外壁塗装をすることになったものの、
「臭いがきついって聞くから、不安だな…」
「こんなに臭いがするものなの?」
と、今までの日常では無かった臭いの影響を感じてお困りの方は多くいらっしゃいます。
外壁塗装中で、臭いを強く感じる可能性がある期間は、約3日間です。
塗り作業で3段階ある「下塗り」「中塗り」「上塗り」という工程の中でも、「中塗り」から「乾燥するまで」の3日間が1番臭いが気になりやすいタイミングです。
ですがこの期間以外でも、臭いに敏感な方は、工事が終わるまでお悩みになる場合もあります。
そこで今回は、外壁塗装の臭いについて正に今お悩みという方から、これから外壁塗装をするのに臭いが不安になっている方まで、塗装の臭いをマルっと解決する対策をお伝えしていきます。
最後までお読みいただく事で、臭いを軽減した塗装工事ができますし、健康面で臭いの影響が不安な方にも役立つ塗料の選び方もご紹介しますので、外壁塗装の臭いに対する不安を全て解決するためにぜひお読みください。
1章 今解決したい塗料の臭い措置3案
今、塗料の臭いをどうにかしたいとお思いのあなたへ、まずやって欲しい臭い対策を3つ紹介します。
手軽に試せる所からお伝えしますので、順に試していってください。
1-1 臭い対策用マスクをする
まずは臭い対策用のマスクをしましょう。活性炭入りや、消臭成分入りのマスクを選べば、臭いも普通のマスクより軽減されます。
これらは近隣のドラッグストアなどでも手軽に購入が可能です。
普通のマスクを2枚重ねにして使用するという方もいますが、呼吸が苦しい上に一定の臭いはしてしまいます。購入するのであれば、臭い対策の効果があるマスクを購入して使用しましょう。
また、臭いはキツイけれども施工の様子は見たい、と言う方には、終日の着用は難しいですが、防毒マスクを着けることで施工状況のチェックが可能です。
2時間ぐらいでも良いので臭いを軽減して塗装の様子を見たい、と言う方には防毒マスクもお勧めです。
1-2 換気をする
家の中に臭いが入ってきてツライという方は、1階から空気を追い出すように換気をしましょう。
臭気は下の方に流れる性質があり、1階の方が臭いを感じやすいからです。
具体的には、塗装作業をしている場所からは離れている1階の窓を開けて、外に向かって扇風機やサーキュレーターで風を送ります。
そうすることで、家の中にこもった空気を外に送り出せるため、効率の良い臭い対策になります。
▲扇風機やサーキュレーターは、後ろから取り込んだ空気を前方向に送り出す力があります。
窓などの開口部は通常「養生」という作業で覆われている事が多いです。
開け閉めが可能になるように、施工業者に「臭いが気になって換気をしたいので、ここの窓を開けたい」と具体的に相談して対応してもらいましょう。
但し、作業の進行状況によっては対応出来ない場合もあるため、我慢せずすぐに相談する事が大切です。
▲養生
また、窓を開けての換気は、塗装作業の進捗によってはあまり有効でない場合もあります。
小まめに気にするのが大変な場合は、日中は2階で過ごし、夜になってから換気をする事をお勧めします。
【注意】換気扇の使用は要注意! 空気の入れ替え、というと換気扇が思い浮かぶ方もいるかもしれませんが、外壁塗装の時の換気扇使用は注意が必要です。 理由は、換気扇を使用する事で、外にある臭い空気自体を屋内に入れてしまう可能性があるからです。 その為、安易に使用しないように注意しましょう。
また室内に空気を取り込むために設置されている”給気口”を閉めておくと、外からの空気を取り込みにくくなります。 塗装作業中の塗料の臭いを入れたくないときは閉めておいて、塗装時以外の換気をしたいときは開けておくと良いでしょう。 ▲室内の給気口 |
1-3 外出をする
どうしても臭いが気になって日常生活がままならない場合は、外出をして塗料自体から離れましょう。
特に外壁の塗装を行う期間(通常3日間)+1日(乾燥期間)は臭いが比較的強いと言われていますので、
気になる方は、作業時間中は外出をする、または御実家やホテル、ウィークリーマンションなどの都合が付けば、そちらに避難をするのも有効です。
2章 これから塗料の臭い対策をしたい人の3つのポイント
これから外壁塗装工事をする方の中には、臭いがキツくて具合が悪くなったらどうしよう…と不安な方もいると思います。
そんな時の為に、塗装前に出来る臭い対策のポイントをご紹介しますので、不安や心配を失くして安心して工事が出来る様にしましょう。
2-1 臭いが少ない水性塗料を選ぶ
臭いが不安な方は、水性塗料を選ぶ事をお勧めします。
水性塗料は、油性塗料と異なり有機溶剤(シンナー)を使用しないため、臭いの主な原因であるシンナー臭が抑えられるからです。
昔は水性塗料は耐久性が低いと言われていましたが、近年は臭いの問題や環境にやさしい塗料として水性塗料の開発がすすみ、耐久性の高い製品が多数発売されています。
安心して水性塗料をお選びください。
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2-2 F☆☆☆☆の塗料を選ぶ
塗料は、「F☆☆☆☆(エフフォースター)」の物を選びましょう。
これはJIS規格のマークで、シックハウス症候群などの原因であるホルムアルデヒドの放散が少ないことを示していて、☆4つレベルは「室内でも制限なく使える」という最高ランクです。
▲塗料カタログの表紙などにマークがあります。
人体への悪影響が少ない塗料として認められている物ですので、身体への害が心配な方はF☆☆☆☆(エフフォースター)のマークがある塗料を選びましょう。。
2-3 塗る順番を工夫してもらう
臭いが心配な方は施工業者に事前に相談して、塗る順番に工夫をしてもらいましょう。
そうすることで、換気が出来るタイミングが早くなるので、家中の窓を閉め切らなくても良くなります。
例えば、外壁の中でも1面だけを先に塗装してもらい、別の日に残りの面を塗装してもらうという順です。
この順番にすると、最初に塗り終えた面の塗料が先に乾き、強い臭いも収まってきます。
更にその面の窓(開口部)を開けて換気をすることも出来ますので、臭いがした時に換気をしたいという方にはお勧めです。
施工前に業者に伝えて、塗る順番を工夫してもらいましょう。
※1面だけ塗り終えた状態で窓を開けても、他の面で作業しているから臭いがするのでは?と心配される方もいますが、余程窓の近くで作業していない限りは臭いを強く感じる事は少ないです。
☆バラの香りがする塗料もあります! 日本ペイントの「パーフェクトトップ ローズ」という塗料は、工事中の塗料臭を抑え、バラの香りがするようにしたものです。 不快な臭いが心配という方も、どうせならいい匂いでストレスなく工事をしたいという方もお勧めです。 ※香りは塗装開始から1~2週間持続します。 |
3章 人体に影響はある?不安解消Q&A
塗装中、塗装前の臭い対策について紹介してきましたが、臭いがして具合が悪くなった時、人体に影響が出ないのか?と不安になられる方もいると思います。
ここでは気になる影響について、Q&A形式でお答えします。不安な方はぜひ一読下さい。
Q1. 有機溶剤(シンナー)による体調不良があるのでは?
A.稀ですが、人によって吐き気や頭痛、めまいを起こすことがあります。
油性塗料を使用すると、有機溶剤(シンナー)による臭いで、体調不良になる人が稀にいます。
シンナーの刺激臭が原因で、吐き気やめまい、頭痛、目や口、鼻などの粘膜部分の異常といった症状が出る場合があります。
ですが、1日中塗料の傍で過ごすような事がない限り、健康に害が出るほどの量を吸引する事はなく、一次的な症状なのでご安心下さい。
とは言え、少しでも体調に違和感を持った場合は、具合が悪くなる前に早めその場を離れる・マスクをするなどの対策を取りましょう。
【塗料に含まれる物質のアレルギーの場合は注意】 健康そうな方でも、実は塗料に含まれる物質のアレルギーだった(化学物質アレルギー等)というケースもあります。 塗料が乾燥すれば症状は収まりますが、体調不良が起きた場合は甘く見ず、早め対策を取りましょう。 |
Q2. 小さな子供や妊婦、ペットに影響があるのでは?
A.基本的にはほとんどの塗料は安全ですが、念のため配慮しましょう。
小さなお子さん(赤ちゃん)や妊婦さん、ペットは臭いに過敏になりやすいので、体調に変化がある場合があります。
最近の塗料は人体にも優しくなってきてはいますが、特に赤ちゃんや妊婦さん、ペットについては気を遣った方が良いでしょう。
お子さんは体が小さいため、大人より臭気を感じやすい傾向にあります。
また妊婦さんもつわりが酷くなるケースがあります。
ペットは人間より鼻が敏感なため、悪い臭いを感じやすくなりがちです。
これらの体調の変化を見逃さないために、念のため目を離さない様にしましょう。
いずれも個体差があるため、全く気にならない事もあれば、過敏になる場合もあります。
対応が必要と思われる場合、特に臭いが強いとされる塗装作業の3日間は
- ・日中の外出を促す
- ・宿泊施設や実家に行く
- ・ペットホテルに預ける
と言った対策を取りましょう。
あくまで臭いの感じ方には個人差があります。家族の状態をよく見て、判断をしましょう。
Q3. 近隣へ臭いは届く?
A.稀にありますが、ほとんど届く事はありません。
塗料の臭いは、施工現場の家全体をメッシュシートで覆っていることもあり、近隣へ届く可能性は低いです。
ですが、立地条件によっては全く届かない訳でもない為、ご近所さんが不快な想いをしたり、健康を害したと話してきたりする前に対策として、工事前の挨拶はしっかりと行いましょう。
挨拶と案内は、施主と施工業者の両方が行いましょう。
主に伝えるべきことは、下記の4点です。
・施工期間「●日~●日まで外壁塗装を行う予定です」 ・外壁塗装時の臭い「工事中は塗料の臭いなどが届いてしまうかもしれません」 ・工事用の車の出入り・工事音の案内「工事用の大きな車の出入りや、足場を建てる際に大きな音が出るかもしれません」 ・最後に「工事期間中に臭いや音で気になることがあったら、言ってくださいね」 |
※近隣から何か相談された際には、施工業者に伝えて対策を取ってもらいましょう。
施工業者に挨拶を依頼すれば大丈夫、とお思いの方もいるかもしれませんが、その工事を依頼しているのはあくまで施主様です。
後のトラブルやクレームを避けるためにも、なるべく事前に顔を合わせて説明できるよう、施主様も挨拶に回られた方が良いでしょう。
Q4. マンションの住人は、何を気を付ければいいの?
A.スケジュールの把握と、24時間換気システムに注意しましょう。
塗装工事が始まるマンションやアパートにお住まいの方は、いつ臭いが発生するのか把握するため、塗り作業に入るスケジュールを知っておくこと、また24時間換気システムもその期間は切っておき、無用な外気の取り込みで室内が臭わないようにしましょう。
塗装期間中の対処は戸建てもマンションもほぼ一緒で、換気をしたり、外出したりすることですが、マンション住人の方は、工事業者に直接スケジュールの確認をする機会がほとんどありません。
そのため、連絡掲示板を見たり、取りまとめをしている修繕管理担当者、オーナーさんなどからスケジュールの情報を共有してもらったりして、ストレスの少ない対処をしましょう。
4章 臭いの不安を解消してくれる業者選びのコツ
外壁塗装の際に臭いの不安がある方は、そうしたことに気遣いをしてくれる業者を選ぶようにしましょう。
特に臭いの感じ方については個人差が出やすく、こちらの気持ちに寄り添ってくれるような業者に依頼しないと、最悪「臭いは我慢してください」と言い切られて終わりという事になりかねません。
折角大きなお金を掛けて行う工事ですから、不安や不満が残らないように、契約前から細かい事でも話を聞いてくれるような業者を選んでいきましょう。
4-1 説明が十分で相談に乗ってくれる会社にしましょう
施主側の事情を汲み取るなど、親身に相談に乗ってくれる担当がいる会社を選びましょう。
特に臭いについては、工事を始めてから「思ったよりキツイので何とかして欲しい」と言っても、出来る事は1章で紹介した応急処置だけで、何かしらの我慢を強いられる可能性があります。
そのため、担当者が事前に臭いの説明をしてくれることや、こちらが不安に感じている気持ちを汲み取って塗料のアドバイスや対策の提案をしてくれる会社を選びましょう。
4-2 現場に管理者が毎日来る会社を選びましょう
現場に管理者が毎日来る会社を選びましょう。
日々の状況確認は、工事の品質を保つだけでなく、施主が意見や相談をしやすいという事でもあります。
ちょっと臭いがきついな…と感じたタイミングで管理者が現場に来てくれたら、その場ですぐ相談して対策が取れますから、体調の悪化を招く前に解決できる可能性が高くなります。
特に塗装の作業に入る3日間前後については、管理者が必ず現場チェックに来てくれるような会社を選びましょう。
まとめ
いかがでしたか?
外壁塗装の臭い対策は、感じ方や症状に個人差があるため、実際に体験してみないと分からない面もあります。
ですが、不安に過ごす前に事前の対策や知識を持っておくことで、きつくて苦しい記憶が残る工事にせずに済みますので、不安な方はぜひ取り入れて良い工事にして下さい。
ポイントは
・今解決したい臭いには、マスクや換気、外出が有効。
・これからの工事で不安な方は、塗料選びや塗る順番の工夫をする事で臭いの負担が減る可能性がUP。
・臭いの感じ方は個人差があるので、自身や家族、近隣への配慮をすること
です。
折角の工事ですから、身体に負担なく良いものにするために、ぜひ実践してみてください。
ここまでお読み下さりありがとうございました。
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