サイディングの家を建ててもうすぐ10年…
最近訪問業者が良く来るようになってきたけど、そろそろ塗り替えが必要なの?
と気になって調べているのではないでしょうか。
初めての塗装の方は特にサイディングの塗り替え工事にいくらかかるのか、いつやったらいいのか、どこに頼んだらいいのかなど、分からないことがたくさんありますよね。
そこでこの記事では、サイディング外壁の塗り替え工事についての基礎知識をまるっとご紹介します!
塗装すべき時期や費用相場、業者選びについてはもちろん、塗料選びについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ご自宅に合った高品質な塗装工事をして、大切なお家を守っていきましょう!
目次
1章 サイディング外壁は塗り替えないとボロボロに…!
まず最初にサイディング外壁を塗装する大切さをご説明致します。
サイディング外壁は定期的な塗装メンテナンスが必須です。
なぜなら、サイディングはセメントが主成分で出来ているからです。
新築時は、雨水を吸い込まないようにサイディングの上から塗装されていますが、年数が経つとその塗装が劣化し水を吸い込むようになってしまいます。
▼吸水しているサイディング
防水効果が無くなったサイディングは水をかけた部分の色が濃くなります。
この状態になるとサイディングは雨が降るたびに水を吸ってしまうので、塗装して防水性をよみがえらせることが大切です。
万が一、塗り替えずに放っておくと、サイディングが水を含み続け脆くなってボロボロになってしまいます。
▼ボロボロになったサイディング外壁
この状態になると最早メンテナンス自体が出来なくなってしまい、サイディング外壁ごと交換が必要になります。
★さらに放置するとシロアリ発生⇒倒壊の危険も! 水を吸うようになってしまうとサイディング自体の耐久性を弱らせ家を支える内部の木材にまで水を浸透させてしまうからです。 湿った木に寄ってきたシロアリによって木を食べられてしまい、地震に耐えられない家になってしまいます。 実際に1995年に起きた「阪神淡路大震災」では、8割以上の方が建物の倒壊による「圧死」や「窒息死」で亡くなりました。 その後、倒壊した建物の7割はシロアリ被害にあっていたことが判明しています。 (1995/4/26 朝日新聞 夕刊) いつ起こるか分からない地震に備えるためにも家の耐久性は維持してくことが大切です。 シロアリが来る前に塗り替えを行ない、家を守っていきましょう。 |
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2章 塗り替え時期の目安は築5~7年
サイディングの塗り替え時期の目安は築5~7年です。
なぜなら、サイディングは築5~7年で最初に塗られた塗料が劣化し、水を吸うようになるからです。
実際にサイディングボードを作っているメーカーでも築5~7年のうちに点検するように記載されています。
▪ニチハ株式会社のカタログ
ただ、目安は目安にしかすぎません。
実際に塗り替えした方が良い症状が出ていたら、築年数は関係なくメンテナンスを行ないましょう。
次の章で、塗り替え時期が来ている劣化のチェックポイントをご紹介します。
3章 サイディングの5つの劣化症状
サイディング外壁の劣化症状をご紹介します。
これからご紹介する劣化症状が出てきたら、塗り替えのサインです。
立地によっては築5~7年経っていなくても塗り替え時期がくる場合もありますので、築5年を過ぎたら年に1度は家の周りをチェックしてみましょう。
3-1 水をかけたら染みこむ
サイディングに水をかけて吸い込むようになっていたら、塗装の時期が来ています。
新築時、サイディングは塗装されていて雨を弾いている状態でした。
しかし、長時間紫外線を浴びて劣化した塗料は水を弾く油分を失い、サイディングが水を吸収するようになります。
サイディングの劣化症状はこの吸水が原因で進行します。
水を吸いこむようになってしまったら他の劣化症状が出る前に塗り替えを行ないましょう。
3-2 釘回りやサッシ回りにひび割れがある
サイディングを止めている釘回りや、窓サッシ下にひび割れがないか確認してみましょう。
サイディングが水を吸うようになると、雨の日に外壁が水を吸って膨張し、天気の良い日に乾いて収縮します。
膨張収縮を繰り返すことで、固定されている場所に力が入り、ひび割れが起き始めます。
特にサッシ回りは中と外を貫通している場所になりますので、ひび割れがあると家の内部にも水を入れてしまう恐れがあります。
ひび割れが出始めたら塗り替えの時期をすぎていますのですぐにプロに総点検を依頼しましょう。
3-3 コケが繁殖している
日の当たらない場所や北側にコケが繁殖していたら塗り替えの時期が来ています。
コケも外壁が水を吸う状態でなければ、簡単に落とせますが、水を吸う状態だと外壁に根をはり、繁殖してしまいます。
コケを放っておくと繁殖が進み、外壁自体が酸性化して傷んでしまいます。
耐久性が落ちて塗装が出来なくなると交換になりそれだけで数万円かかりますので、コケがまだ根を張っていない状態のときに塗り替えをしましょう。
3-4 サイディングが浮いている
サイディングが少し浮いてきたと感じたら、塗装の時期を過ぎています。
サイディングの浮きは、サイディングが水を吸って乾くときに表面から乾くので反ってしまうことが原因で起こる症状です。
もともとサイディングはとても丈夫なのでそれが曲がるということはサイディング自体がかなり傷んできているということでもあります。
サイディングは一度反ってしまうと元に戻すことはできません。外壁が水を吸うようになった時点で塗り替えを依頼しましょう。
3-5 目地が固くなってひび割れている
サイディング外壁の場合、セットで付いてくるのが目地(コーキング)の部分です。
サイディングの目地には水を中に入れない「防水」の役割と地震の揺れを吸収する「耐震」の役割があります。
しかし目地は新築時塗装されていないので、サイディングよりも先に劣化が早いです。
固くなって縮れたりひびが入ってきたら交換のサインですので、外壁と一緒にメンテナンスを依頼しましょう。
◆コーキングの寿命や劣化について詳細はこちら
◆ご自身でDIY補修したい方はこちら
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4章 塗料の種類別|耐久年数と費用相場【見積付】
塗料の種類別の耐久年数と費用相場をご紹介します。
塗料の種類は大きく5つの種類に分類ができます。
耐久年数が短い順にアクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、無機塗料です
単価を知っておくと見積もりをもらった時にそれが妥当な金額なのかが分かります。
費用面で損をしないためにも単価相場はおさえておきましょう。
また塗装工事には足場費用や洗浄費用などの工事にかかる費用もプラスされます。
今回は塗料別の見積もり例もご紹介しますので具体的にいくらくらい必要になるのか参考にしてみてください。
それではまず塗料の種類と耐久年数、単価費用相場です。
※上記の金額は3回塗り(下塗り・中塗り・上塗り)を想定した金額です。
アクリル塗料は新築時に使用される塗料で塗り替えにはほとんど用いられません。
ウレタン塗料から順番に見積サンプルをご紹介します。
~30坪 外壁塗装面積130㎡の場合~
▪見積例①ウレタン塗料=877,000円
▪見積例②シリコン塗料=938,500円
▪見積例③フッ素塗料=1,146,500円
▪見積例④無機塗料=1,231,000円
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5章 自宅に合った塗料が分かる!塗料選びのポイント
塗料の種類や費用相場の次は塗料の選び方をご紹介します。
塗料は業者にお任せしてしまう方も多いかと思いますが、すべての業者がご自宅に合った塗料を提案してくれるとは限りません。
工事後も満足できるように、ご自宅に合った塗料選びを行ないましょう。
5-1 次のメンテナンス時期に合わせて塗料のランクを選ぶ
塗料の耐久性を選ぶときは、次に塗り替える時期を設定してから選びましょう。
家庭によって、ライフプランは違うので、お子様の進学や家のローンなどご自宅のライフプランに合わせたメンテナンス計画を行ないましょう。
【例1】子供の進学や就職に合わせたメンテナンスプラン
【例2】家を子供に譲ることを想定したメンテナンスプラン
5-2 サイディングの柄を活かしたいなら「クリヤー塗料」を選ぶ
サイディングの柄を活かしたい方には、透明のクリヤー塗装がおすすめです。
なぜなら通常の色付けの塗装を行ってしまうと、柄が消えてしまうからです。
無色透明の塗料を塗ることで既存の柄をそのままにサイディングの塗り替えを行なうことが出来ます。
ただし、クリヤー塗装は透明な塗料なのでひび割れなどを隠すことが出来ません。
また色が褪せてしまっても元に戻すことが出来ません。
サイディングが劣化する前に塗り替えることをおすすめします。
5-3 においが気になるなら「水性塗料」を選ぶ
塗料のにおいが気になる方は水性塗料を選びましょう。
塗料には「油性」と「水性」があります。
「油性」の塗料は耐久性はありますが工事中に多少シンナーの臭いがします。
小さいお子様がいる・ペットを飼っている場合や飲食店の店舗などの塗装をする場合はにおいがない「水性塗料」がおすすめです。
◆水性塗料と油性塗料の違いについてはこちら
5-4 汚れが気になるなら「低汚染塗料」を選ぶ
外壁の汚れが気になる方は低汚染塗料を選びましょう。
「親水性塗料」「光触媒塗料」「ナノテク塗料」などの低汚染塗料を使用すれば自然の力で汚れを落としやすくしてくれます。
家の近くに森がある場合や塩害地域の場合は汚れが落ちやすい塗料がおすすめです。
ただし業者によっては取り扱っていない場合もありますので、事前に確認してみましょう。
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6章 失敗しない業者選びの6つのポイント
続いて失敗しない業者選びのポイントをご紹介します。
塗装工事は業者によって失敗するか成功するかが大きく分かれます。
失敗しない外壁塗装には失敗しない業者選びが必要です。
6つのポイントをおさえて優良業者に施工を依頼しましょう。
6-1 点検に60~90分かけているか
家の総点検に60~90分ほどかけてしっかり見てくれる業者を選びましょう。
なぜなら、しっかり点検をしないと工事が始まってから劣化が見つかり、補修に余計な費用がかかってしまう恐れがあるからです。
点検を依頼したときにしっかり時間をかけて細かいところまで見ているかチェックしてみましょう。
6-2 写真や詳しい説明があるか
点検の際に写真や詳しい説明がきちんとある業者かチェックしましょう。
写真は5~10枚程度しかとらない業者もありますが、それでは家の状態が分かりません。
普段見えないところを含め50~100枚程度写真を撮って、プロにしか分からない症状を説明してくれるところが安心です。
6-3 見積もりは「一式」になっていないか
点検後に見積もりをもらった際に気を付けてみてほしいところが、見積もりの記載内容です。
中には、正確な面積を図らず、すべて一式で記載されている見積もりもあります。
正確な数量や面積が記載されていないと、工事が始まってから追加料金を請求される場合がありますので、記載されている内容に曖昧なところはないかチェックしましょう。
数量の記載以外にも
・工程ごとの金額の記載はあるか
・保証年数の記載はあるか
・塗料名の記載はあるか
など細かいところも確認しましょう。
6-4 自社の職人が在籍しているか
施工をお願いする場合は自社で職人を抱えている業者に依頼しましょう。
なぜなら下請けや孫請けに依頼する場合、中間マージンが発生し、金額が通常よりも高くなるからです。
また、下請けの場合は当たりはずれがあります。
安心して工事をお任せするのであれば自社職人が在籍している業者がおすすめです。
6-5 工事中の写真をもらえるのか
工事中の写真がもらえるか、契約前に確認しておきましょう。
点検写真はたくさん撮っても、工事中の写真は撮ってもらえない場合もあります。
しかしそれでは本当にきれいに塗ってもらえているのか分からないですよね。
写真があれば、工事前の状態との比較もできますので、工事中の写真を撮ってくれる業者だと安心です。
6-6 アフターメンテナンスがあるか
アフターメンテナンス体制がしっかりしている業者を選びましょう。
アフターメンテナンスのサービスがあれば、何か不具合があった時にすぐに相談ができます。
また年に一度の定期点検があれば、確認しにくい2階周りなども定期的にチェックすることが出来ます。
契約する前にアフターサービスがあるのか確認してみましょう。
まとめ
サイディングは丈夫で地震にも強くとても人気の外壁材です。
しかし、新築時の防水機能はだいたい築5年を過ぎたあたりから失われ、水を吸うようになってしまいます。
一度劣化してしまうと、本来の耐久性よりも弱くなってしまったり、さらに劣化すると塗装では済まなくなってしまい費用も掛かります。
無駄にお金をかけないためにも、水を吸うようになったら次の劣化症状が出る前に、しっかりとした提案・施工をしてくれる優良業者に点検診断を依頼し、塗り替え工事をしてもらいましょう。
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