もう寿命だね、とモルタル壁の改修やカバーなど大がかりな工事を勧められたあなた。
「本当にもう寿命なの?普通は何年位なの?」
「寿命を延ばす方法はないの?」
等、疑問に思われている方も多いかとおもいます。
モルタルはセメントと砂を混ぜて作られています。
日本の家の外壁で多く使用されている材料で、優れた耐火性・耐久性・デザイン性が魅力です。
職人が手作業で仕上げる為、その技術によって少しずつ寿命が違ってきますが、一般的には約30年とされています。
☆ここで記載する『寿命』とは、『必要なメンテナンスをしたうえで耐久性を維持できる年数』のことです。 |
本記事では、モルタル壁の寿命、目安になる症状、寿命が来たら行うべき工事を紹介します。
さらに、少しでも寿命を延ばすための適切なメンテナンスについても解説しました。
知っておくことで、モルタルのお家を大事に長く保つことができるようになります。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
1章 モルタル外壁の寿命と症状
モルタル外壁には寿命とされる年数と、見た目で分かるサインがあります。
あなたのお家に当てはまっていないか見てみましょう。
1-1 モルタル外壁の寿命は約30年
モルタル外壁の寿命は約30年程です。
ただし、これはメンテナンスを定期的に行った場合の物です。
なにもしないと、紫外線や雨風で表面が劣化し、寿命が縮んでしまうからです。
モルタル壁をしっかり保つためには、定期的な塗装で全体を保護してあげることが重要です。
築年数以外にも見た目で寿命かどうか判断する方法を、次から紹介します。
お家にあてはまっていないかチェックしてみましょう。
1-2 寿命が迫っている2つのサイン
実際の症状からも、モルタル壁が寿命かどうかを判断できます。
ここではそのサインを2つ紹介します。
①0.5mm以上の大きなひび割れが外壁全体にある
モルタル壁が大きく割れてしまっています。
0.5mmひび割れがあちこちに出ている状態は既に寿命が近く、モルタルの作り替えかカバー工事が必要です。
補修で見た目を整えたとしても、外壁の耐久性はかなり落ちてしまっているからです。
また、大きなひびは補修跡がどうしても目立ってしまい、美観も損ねてしまいます。
②外壁が一部崩れてしまっている
モルタル壁の一部が崩れています。
崩れた箇所はモルタルを作り直すか、新しい外壁材でのカバーが必要です。
既にかなり強度が落ちているのと、内部に水が入っている可能性が高いため、補修ではなくしっかりした工事で直す必要があります。
2章 寿命がきたらモルタル作り替えorカバー
築30年をすぎ、ひび割れや崩れた箇所が出てきたら、モルタルの作り替えor外壁カバー工事が必要です。
作り替えはモルタル外壁を一から作り直す工事(左官工事)で、
カバーは金属やセメントでできた外壁材を上から重ね貼りする工事です。
モルタル壁の一部作り直し
出典: 中古住宅を DIY カスタマイズしよう 住宅リノベイターS 匠レポート
傷んだ部分のモルタル壁を一度剥がし、もう一度モルタル壁を作り直しています。
全面的な改修だけでなく、一部分だけの修繕ができます。
一部作り直しは約3,500~7,000円/㎡ほどかかります。
(ただし、外壁内側の下地まで作り直す必要がある場合は追加で約7,000円/㎡程必要になります。)
注意:作り直した箇所は少し目立つ場合がある 作り直した箇所は、周りの外壁と少し違って見えて、ここを直したんだな、というのが分かってしまうことがほとんどです。 年数が経った元の外壁と新品の外壁では、どうしても表面の質感などの差が出てしまうからです。 少しでも跡を目立たなくしたい…という方は、外壁全体や、補修した面全体の塗装を行いましょう。 |
外壁カバー工法
モルタル外壁の上に、新しい外壁材をかぶせる工事です。写真は金属外壁をかぶせています。
カバー工法は近年人気が増していて、お洒落で耐久性のある建材も多いです。
費用相場は、約3,500~6,000円/㎡ほどです。(足場代やその他諸経費は別途かかります)
お家全体の工事はもちろん、特定の1面だけ、という工事も可能です。
>外壁カバーについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
3章 寿命がまだなら定期点検&外壁塗装で長持ち
寿命がまだ来ていないなら、年に一度の定期点検と、適切な時期での外壁塗装を行いましょう。
定期的に点検・塗装をしておくと、傷んだ場所を早期発見・補修できるためモルタル壁の寿命を縮めずにメンテナンスができます。
点検はリフォームを扱う業者に依頼すれば、無料で行ってもらえることが多いです。
モルタル外壁は、塗装せずに年数が経つと表面から水を吸収し、お家の木造部まで傷んでしまいます。
■水を吸収し、腐食してしまった家
木造部まで傷んでしまうと、外側だけでなく内側の大規模な大工工事が必要となり、何十万と余計な費用が掛かってしまいます。
モルタルを寿命まで持たせるためにも、定期的な点検・塗装を行いましょう。
次の章で、塗装が必要なサインを紹介します。
モルタル壁の寿命がまだ来ていないなら、適切なタイミングの塗装で長持ちさせましょう。
4章 寿命を延ばす為の塗装の目安
モルタルを塗装すべき目安は、5つの症状から判断できます。
築5~7年をすぎると出てくることが多いです。
1つでも当てはまったら、塗装が必要なサインですので、見逃さないようにしましょう。
4-1 水をかけると染み込む
ホースや霧吹き等でモルタルに水をかけてみましょう。
写真のように水が染み込んで色が濃くなる・跡が残るようなら、塗装が必要なサインです。
表面の防水塗装が弱って、モルタルが常に水を吸っている状態だからです。
このまま放置すればひび割れや苔・カビの原因となり、寿命を縮めてしまいます。
■健康な状態の外壁
水をかけたときに染み込んで色が変わらず、水玉ができて弾かれています。
この状態ならまだ塗装が効いているため、モルタルも健康に保たれています
4-2 手に粉がつく
外壁を触ってみて、手に粉がつくなら塗装が必要です。
これも、表面の塗装が水を弾かなくなったサインだからです。
塗料は水を弾くための「油」と、色付けのための「粉」でできています。
しかし、何年も紫外線を浴びることで油分は徐々に無くなってしまいます。
そのため粉だけが残って、触ると手に粉がつく状態となります。
油が無い=水を弾かない状態のため、放置するとひび割れ・苔・カビなどの原因になりモルタルの寿命を縮めます。
早めの塗装を行いましょう。
4-3 苔・カビが発生している
モルタルが緑色or黒色に変色していたら、塗装が必要です。
緑色のものは苔、黒色はカビが発生している状態です。
放置すると繁殖し根を張って、モルタルの寿命を縮めてしまいます。
苔やカビは、特にお家の北側・日陰など日が当たりにくく、湿気がこもりやすい場所に多いです。
これも塗装で水を弾く状態なら発生しにくくなります。
見つけたら早めに塗装を検討してあげましょう。
4-4 ひび割れがある
ひび割れが一か所でもあるなら、補修と塗装が必要です。
実はひび割れの原因も、モルタルが水を弾かなくなってしまったからです。
モルタルは水を弾かなくなると、雨水を吸収してわずかに膨張します。そして乾燥すると収縮します。
この吸水による伸び縮みを何度も繰り返すことで、モルタルにひび割れが発生します。
単にひびを埋めるだけでは根本解決にならず、他の場所がまた割れてどんどん寿命を縮めてしまいますので、早急に塗装して劣化を食い止めましょう。
4-5 表面が剥がれている
モルタル表面が剥がれている場合も、塗装が必要です。
下地が露出してしまっている状態の為、雨水がここからも染み込んでしまうからです。
水が回ると、モルタルは一気に弱って寿命が縮んでしまいます。
早めに補修、塗装をしてあげましょう。
また放置すると、家の内部にまで雨水が染み込み、雨漏りの原因にもなってしまいます。
まとめ
いかがでしたか?最後にこの記事をまとめます。
【1章まとめ】
モルタル外壁の寿命は、適切なタイミングでメンテナンスをして約30年です。
メンテナンスを何もしなければ寿命はどんどん縮んでしまいます。
現状のモルタル外壁が寿命かどうか判断するサインは以下の2つです。
①大きなひび割れが外壁全体にある
②モルタルが一部崩れてしまっている
【2章まとめ】
寿命がきたらモルタル作り替えかカバー工事を行いましょう。
モルタル作り替えは、モルタル壁を剥がし新しく外壁を作り直す工事です。
カバー工事は、モルタルの上から新しい外壁材をかぶせる工事です。
【3章まとめ】
寿命がまだ来ていないなら、定期点検と外壁塗装で長持ちさせましょう。
なにもせず放置していると、お家の木造部まで傷んでしまいます。
寿命まで持たせるためにも、定期的に塗装・点検を行いましょう。
【4章まとめ】
モルタルの寿命を延ばすための塗装時期の目安は、以下の5つの症状があるかどうかです。
- ①水をかけると染み込む
- ②手に粉がつく
- ③苔・カビが発生している
- ④ひび割れがある
- ⑤表面が剥がれている
モルタル外壁は、メンテナンスさえきちんと行えば30年持つ優れた外壁です。
傷みは放置せず、早めの塗装や補修で安心して暮らせる状態を長持ちさせましょう!
お読みいただき、ありがとうございました。
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