我が家も金属屋根にしようかな、と考え中のあなた。
一口に金属屋根といっても、たくさん種類があるようだし、どれがいいのか分からない…という方も多いのではないでしょうか。
金属屋根は大きく分けて6種類あり、それぞれ違う特徴があります。
この記事では各屋根材の特徴と、その中からの最適な屋根材の選び方について解説していきます。
数ある金属屋根の中から、これにして良かった!と思えるものを選べるように分かりやすくお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
1章 金属屋根種6種類と特徴
金属屋根は全部で6種類あり、それぞれ違う特徴を持っています。
屋根材選びで比較をする際は、次のポイントを参考に決めるといいでしょう。
意匠性 | デザイン性の高さです。 |
耐衝撃性 | 衝撃性があると、屋根材自体が破損しにくいです。 |
耐食性 | 雨風にさらされても、さびにくいです。 |
価格 | 材質によって前後します。 |
重量 | 軽ければ軽いほど、お家にかかる負担が減り、耐震性もUPします。 |
耐用年数 | 年数が長ければ長いほど長持ちさせられます。 |
それでは、実際に各屋根材の特徴を見てみましょう。
1-1 ガルバリウム鋼板
意匠性 | ★★★☆☆ |
耐衝撃性 | ★★★☆☆ |
耐食性 | ★★★☆☆ |
価格 | 5,000~10,000円/㎡ |
重量 | 約5kg/㎡ |
耐用年数 | 20~30年 |
金属屋根へのリフォームで一番メジャーなのが、このガルバリウム鋼板です。
ガルバリウムとは、アルミニウム、亜鉛、シリコンから成る、アルミ亜鉛合金めっき鋼板のことです。
軽量なのと、金属屋根のなかでも比較的安価なため、扱っている業者も多いです。
ただし潮風には弱く、年数が経つと錆びてしまうこともあります。
海沿いの地域にお住まいの方なら、より錆びにくいジンカリウム鋼板の屋根がおすすめです。
1-2 ジンカリウム鋼板
意匠性 | ★★★★☆ |
耐衝撃性 | ★★★☆☆ |
耐食性 | ★★★★☆ |
価格 | 8,500~13,000円/㎡ |
重量 | 約7kg/㎡ |
耐用年数 | 30~50年 |
ジンカリウムとガルバリウムの違いは、亜鉛とシリコンの含有率、商標の違いのみです。
特に海外で多く使用されている屋根材で、日本で見かけるものは石粒がコーティングされたものが多いため、表面に石粒があるものを「ジンカリウム鋼板」と呼ぶケースが多いです。
ガルバリウムより少し重いですが、コーティングや石粒があるおかげで塩害(潮風によるさび)にも強い耐久性を発揮するのと、長期間再塗装しなくても良いのが大きな魅力です。
しかし、まだまだ日本では施工できる業者が限られている屋根材のため、施工実績が豊富で信頼できる業者を探すのが少し難しいのが難点です。
1-3 トタン
意匠性 | ★☆☆☆☆ |
耐衝撃性 | ★★☆☆☆ |
耐食性 | ★★☆☆☆ |
価格 | 4,500~6,000円/㎡ |
重量 | 約5kg/㎡ |
耐用年数 | 10~20年 |
トタンとは、鉄板を亜鉛メッキで覆った金属のことです。
素材自体が低コストで、施工も簡単なことから、高度経済成長期によく屋根材として選ばれていました。
ただ、現在はより耐久性の高い屋根材が多く販売されているため、リフォームで使われることはまれです。
1-4 銅板
意匠性 | ★★★★☆ |
耐衝撃性 | ★★★☆☆ |
耐食性 | ★★★★★ |
価格 | 18,000~20,000円/㎡ |
重量 | 約5kg/㎡ |
耐用年数 | 60年以上 |
銅板屋根の特徴は、新築時から年数が経つと徐々に青緑色に色が変化していく、独特の風合いと重厚感です。
これは緑青(ろくしょう)といい、さびへの耐久力を強めてくれる役割をもっています。
高耐久なうえ、軽量で柔らかく加工がしやすいことから、繊細な仕上がりが求められる純和風建築や寺社仏閣に多く使われてきました。
ただ、現在では和風建築が減っているのと、非常に高価なため、リフォームや新築で使われることはまれです。
1-5 ステンレス
出典:セキスイハイム
意匠性 | ★★★☆☆ |
耐衝撃性 | ★★★☆☆ |
耐食性 | ★★★★☆ |
価格 | 10,000~14,000円/㎡ |
重量 | 約5kg/㎡ |
耐用年数 | 約50年 |
ステンレス屋根は、鉄やクロム、ニッケルを含んだ合金の屋根材です。
単価が高額なのと、施工できる業者が少ないため、普及率はまだまだ低いです。
ただ、非常に高い耐久性を持っているため、体育館やホテルなどの大型施設等で使用されることが多い屋根材です。
1-6 チタン
出典:カナメの社寺建築
意匠性 | ★★★☆☆ |
耐衝撃性 | ★★★★★ |
耐食性 | ★★★★★ |
価格 | 47,000~65,000円/㎡ |
重量 | 約3~3.5kg/㎡ |
耐用年数 | 1,500年以上 |
チタンの屋根は、金属屋根の中でも圧倒的な耐久性能を誇ります。
また、1㎡あたりの重量が3~3.5kgと和瓦の10分の1以下ととても軽いことから、寺社仏閣の屋根改修や大型物件に使われています。
有名な建築物だと、東京ビッグサイトや浅草の浅草寺などが挙げられます。
しかし費用が高いため、戸建住宅ではほとんど使われていません。
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2章 屋根の選び方 おすすめ3パターン
金属屋根はそれぞれに長所・短所があるので、どれを選べば良いのかは、皆さまご自身の考え方や建物の状況によって変わってきます。
ここでは、リフォームのプロがおすすめする選び方のパターンを3つご紹介します。
種類を知っても選びきれない、迷ってしまう、という方は、ぜひこちらを参考に決めてみてくださいね。
2-1 コスパ重視なら「ガルバリウム鋼板」
なるべくリーズナブルに金属屋根にしたいなら、ガルバリウム鋼板がおすすめです。
耐用年数20年以上、とトタンに比べて十分長いですが、本体価格はジンカリウム鋼板の半分程度で、費用と耐久性のバランスが優れているからです。
実際に戸建住宅のリフォームでは最もメジャーな金属屋根材で、製品の色・デザインや施工事例も豊富で安心感があります。
できるだけコストは抑えたい…という方ならガルバリウム鋼板がおすすめです。
2-2 デザイン性・耐久性を重視するなら「ジンカリウム鋼板」
しっかり長持ちさせたい、あるいはおしゃれなデザインにしたいなら、ジンカリウム鋼板がおすすめです。
石粒がコーティングされていることで、耐用年数は30~50年と非常に長く、長期間塗り替えの必要がありません。
また、塩害にも強いため、海沿いの地域でも高い耐久性を発揮してくれます。
デザイン面でも、石粒によるざらざらした質感は、一般的な金属の光沢感があまり好きではない方にもぴったりです。
ガルバリウムよりは多少費用がかかりますが、耐久性や見た目のデザイン性にこだわりたい方はジンカリウム鋼板を選びましょう。
2-3 大型物件におすすめ!「ステンレス」
出典:山内金属株式会社
何回も足場を建てるのが大変な大型建物には、ステンレスがおすすめです。
ほかの金属屋根と比べると価格は高くなりますが、耐食性(錆びにくさ)に優れ、約50年も持つほど、劣化しにくいためです。
基本的にはメンテナンスの手間がほとんどかからず、ランニングコストを抑えられるのが魅力です。
なるべくメンテナンスの手間をなくしたい方、特に大型物件の屋根リフォームを検討するなら、ステンレスの屋根がおすすめです。
★色あせが気になってきたら屋根塗装を ステンレスの屋根も、年数が経つと色あせてきます。 性能的には問題はありませんが、美観が気になる方は20年を目安に塗装工事を行いましょう。 |
3章 定期的な点検・メンテナンスで長持ちさせよう
金属屋根は、どれもメンテナンス次第で長持ちする、非常に優れた建材です。
新しく設置したあとは、定期的な点検と、塗装などのメンテナンスをしっかり行って、長く大切に使ってあげましょう。
定期点検は年に一回を目安に、屋根工事を行っている専門業者に依頼するのがベストです。
なぜなら、屋根は台風や大雪等の天災の影響を一番受けやすい場所ですが、まめに点検していれば異常にいち早く気づいて対処でき、屋根の寿命を延ばせるからです。
どんなに耐久性の高い屋根材でも、何かのはずみで傷ついてしまったら、そこから劣化してしまいます。
普段見えにくい屋根だからこそ点検・メンテナンスはしっかり行って、長く維持してあげてくださいね。
まとめ
金属屋根は、主にガルバリウム鋼板・ジンカリウム鋼板・トタン・銅板・ステンレス・チタンの6種類です。
・コストを抑えた工事をするならガルバリウム鋼板
・耐久性や意匠性重視ならジンカリウム鋼板
・足場を何度も建てられない大型物件ならステンレス
がおすすめです。
また、どの屋根も定期的な点検・メンテナンスさえ行えば長持ちする、非常に良い建材です。
メンテナンスの時期は屋根材により異なりますが、点検は年に1回を目安に行うといいでしょう。
大切なお家の屋根選びに、お役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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