なんか、うちのサイディング、反ってる?!
外壁材はピシッとまっすぐになっているのが当たり前ですし、とても頑丈なはずのものです。
なのに“反り”という、明らかな異常を見つけてしまったら、「なんでこんなことに?」「どうすればいいの?」と心配になりますよね。
実は、サイディングの反りや浮きは、経年劣化の症状のひとつです。
どんなお家でも、メンテナンスの時期を過ぎると出てくる可能性があります。
しかし反りは劣化の中でもかなり末期症状に近く、緊急性が高いものです。
軽度のうちに見つければ補修でなんとかなりますが、何もしないとどんどん進行し、雨漏りや壁の張り替えという、大きな修繕工事に直結してしまいます。
大切なお家の寿命を縮めないためにも、反り症状の危険性や対応策を知ってくことは重要なのです。
そこでこの記事では、まずは反りが起こる原因とその危険性を解説します。
それから正しい対処方法と予防策もご紹介しますので、反りを発見したらすぐ行動を起こしましょう。
サイディングの反り症状は、お家からの重大なSOSサインです。
正しく対処するために、ぜひ最後までお読みくださいね。
目次
1章 サイディングの反りが起こる原因
サイディングの反り、浮きという症状が起こるのは、表面の防水効果が切れてしまったのが原因です。
サイディングボードはセメントが主成分で、軽量で火にも強いですが、実は“水を吸いこむと弱い”という弱点があります。
そのため新築時は、工場で表面に塗装加工されていて、水を弾いています。
しかし年数が経って塗装の防水効果が切れると、サイディングは水を吸いこむようになります。
■反りが起こるメカニズム
雨の日、水を吸ったサイディングはわずかに膨張します。
そして晴れの日、乾くと縮んで元に戻ります。
このとき、日光が当たる表面から早く乾いていくので、縮むのも表面のほうが早いです。
内側は湿っていて膨張したままですが、早く乾いて縮む表面のほうに引っ張られてしまうので、表の方にぐぐっと反りあがるように変形してしまうのです。
■反り
サイディングの端、角の方から反って浮いてきてしまっています。
2章 反りは緊急事態!すぐ対処しましょう
反りは、“サイディングが水を吸いこむようになってしばらく経っている”証拠です。
ご自宅で見つけた場合は、すぐに塗装メンテナンスを検討してください。
なぜなら、完全に直すのは不可能なうえに、建材の劣化や雨漏りに直結してしまうからです。
★反りを放置してはいけない理由 ①元に戻せない・最悪は張り替え工事になるから ②隙間からダイレクトに水が侵入するから ③側面や裏側からも吸水してしまうから |
2-1 元に戻せない・最悪は交換工事になるから
実は、一度反ったサイディングボードは、もう元に戻すことができません。
サイディングは非常に硬いセメントの塊なので、どんなに力をかけても、反ったものがまっすぐには戻らないのです。
一日も早く防水塗装をして、“これ以上反らないように食い止める”必要があります。
■反りが進んで割れてしまった外壁
万が一反りが進行してしまうと、サイディングの部分張り替えが必要になります。
しかし、サイディングはどんどん新しいデザイン、製品にリニューアルされていくため、10年過ぎると全く同じサイディングはまずほとんど生産されていません。
似ているけれども微妙に違うデザインのサイディングを張ることになり、ちぐはぐな見た目になってしまう可能性がとても高いです。
張り替えでお金もかかるうえに、見た目も損なってしまいます。
2-2 隙間からダイレクトに水が侵入するから
そして反り・浮きがあると、壁にすき間ができてしまうため、雨水がダイレクトに中に侵入します。
雨漏りしたり、内部の木材を腐らせたりして、どんなに良いお家でも強度が落ちてしまうのです。
■反りによる隙間
2-3 側面や裏側からも吸水してしまうから
また、反りはサイディングの側面や裏面にも水が直接当たるため、非常に危険です。
サイディングは新築時に工場で塗装されていますが、それは表面だけです。
側面や裏側は塗装されておらず素地がむき出しとなっています。
そのため、側面や裏面に水が当たればどんどん吸収して、強度が落ちたり、さらに反りが加速したり、ひび割れたり…と、他の症状が一気に増えてくる危険があります。
サイディングの反りは、劣化症状の中でもかなり危険で緊急性の高いものです。
見つけた方は、一日も早く対処するために、まずは塗装会社に点検を依頼してください。
次の章で、具体的な補修の方法をご紹介します。
3章 反りの補修方法と費用
反りの対処方法は2パターンです。
どれくらい反っているのかの状態で対応が変わります。
目安としては、「手で軽く押して戻せる」なら軽度なのでビス打ち、
「押しても戻せない、かなり力が必要」なら重度なので部分張り替え、
となる場合が多いです。
※あくまで目安です。サイディングの厚みや、内部への浸水状況などによっても対応が変わります。補修方法は専門業者に判断してもらいましょう。
3-1 軽度の反り→ビス打ち
サイディングの端が少し浮いているだけ、手で押せば戻せる程度の反りなら、ビス打ちで対応できます。
反っている部分に電動工具でビスを打ち込み、サイディングを抑え込むやり方です。
費用は1~2万円ほどで済みます。
■ベランダの壁が浮いていたお家 ↓ ■右端を3箇所ビス留め ↓ ■塗装後 下から見てもほとんど反りがわからなくなりました。 |
ただし、単にビス打ちだけしても応急処置にしかなりません。
そのままだとまた反りが起こるため、外壁塗装のタイミングで一緒に行うのをおすすめします。
注意!
反りかえりが激しい場合は、ビス打ちできない場合があります。
無理やり抑え込もうとして、かえってサイディングが割れてしまう可能性があるからです。
そのような場合は、次で紹介する“張り替え工事”をおこないます。
3-2 重度の反り→部分張り替え
押し返せないほど反りが激しい場合は、サイディングの部分張り替え工事となります。
傷んだサイディングを剥がして、新品に交換します。
費用は5~10万円/枚 ほどかかります。
※高さ455mm×幅3030mm1枚の場合の概算。使う材料のサイズやグレードによって金額は変動します。
※張り替え場所が2階以上の場合、足場代が追加で必要になります。
ただし、建てて10年も経つと、どの建材メーカーも製品をリニューアルしているため、昔と全く同じサイディングは生産されていないことがほとんどです。
張り替えたところだけ違うデザインになってしまいますので、ご注意ください。
こちらも、上から塗装すれば違いを目立ちにくくできるので、塗装工事と一緒にするのをおすすめします。
4章 今後の反り予防には“防水塗装”を
今後サイディングの反りを防ぐには、 “防水塗装”をして壁が水を弾くようにしてあげましょう。
「水を吸って膨張・収縮」さえしなければ、そもそもこのような変形はしないからです。
塗装の防水効果が切れたタイミングを見逃さず、適切な時期に再塗装しましょう。
>サイディングの塗装時期についてはこちら
反りに限らず、ひび割れやカビコケ繁殖などのサイディング劣化も、全て壁の防水切れが原因で起こります。
サイディングは水さえ吸わなければ、とても軽くて頑丈で地震にも強い、優れた建材です。
しっかり建材を保護してあげるためにも、適切な時期で塗装をしてあげましょう。
まとめ
サイディングの反りや浮きは、塗装の防水切れが原因で、水を吸った建材が膨張・収縮することによって起こります。
一度反ったものは元に戻すことができません。
更なる劣化や雨漏りにも直結する危険な症状ですので、見つけたらすぐに対処をしましょう。
補修方法は状態によって2パターンあり、
・軽度の反り→ビス打ち:1~2万円
・重度の反り→部分張り替え:5~10万円/枚
という費用相場になります。
今後の反り予防には、“防水塗装”で水を弾くようにすれば良いです。
適切な時期できちんと再塗装して、サイディングを保護してあげましょう。
大切なお家を長く守るためにお役に立てれば幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございました。
◆反りが出ているということは、塗装メンテナンス時期を過ぎている可能性が高いです。
以下のページも参考にご覧ください。
>サイディング塗装の全てが分かる!失敗しないために重要な5つの項目
>12,000件の実績から見る!外壁塗装の費用相場と適正価格見極めのコツ