お家の外壁材選び、最近はサイディングかALCが良いと聞いたけど、結局どちらがいいの?とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
サイディングとALCはどちらも優れた外壁材ですが、それぞれに長所や短所があります。
どちらを選ぶのが正解かというのは、あなたがお家に対して何を重視するかで変わってきます。
そこでこの記事では、サイディングとALCを比較して、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
最後はそれを総合して、自分はどちらがあっているのか簡単に判断できるチェックシートもご用意しました!
これから住む大事なお家の外壁材です。納得いく選択ができるように、ぜひ最後までじっくりお読みくださいね。
※サイディングは金属や樹脂などの素材もありますが、本記事では新築で一番メジャーな「窯業系サイディング」に絞って説明します。 |
目次
0章 サイディングとALCの見分け方
はじめに、サイディングとALCの見た目の違いがよくわからない…という方のための、見分け方を簡単にご紹介します。
■サイディングの見た目の特徴
サイディングのお家は、
・目地(ボード境目のコーキング部分)が縦方向のみ
・レンガ風やタイル風などの模様つきのタイプがある
・細かい凹凸がついたデザインのものがある
という特徴があります。
■ALC
ALCの場合は、
・目地が縦・横にある
・窓サッシが外壁より少し内側に入っている
・1色で仕上げられたシンプルな見た目が多い
という点がサイディングと異なっています。
※どちらも一般的な特徴を基準にしていますが、例外的な造りで上記に当てはまらない場合もあります。
1章 サイディングのメリット・デメリット
サイディングはセメントと繊維質の材料を混ぜて作られた建材です。
日本の新築住宅の7割以上で使用されている、とても人気のある外壁材です。
具体的な特徴を紹介していきます。
【メリット】デザイン性に優れている
サイディングは扱っているメーカーも多く、お洒落なデザインのものが多数販売されています。
シンプルなものから複雑な模様のついたものまでデザインの幅が広いので、美観を大切にされている方や、たくさんある中から選びたい!という方にはピッタリです。
■サイディングの様々なデザイン
多種多様な色柄、デザインのなかから選ぶことができます。
【メリット】安価なものが多い
サイディングは大量生産されている建材なので、ALCと比べて安価にお家が建てられるのが魅力です。
ALCの相場に対し、サイディングは半分程度のコストです。
外壁材 | 費用相場/㎡ |
サイディング | 3,000~5,000円 |
モルタル | 4,500円~5,500円 |
ALC | 7,000~15,000円 |
タイル | 9,000円~40,000円 |
※一般的なグレードのものを想定。実際の価格は製品によって前後します。
【デメリット】5~7年で塗装が必要になる
ALCの塗り替え時期は10年前後とされていますが、一般的なサイディングは築5~7年目頃に塗装時期がやってきます。
建材の厚みや表面の加工が異なっており、サイディングの方が早く劣化してしまうからです。
サイディングを長く維持するには、塗装をして表面の防水を保ってあげることが重要です。
適切な時期にメンテナンスを行いましょう。
【デメリット】目地の劣化が早い
サイディングの場合、新築後3~5年程で目地コーキングにひび割れや剥がれが出てきてしまうことがあります。
サイディング自体はは工場で塗装されていますが、目地は建てたときに間に打ち込むものなので、むき出しのまま紫外線にさらされてしまっているからです。
ALCは目地の上にも塗装してある造りが多いですが、サイディングの目地はむき出しなので劣化が早いです。
目地も劣化したままにしていると、そこから雨水が入り雨漏りの原因となります。
少しでも隙間やひび割れが発生したら、補修を行いましょう。
2章 ALCのメリット・デメリット
ALCとは、「Autoclaved Lightweight aerated Concrete(高温高圧の蒸気で養生した軽量気泡コンクリート)」の略です。
コンクリートの中に気泡を入れて軽量化しています。
通常のコンクリートよりも軽くて作業しやすいため、高層ビルなどに多く使用されています。
扱っているメーカー自体が少なく戸建住宅で使われる割合も少ないですが、長所が多いのでこだわりのお家にしたい方に人気です。
【メリット】軽量で耐震性に優れている
ALCはサイディングよりも耐震性に優れています。
ALCは内部に細かな気泡があることから、水に浮かぶほど軽い素材だからです。
一般的なサイディングに比べると、約半分程度の軽さです。
外壁が軽くなると、そのぶん地震時の揺れの影響が小さくなります。
サイディングもモルタルやタイルに比べると軽くて地震に強い建材ではありますが、ALCはさらにその上を行きます。
とにかく地震に強いお家にしたい!という方には、ALCお勧めの外壁です。
【メリット】耐火性・断熱性に優れている
ALCはサイディングと比べて、耐火性に優れているのも特徴の一つです。
珪石、セメント、生石灰など無機質(燃えにくいもの)でできているからです。
厚さもサイディングが約14~20mmなのに対し、戸建に使われるALCは35~37mmと、約2倍近くもあります。
サイディングよりも分厚い分、燃えにくい構造となっています。
また、ALCはサイディングと違い内部に気泡で出来た空気層があるため、熱が内側まで伝わりにくい(断熱性)が高いのも特徴です。
【メリット】遮音性が高い
ALCはサイディングと比べ、遮音性に優れています。
外壁内部の気泡が、外壁に伝わった音を吸収してくれるからです。
その遮音性は、駅ホームの防音壁にも使われるほどです。
■事例:上野駅の新幹線地下ホーム
出典:ユニバーサルホーム
新幹線の騒音を低減させるためにALCが使われています。
遮音性は外の音を遮るだけでなく、室内の音を漏らさないということでもあります。
快適な室内と、プライバシーもしっかり守れる安心の外壁材です。
【デメリット】継ぎ目が多く雨漏りしやすい
目地(継ぎ目)が縦方向だけのサイディングに対し、ALCは縦にも横にも目地があるため、目地自体の量が多く、劣化したときの雨漏りリスクが高くなってしまいます。
築10年前後で傷みが出始めるので、定期的に点検して、適切な時期での補修を行いましょう。
【デメリット】初期費用が高くなる
ALCはサイディングと比べて初期費用が高額になります。
外壁材自体の単価が高いのと、製造できるメーカーが限られているからです。
実はALCは、「JIS A 5416」という日本工業規格の認証を取得した企業でないと生産できません。
ちなみに、日本国内でこの認証を取得している企業は3社のみです。
ALCは品質が高いのが特徴ですが、コストを抑えてお家を建てたい!という方にはやや不向きです。
※1回のメンテナンス費用もALCがやや高め サイディングとALCはどちらもメンテナンスで塗装が必要ですが、塗装自体の単価にはほとんど差がありません。 しかしALCは、3階建てや建坪の広い注文住宅など、比較的大きなお家が多い傾向があります。 そのため、塗装面積や足場代などが増えて、結果的にサイディングの家よりも1回のメンテナンス費用が高くなりやすいです。 またALCは目地が縦横にある分、縦だけのサイディングよりも量があって、補修・交換費用も増える可能性があります。
ただ、適切なタイミングでのメンテナンスや耐久性の高い塗料を使ってメンテナンス回数を減らせば、何十年という長期的な目線でのコストは低く抑えられる可能性があります。 将来のトータルコストも考えたい方は、ハウスメーカーの方にメンテナンス計画なども確認しておきましょう。 |
3章 自分はどっちが合ってる?簡単チェックシート
ALCとサイディング、どちらにしようか迷う…という方に向けて、チェックシートをご用意しました!
2択問題になっていますので、どちらかと言えばこっち!という方をあまり悩まず選んでみてください。
A | B |
□家は見た目重視 | □家は機能性重視 |
□できるだけお安く建てたい | □多少高くてもこだわった家を建てたい |
□華やかなデザインが好き | □シンプルなデザインが好き |
□こまめにメンテナンスできる | □メンテナンス回数はなるべく減らしたい |
□たくさんのデザインの中から選びたい | □デザインにそこまでこだわりは無い |
Aの方が多かった方はサイディング、
Bの方が多かった方はALCがおすすめです!
まとめ
サイディングとALCを比較したメリットとデメリットは以下の通りです。
| メリット | デメリット |
サイディング | ・デザイン性に優れている ・比較的安価 | ・3-5年でメンテナンスが必要になる ・目地の劣化が早い |
ALC | ・軽量で耐震性に優れている ・断熱性・耐火性に優れている ・遮音性が高い | ・継ぎ目が多く雨漏りしやすい ・費用が高くなる
|
どちらを選ぶかは、あなたがお家に対して何を重視しているかで判断しましょう。
迷う…という方は、3章のチェックシートを活用してみてくださいね。
ALCとサイディングは、どちらも違った魅力を持った外壁材です。
予算やライフスタイルに合わせてピッタリなものを選び、後悔のないお家づくりをしていきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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