うちもそろそろ外壁塗装の時期が来たなと、見積もりを取ってみたものの、
「見積もり書の見方が分からない…」
「この見積もりで本当に大丈夫なの?」
「どういうところをチェックしたらいいの?」
と見積書に不安があり調べているのではないでしょうか。
外壁塗装の見積もりは業者によって表記の仕方が大きく異なります。
中には、詳細な作業が記されておらず、本当に適正な価格なのか分からない見積もりも。
塗装の知識がないと、そういった見積もりに騙されて損をしてしまいます。
そこでこの記事では、外壁塗装工事の見積書でチェックすべき7つの注意点をご紹介します。
外壁塗装についてあまり詳しくない方でも一緒にチェックできるよう、一つ一つ丁寧に解説していきますのでどうぞご安心ください。
さらに記事の後半では、満足のいく工事にするための大切な3項目もご紹介します。
この記事を読めば、どんな業者に見積もりを依頼してもご自身で良し悪しが判断できるようになります。
大切なお家のメンテナンスを成功させるために、見積もり書からチェックしていきましょう!
1章 見積もりの注意点を理解するメリット
まずチェックポイントの前に、見積もり書を理解できるようになると、どんなメリットがあるのか解説していきます。
1-1 手抜き工事を防ぎ高品質な工事できる
見積もり書が理解できると、手抜き工事を防ぐことが出来ます。
どういうことかというと、業者の中には必要な項目や材料を、あえて見積もり書に記載しないなどの手口を使うところがあります。
詳細を書かなければ、手抜きをしやすくなるからです。
例えば… ・本来3回塗りの塗装を1回しか塗らず、「見積もりにも契約書にも3回塗りとは書いてない」と言い逃れする。 ・シリコン系塗装を使うという話だったが、見積もり書には塗料名が書かれておらず、実際に使われていたのはウレタン塗料だった。 など… |
見積もり書の曖昧な点に気付くことで、手抜き工事を防止して高品質工事にすることが出来ます。
1-2 適正価格か判断できる
見積もりを正しくチェックすることが出来れば、適正価格の見積もりなのかも判断できます。
単価が高い業者はもちろん、工事費用がやけに安い業者の落とし穴にも気付くことも可能です。
例えば… ・費用が安いと思ったら、「洗浄・養生 一式 =○○円」と作業がまとめられていて怪しい。 ・塗装費用がやけに安い。低品質の塗料を使われる?または塗料を必要以上に薄められる? など。 |
上記のような疑問を持つことができて直接業者に質問することもできます。
騙されるリスクが減り適正価格か判断できるようになります。
1-3 追加費用の発生を防げる
見積もり書を細かく確認することで、工事中・工事後の追加費用を防ぐことが出来ます。
よくあるのが、「見積もりが一番安いからその業者に決めたのに、いざ工事が始まったら追加費用がかかってかえって損をした。」というケースです。
業者は見積もりに記載されていない作業は行わないので、追加工事・追加費用を発生させないた目にも細かい項目のチェックを行なっていきましょう。
2章 【NG例付き】見積書で注意すべき7つのポイント
外壁塗装工事の見積もりでチェックすべき7つの注意点を解説します。
事例を交えてわかりやすくご説明していきますので、一緒に確認していきましょう!
☑ 必要な項目が記載されているか ☑ 使用される塗料・メーカーが記載されているか ☑ 足場がクサビ式(ビケ)足場になっているか ☑ 外壁・屋根の塗装が3回塗りになっているか ☑ 一式という表記が多く使われていないか ☑ 詳細な作業内容が備考欄に記載されているか ☑ 塗料の耐用年数や保証年数が記載されているか |
※一つでも気になるところがあれば注意が必要です!
2-1 必要な項目が記載されているか
まずチェックしていただきたいのが、必要な項目が記載されているかです。
必要項目が入っていないと、手抜き工事に繋がってしまったり、追加費用を請求されてしまう恐れがあります。
■外壁塗装で必要な項目一覧
∇塗料ごとの費用相場(3回塗りの合計)
ウレタン | 1,700~2,500円/㎡ |
シリコン | 2,300~3,500円/㎡ |
フッ素 | 3,500~4,800円/㎡ |
無機 | 4,300~5,500円/㎡ |
∇外壁塗装工事で必要な項目
仮設足場 | 700~900円/㎡ |
メッシュシート | 100~200円/㎡ |
高圧洗浄 | 200~300円/㎡ |
養生 | 300~500円/㎡ |
コーキング打ち替え (モルタル外壁は不要) | 800~1,200円/m |
コーキング増し打ち (モルタル外壁は不要) | 700~1,000円/m |
破風板 | 800~1,400円/m |
軒天 | 1,000~1,800円/㎡ |
雨戸・戸袋 | 2,000~3,500円/枚 |
シャッターBOX | 2,000~3,000円/個 |
霧除け・出窓天板 | 2,000~3,000円/個 |
雨樋 | 1,000~1,800円/m |
換気フード | 2,000~3,000円/個 |
水切り板金 | 300~800円/m |
廃棄物処理 | 20,000~40,000円/一式 |
材料運搬、交通費 | 20,000~40,000円/一式 |
上記の項目が記載されているかチェックしましょう。
もし記載がない場合は、なぜ記載がないのか、作業はきちんとやってもらえるのか確認する必要があります。
【NG例】必要な項目が記載されていない
本来、外壁塗装工事で必要な附帯物の塗装が記載されていません。
この見積もりでは付帯物は塗装してもらえない可能性が高いので必ず記載してもらいましょう。
2-2 使用する塗料・メーカーが記載されているか
次に、見積書に使用する塗料名やメーカー名が記載されているか確認しましょう。
外壁用の塗料は、多くのメーカーが様々な機能を持った塗料を製造しており、どの塗料にも、向き不向きがあります。
例えば日当たりが悪い立地の家に光触媒(太陽光で汚れを落とす機能)の塗料を選んでも、そもそも太陽光が当たらないので機能が発揮されずあまり意味がありません。
このように、ご自宅に合った塗料を選ぶためには、どこのメーカーの何という塗料で、どんな機能があるのかが分かる必要があります。
見積もり書に記載があればご自身でもインターネットで調べることができるので安心です。
★オリジナル塗料に注意 「弊社では30年以上持つオリジナル塗料を使用します」とオリジナル塗料を勧めてくる業者には注意しましょう。 そもそも塗装店やリフォーム会社が、塗料メーカーに勝る技術力を持っているとは考えられませんよね。 オリジナル塗料(OEM塗料)は、企業が塗料メーカーに塗料を製造してもらい、ラベルを自社製のものに変えたものになります。 オリジナル塗料だと、インターネットでも調べることが出来ないので自宅に合っているのかも判断できません。 |
2-3 足場がクサビ式(ビケ)足場になっているか
3つ目に確認すべき重要なポイントは「足場」です。
外壁塗装工事に必須な足場ですが、クサビ式(ビケ)足場を使用すると見積もりに明記されているか確認しましょう。
そもそも足場には「単管足場」と「クサビ式(ビケ)足場」の2種類があります。
単管足場は簡単にいうと、鉄パイプをつなげただけの足場で安全性が低く丁寧な作業も出来ません。
そして、外壁塗装工事のような2m以上の工事では労働安全衛生法でも使用が禁止されており、通報されると工事がストップしてしまうことも。
しかし、クサビ式(ビケ)足場よりもコストがかからないので、単管足場を使用している業者はまだ存在します。
足場費用の安さを求めて「足場代無料サービス」「足場代半額!」に惹かれると、この単管足場を使われてしまう恐れがあります。
そのため、見積もり書にも足場架設の項目にクサビ式(ビケ)足場と記載してくれているかチェックしましょう。
2-4 外壁・屋根の塗装が3回塗りになっているか
4つ目に確認すべきポイントは、外壁や屋根の塗装回数が3回になっているかどうかです。
外壁・屋根塗装は「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3回塗りが仕様となっているものが多いです。
たまに「うちはサービスで4回塗ります!」という業者もいますが、塗料回数が多ければいいというわけではありません。必要以上の塗装はかえって剥がれやすくなります。
メーカーが定めた基本仕様の回数を守ってこそ、塗料本来の耐久性が発揮できるのです。
しかし「外壁塗装 一式 =○○円」と記載してしまえば1回でも3回でも塗装は塗装。
払う金額は同じなのに、耐用年数で差が出てしまいます。
そのため、見積もり書に下塗り・中塗り・上塗りの3工程だと分かるように記載されているかチェックしましょう。
★塗料や建材の劣化状況によっては2回塗り・4回塗りも場合も! 塗料の種類によっては、2回塗りが仕様になっている場合もあります。 また、普段3回塗りの塗料でも、劣化状況が著しい場合には下塗り2回の計4回塗りで塗装が必要なケースもあるので、塗料ごとの仕様に合った回数を確認しておきましょう。
■塗料カタログの標準施工仕様の内容をチェック! 出典:水谷ペイント「ナノコンポジットW」カタログより ナノコンポジットWをモルタル外壁に塗装する際は、下地の状況によって塗装回数が変わります。 |
2-5 一式という表記が多く使われていないか
5つ目のチェックポイントは「一式」という表記が多くないか、各項目、数量と単価が記載されているかです。
お家は一軒一軒、形や大きさが異なるので細かく計測をして数値を出すことが必須になります。
それにも関わらず、「一式」の表記が多い場合は、その業者は一軒ずつ計測しておらず適当に見積もりを出していると判断して良いでしょう。
【NG見積もり】ほとんどの項目が一式表記になっている
足場架設や洗浄・養生など、ほとんどの作業が一式になっており明確な数値が出されていません。
数量・単価の記載がないと、適正な価格で出されているのか判断することができないので、こういった見積もりはNGです。
2-6 作業内容の詳細が備考欄に記載されているか
6つの目に確認してほしいところが、作業内容が詳細に分かる見積もりになっているかです。
なぜなら、作業項目の内容には、業者と消費者の間で認識の差が出ることがあるからです。
例えば、「下地補修」と書いているだけでは、何をどのように補修するのか明確ではありません。
そのため、備考欄に「パテでひび割れを補修」など詳細な作業内容が書いてあると良いでしょう。
【NG例】作業の内容や範囲が曖昧になっている
下地処理や附帯塗装など、何をどのように、どこまで行なってくれるのか分からないようになっています。
この見積もりでは業者との間に認識の差が出てしまうので満足のいく工事にならない恐れがあります。
2-7 塗料の耐用年数や保証年数が記載されているか
7つ目に確認してほしいのが、塗料の耐用年数や保証年数が記載されているかです。
「うちは保証が付いてます!」「この塗料は20年以上持ちます!」と口ではいくらでも言えてしまいます。
ただし、書類に記載がされていなければ万が一のときに保証してもらえない場合も。
塗料の期待耐用年数や、保証年数は、必ず見積もり書や契約書などの書類に記載してもらうようにしましょう。
【OK例】下枠に保証内容が記載された見積もり
3章 後悔のない工事にする大切な3項目
見積もり書チェック以外に、後悔のない工事にするために覚えておいていただきたい3つの項目がります。
工事後に「こんなはずじゃなかった!」と思わないようにこちらも把握しておきましょう。
3-1 点検の時点で工事個所を打ち合わせしておく
業者に点検をしてもらう時点で、どこからどこまでの見積もりを出してもらうか確認しましょう。
一言で「外壁・屋根塗装工事」と言っても、その範囲は人によって認識に差が出ます。
「普通ここも直すでしょ!」と思い込んで工事を進めてしまうと、「ここも塗ってくれると思ったのに!」と後悔が残ることも。
こういった食い違いが起きないように、できるだけ詳細に打ち合わせをしておくことをおすすめします。
ただ、そのためには外壁・屋根塗装工事の際にどこを塗装すべきなのかを認識することが大切です。
外壁・屋根塗装工事で一緒に塗装する主な付帯物は以下の部分です。
※鉄部・塩ビ素材のものは塗装します。アルミ製のものは一般的に塗装しません。
◆外壁塗装時に必須の付帯箇所について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
3-2 見積もりの説明を丁寧にしてもらう
見積もりを提示してもらうときは、一項目ずつ作業の説明をしてもらいましょう。
これは、先ほども言った作業の認識の差をなくすためです。
説明がないと、ご自身で思っていた作業とは違う仕上がりになり残念な気持ちになってしまうこともあります。
また、塗料の説明も同じです。
ただ見積もりに「○○メーカー/▲▲塗料」と記載されてもどれだけ良い塗料なのか分からないですよね。
そのため、業者が提案する塗料がどんな特徴や効果があるのか直接説明をしてもらいましょう。
書類だけでなく、説明も丁寧な業者だと安心です。
3-3 口約束はせず書面に残してもらう
どんなに小さな作業で合っても、口約束はせずに書面に残してもらいましょう。
口約束は、本人同士の記憶にしか残りません。
もしあなたが覚えていても、業者が忘れてしまったり、とぼけたり、担当が辞めてしまったりした場合は約束は無効になってしまう可能性もあります。
そのため、絶対にやってほしいことがあるのであれば口約束でなく契約書などに書面で残してもらうようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか。
外壁塗装工事の見積書は、業者によって作業の記載の仕方が違うので、チェックの仕方が難しいです。
ただ悪徳業者や知識のない業者は見積もり判断によって避けることができますので以下の7点を細かくチェックしていきましょう。
☑ 必要な項目が記載されているか ☑ 使用される塗料・メーカーが記載されているか ☑ 足場がクサビ式(ビケ)足場になっているか ☑ 外壁・屋根の塗装が3回塗りになっているか ☑ 一式という表記が多く使われていないか ☑ 詳細な作業内容が備考欄に記載されているか ☑ 塗料の耐用年数や保証年数が記載されているか |
さらに、見積書以外でも、業者と綿密に打ち合わせを行ない後悔のない工事にしていきましょう!
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⇒屋根塗装の見積もり例を大公開!損しないためにチェックすべき5項目
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