雨や風から窓を守る“雨戸・戸袋”。
外壁や屋根だけではなく、雨戸・戸袋などの付帯物も塗装が必要です。
なぜなら塗装をしないと経年劣化で素材が傷んで破損の原因になってしまうからです。
雨戸はスチール(鉄)や木材で出来ていることが多いので、塗装をして素材の保護をすることが大切になります。
ただ、細かい部分はどのタイミングで塗装をしたらよいのか分からない方も多いかと思います。
そこで、この記事では雨戸の塗装が必要な劣化症状と、塗装の費用相場をご紹介します。
また、雨戸塗装の施工手順と注意点も解説。
プロに依頼される方だけでなく、ご自身で塗装されたい方も正しい方法を確認しておきましょう!
記事の後半では雨戸・戸袋塗装に関するQ&Aをご紹介します。
気になる項目はチェックしてみてください。
それでは、雨戸・戸袋の塗装について詳しく見ていきましょう!
目次
1章 塗装が必要な雨戸の劣化症状
雨戸・戸袋の塗装が必要な症状を解説します。
劣化したまま放っておいてしまうと、状態が悪化し交換が必要になってしまいます。
余計な費用をかけないためにも、劣化症状を見逃さないようにしましょう。
1-1 手で触ると粉が付く
雨戸に触った時に、手に粉が付く状態(チョーキング)になっていたら塗装時期です。
雨戸や戸袋は製造されるとき、工場で塗装されます。
塗装される塗料には、水を弾く油(樹脂)と色を付ける粉(顔料)が混ぜられていますが、水を弾く油(樹脂)は紫外線によって飛んでしまいます。
そのため、表面は粉だけになり触った時に手に粉がついてしまうのです。
1-2 変色や色あせが起きている
変色・色あせも劣化症状の一つです。
表面の塗装が劣化して、粉だけになると、雨が降ったときに粉も流れてしまうので、色あせが発生します。
耐久性だけでなく見た目も悪くなってしまうので、再塗装が必要となります。
1-3 サビが発生している
白さびや赤さびなど、サビが発生していたら塗装が必要です。
サビは放っておくと周囲に広がり、色が移ってしまうこともあります。
また強度も落ち、簡単に割れてしまうことも。
小さくてもサビがあれば、広がる前に塗装を行ないましょう。
2章 雨戸塗装の費用相場
塗装のプロに依頼した場合、雨戸・戸袋塗装の単価相場は2,000~3,500円/枚です。
使用する塗料のグレードによって、費用は変動します。
ただし、これは外壁塗装など工事と一緒に行なった場合の単価です。
雨戸・戸袋塗装だけを依頼する場合は、人件費や手間代、足場代等が別途かかる場合がありますのでご注意ください。
無駄な費用をかけずに塗装をしたい方は、外壁や屋根の工事など足場が立つタイミングで一緒に依頼することをおすすめします。
3章 プロが解説!雨戸塗装の施工手順
雨戸・戸袋塗装の施工手順を塗装のプロが行なっている方法を解説していきます。
塗装方法には、ローラーやハケで塗る方法とスプレーガンで吹き付けていく方法がありますが、どちらでも大丈夫です。
写真付でご紹介するので、どんな流れで塗装していくのかチェックしましょう!
工程1:洗浄
まずは雨戸・戸袋についた汚れを落としていきます。表面を綺麗にすることで塗料も密着しやすくなります。
洗浄後は完全に乾かします。
工程2:養生
塗装の前に養生をします。
周囲に塗料が飛ばないよう、サッシ周りにマスキングテープやマスカー等で養生していきます。
工程3:下地処理
続いて、下地処理です。
サビが発生している部分や前回塗装の塗膜などをヤスリで削って滑らかにします。
工程4:塗装
雨戸の塗装は素材や立地状況・状態によって塗り回数が変わります。
一般的なスチール製の雨戸であれば1回塗りで大丈夫です。
ただし、サビが発生していたり、サビが発生しやすい沿岸部地域にお住まいの場合は錆止め効果のある下塗りを塗装してから上塗りをする必要があります。
▼錆止め塗装
▼素材・状況ごとの塗り回数と工程は以下の通りです。
素材 | 塗り回数 | 工程 |
スチール(サビ無) | 1回 | 上塗り |
スチール(サビ有)・沿岸部 | 2回 | 錆止め下塗り→上塗り |
塩ビ鋼板 | 2回 | 塩ビ鋼板用下塗り材→上塗り |
木材 | 2回~3回 | 木材用塗料2回塗り |
状況によって適切な塗装回数は変わってきます。
最終的にはプロに点検してもらって適切な施工方法を判断しましょう。
★たくさん塗り重ねるとかえって剥がれる危険性アリ 業者の中には3回塗り~4回塗りで仕上げるのが標準のところもあります。 しかし、塗り重ねすぎるとその分膜厚が厚くなって剥がれやすくなってしまいます。 素材や立地状況によって適切な塗料や塗り回数を見極めてもらうと安心です。 |
工程5:養生剥がし・完成!
上塗りが乾いたら、養生を剥がして完成です。
4章 雨戸塗装の3つの注意点
雨戸を塗装する前に確認しておくべき注意点をご紹介します。
注意点を知らないまま塗装すると失敗してしまうこともありますので、事前に目を通しておきましょう。
4-1 塗装不要な素材もある
出典:大里総合建材 株式会社
雨戸や戸袋は塗装不要の素材もあります。
塗装が要らない素材には、アルミ製やステンレス製などがあります。
こういった素材はサビが発生しづらく、長持ちするため基本的に塗装は必要ありません。
無理に塗装すると数年で剥がれてしまい、かえって見栄えが悪くなる恐れもあります。
▼塗装が必要な素材
・スチール
・木材
・塩ビ鋼板
▼塗装が不要な素材
・アルミ
・ステンレス
・銅
磁石が付けば塗装必要(スチール又は塩ビ鋼板)、付かなければ塗装不要(アルミ又はステンレス、銅)です。
ただし、塗装が必要な素材のものであっても、素材ごとに塗料選びは慎重に行う必要があります。
詳しくは「5-2 どんな塗料がおすすめ?」で解説します。
4-2 塗装の前に必ず下地調整をする
雨戸・戸袋塗装では、塗装前の下地調整が重要です。
下地が滑らかになっている状態で塗装しないと、塗料の密着度が落ちて剥がれやすくなってしまうからです。
特にサビが発生している場合や前回の塗装が中途半端に剥がれてきている場合は、
丁寧にケレン(やすり等で表面を滑らかにする)をしましょう。
4-3 劣化が進んでいたら交換する
塗装を行う前に、雨戸・戸袋自体の劣化状態を確認しましょう。
塗装は状態を維持するためのメンテナンス方法なので、すでに劣化が進んでいるものに塗装しても直るわけではありません。
そのため、すでにサビが広がっている、木材がめくれあがっている、破損しているなどの場合は、塗装ではなく交換をしましょう。
交換費用は製品によって変動しますが、2~6万円程です。
★プロに依頼する場合は、事前に凹みの有無を確認しましょう! 業者に塗装を依頼する場合は、事前に雨戸や戸袋にへこんでいる部分がないか確認しましょう。 塗装して艶が出ると、今まで気づかなかった凹みなども目立つようになります。 業者に凹みを付けられたのか、元からあったものなのかでトラブルになりやすいです。 業者に付けられた傷であれば修理してもらう必要があるので、はっきり分かるように塗装前に状態チェックをしておくことをおすすめします。 |
5章 雨戸の塗装に関する4つのQ&A
雨戸や戸袋の塗装に関するQ&Aを4つまとめました。
気になる項目があれば、目を通してみてください。
5-1 色はどんな色が良い?
A、雨戸・戸袋塗装で選んではいけない色はありませんが、基本的には窓サッシの色と同じ色を選ぶことおすすめします。
なぜなら、窓サッシは塗装出来ない部分のため、そこに色を合わせることで自然に仕上がるからです。
または、他の付帯物(雨どいや破風板)と色を合わせるとお家全体としてまとまります。
▼参考写真
▪茶色のサッシに合わせた雨戸
▪白色のサッシに合わせた雨戸
5-2 どんな塗料がおすすめ?
A、塗料は素材ごとに選ぶことが大切です。
一般的なスチール製のものであれば、下塗りに錆止め機能のある塗料を塗装しましょう。
塩ビ鋼板の場合は、普通の塗料で塗装するとブリード現象(ベタベタになってしまう現象)が起きてしまうので、塩ビ鋼板用の下塗り塗料を塗装しましょう。
木材系の素材であれば、防腐機能がある塗料を選ぶことをおすすめします。
5-3 塗装が剥がれてきたらどうしたらいい?
塗装後、塗料が剥がれてきてしまったら、剥がれた部分を下地処理(ケレン)をします。
きちんと下地を整えないと、また剥がれてしまう原因となります。
また、剥がれを放っておくとそこに水が溜まりサビが発生しやすくなってしまいます。
剥がれてきたら早めに再塗装をしましょう。
5-4 塗装後は雨戸は閉められないの?
A、雨戸は基本的に閉めて塗装するので、塗装後閉められないことはありません。
むしろ、開けることが出来ないので、午前中に塗装する場合はお部屋が暗く感じてしまうこともあります。
ただ、塗装してから1~2時間ほどで表面は乾いてしまうので、乾いたら通常通り開閉をすることが出来ます。
雨戸塗装中に開閉したい場合は、職人に「もう開けても大丈夫ですか?」と確認すると安心です。
まとめ
いかがでしたか。
雨戸や戸袋は、紫外線によって塗料や素材が劣化するため塗装が必要です。
下記のような劣化症状出ていたら塗装をしましょう。
・手で触ると粉が付く
・変色や色あせが起きている
・サビが発生している
雨戸塗装の費用相場は2,000~3,500円/枚です。
お家によって雨戸・戸袋の枚数は変わりますので、一式ではなく枚数を数えた上で費用を出してくれる業者だと良心的です。
雨戸塗装の施工手順は以下の通りです。
①高圧洗浄(又は洗浄)
②下地処理
③養生
④塗装
⑤養生剥がし
以下の3つの注意点を守った上でメンテナンスしていきましょう。
・塗装が不要な素材もある
・塗装の前に下地調整をする
・劣化が進んでいたら交換する
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
◆他にも塗装必要なお家の付帯物があります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
「付帯塗装」が必要な理由とは|塗るべき9箇所と注意点を徹底解説!
◆雨戸ではなくシャッターの塗装をしたい方はこちらの記事をごらんください。
【初心者必見】シャッター塗装を成功に導く4つのコツとDIY手順