「そろそろモルタル外壁を塗装した方がいい」と言われたあなた。
しかし今まで塗装なんてやったことがないと、金額はいくら?普通はいつ頃やるものなの?具体的にどうすればいいの?等、気になることも多いかと思います。
そこでこの記事では、モルタル塗装のタイミングや費用相場などの基礎知識についてご紹介します。
ただ、モルタル塗装は他とは違う特徴もある外壁です。
良い工事にするための、モルタル塗装ならではの注意点も合わせて解説します。
記事を読むことで、ご自宅に適切な塗装が分かり、モルタル壁をしっかり長持ちさせられるようになります!
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
1章 モルタル塗装すべきタイミング
まずは、あなたのお家のモルタル外壁に塗装が必要かを見極めましょう。
年数の目安と、その際にどのような劣化症状がでるのかを紹介します。
1-1 塗装すべき時期は築後5~8年
モルタルを塗装すべき時期は、築後5~8年ほどです。
さすがに早すぎない?と思うかもしれません。
しかし実は新築時にされている塗装は3~5年くらいで劣化し始め、それを過ぎるとどんどん傷みが進んでしまうため、本来ならこのぐらいで再塗装してあげるのがベストなのです。
塗装はモルタルを雨水や摩耗から守る役割をしていますが、主に紫外線によって弱ってしまいます。
塗装が弱ったまま放置すると、モルタルが傷んでひび割れや雨漏りを起こす原因となります。
適切な時期で塗り替えて、モルタルの劣化を食い止めてあげましょう。
1-2 塗装のタイミングが分かる!劣化症状5つ
塗装のタイミングが分かる代表的な劣化症状を5つご紹介します。
1つでもあてはまるものがあれば、お家に塗装が必要なサインです。
ご自宅のモルタルに当てはまるものが無いか、チェックしてみましょう。
①水をかけると染み込む
ホースや霧吹きなどで、水をかけてみましょう。
写真のように染みができるようであれば、塗装が必要なサインです。
紫外線で表面が劣化し、水を吸収する状態になってしまっているためです。
新築時は表面が塗装されていて、水を弾く状態となっています。
しかし、何年も紫外線にさらされていることで劣化してしまうのです。
このままにしておくと苔・カビ、ひび割れ等の原因となります。
これ以上劣化を進めないためにも、塗装が必要です。
②触ると手に粉が付く
モルタル壁を触ってみましょう。外壁と同じ色の粉が付くようであれば、塗装が必要です。
これも、「もう塗装が水を弾いていませんよ」というサインだからです。
塗料は色を付ける「粉」と水を弾く為の「油」でできていますが、年数が経つと「油」は分解され「粉」だけが残ります。
「油」が無い=水を弾く効果がない、ということです。
モルタルが常に水を吸う状態ですので、放置するとどんどん劣化が進みます。
③コケやカビが発生している
苔やカビが生えている場合も、塗装が必要です。
表面の塗装が弱って、モルタル自体がジメジメしている証拠です。
お家の北側・日陰など湿気が多いところに特に発生しやすいです。
カビも苔も放置するとどんどん根を張って繁殖し、モルタルの耐久性を落としてしまいます。
お家の寿命を縮めないためにも、見つけたら塗装を行いましょう。
④表面にヒビが入っている
ひび割れがあった場合も、塗装が必要です。
特に0.3~0.5mm以上の物は雨水が多く入ってしまい、大変危険な状態ですので、急ぎ塗装を検討しましょう。
ひび割れはモルタルが水を吸収して膨張、乾燥して収縮、という動きを繰り返すことで起こります。
水を吸う状態だと、補修してもいたちごっこで別の場所がひび割れてしまいます。
そのため、ただひび割れを埋めるのではなく、全体の塗装が必要です。
⑤表面が剥がれている
表面が剥がれている場合も、塗装が必要です。
下地が露出している状態なので、雨水が外壁やお家の中まで染み込んでしまいます。
剥がれた所を補修した上での塗装が必要です。
2章 モルタル塗装の費用相場
※30坪、二階建ての場合の概算
モルタルの塗装費用は、主に使う塗料で金額が変わります。
耐用年数が長くなればなるほど、費用も高くなります。
どの塗料を選ぶのかは、予算やライフプランに合わせて選びましょう。
この表にある費用はあくまで目安です。
実際にはお家の形状やデザイン、状態によっても費用は異なります。
正確な費用を出す場合は、必ず業者に来てもらってご自宅用の見積を作成してもらいましょう。
4章 モルタル塗装4つの注意点
モルタル塗装の時には、注意しなければいけない点があります。
知っておくことで、「こんなはずでは…」という失敗を防いで良い工事にすることができます。
工事をするまえに、必ず押さえておきましょう。
4-1 2色使いの柄は塗装で消えてしまう
■二色使いのモルタル壁
複数色のモルタルを使って作られた柄は、塗装すると塗りつぶされて消えてしまいます。
柄を作るには専用の道具や材料が必要なため、塗り替えでは再現できないからです。
どうしても残すとなると、一からモルタル外壁を作り直す大がかりな工事となってしまいます。
このようなモルタル壁の方は、残念ながら新築時の模様は残せませんが、心機一転、新しい色に塗り替えです。
様々な色の中からお気に入りの一色を見つけてみましょう。
4-2 塗料の吸い込みが増え、工期が伸びる場合がある
劣化が激しかった場合、モルタルが塗料を多く吸ってしまうことがあります。
そうすると、十分な厚さまで塗るのに時間がかかり工期が少し伸びてしまう可能性があるので覚えておきましょう。。
また吸い込んだ分、当初の予定よりも塗料の使用量が増えるため、業者によってはその分の追加料金を請求してくるところもあります。
モルタル塗装を依頼する際は念の為、吸い込み状況が大丈夫か、塗料の追加料金がかかるかどうか聞いておくと安心です。
4-3 ヒビの補修跡が残る場合がある
モルタル外壁にできたヒビは、塞ぐことはできても、跡を完全に消せない可能性があります。
モルタルは細かい凹凸があって温かみがあるのが特徴ですが、ヒビの上から補修材を入れると、どうしてもそこだけ質感が変わってしまうからです。
■ひび割れ補修して塗装した壁 補修材はモルタルと質感が違うため、光の当たり方によっては目立って見えることがあります。 |
幅0.3mm以下のヒビなら、塗装だけでほぼ埋められるため、跡もあまり目立ちません。
しかしそれ以上の大きなヒビになると、別途補修材を使う必要があり、その跡が残ってしまうことがあります。
モルタル壁は、できるだけヒビが無いうちに塗装をしてあげましょう。
4-4 つや有塗料だと風合いが薄れる恐れがある
外壁塗料は大きく分けてつや無・つや有の二種類があります。
スタンダードなのはつや有塗料ですが、モルタル外壁に塗装すると、細かい凹凸やマットな質感が薄れてしまいます。
■つや有塗料で塗ったモルタル
つやが出て、仕上がりは綺麗ですが、モルタル独特の風合いは薄れてしまいます。
しかし最近では、モルタル外壁向けのつや無し塗料も販売されています。
■モルタル外壁向けのつや無し塗料の例
出典:菊水化学工業株式会社
■つや無し塗料を塗ったモルタル
つやが無く、モルタルの細かい凹凸に入り込むタイプの塗料です。
マットな仕上がりで、新築時の風合いをそのまま残せます。
モルタルの風合いが気に入っている方や、つやを目立たせたくないという方は、つや無し塗料を選びましょう。
4章 モルタル塗装工事の流れ
モルタル塗装工事の流れと注意点を紹介します。
工事中は足場が建つなど、いつもの生活と変わる点が多く、不便に感じてしまうこともあります。
事前に工事内容を知っておくことで、工事中も気持ちよく過ごしたり、トラブルを防いだりできますので、工事前に大体の流れを知っておきましょう。
①足場組み立て 期間:半日程度
塗装に入るまえに足場を組んでいきます。
高所でも安全に工事するために、足場は必須です。
・足場の組み立て時は大きな音が響いたり作業でトラックを停めることもあります。前後でご近所へのあいさつを行ってもらうよう、業者に依頼しましょう。
・ご自身の車は別の場所に停めておきましょう。資材の運搬時にぶつかってしまうおそれがあります。
②高圧洗浄 期間:半日~一日程度
外壁やほかの塗装する箇所など、お家全体を高圧洗浄機で洗い流していきます。
苔、カビ、汚れを十分に落とすことで、塗装した際に塗料がきちんと定着するようになります。
塗装の仕上がりに大きく影響する大事な作業です。
・駐車場の土間や擁壁、ブロック塀なども、事前に依頼さえしておけばついでに洗浄してもらえるケースがあります。自分で掃除するとなると大変です。汚れが気になる箇所があれば、契約段階など早いうちに相談してみましょう。
・洗濯物は部屋干ししましょう。水が飛び散り、洗濯物が汚れてしまうおそれがあります。
・お隣やお向かいにも水が飛ぶ可能性があるので、ご近隣への挨拶時には洗浄日もお知らせしてもらいましょう。
③養生 期間:一日程度
窓、ドア周りや土間等をビニールのカバーで覆っていきます。
塗料で周りを汚さないようにするためです。
・基本的に窓は開け閉めできなくなります。どうしても換気等のために開けたいところがあれば、業者に相談しましょう。開け閉めできるように工夫して養生してもらえる場合があります。
>養生についてより詳しくはこちら
④ひび割れ補修 期間:一日~二日間程度
大きなひび割れや欠けなどがあれば、補修材で埋めていきます。
塗装する前に行うことで、補修跡を目立たなくすることができます。
⑤下塗り 工事期間:一日から二日間程度
3回塗りのうち1回目の塗装を下塗り、と言います。
下塗り材はモルタル壁と塗料間での接着剤の効果や、細かいひび割れを埋める効果があります。
一般的には白色のことが多いです。
・塗料を使用する作業に入るため、多少の匂いが発生します。人体に害はありませんが、どうしても気になる方は作業中のみ外出をおすすめします。
>下塗りについて詳しくはこちら
⑥中塗り 期間:一日程度
中塗り・上塗りは同じ塗料を使います。
(塗り残しがないかどうか確認するために、上塗りと違う色を使用するケースもあります。)
ここから色がつくので、一気に家の雰囲気が変わっていきます。
⑦上塗り 期間:一日程度
もう一度同じ塗料を塗っていきます。
中塗り、上塗りと二回に分けて塗ることで、剥がれにくく、塗料の効果も最大限発揮できるものになります。
⑧養生払い、付帯塗装 期間:一日~二日程度
養生払いは、汚れ防止のために窓やドア周り等を覆っていたビニールを外していく作業です。
また雨どいなどの外壁以外の部分を「付帯物」と言いますが、こちらも塗装する場合は外壁塗装が一通り終わってから行います。
>付帯物の塗装について詳しくはこちら
⑨手直し、清掃 期間:一日程度
塗料はみ出したり飛び散ったりしていた箇所があれば、この段階で修正します。
またお家周りの清掃を行います。
⑩足場解体、完成 工事期間:半日程度
塗装が完了したら、足場を撤去します。
足場は塗装の進み具合をみながら日程を決めるため、塗装の終了から何日か日程があく場合があります。
・この作業も足場組立時と同様に大きな音の出る作業の為、ご近所へのあいさつや対応を業者に依頼しておきましょう。
・解体日当日は、ご自身の車は別の場所に停めておきましょう。組み立ての時と同じく、資材の解体や運搬の際にぶつかってしまうリスクがある為です。
・修正用に塗料を少しもらっておくと、工事後にちょっとモノをぶつけてしまった…などのときにもすぐ跡の補修ができて安心です。
5章 さらに魅力的に!モルタル塗装の事例10選
ここでは、当サイト運営・ユーコーコミュニティーの12,000件以上の実績の中から、特に素敵なモルタル外壁のお家の事例を紹介します。
外壁の色はお家の印象を大きく左右する大事なポイントです。
洋風のお家、和風のお家、特に人気の色などを抜粋していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
①ネイビーの外壁でモダンな印象に
同系色のツートンカラーを、ネイビーとベージュの組み合わせに塗り替えました。
コントラストの利いた配色なので、他のお家と違ったデザインにしたい方にお勧めです。
>モダンな格好良い印象にするコツなどはこちら。
②ホワイト×ベージュでナチュラルテイストに
外壁の一部のみ、淡いベージュにしました。
優しく、飽きのこない配色にしたい方にお勧めです。
>ナチュラルな印象にしたい方は、こちらの事例も参考にしてみてくださいね
③アクセントカラーでメリハリの利いたデザインに
外壁を淡い色にし、あえて雨戸を赤色に塗り替えています。
1色のデザインは単調になりがちですが、目立つ色を少しだけ入れることで素敵な配色に仕上がります。
④ブルーグレーで重厚感ある和風のお家
グレーから、ブルーグレーに塗り替えています。
落ち着いた色が和瓦の重厚感ある雰囲気ととてもよく合います。
色褪せや汚れが目立ちにくい色なので、素敵なデザインを長く楽しめるメリットもあります。
>グレー系の事例をさらに見たい方はこちら
⑤淡いベージュで穏やかな印象にイメージチェンジ
白から淡いベージュ系の色に塗り替えました。
土壁や漆喰を彷彿とさせる色合いは、和瓦のお家にぴったりの色です。
せっかくだから、明るい印象にしたい!という方にもとても人気がある色です。
>特におしゃれなベージュ系のお家を厳選してまとめました
⑥モノトーンな配色で都会的な印象に
白と黒のコントラストが都会的な配色です。
お家の個性的な形を生かした塗り分けで、さらに素敵に仕上がっています。
⑦ビビッドなオレンジ色で明るい雰囲気に
白い屋根がビビッドなオレンジ色をさらに引き立てています。
明るく優しい印象になることから、最近人気が出てきている色の一つです。
オレンジ色の外壁の事例をさらにご覧になりたい方は、こちらの記事をご覧ください。
→オレンジの外壁で明るい家に!おしゃれな事例30選とおすすめの配色
⑧ネイビーのアクセントが目を引く、シンプルモダンなお家
外壁の色に人気なベージュをベースに、シンプルモダンなお家に仕上がりました。
黄色がかったベースカラーなので、ネイビーのアクセントがさらに引き立ちます。一味ちがう外壁にしたい方におすすめです。
⑨ヨーロピアンなデザインが素敵なお家
洋風なデザインの瓦に淡いグレーの外壁で、海外のお家のような雰囲気に仕上がりました。
飽きの来ない色がいいな…という方にもおすすめです。
⑩黄色の外壁で家全体を明るい印象に
屋根の黒と黄色の外壁で、明るい印象の組み合わせに仕上げました。
強すぎない色味は、せっかく塗り替えるなら明るい印象にしたい!という方にぴったりです。
>黄色の外壁の事例をさらにご覧になりたい方はこちら
6章 塗装は塗装専門業者に依頼しよう
モルタル塗装工事は、塗装の専門業者に依頼しましょう。
なぜなら、モルタル外壁は塗料の選び方など、専門知識がないと仕上がりに大きく差が出てしまうからです。
ハウスメーカーやリフォーム全般をやっていて、その中で「塗装”も”やっている」ぐらいの業者の人は、そこまでの専門知識がない可能性があります。
十分な知識がないと、施工後のイメージ・お家の状態にあった塗料を提案してもらえず、思った通りの仕上がりにならなかった…
という事態になる恐れもあります。
塗装専門で行っている業者なら、モルタル塗装のノウハウもあり安心して任せられます。
塗装の際は、専門の職人がきちんといるような、塗装専門業者に依頼しましょう。
まとめ
モルタル塗装すべきタイミングは築後5~8年ごろです。
築年数以外にも、劣化症状の有無で塗装が必要かどうか判断することができます。
モルタル塗装の費用相場は、どの塗料を選ぶかによって変わります。
予算やライフプランに合わせて選びましょう。
また、モルタル塗装の注意点は4つあります。
- ①2色使いの柄は塗装で消えてしまう
- ②塗料の吸い込みが増え、工期が伸びる場合がある
- ③ヒビは完全に消せるわけではない
- ④塗料によって仕上がりが異なる
大切なお家の塗装工事で失敗しないために、ここは必ず押さえておきましょう。
モルタル外壁は、塗料選びや外壁の状態によって仕上がりが左右されます。
良い工事にするためにも専門業者に依頼しましょう。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
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