うーん…カビ臭い…。
押し入れの中や和室などで気になることが多いお家の湿気は、床下が原因であることが多いです。
床下の湿気はカビの発生だけでなく、木材を弱らせたりシロアリを呼び寄せたりしてお家に深刻なダメージを与えるため、きちんと対策することが重要です。
本格的な対策は専門業者に依頼すべきですが、市販グッズを使ってご自身でできるものもあります。
この記事では、床下の湿気対策を自分でできるものと業者に頼むものをそれぞれ紹介します。
やりやすさと費用なども見比べて、まずどの対策方法をやってみるか決めましょう。
湿気がたまる原因も解説しますので、ご自宅の状況も考えて対策を選ぶとより効果的です。
しっかり湿気対策をして、安心して過ごせるお家にするために、ぜひ最後までお読みくださいね。
目次
0章 ベタ基礎(コンクリート基礎)のお家は対策不要
床下がすべてコンクリートで覆われている“ベタ基礎”の場合は、基本的に湿気対策は不要です。
地面から上がってくる湿気はほとんどコンクリートで遮られるためです。
稀に悪徳業者が訪問販売などで、ベタ基礎のお家にも対策工事をすすめてくることがありますので、騙されないように注意しておきましょう。
■ベタ基礎
コンクリートで覆われていて、地面が見えないようになっている基礎です。
このコンクリート自体が湿気を防ぐ役割をしてくれているため、基本的には別途の湿気対策は必要ありません。
※通気性や立地などによっては、ベタ基礎のお家でも湿気対策をする場合もあります。 |
■布基礎
土の地面がむき出しの基礎です。
常に地面から湿気が上がってくるため、湿気対策をする必要があります。
1章 自分でできる床下湿気対策
まずはご自身でできる対策方法をご紹介します。
あまりお金をかけたくない、まずは自分でできることをやりたい、という方はぜひ実践してみてくださいね。
1-1 市販の対策グッズを使う
床下の湿気対策は、ホームセンターなどでも様々な商品が売っています。
それらの対策グッズを購入して、自分で床下に設置してみましょう。
少し手間はかかりますが、業者に頼むよりもお安く済ませることができます。
防湿シート
地面からの湿気を遮ってくれるシートを敷き詰めます。
床下全体に敷く必要があるので、事前にお家の1階床面積を測っておきましょう。
隙間ができないように、シートの境目は15センチ以上しっかり重ねます。
また、ズレないように布テープで張り付けたり、上に砂利や砂をおいて重し代わりにするのも効果的です。
強力防湿シート スーパーグレード品 メーター売:650円(Amazon)
上記の商品は1m単位で売っているのでどなたでも使いやすいです。
またシートは厚さ0.1mmあれば十分ですが、こちらは0.15㎜厚なのでより効果が期待できておすすめです。
調湿剤
調湿剤は、その名の通り湿気を調整してくれる便利グッズです。
湿気が多い時には吸い込んで、逆に乾燥しているときは吐き出して、丁度良い状態を保ってくれます。
素材は炭、シリカゲル、ゼオライトなどがありますが、性能にあまり違いはありません。
こちらも各商品1坪あたり●袋使う、など量が決まっていますので、床面積は確認しておきましょう。
アイリスオーヤマ 床下 調湿材 床下さらり 10kg:1,230円(Amazon)
消臭、防虫、防カビ効果もついているゼオライトの調湿剤です。
砂利タイプなので狭い床下でも扱いやすくおすすめ。1坪あたり2袋(20kg)が目安です。
床下換気扇
床下換気扇は、床下に送風して空気を入れ替えてくれるもので、通気性が悪いお家には特に効果的です。
設置数は、お家1軒あたり3個前後が目安です。
ただし換気扇は、工具を使って固定したり、配線などもしなければいけないため、ご自身で設置するのはかなり難しいです。
床下での作業に慣れていない方にはおすすめしません。
東芝キャリア 床下用 換気扇:28,564円(Amazon)
コントローラー付属でタイマー設定などもできる換気扇です。
ファンの音も静かでおすすめです。
※注意 床下はとても狭くて暗く、身動きが取りづらいです。 土埃もあり、虫がいることも多いですので、こうした状況が苦手な方はご自身で床下に入るのは避け、専門業者に依頼するようにしましょう。 |
1-2 通気口まわりのものをどかす
基礎には床下の湿気がこもらないように通気口(通風穴)がついています。
ここが荷物や雑草で塞がった状態にならないようにしましょう。
物置や収納ボックス、エアコンの室外機などで、気づかないうちに塞いでしまっていることがあります。
また隣家が近くて敷地が狭い、家の裏側のあまり見ない面などは、つい草が生い茂っていても放置しがちです。
床下がしっかり換気できるように、定期的に除草してあげましょう。
2章 プロに依頼する床下湿気対策と費用相場
自分でやるのは大変そう、しっかりした対策をしたい、という方は専門業者に依頼するのがベストです。
ただ、中には高額な見積もりを出してくる悪徳業者もいますので、騙されないように目安となる費用相場を知っておきましょう。
2-1 防湿シート:10~20万円
もともと湿気の多い土壌などの場合は、地面からの湿気自体をシャットダウンしてくれる防湿シート工事がおすすめです。
1坪で1万円~、一般的な戸建住宅で10~20万円ほどかかります。
また、より効果を高めるために砂利などを敷く工事も加えると、さらに10万円ほど追加でかかります。
2-2 調湿剤・調湿マット:10~30万円
床下の湿気をコントロールする調湿剤工事は、1坪あたり1~3万円、お家1軒で10~30万円ほどが目安です。
炭、シリカゲル、ゼオライトなどの素材を直接敷き詰めるタイプや、袋に入ったものを並べていくタイプがあります。
中でも特におすすめなのは、調湿マット(マット形状の調湿剤)です。
マットの底面は防湿シートの役割も兼ねていることが多いので、調湿剤と防湿シート両方の効果が期待できます。(地面からの湿気のシャットダウン+湿気のコントロール)
調湿剤の効果は半永久的に持続しますので、長い目で見てお得に済ませたいという方におすすめです。
2-3 床下換気扇:10~25万円
床下の通気が悪くて湿気がたまる場合には、床下換気扇の設置が効果的です。
建坪30坪のお家で3台前後が目安で、配線など含めて10~25万円ほどかかります。
電気代も月々100円ほどですのでご安心ください。
ただ、機械なので寿命がきたらメンテナンスや交換が必要です。
10年ほどもつという製品が多いですが、定期点検などのアフターメンテナンスがしっかりしている業者に依頼しましょう。
また配線作業があるため、「第二種電気工事士」という資格を持っていないと工事できません。
業者によっては取り扱っていないかもしれませんので、注意して確認しておきましょう。
3章 床下に湿気が溜まる原因
床下の湿気対策についてご紹介してきましたが、そもそもの湿気の原因に合わせた対策を選ぶのが一番効果的です。
なぜ床下に湿気がたまりやすいのか、主な原因を3つご紹介します。
ご自宅の場合はどれに当てはまるのか考えたうえで、それに適した対策方法を実施しましょう。
3-1 通気性が悪い
まず床下は、基礎に約5m間隔でついている通気口以外には、空気が出入りするところがほとんどありません。
その通気口も、つい壁に立てかけるように物を置いてしまったり、敷地が狭い面だとすぐ塀があったりして、通気性がとても悪くなりやすいのです。
こうした場合には、換気扇の設置や通気口まわりの物の移動などの対策が効果的です。
3-2 水が流れ込みやすい
基礎はお家の一番下にありますから、大雨などのときに周りから水が流れ込みやすい場所でもあります。
特に周辺よりも低い位置にあるお家だと、どうしても周りから流れてきた水で湿気やすいです。
このような場合は、湿気が入ってしまうこと自体は仕方がないので、換気扇や調湿剤で湿気をコントロールしてあげる対策がおすすめです。
※雨漏り、漏水が原因の場合もあり!
屋根・壁からの雨漏りや、配管が傷んで漏水していた場合も、水は重力に従って下へ下へと流れてくるため、結果的に床下に湿気が溜まることがあります。
このような場合には、湿気対策の前に屋根・壁の補修や配管の修理が必要ですので、注意しましょう。
3-3 立地条件、土地の性質
もともと沼地や水田だった地域の場合も、床下に湿気がたまりやすいです。
地盤改良や土地整備をしても、水分が多い土壌の性質は残っている可能性が高いからです。
このような場合は、地面から上がってくる湿気を食い止める防湿シートの施工が効果的です。
4章 対策前には必ず床下点検を!
床下の湿気対策を行なうときは、必ず事前に床下点検をしておきましょう。
湿気の原因特定と、すでに木材の劣化やシロアリなどの被害が発生していないか確認するためです。
もしも床下の木材が湿気で腐っていた場合には、湿気対策ではなく木材交換工事が必要です。
シロアリがいた場合も、駆除をしなければいけません。
これらを放っておいて湿気対策だけしても、傷んだ部分は回復しませんし、むしろどんどん悪化していくので大変危険です。
せっかく手間やお金をかけて湿気対策をしたのに、すでに起きていた被害に気付かず、後々もっと大きな工事になってしまってはもったいないですよね。
そんな最悪の事態にならないためにも、対策を実施する前にしっかり点検をしておきましょう。
点検は、地元の専門業者なら無料で行っているところが多いですので、まずは声をかけてみましょう。
ご自身でやりたいという方は以下のページを参考にしてみてくださいね。
まとめ
地面がむき出しの布基礎のお家は、床下が湿気やすいので対策が必要です。
自分で行う場合は、市販の対策グッズを使ったり、基礎の通気口周りを片付けて対策しましょう。
しっかり対策したいならプロに依頼するのがベストです。
- ・防湿シート:10~20万円
- ・調湿剤・調湿マット:10~30万円
- ・床下換気扇:10~25万円
ほどが費用の目安となります。
床下に湿気が溜まる原因としては、
- ・通気性が悪い
- ・水が流れ込みやすい
- ・立地条件、土地の性質
というものが挙げられます。ご自宅の状況に適した対策方法を選びましょう。
また、すでに木材の腐朽やシロアリ被害が出ている可能性もあるので、対策前には必ず床下点検を行いましょう。
効果的な湿気対策をして、大切なお家をしっかり長持ちさせてくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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