塗装に欠かせない「シーラー」を徹底解説!3つの役割と種類・注意点

シーラー

 

外壁塗装や屋根塗装をはじめ、塗装工事に使われる「シーラー」

 

「外壁塗装の見積りにシーラーって書いてあったけどどんなものなの?」

「自分で塗装をしたいんだけど、本当にシーラーって必要なの?」

と分からないことも多いのではないでしょうか。

 

シーラーとは下塗りの一種で、塗装工事においては無くてはならないものです。

シーラーを塗らなかったり、間違った塗り方をしてしまうと、剥がれやムラが発生します。

 

ただ、具体的にどんなものなのか分からないですよね。

そこで今回は、シーラー」の役割や種類などの基礎知識をご紹介します。

また、記事の後半では実際にシーラーを使う際の注意点もご説明しますので、ご自宅の塗装工事を成功させていきましょう!

 


1章 シーラーとは|フィラー・プライマーとの違い

比較表

 

シーラーとは「下塗り材」の一種で、塗装作業で最初に塗る塗料のことです。

語源は「seal(シール)」「接着する・覆い隠す・塞ぐ」という英語で、下地を調整して密着性を高める効果があります。

シーラーの他にも「フィラー」や「プライマー」などの下塗り材も存在します。

シーラーとの違いをご紹介します。

 

プライマー

プライマーは「primary(プライマリー」=「最初の」が語源で、「初めに塗る塗料」として下塗り塗料の総称です。

ただし、実際に使用されるプライマーは「錆止め塗料」として金属を塗装する際の下塗り材として使用されることが多いです。

◆プライマーについての詳細はこちら

 

▪フィラー

フィラーは「filler」=「詰め物・埋めるもの」が語源になっていおり、主にモルタル外壁のひび割れなどを滑らかにする、補修用の下塗り材です。

ヒビや凹凸の補修が主な役割なので、ドロッとしています。

 


2章 シーラーの3つの役割

下塗り

シーラーはとても重要なものです。

なぜなら塗装において3つの役割があるからです。

3つの役割について詳しくご説明していきます。

 

2-1 塗装面と上塗材の密着性を高める

密着性

シーラーの役割1つ目は「塗装面(外壁や屋根など)」と「上塗材」の密着性を高めることです。

シーラーを塗装することで塗装そのものの耐久性を高めることが出来ます。

仮にシーラーを塗らずに、塗装作業をしてしまうと、数年で剥がれてしまう可能性がありますので塗装の効果を長持ちさせるためにもシーラーは重要です。

 

2-2 塗料の吸い込みをおさえる

吸い込み

2つ目の役割は塗料の吸い込みをおさえることです。

シーラーを塗ることで下地が固まって、上塗りの塗料が表面にきちんと乗っていきます。

シーラーを塗らずに塗装した場合は、上塗りの塗料が素材に吸い込まれ、色ムラになる可能性があります。

また、表面に塗料が乗っていないので耐久性も落ちてしまいます。

綺麗に仕上げるためにもシーラーを塗ることは大切です。

 

2-3 下地の補修と強化

下地補修

3つ目の役割は下地の補修・強化です。

シーラーを塗ることで細かいひび割れを埋めて素材の耐久性を高めることが出来ます。

上塗りの塗料を塗る前に下地を調整することによって、耐久性も上がって仕上がりもきれいになります。

※ただし、ひび割れの幅が0.3㎜以上の大きいものであればシーラーとは別に補修材での下地調整をする必要があります。

 


3章 シーラーの種類

下塗り塗料

シーラーの種類についてご紹介します。

実はシーラーの中にも種類があり、状況によって選ぶものが変わっていきます。

間違ったものを選ぶと施工不良にもつながるので、種類についても把握しておきましょう。

 

3-1 水性シーラー

水性シーラーは、塗料の主成分が水で出来ているシーラーで、取り扱いや廃棄に危険が少ないシーラーです。

DIY初心者の方や、塗料の臭いに敏感な方におすすめです。

ただし、油性のシーラーと比べると耐久性が低いものも多いので長持ちさせたい方はグレードの高い水性シーラーを選ぶことをおすすめします。

水性の機能性シーラー

▪ヤニ止めシーラー
→ヤニやシミなどを防いでくれるシーラーで、臭いが少ないため室内の壁や天井の塗装に向いている。

▪カチオン系シーラー
→密着性の高いシーラーで、防カビ・防藻を防ぐ機能があるため外壁などに使用されることが多い。ブロック塀塗装の下塗りとしても使用できる。

 

3-2 油性シーラー

油性シーラーは溶剤系のシーラーで、取り扱いも注意が必要です。

主にプロが使用する塗料なので、ホームセンターなどで売っていない場合もあります。

外壁や屋根などの劣化しやすい環境の塗装では油性シーラーを含む油性塗料を使用することも多いです。

油性の機能性シーラー

▪弱溶剤系エポキシシーラー
→下地の補修効果に優れているため、旧塗膜の劣化状態が激しい時に使用するシーラー。上からは水性系塗料又は弱溶剤系の塗料が塗装出来る。

▪強溶剤系エポキシシーラー
→下地の補修効果に優れているため、旧塗膜の劣化状態が激しい時に使用するシーラー。ただ、溶剤の成分によって旧塗膜が膨れや縮みなどを発生させてしまう可能性もあるので使用前にきちんとした点検診断が必要。

 


4章 シーラー塗装の3つの注意点

シーラーを塗装する際の注意点をご紹介します。

注意点を知っていれば、業者に塗装を依頼する際に手を抜かれずに作業してもらえますし、自分で作業する際も失敗のリスクを減らすことが出来ます。

塗装をする前に把握しておきましょう!

 

4-1 塗装面に合った塗料を選ぶ

塗装面に合ったシーラーを選びましょう。

外壁を塗装するとしても、外壁の種類によって選ぶシーラーは変わってきます。

使用するシーラーが塗ろうとしているものに対応しているか確認してから塗装しましょう。

業者に塗料を提案されている場合は、塗料のカタログを見せてもらい、ご自宅の外壁や屋根に合ったものなのか確認してみてください。

⋆カタログの適応下地をチェックしましょう。

(例)SPパワーシーラー/菊水化学工業

適応下地

 

4-2 乾燥時間を守って塗装する

塗装後は乾燥時間を守ってから次の工程に行きましょう。

シーラーは十分に乾燥させないと効果を十分に発揮することが出来ません。

乾燥時間はシーラーによって変わってくるので、カタログを確認しましょう。

⋆乾燥時間もカタログに記載されています。

(例)SPパワーシーラー/菊水化学工業

乾燥時間

 

4-3 仕様通りの上塗り材を使う

仕様通りの上塗り材を使用しましょう。

シーラーに合った上塗り材を使用しなければ不具合が起きる可能性があります。

自分で選ぶ際は特に気を付けて選んでいきましょう。

業者に塗料を提案された場合は、上塗りの塗料のカタログに適応下塗り材が記載されている場合もあるので、確認しましょう。

 

⋆カタログの適応上塗りを確認しましょう。

(例)水性カチオンシーラー/日本ペイント

適応上塗

 


まとめ

いかがでしたか。

シーラー塗装をする上で大切な下塗り材のことで、シーラーを塗ることで密着性耐久性を高めることができます。

種類は主に水性タイプ油性タイプがありますが、機能性のあるシーラーもあるので用途に合わせて選びましょう。

またシーラーを塗装する際は①適応下地 ②乾燥時間 ③適応上塗材を仕様通りに守っていきましょう!

 

最後までご覧くださり、ありがとうございました。

 

◆塗装の下塗りについての詳細はこちら
塗装の下塗りが超重要な4つの理由!種類・特徴~適切な工事の秘訣

◆塗料の種類や選び方が知りたい方はこちら
外壁塗装の塗料知識が全てわかる!種類・特徴と塗料選び3ステップ

 

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