木材を自分で塗装してみたい!
初めてのDIY、せっかくなら楽しく作りたい!
けど、具体的に何から始めたらいいのかよく分からないな…という方もいらっしゃるかと思います。
木材は日曜大工などでもよく使われるため、DIY塗装用の材料も多く販売されており、初心者にも扱いやすいです。
ポイントをしっかりおさえれば、誰でも楽しく塗装することができます。
そこでこの記事では、木材塗装DIYを成功させる為のポイントを、塗装のプロが具体的に紹介します!
塗料選びから用意するもの、実際の塗装の流れも写真付きで解説していきますので、DIY初心者の方も安心してご覧いただけます。
ぜひこの記事を見ながら実践して、DIY塗装を楽しんでみてくださいね。
目次
1章 木材の塗装を成功させるための3つのポイント
木材塗装の成功のカギは、実は”塗る前”の段階にあります。
重要な3つのポイントを簡単にまとめましたので、まずはこれを念頭に置いてから、実際の準備に移っていきましょう。
1-1 用途にあった塗料を選ぶ
木材塗装をするときに最も重要なのは、使用用途にあった塗料を選ぶことです。
一口に木材用の塗料といっても、様々な種類、機能のものがあるからです。
たとえば、屋外に置くものを塗るのであれば、水や紫外線に強いタイプの塗料を選ぶ必要があります。
屋内で使う家具を塗装するなら、多少水に弱くても木の風合いを綺麗に見せてくれるものが良いでしょう。
このように、用途に合った塗料でないと、せっかく塗ったのにすぐ傷や染みが目立ってしまう原因となります。
また、塗ったあとの見た目も塗料によって異なるので、どんな仕上がりを希望するかも、塗料を買う前にしっかりイメージしておくことが大事です。
塗料の選び方は2章で詳しくご紹介しますので、最適な塗料を選んでくださいね。
1-2 塗る前の下地処理をきちんと行う
塗装は、塗る前に行う下地処理(下準備)がとても大切です。
下地処理とは、塗装箇所に塗料がきちんと乗るよう、綺麗な状態にしておくことです。
下地処理が不十分な状態で塗装に入ってしまうと、どんなに良い塗料を使っても綺麗に塗装できません。
DIYを成功させるためにも、下地処理は十分に行いましょう。
具体的なやり方は4章の塗装方法のところで手順に入れていますので、飛ばさずにきちんと行ってくださいね。
1-3 屋外で作業する場合は、晴れの日にする
屋外で塗装の作業をするときは、必ず晴れの日を選んで行いましょう。
湿気や雨水で塗料に不具合がでて綺麗に仕上がらないのと、塗料の寿命が短くなってしまうからです。
もしも作業途中で雨が降ってきた場合は中止し、晴れの日に塗り直しが必要となります。
屋内で塗装する場合でも、換気はしっかりしてくださいね。
2章 仕上がりから選ぶ!塗料の選び方とおすすめ塗料
木材用の塗料には大きく分けて2種類あります。
木目を残す「浸透タイプ」と、塗膜がある分汚れに強い「造膜タイプ」です。
まずはここから、木の質感と耐久性のどちらを重視しているかで選びましょう。
それぞれのおすすめ塗料もいくつかご紹介しますので、具体的に見ていきましょう。
2-1 木目を残すなら浸透タイプ
木目の風合いや手触りを残したいなら、浸透タイプがおすすめです。
ステイン塗料とも呼ばれていて、木材に染み込むことで色が付く塗料です。
安価な木材でも高級感のある仕上がりになるため、家具等によく使用されています。
ただし、塗膜が無い分傷や汚れが付きやすいという難点があります。
塗った後は大事に扱ってあげましょう。
また、浸透タイプの中でもさらに水性・油性と別れています。
室内で塗装作業をする場合は、水性塗料がおすすめです。
水性塗料は水で薄めて使いますが、油性塗料は専用のうすめ液(弱いシンナー)を使うため、においも少し出てしまうからです。
また、油性塗料は刷毛を洗う際も専用のうすめ液または刷毛洗い液が必要など、扱いに手間がかかります。
DIY初心者の方も、まずは水性塗料を使うのがおすすめです。
また、仕上がりも水性塗料と油性塗料で少し違ってきます。
しっかりつやを出したいなら油性、そうでないなら水性と使い分けていきましょう。
【浸透タイプのおすすめ塗料】
①お庭に置きたいものにおすすめ!ローズガーデンカラーズ
ローズガーデンカラーズ ステインタイプ 0.2ℓ(RESTA)
木目が綺麗に見える半透明仕上げの水性塗料で、全6色のシリーズです。
撥水・防カビ・防藻効果があるため、お庭に置くものにもおすすめです。
刷毛の跡が残りにくいので、初めての方でも扱いやすいです。
②家具におすすめ!WOODLOVE オイルステイン
WOODLOVE オイルステイン 125ml(RESTA)
他よりも浸透性が高い油性塗料で、全5色です。
木目がはっきり残り、高級感ある風合いに仕上がります。
木材の自然な美しさが生かせるので、家具塗装におすすめです。
③屋内外オールマイティーに使える!カンペハピオ 水性ステイン
カンペハピオ 水性ステイン+ 300ml(モノタロウ)
乾くと耐水性を発揮する水性の浸透性塗料で、全10色です。
耐久性に優れているため、屋外に置くものにも使用可能です。
シックハウス対策に対応したF☆☆☆☆や食品衛生法にも適応しているので、室内使用も安心です。
2-2 長持ちさせるなら造膜タイプ
塗装をしっかり長持ちさせたいなら、造膜タイプ(エナメルタイプ)を選びましょう。
浸透タイプと違って表面に塗膜を作る塗料で、その分汚れや劣化に強い種類です。
このタイプのものは、一般的にペンキとも呼ばれています。
木目は少し目立たなくなってしまいますが、塗装の耐久性が強いため、屋外で使うものなどは造膜タイプの塗料がおすすめです。
また、こちらの塗料も水性・油性で分かれています。
耐久性が比較的高いのは、油性塗料です。
しかし2-1でもお伝えした通り、室内作業や初めてのDIY塗装の方は、水性塗料を選ぶのが無難です。
【造膜タイプのおすすめ塗料】
①お洒落なお庭にしたい方に!ローズガーデンカラーズ エナメルタイプ
ローズガーデンカラーズ エナメルタイプ 0.2(RESTA)
初心者の方でも扱いやすい水性タイプの塗料で、全34色です。
乾くと防水効果を発揮し、耐候性にも優れています。
木材以外にも、鉄部やブロックにも塗装可能なため、もっとお庭をお洒落にしたい、色んなものを塗りたい!という方におすすめです。
②白木の風合いを生かしたい方に!水性外部用ニス
和信ペイント 水性外部用ニス:(モノタロウ)
造膜タイプ塗料ですが、無色透明なので木目が残るのと、つやのある固い塗膜が特徴です。
透明なので元の色合いをそのまま生かしたい方におすすめです。
耐候性に優れており、木製遊具やドアなど屋外で使用するものに使用可能です。
③耐久性重視の方に!油性スーパーコート
アサヒペン 油性スーパーコート:(モノタロウ)
全45色という豊富なカラーバリエーションが魅力の油性造膜タイプ塗料です。
油性なのでうすめる際は専用のうすめ液が必要ですが、1回塗りでもきれいに仕上がります。
また、酸性雨・排気ガス等にも強いです。
そのためDIYでも耐久性を大事にしたい!という方におすすめの塗料です。
3章 用意するもの
実際に木材塗装するときに必要なものを紹介します。
小さめのものを塗装するのであれば、約1,700~4,000円程度で揃えられます。
材料はすべて、インターネット上やホームセンターで購入可能です。
必要になる工程ごとに紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
必要な道具・価格 | 使い方 |
・マスキングテープ
・マスカー
| 塗料で汚れないよう、まわりを覆うのに使います。 塗装したくない箇所がある場合は、テープでカバーします。 |
・タオル、雑巾、いらない布等 ・紙やすり(※240番と120番の2種類)
| 塗料がきちんと密着するよう、表面を磨きます。 磨いたあとは、紙や布で木くずをふき取りましょう。
|
・刷毛
・ローラー(※広い面積を塗る場合のみ)
・ローラーハンドル
・塗料を入れる容器(いらないバケツ、ポリ容器で代用可)
・塗料
| 面積の狭いところは刷毛で、広いところはローラーを使うと綺麗に仕上がります。 塗装は塗りむらがでないよう、2回塗りで行います。 塗料は2章で紹介しているので、完成イメージにあったものを選びましょう。 |
4章 木材塗装の方法
それではいよいよ、実際に塗装してみましょう!
写真を使って説明するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
今回は、水性ウレタンニスを使って、この小さめの台を塗装していきます! 塗料の使用方法や乾燥させる時間は、製品により少しずつ異なります。 塗装の際は、実際に使用する塗料のパッケージを必ず確認しましょう。 |
4-1 周りが汚れないよう保護(養生)する
まずは、塗料や木くずで周りが汚れないように、マスカーやマスキングテープを使って作業スペースを養生(保護)していきます。
今回は家のテーブルの上で作業するので、テーブルをカバーします。
①マスキングテープを貼る
まずは、作業スペースの両端にマスキングテープを貼ります(今回はテーブルの両端)。
いきなりマスカーを使うよりも、一度マスキングテープを貼った方が傷・汚れが付きにくいです。
指で押さえながら貼ると、綺麗に仕上がります。
②上からマスカーを貼る
マスキングテープを貼った上から、マスカーを貼っていきます。
③マスカーをカットする
端まで貼り終えたら、ハサミでカットします。
④マスカーのビニールを引っぱる
マスカーをカットしたら、下についているビニールを手前から奥に引きます。
両端とも同じように、ビニールを手前から奥に引きます。
⑤マスキングテープで止める
ビニールを平らにならし、合わせ目にマスキングテープを貼ります。
これで養生カバーが完了です!
4-2 紙やすりで表面を磨く(1回目)
周りの保護を終えたら、塗装する木材の表面を紙やすりで磨きましょう。
やすりがけすることで汚れが落ち、表面も適度にざらざらして、塗料の密着がよくなります。
とても重要な下地処理ですので、ここを飛ばしていきなり塗ったりしないでくださいね!
⑥紙やすりを使いやすい大きさにカットする
紙やすりを使いやすい大きさにカットします。
⑦紙やすりで表面を磨く
木目に沿って、紙やすりで表面を磨いていきましょう。
最初に#120番(粗目)の紙やすりで磨いたあと、#240番(細かい目)の紙やすりで磨きます。
紙やすりを折り曲げ、細かいところも磨いていきます。
⑧表面の木くずをふき取る
このまま塗装すると綺麗に仕上がらないので、やすりを使ったときに付着した木くずをふき取ります。
これで下地処理が完了です!
4-3 道具の下準備
刷毛や塗料の下準備を行います。
こちらも仕上がりを左右する大事な工程です。ひとつひとつ丁寧に行いましょう。
⑨刷毛の抜け毛を取る
刷毛は使う前に余計な毛を抜いておきます。
こうすることで、塗っている途中に抜け毛が塗装面についてしまうのを防ぐことができます。
出典:PAJOLIS
まずは刷毛を両手で挟んで、くるくると回します。
その後、紙やすりで刷毛を軽くなで、抜け毛を取ります。
⑩塗料の下準備
こんどは塗料の下準備を行います。
塗料の容器をよく振ります。
塗料本来の効果を発揮するために、しっかり振って混ぜておきましょう。
⑪塗料を容器に出す
塗料を使う分だけ容器に出します。
そのまま塗装可能なものもありますが、すこし固くて塗りづらい場合は、水か専用のうすめ液でうすめましょう。
4-4 塗装(1回目)
⑫塗装する
木目に沿って刷毛で塗装していきます。
この際、なるべくストロークを長くすると刷毛の跡が残りにくくなります。
裏面や隙間などの、細かいところも忘れずに塗装しましょう。
塗り終えたら、一度しっかり乾かします。
★刷毛に塗料をつけすぎないこと!
容器のふちなどで余計な塗料を落としてから塗りましょう。
塗料が厚くなり過ぎず、綺麗に仕上がります!
たっぷり塗料を含ませてしまうとムラになりやすいので、注意してくださいね。
4-5 紙やすりで表面を磨く(2回目)
1回目の塗装が乾いたら、また表面をやすり掛けします。
表面が完全に乾いたのを確認してから行いましょう。
(今回は2時間ほど乾燥させています。)
前のやすりがけで残った木の繊維の毛羽立ちをけずりとり、なめらかな仕上がりになります。
⑬表面を紙やすりで磨く
表面を木目にそって、紙やすりで磨きます。
#120番の紙やすりで磨いたあと、#240番の紙やすりで磨きます。
⑭木くずをふき取る
やすりで磨いたら、表面の木くずをふき取ります。
4-6 塗装する(2回目)
1回目の塗装の表面を整えたら、もう一度塗って仕上げていきます。
⑮塗装する
木目にそって、上から塗装していきます。
1回目と同様に、塗料をつけすぎないように注意して塗りましょう。
4-7 完成!
塗装が終わったら再び乾燥させて、完成です!
★残った塗料の処分方法
塗料があまったら、不要な布や紙に染み込ませて処分しましょう。
大量にある場合は、専用の処理剤(塗料を固める薬剤)があるので、そちらを利用し、固めた状態で処分しましょう。
液体のままではごみに出せないことになっているためです。また、流しにそのまま捨てるのもNGです。
燃えるゴミかどうかは自治体により異なりますので、確認して捨ててくださいね。
■塗料の処理剤
残塗料処理剤 30g×3袋 (PAJOLIS.com)
5章 3~5年おきの塗り替えで長持ちさせよう
木材の塗装は、3~5年でこまめに塗り替えるのがベストです。
自然素材なので、湿気で膨張・収縮を繰り返してしまうためです。
一度塗装で表面を保護しても、膨張・収縮により表面の塗装との間にひずみが生まれ、塗装が剥がれたりひび割れたりしてきてしまいます。
また屋外にあるものは特に、雨風や紫外線でも劣化してきてしまうため、そのままにしていると水が侵入し腐ってしまう恐れがあります。
劣化の仕方は、置き場所や使い方によっても異なりますが、長くきれいに保つためには、こまめに塗装してあげるようにしましょう。
まとめ
木材のDIY塗装は、ポイントをおさえて行えば初心者の方でも楽しむことができます。
重要なのは、
・用途にあった塗料を選ぶ
・塗る前の下地処理をきちんと行う
・屋外で作業する場合は、晴れの日にする
という点です。
あとは道具の準備をしっかりして手順通りにすすめましょう。
ただし木材は自然素材なので、1回の塗装でずっと長持ちはしません。
こまめな塗り替えできれいに維持してあげてくださいね。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
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