お家の外壁材はジョリパットにしてみようかな?
と検討中の方も多いのではないでしょうか。
ジョリパットは、落ち着いたおしゃれな雰囲気で非常に人気が高い仕上げ材です。
デザインのバリエーションも豊富で、しかも耐久性が高いため、是非おすすめしたい優秀な外壁材です。
ただし、メリットがあれば当然デメリットもあります。
選ぶ際には両方理解した上で、本当にご自身の希望にあっているか判断しましょう。
この記事では、ジョリパットの特徴と注意点を解説します。
さらに、ジョリパットにしようと決めた方のために、将来的に長く綺麗に保つコツも紹介します。
長く住む大切なお家です。
ぜひ最後までお読みいただき、納得して選んでくださいね。
目次
1章 おすすめの外壁ジョリパット!4つの特徴
『ジョリパット』は、アイカ工業が販売する外壁材の一種です。
(同様の外壁材に、エスケー化研の『ベルアート』、菊水化学工業の『グラナダ』などがあります)
新築、リフォーム共にとても人気の理由を4つに絞ってご紹介します。
1-1 塗り壁の温かみあるデザイン性
ジョリパット最大の特徴は、独特の温かみある質感です。
独自の骨材(砂・砂利のようなもの)を練り込んであるため、ざらざらとしたマットな仕上りになります。
上品で落ち着いた雰囲気が好きな方には、ぜひおすすめしたい壁材です。
しかも、色は約180色、模様も90パターン以上の中から選べます。
■ジョリパットのパターン例 (シリーズにより選べる色・パターンは変わります) 出典:アイカ工業 |
まさにご自身の理想のデザインを実現できる、というのが、人気の理由のひとつです。
1-2 高耐久で色あせしにくい
ジョリパットは色あせしにくく、お選び頂いた色を長く楽しむことができます。
紫外線に強い顔料(色の元になる粉)を練り込んで着色されているからです。
■色あせへの強さ(耐候性)の試験 出典:アイカ工業 |
また、元々艶がない仕上がりのため、年数が経って艶が消えてきた…という変化もさほどありません。
新築時の見た目を維持しやすいため、外観にこだわりたい方に人気となっています。
1-3 ひび割れしにくい
ジョリパットはひび割れが起こりにくく、美しさが長く続く建材です。
なぜなら、塗膜に柔軟性があり、普通ならひびが入ってしまうような振動・負荷にも追従してくれるからです。
ひび割れは見た目も悪いだけでなく、直すのに費用がかかってしまいますし、そこから水が染み込むことで、お家自体を弱らせてしまいます。
その心配が少ない素材のため、長く安心して住み続けるのに適した外壁材と言えます。
1-4 人体への安全性が高い素材
ジョリパットは『F☆☆☆☆』(エフフォースター)を取得している、安全性の高い素材です。
これは、シックハウス症候群などの原因であるホルムアルデヒドの放散が少ないことを示す等級です。
その中でも☆4つは、「室内でも制限なく使える」という最高ランクです。
住宅の工事の際は、例えばちょっとしたペンキの臭いでも、家族の健康に害は無いだろうか…と心配される方も多いと思います。
その点ジョリパットであれば、室内でも問題ないぐらいですから、外壁で使うには非常に安心と言えます。
2章 施工費用は約3,500円~7,000円/㎡
ジョリパット外壁の施工費の相場は、3,500~7,000円/㎡です。
- ※アイカ工業ジョリパットシリーズカタログの価格表より抽出。300㎡を基準にした場合の材工費の㎡単価。
これは、本来手間がかかって高額になりやすい塗り壁材の中では、比較的お得な価格です。
一般住宅に最も普及している「窯業(ようぎょう)系サイデイングボード」が製品単価3,000~6,500円ほどなので、それほど差がありません。
※大手メーカー「ニチハ株式会社」モエンサイデイングのカタログより抽出。
新築にせよリフォームにせよ、施工に手間暇がかかる塗り壁材としては、ジョリパットはお得でとても選びやすい価格と言えます。
ジョリパットの中で費用に幅があるのは、仕上げパターン(模様)の手間によって差が出るからです。
例えば、機械を使って吹付けるパターンなら安く、
コテを使って手作業仕上げのパターンなら単価が上がっていきます。
また、現在の壁の上にそのまま塗るだけならこの単価ですが、
新築や、リフォームでも下地から作る場合は、プラス5,000円/㎡ほどかかると考えておきましょう。
3章 選ぶ前に知っておくべき注意点
ジョリパットは非常に素晴らしい建材ですが、注意しなければいけないところもあります。
良いところだけ見て選んでしまっては後々の後悔につながるかもしれません。
注意点を3つ解説しますので、これも踏まえて建材を決断しましょう。
3-1 汚れ・コケが付きやすい
ジョリパットはどうしても、汚れやカビ・コケが付きやすいです。
なぜなら、ざらざらとした細かい凹凸があるため、汚れが引っかかって落ちにくいからです。
マットな質感の外壁だと、どうしても出てきてしまうデメリットです。
基本性能として防カビ性や防汚性があると紹介されてはいますが、つるつるした素材と比べるとどうしても汚れやすくなってしまいます。
気になる方は、年に一回程度、水で優しく洗い流してあげましょう。
(→詳細は3-2をご覧ください)
3-2 割れてしまうと補修が大変
ジョリパットはひび割れしにくい素材ですが、全くしないわけではありません。
そして万が一ひび割れてしまうと、補修跡を完全に消すのが難しいです。
なぜなら、ジョリパットは繊細な凹凸があるため、上から補修材を入れるとどうしてもそこだけ質感が違って見えるからです。
大きなひびだと補修材の量も多く使う必要があるため、ミミズ腫れのように目立ってしまう可能性があります。
完全に直すには、壁のジョリパットを部分的に作り直すことになりますが、そうすると左官職人(手作業で壁を塗る職人)を呼ぶ必要がある為、費用がかさんでしまいます。
重要なのは、大きなひび割れが起こる前にメンテナンスすることです。
1年ごとに専門業者に点検してもらうなどして、小さなひびを見逃さないようにし、早めに塗装メンテナンスをしてあげましょう。
3-3 メンテナンス塗装には業者の知識・経験が必要
ジョリパットは、将来メンテナンスをするときの施工業者の知識、経験がとても重要です。
メンテナンスは主に外壁塗装で行うのですが、塗料選びや補修など、他の外壁と違う注意点がいくつかある為です。
特に、塗料選びは非常に重要です。
選択を誤ると、表面のざらざらした質感が失われてしまったり、せっかく塗装したのに数年で膨れや剥がれが起きてしまうこともあります。
ジョリパットを選ぼうと思っている方は、将来のメンテナンス時、業者選びが必要になると理解しておきましょう。
↓メンテナンスの注意点の詳細はこちらをご覧ください
4章 美しさを保つ3つのコツ
わが家はジョリパットにしよう!と決められた方は、ぜひ長く大事にしてあげてください。
特にジョリパットはデザイン性が特徴の外壁ですから、その見た目を美しく保つためのコツを3つご紹介します。
4-1 紫外線に強いタイプを選ぶ
とにかく長く、新築時の美しさを保ちたい!という方は、ジョリパットの中でも特に紫外線に強い高耐候シリーズを選ぶと良いでしょう。
外壁の汚れや劣化の原因は、紫外線によるダメージだからです。
■おすすめ:ジョリパットインフィニティ∞ 出典:アイカ工業 |
他の外壁用ジョリパットの中でも特に紫外線劣化に強いシリーズです。
選べる色やパターン数も他とあまり変わらないため、デザインのこだわりはそのままに、きれいを長持ちさせられます。
4-2 年に一度やさしく水洗いする
施工後は、年に一回程度やさしく水洗いしてあげると良いでしょう。
ちょっとした汚れやカビ・コケなども、放っておくと色が染みついてしまったり、内部に繁殖したりして、落ちにくくなるからです。
あとで汚れが取り切れず残ってしまっては残念ですよね。
水洗いをする際は、さっと流す程度か、柔らかいスポンジでやさしく洗ってあげましょう。
強くゴシゴシこすると、かえって表面の塗膜が弱り、汚れやすくなってしまいます。
綺麗を保つ為に、定期的なお掃除をしてあげましょう。
4-3 10年以内に塗装メンテナンスをする
ジョリパットの外壁は、遅くても築10年以内に塗装メンテナンスをしてあげましょう。
理想は5~8年以内です。
なぜなら、築5年を過ぎてくるとカビコケの繁殖や汚れの付着、細いひび割れなど、劣化の初期症状が始まるからです。
(初期症状の出方は、日当たり・風通しやお家の面によって変わります)
劣化が進んでからだと、汚れが取り切れなかったり、補修跡が目立ってしまう可能性があります。
せっかくこだわって選ぶジョリパットですから、長く美しく住み続けるために、適切な時期でメンテナンスをしてあげましょう。
まとめ
ジョリパットは非常に素晴らしい外壁材です。
良い特徴だけでなく、注意点もきちんと分かったうえで選びましょう。
特にその高いデザイン性は、こだわりを持って決める方も多いと思います。
将来的に長く綺麗に保てるように、お手入れのコツも知っておくと安心です。
大事なお家の外壁ですから、後悔の無いように決断してくださいね。
お読みいただきありがとうございました。
【この記事を読んだ方におすすめ】
ジョリパットの汚れやすさが気になる方は、汚れに強いフッ素塗料でのお手入れがおすすめです。
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