状態を確認してもらいましょう。
補修方法と費用相場
状態①タイルのみのひび割れ
→タイル交換(500~1,000円/枚)
状態②内部のモルタルまでひび割れ
→モルタル左官(1,000~2,000円/㎡)とタイル交換(500~1,000円/枚)
3章 点検の時点で優良業者を見極める3つのポイント
メンテナンスを依頼するのに、点検の時点で優良業者を見極めるポイントをご紹介します。
点検を適当に行なう業者は、劣化状態などもきちんと把握できていないので、メンテナンス工事や補修作業も丁寧でない可能性が高いです。
丁寧な作業できちんとお家を守ってくれる優良業者を点検の時点で見極めていきましょう!
3-1 「打診検査」をしてくれる
打診棒を使って、タイルの劣化状態を診断してくれる業者さんを選びましょう。
タイル外壁の場合はこの打診棒を使うことで、異常のある箇所を割り出すことができます。
軽くコロコロ転がすように動かし、音の変化を聞き分けます。
例えば、タイルが浮いていると乾いた軽い音、空洞になっているので響くような音がします。
■打診棒
異常のない箇所の音と異常がある箇所の音は明らかに違います。これによりタイルの浮きや剥がれ、水が浸入している箇所を予測することができます。
タイルの家は、特に外から家の傷み状況が分かりにくいです。そのため、見えない雨漏りが進行しやすいとも言えます。
点検実績の豊富な知識のある業者さんにしっかりと見てもらい、適切なメンテナンスをしましょう。
3-2 タイル以外の場所も点検してくれる
お家全体、タイル以外の箇所もしっかりと診てくれる業者さんを選びましょう。
全面タイルを使っているお家も、部分的にタイルを使っているお家も、メンテナンスが必要なのはタイルだけではありません。
■タイル以外も必ず点検してもらいましょう
このお家は、タイルの他にモルタル材の壁、屋根、窓枠の木、駐車場コンクリートの洗浄など、タイル以外にもメンテナンスが必要です
例えば、雨樋・土間・屋根・床下・複数の建材が使われている外壁なども点検が必要です。
長く美しくお家を保つのであれば、全体を隈なくチェックできる専門家に点検・工事をお願いしましょう。
3-3 点検時に撮った写真を渡してくれる
点検の際に写真を撮ってくれ、その写真をもとにしっかりと現状報告と大切なお家を守る今後の提案をしてくれる業者を選びましょう。
■点検時の写真を貰いましょう 100枚程度写真を撮ってもらい、自分では見えない屋根やプロならではの視点からお家を総点検してもらいましょう。 |
年数が経つと、劣化する箇所がどうしても出てきてしまいます。
プロの目線でないと気づかないお家の傷み症状もあるので、写真を見ながら、財産であるお家の今の状況を把握しましょう。
これを知ることで、業者に言われたままの工事ではなく、自分の家に合ったメンテナンスをプロと一緒に考えることができるようになります。
■写真と一緒に現状の説明をもらうと状態がより分かります。 写真を見ながら、お家の状況を説明してもらい、なぜこうなってしまったのか、どうすればいいのかが分かれば、今後のメンテナンスがより良いものになります。 |
また、5、6枚の写真にどのお家にも当てはまるような文言の載った綺麗な報告書ではなく、なるべく多くの枚数で、お家全体を点検して細かく見てくれる業者を選びましょう。
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4章 見た目が気になる人は塗装がおすすめ!
タイル外壁をきれいに長持ちさせたい方にはクリヤー塗装がおすすめです。
特に表面が凸凹しているタイルは汚れが溜まりやすいので、タイル用のクリヤー塗装で汚れを付きにくくすることが出来ます。
また、目地(コーキング)やモルタル部分も本来であれば紫外線や雨水で劣化しますが、塗装をすることで表面をまもり劣化を防ぐことが出来ます。
タイル外壁をきれいな状態で長く持たせたい方には塗装がおすすめです。
単価相場
1㎡あたり2,300~4,000円/㎡
40坪200㎡の費用相場
100~140万円
※塗料の耐久性によって差が出ます。
耐用年数
10~15年
※塗料のグレードによって差が出ます。
◆具体的な塗装費用や耐久年数が知りたい方はこちら
まとめ
いかがでしたか。
最後にこの記事をまとめます。
・タイル外壁にもメンテナンスが必須! ・定期的に必要なメンテナンスは洗浄と目地補修で、その他は点検で劣化が見つかったら補修 ・点検の時点で優良業者を見極めるポイントは以下の3つ
・長くきれいに保ちたいのであればクリヤー塗装がおすすめ |
こまめなメンテナンスでタイル外壁を長持ちさせていきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
◆お家のタイルにあったメンテナンスをするなら、施工業者選びも重要です。こちらの記事も参考にしてみてください。
→外壁塗装は業者選びが肝心!優良業者を見極める20のチェックポイント