外壁の一部だけ色あせや傷みが気になるけど、他はまだ綺麗な状態。
一部だけ塗装するのってアリなのかな?
できるなら最低限の工事でお安く済ませたいな。
こんな風にお考えの方も多いのではないでしょうか。
確かに、外壁全体の塗装はお金がかかりますし、お家の劣化は面によって進行が違うので、いま症状が出ているところだけ手当てして済むならそのほうが良いですよね。
実際、一部だけの外壁塗装をすること自体も可能です。
しかし残念ながら、プロの目線では部分塗装はおすすめできません。
全面塗装と比べてデメリットの方が多いからです。
かえってお金がかかってしまったり、お家の傷みが進んでしまったりと、将来的に損をする可能性の方が高くなります。
この記事では、一部だけの外壁塗装(部分塗装)をおすすめしない理由と全面塗装との比較を、住宅メンテナンスの専門家の視点で解説します。
無駄のないお手入れができるようになりましょう。
ただ、そうは言っても全面塗装するお金がない…と困ってしまう方もいますよね。
そんな方のために、費用負担を少なく塗装できる解決策も伝授します。
後回しにしていたら結局大規模な工事になってしまった!という最悪のパターンを避けましょう。
最後までお読みいただければ、最低限のコストで一番無駄なく、お家を長持ちさせることができます。
ぜひしっかりご覧になってくださいね。
目次
1章 一部だけの外壁塗装(部分塗装)をおすすめしない4つの理由
ちょっとした外壁の劣化が気になるとき、その部分だけを塗装すればいいのでは?と考えますよね。
しかし一部だけの外壁塗装(部分塗装)は、残念ながらおすすめしません。
全面塗装と比べてデメリットが多く、様々な面で損をするリスクが高いからです。
具体的には以下の4点です。
- ・何回も足場を立てることになり結果的にお金がかかる
- ・色・艶のムラが出る
- ・お家全体の劣化が防げない
- ・今後のメンテナンス計画が立てにくい
大切なお家のお手入れで失敗しないために、1つ1つ解説していきます。
1-1 何回も足場を立てることになり結果的にお金がかかる
一部だけの外壁塗装は、工事費用は安く済みます。
しかしそれは今回の工事だけで、実は長期的に見るとかえってコストが高くなります。
なぜなら、何回も足場を立てることになってしまうからです。
一部塗装でも、高い所の作業には足場が必要です。
足場費用は一般的な2階建て住宅でも10~20万円もかかります。
一部塗装を何度もすると毎回この足場代が発生しますが、全面塗装なら1回で済むので、トータルの工事費用はお得になります。
ムダな出費が増えてしまうので、一部塗装はおすすめしません。
1-2 色・艶のムラが出る
一部だけ外壁塗装をすると、そこだけ色や艶感が変わってムラのように見えてしまうことがあります。
塗装は経年劣化で見た目も変わってしまうからです。
例え周囲と同じ塗料で部分塗装をしても、昔塗ったところと新しく塗ったところではどうしても差が出ます。
これはどんなベテラン職人が丁寧に作業しても起こります。
見た目も美しく保ちたい方にとっても、一部だけの塗装はおすすめしません。
1-3 お家全体の劣化が防げない
外壁は吸水すると傷むため、塗装の防水効果で水を弾いて守っています。
しかし塗装は紫外線で経年劣化するため、築5~10年ほどで再塗装が必要です。
つまり一部分だけ塗装しても、他のところの防水効果は戻らないため、お家全体の劣化を防ぐことはできないのです。
塗装しなかった箇所はそのまま吸水を続けて、劣化が進んでしまいます。
大丈夫だと思って放っておくと、1~2年後にはひび割れなどが起こる危険性があります。
お家きちんと防水して守るためには、全面塗装が必要です。
1-4 今後のメンテナンス計画が立てにくい
一部だけ塗装をすると、次いつ塗装するかのメンテナンス計画が立てにくくなってしまいます。
「ここは大体10年後まで大丈夫だけど、こっちは2~3年後にはやらないと…」
など、すべて覚えているのは大変ですよね。
さらにお家は、外壁だけではなく、屋根や破風板、雨樋、金属部、木部など色々な箇所もメンテナンスが必要です。
「気になったところだけ」「傷んできたところだけ」をその都度やっていると、何回も足場を立てて工事する手間もお金もかかってしまいます。
最悪のパターンは、傷んでいることに気づかないうちに雨漏れなどの大きな症状になってしまうことです。
そうならないように、「○年ごとに全体をチェックして必要な工事をやる」など、今後の計画が立てやすい全面塗装をおすすめします。
2章 全面塗装でムダなくお家を長持ちさせよう!
結論として、一部塗装よりも全面塗装がおすすめです。
一部塗装のメリットは今この1回の工事費が少し安くなるだけで、それ以外のデメリット(トータル費用、見た目、お家の状態など)があまりに多いからです。
せっかくお家をお手入れしようと思ったのに、ムダな費用や心配事を増やしてしまうのはもったいないですよね。
特に私たち住宅メンテナンスのプロは、「壊れたら直す、取り替える」ではなく「将来的に一番お金がかからないようにお手入れする」という考え方をします。
塗装工事は傷んだお家を完璧な状態にリセットする工事ではありません。
あくまで劣化を食い止めるための工事です。
傷みがひどくなってからだと、塗装よりもっと高額な修繕工事が必要になるので、そうならないように定期的に塗り替えます。
今はきれいに見える外壁も、年数が経っているなら必ず劣化は進んでいます。
「傷んでるのは一部分なのに全面塗装するのはもったいないんじゃない?」とは思わずに、時期が来たらお家全体をしっかりメンテナンスしてあげましょう。
3章 一部塗装でいい例外パターン
外壁は全面塗装がおすすめですが、例外的に一部塗装でもいい場合があります。
・増改築したお家
・給湯器の交換後など未塗装部分
です。
どちらも外壁の一部だけ塗装タイミングがずれてしまっているパターンなので、一部塗装で防水効果を維持してあげましょう。
3-1 増改築したお家
お家を増改築した場合、一部だけ新しい壁で、他は古い壁のまま、という状態になることがあります。
新しい壁はしっかり防水塗装されている状態なら、無理に再塗装しなくても大丈夫です。
古い壁の部分だけを塗装しておきましょう。
次の塗り替え時はどちらも一緒に塗装して、タイミングを合わせるのがベストです。
逆に、増築した新しい部分も5年以上経っているなら、まとめて全面塗装をおすすめします。
3-2 給湯器の交換後など未塗装部分
給湯器の裏やエアコンのホースカバー下など、モノが壁にくっついているせいで物理的に塗装できなかった場所もありますよね。
交換や取り外しをした時に、その前回塗装できなかった面が露出してしまうことがあります。
このような未塗装部分は放っておくと劣化してしまいますので、そこだけ部分塗装(タッチアップ塗装)をしましょう。
足場を組まなくても届く範囲のことが多いですから、費用面も安心です。
また、配管類はお家の目立ちにくい場所についていることが多いので、色ムラで美観を損なう心配も少ないです。
タッチアップ塗装は、塗装会社がアフターサービス料金でやってくれることもあります。
まずは前回塗装した業者に連絡してみましょう。
例:タッチアップ作業 材料費(在庫があれば無し)+人件費5,000~10,000円 など
4章 どうしてもまとまったお金がないときの解決策
基本的には全面塗装をおすすめしてきましたが、そうはいっても先立つものが無くてはどうしようもない……とお困りの方もいらっしゃいますよね。
最後のこの章では、そんな方のためにお金がなくても塗装するための解決方法をお伝えします。
一番よくないのは、塗装を後回しにしたせいでさらに高額な修繕工事が発生することです。
適切なタイミングで塗装するために使える制度を有効活用しましょう。
4-1 リフォームローンを利用する
今大きな出費をするのは難しい……という方には、リフォームローンがおすすめです。
各銀行や金融機関でローンを組むことで、月々に数万円の支払いで工事を行うことができます。
ローンは金利がありますが、後々かかってしまう修繕費よりもお得です。
【ローンのシミュレーション例】 ・100万円の塗装工事を全額借入 ・120回払い(10年) ・年利2.5% とした場合 ・金利総額:131,200円 ・月々の支払:9,400円 ※金額は参考データです。 |
【数年放置してかかる修繕費】 ・クラック補修+外壁の一部張り替え:200,000~300,000円 |
数年塗装しなかった場合にかかる金額より、ローン金利の方が安く済みますね。
塗装業者によっては、業者経由で簡単に申込できる提携ローンがある場合も。
まずは業者に相談して、無理のないプランで塗装を行いましょう。
「無金利ローン」が使える場合も!
稀にですが、無金利でローンが組めるキャンペーンを行っている業者もあります。
やっぱり金利が嫌だなあ…と思う方は、無金利ローンがあるかどうか念のため確認してみましょう。
そもそも、信頼性のある業者でなければ、ローン会社は提携してくれません。
さらに無金利となると、ローン会社も一層慎重になって業者をチェックします。
ローン提携がある、無金利ローンが使える、というのは業者の信頼性が高い証拠でもありますので、ぜひ業者選びの参考にもしてください。
4-2 地元の専門業者に依頼する
全面塗装は高そうでちょっと…という方は、地元の塗装専門店から見積もりをとってみましょう。
専門店なら中間マージンがなく、人件費も抑えられるからです。
塗装工事の金額を大きく左右するのは、実は人件費や段取りの部分です。
地元専門店なら段取りの自由度が高いので、職人の動きも融通が利き、費用を抑えることができます。
逆に、ハウスメーカーや工務店などは割高になりやすいです。
お得に工事をしたい人は、ぜひ地元の塗装専門店に依頼しましょう。
4-3 助成金を利用する
市区町村で実施している助成金・補助金を使ってお得に工事する方法もあります。
そもそも助成金制度の有無や、利用条件などはありますが、使えれば1万~20万円程度の金額が受け取れる可能性があります。
外壁塗装だけで適用できる場合や、屋根を「遮熱塗装」にした場合に補助が出る場合など、内容は様々です。
まずはお住まいの自治体でどんな助成金があるのか調べてみましょう。
参考:地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト
↑こちらのサイトから助成金の有無を調べることもできます。
4-4 火災保険を利用する
塗装工事のときに台風や強風、雹などによる被害も一緒に直す場合、火災保険を活用できることがあります。
火災保険は火事だけではなく、風災・雪災等の自然災害にも適用できるプランも多いからです。
・台風で屋根が割れた、めくれた
・強風で飛んできたモノで外壁が傷ついた
・雹や雪で雨樋が歪んでしまった
などの場合は、保険適用できる可能性があります。
足場が必要な工事で保険適用できれば、その足場で一緒に塗装もしてしまえばお得にできますね。
もしも自然災害による修繕も考えている場合は、火災保険が使えないかを保険会社に確認してみましょう。
火災保険を使った悪徳業者に注意!
近年、「タダで直せますから!」「申請を代行しますよ」などの手口で契約を迫る悪質な営業が多発しています。
保険でいくらもらえるのか、そもそも保険適用できるかできないかは、保険会社が判断するものです。訪問業者が分かるものではありません。
また申請も基本的に加入者自身が行うべきで、高額な代行費も払わずとも誰でも申請できるようになっています。
そのような業者が来てもキッパリ断り、まずは加入している保険会社に相談してください。
参考:「保険で修繕できますよ」大型台風が直撃、忍び寄る火災保険詐欺集団の手口
2022/8/2 Yaho!ニュース
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ユーコーの塗装は、大手塗料メーカー様と連携した『三社保証』がつく高品質工事!
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まとめ
一部だけの外壁塗装(部分塗装)はおすすめしません。メリットよりも、以下のようなデメリットが大きいからです。
- ・何回も足場を立てることになり結果的にお金がかかる
- ・色・艶のムラが出る
- ・お家全体の劣化が防げない
- ・今後のメンテナンス計画が立てにくい
損するリスクが多い一部塗装ではなく、全面塗装でムダなくお家を長持ちさせましょう。
ただし、一部塗装でいい例外パターンもあります。
- ・増改築したお家
- ・給湯器の交換後など未塗装部分
また、どうしてもまとまったお金がないときは以下の解決策をご検討ください。
- ・リフォームローンを利用する
- ・地元の専門業者に依頼する
- ・助成金を利用する
- ・火災保険を利用する
塗装を後回しにすると、お家の劣化が進み、かえって高額な修繕費がかかってしまうリスクがあります。
最低限のコストで一番お家が長持ちするお手入れができるよう、この時期の内容をぜひ実践してくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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