外壁塗装を検討中に勧められた‶光触媒塗料″。
「耐久性はどのくらい?」
「やっぱり他の塗料より高いの?」
と気になって調べているのではないでしょうか。
光触媒塗料とは、太陽の力で外壁の汚れを浮かして洗い流す機能を持っている塗料です。
汚れがつきにくく、綺麗なまま長持ちさせる事ができると、もともと人気がありました。
しかし最近では、あらゆるデメリットも分かってきて使用頻度も下降傾向にあります。
この記事では、光触媒塗料とはどんな塗料なのか、メリット・デメリットをご紹介します。
光触媒塗料を選びたい方は、良い面・悪い面を把握した上で選んでいきましょう!
記事の後半では、汚れにくい外壁にしたい方に向けて、光触媒に代わるおすすめ塗料をご紹介。
良い塗料を選んで、満足のいく外壁塗装工事にしていきましょう!
目次
1章 光触媒塗料とは|汚れにくいメカニズム
光触媒塗料とは、太陽の光に当たることで汚れが分解される機能(セルフクリーニング)が付いた塗料のことです。
塗料に含まれる二酸化チタンが、太陽光に当たって活性酸素を作ります。
その活性酸素が外壁に付いた汚れを分解することで、セルフクリーニング効果を発揮します。
自分で洗浄しなくてもきれいな状態が続く!と人気に火が付きましたが、現在はあまり使用されていません。
その理由となる、光触媒のメリット・デメリットについて次章から解説していきます。
2章 光触媒塗料の3つのメリット
光触媒塗料の3つのメリットをご紹介します。
この塗料には人気となった理由が分かる、魅力的なメリットがあります。
まずは、どんな良い面があるかチェックしていきましょう。
2-1 汚れにくい
光触媒塗料の一番の魅力は「汚れにくい」という点です。
太陽の光で、外壁に付いた汚れを分解し、雨と一緒に流してしまいます。
それによって綺麗な状態が長持ちし、長期間汚れにくい外壁にすることが出来ます。
2-2 耐久性が高い
光触媒塗料(シリコンの場合)の耐用年数は15~20年とされています。
(ただし製造・販売から20年経っておらず、試験結果に基づく年数です。)
この耐用年数は、高耐久塗料のフッ素塗料とほぼ同じ耐用年数です。
代表的な光触媒塗料の「ハイドロテクトカラーコート」はシリコン塗料なので、一般的なシリコン塗料と比較しても耐久性が高いです。
2-3 空気清浄効果がある
光触媒塗料の中には、空気清浄効果があるものもあります。
外壁塗装すれば、空気中に含まれる窒素酸化物を大気中から除去してくれます。
※窒素酸化物…排気ガスや排煙に含まれる酸性雨や光化学スモッグの原因となるもの。
室内に塗装すれば、太陽の光を取り込んで部屋の空気の浄化を行なうことが出来ます。
仕上がりだけでなく、空気も綺麗にしてくれるのはとても魅力的な効果です。
3章 光触媒塗料の7つのデメリット
魅力的なメリットがある光触媒塗料ですが、知っておくべきデメリットも実は多いです。
光触媒塗料を選びたいとお考えの方は、悪い面も把握した上で決断していきましょう!
3-1 立地によっては効果が出にくい
光触媒塗料は、太陽光の力で汚れを分解し、雨と一緒に流します。
そのため、太陽が当たらない、雨が当たらないと、効果を発揮できません。
周囲を家や建物に囲まれているお家は、太陽光も雨も当たりにくいため、効果が期待できない場合があります。
ご自宅の外壁に太陽光が当たりやすいか、雨があたりやすいかを考えて、塗料を選ぶようにしましょう。
3-2 落ちない汚れもある
光触媒塗料は、汚れにくい外壁にするために選ぶ方が多いです。
しかし、砂や土埃、サビなどの無機質な汚れには効果がありません。
また、鳥のフンなどの大きな汚れも落としきれない場合があります。
光触媒塗料を使えば、一切汚れが付かないというわけではないことを覚えておきましょう。
3-3 費用が1.5倍ほど高い
光触媒塗料は、耐久性も高いですが、その分費用も高いです。
一般的なシリコン塗料と比較すると約1.5~2倍のコストがかかります。
塗料の種類 | 単価相場 |
一般的なシリコン塗料 | 1,800~3,500円ほど |
光触媒塗料(シリコン) | 5,000~5,500円ほど |
そのため、慎重に選ぶことが大切です。
・光触媒機能が十分に発揮される環境か
・砂・土埃が付きにくい環境か
など、ご自宅に適した塗料なのかをよく考えた上で選んでいきましょう。
3-4 ひび割れやすい
光触媒塗料は、他の塗料よりも固くなりやすいです。
そのため、地震や素材の伸縮などで下地(外壁)に大きな動きがあると塗膜がひび割れることがあります。
ひび割れが起きやすいモルタル外壁や、収縮しやすい目地があるサイディング外壁には、あまり向かない塗料です。
3-5 選べる色・艶が少ない
光触媒塗料は、一般的な塗料よりも、選べる色やツヤのレベルが少ないです。
なぜなら、光触媒塗料は、太陽の光に反応しやすい白に近い淡い色が多いからです。
塗料によっては濃色の取り扱いがない場合もあります。
また、一般的な塗料は艶のレベルを選択できるものが多いです。(艶なし、5分艶、全艶など)
しかし光触媒塗料は、艶のレベルが選べないものもあります。
そのため、見た目にこだわりたい方は、あらかじめ色見本などをチェックしておくことが大切です。
3-6 大手メーカーで製造されていない
光触媒塗料は、建築用塗料を製造する主要メーカー上位3社でも製造されていません。
信頼できるメーカーが、あえて製造しない塗料ということも念頭に置いておきましょう。
また、光触媒塗料の代表的な塗料だったTOTOの「ハイドロテクトカラーコート」は2017年に販売終了されています。
代表的な塗料がない、というのも光触媒塗料自体の信頼に欠ける点です。
3-7 扱いに慣れた業者への依頼が必要
光触媒塗料は、一般的な塗料よりもサラサラしており、塗装職人にとっても塗りにくい塗料です。
そのため、扱ったことのない職人が塗装すると、作業時間や仕上がりに影響が出てしまうことも。
高品質で塗装してもらうためには、光触媒を扱っている業者を探し、その中から優良業者を見極めなければいけません。
一般的な塗料で塗装するよりも、業者選びが大変でリスクもあるので、注意が必要です。
4章 汚れにくさならラジカル制御塗料がおすすめ!
汚れにくく高耐久な塗料を選びたいのであれば、光触媒塗料でなく、ラジカル制御塗料がおすすめです。
ラジカル制御塗料とは、最近人気の塗料で、塗装の劣化原因となる分子(ラジカル)を制御する塗料のことです。
この塗料は、汚れが付きにくくするだけでなく、塗装の劣化を防ぎます。
さらに費用も一般的な塗料とそれほど変わりません。
塗料の種類 | 費用相場 | 耐用年数 |
一般的なシリコン塗料 | 2,300~3,500円/㎡ | 8~15年 |
ラジカル制御シリコン塗料 | 2,200~4,000円/㎡ | 12~15年 |
耐久性が高いのに、費用もお手頃でコストパフォーマンスも良いです。
良い塗料で塗装したい方はラジカル塗料を選んでみてはいかがでしょうか。
こちらは国内大手各社が複数塗料を製造・販売しています。
▪代表的なラジカル制御塗料
・アレスダイナミックTOP(関西ペイント)
・パーフェクトトップ(日本ペイント)
・エスケープレミアムシリコン(エスケー化研)
>詳しくはこちら
まとめ
いかがでしたか。
光触媒塗料は、汚れにくさや耐久性の高さが話題となり、一時期とても人気がありました。
しかし、現在では様々なデメリットも見つかり、使用されることが減ってきています。
光触媒塗料で塗装したい方は、良い面だけでなく、悪い面も把握した上で選んでいきましょう。
塗装を綺麗に長持ちさせたいという方は、光触媒塗料ではなく、ラジカル制御塗料がおすすめです。
ご自宅のご要望に合った塗料を選んで、満足のいく塗装工事にしていきましょう!
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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