見積もりを取った業者に“ラジカル塗料”を勧められたんだけど…
「ラジカル塗料って良い塗料なの?」
「他の塗料とどう違うの?」
「注意点はある?」
と気になって調べているのではないでしょうか。
最近では、ラジカル塗料を扱う業者も増えてきましたが、まだまだ聞いたことのない方も多いかと思います。
ラジカル塗料とは、正式には「ラジカル制御塗料」のことです。
塗装が劣化する原因分子(=ラジカル)の発生を防ぐ機能があり、長持ちする塗料として人気が出てきています。
この記事では、ラジカル塗料とはどんな塗料なのか、メリット・デメリットをご紹介していきます。
ラジカル塗料の特徴が分かれば、ご自身の要望に合った塗料なのかも判断できるようになります!
記事の後半では、プロが勧めるラジカル塗料3選もご紹介しますのでぜひ最後までご覧ください。
それでは、人気のラジカル塗料がどんな塗料なのか見ていきましょう!
目次
1章 ラジカル塗料(ラジカル制御塗料)とは?
ラジカル塗料(ラジカル制御塗料)とは、塗装が劣化する原因分子(ラジカル)を制御する塗料です。
そもそもこのラジカルは、塗料に含まれる※酸化チタンが太陽の紫外線に当たることで発生します。(※酸化チタン…白色顔料。淡色の塗料には必須です。)
ラジカルが発生すると、塗料の樹脂(水を弾く油分)や顔料(色を付ける粉)を劣化させてしまいます。
劣化症状の一つが、外壁を触った時に手に粉が付く「チョーキング」現象です。
ラジカル制御塗料では、酸化チタンをより高耐久にする事で紫外線を届かないようにして、ラジカルの発生を抑えています。
また、光安定剤(HALS)によって、発生したラジカルをキャッチし無害化します。
高耐久の酸化チタンと光安定剤(HALS)が、ラジカルの発生を抑え、塗装が劣化しにくくなる(=塗装が長持ちする)のです。
ラジカル制御塗料は、2012年に日本ペイントが販売開始しました。
その後、大手メーカーである関西ペイントやエスケー化研でもラジカル制御塗料の販売が始まり、徐々に人気が出てきています。
次章から、具体的なメリットとデメリットについて解説していきます。
2章 ラジカル塗料4つのメリット
ラジカル塗料には一般的な塗料よりも優れた点があります。
耐久性や仕上がりなどお家にとって嬉しい効果があるので、詳しくチェックしていきましょう。
2-1 耐久性が高い
ラジカル塗料は、塗装の劣化原因となるラジカルの発生を抑制するため、耐久性が高いです。
一般的なシリコン塗料の耐久性と比較すると以下の通りです。
一般的なシリコン塗料 | 8~15年 |
ラジカル制御シリコン塗料 | 12~15年 |
一般的な塗料の中にも、高耐久なものはありますが、長持ちしないものもあります。
しかしラジカル制御シリコン塗料は12~15年と長持ちするものが多いです。
塗装を長く持たせたい方におすすめの塗料です。
2-2 チョーキングが起こりにくい
ラジカル塗料は、劣化原因のラジカルを抑える効果があるため、一般的な塗料で塗装するよりも「チョーキング」が起こりにくいです。
「チョーキング」は外壁塗装のサインとも呼ばれている症状です。
実際にこの症状が見られるお家は、外壁の防水性が下がり、さらに色も褪せてしまっています。
ラジカル塗料で塗装する事で、防水性や見た目を維持できるので、長持ちさせたい方にぴったりの塗料です。
2-3 汚れが付きにくい
ラジカル塗料は、一般的な塗料よりも光沢が持続します。
表面の艶が長く続くので、その分汚れも付着しにくいです。
また、ラジカル塗料では低汚染機能が付いているものがほとんどです。
親水性が高く、外壁に付いた汚れを雨と一緒に洗い流します
▼親水性塗料と撥水性塗料の違い
撥水性塗料も親水性塗料も防水性は同じですが、親水性の塗料は雨が塗膜に馴染んで汚れごと洗い流してくれます。
白い外壁にしたい方や、車の交通量が多い地域にお住まいの方に嬉しいメリットです。
2-4 防カビ・防藻効果がある
ラジカル塗料の多くには、防カビ・防藻効果があります。
高耐久な塗膜で、カビ・藻の胞子を付着させにくくします。
カビ・藻が繁殖すると、見た目を損なうだけでなく、外壁自体を脆くしてしまうので、この効果はとても重要です。
3章 ラジカル塗料2つのデメリット
ラジカル塗料のデメリットを解説します。
どんな塗料でも良い面もあれば悪い面もあります。
選ぶ前にデメリットも把握しておきましょう!
3-1 実績数が少ない
ラジカル塗料の販売開始は2012年で比較的新しい塗料です。
そのため他の塗料よりも実績が少ないです。
また、実際の耐用年数も不明確です。
メーカーの耐候性実験では、ラジカル制御シリコンで15年ほど持つという結果が出ています。
しかしあくまで実験の結果であり、実際に塗って15年経ったお家はまだない、という点は知っておきましょう。
3-2 濃色にはあまり効果がない
ラジカルを発生させる酸化チタンは白色顔料です。
そのため、酸化チタンを含まない濃い色(黒・こげ茶等)は、そもそもラジカルが発生しにくい(=劣化しにくい)です。
結果的に、淡い色で塗装するよりも効果を感じにくくなります。
(濃い色が好まれる屋根用塗料も、こういった理由などでそもそもラジカル製品が少ないです。)
また、ラジカル塗料の種類によっては、濃色の取り扱いがない場合もあります。
濃い色で塗装したい方は、あらかじめ塗料の色見本などを確認しておきましょう。
4章 ラジカル塗料の費用相場|他の塗料と比較
この章では、ラジカル塗料の費用相場をご紹介します。
ラジカル塗料にも一般的な塗料のようにグレードがあります。
代表的なラジカル塗料はシリコン樹脂の塗料が多いので、一般的なシリコン塗料と比較してご紹介します。
シリコン塗料の場合 | 単価相場 | 塗装工事 費用相場(2階建て30坪の場合) |
一般的な塗料 | 2,300~3,500円/㎡ | 80~120万円 |
ラジカル制御塗料 | 2,200~4,000円/㎡ | 70~130万円 |
ラジカル制御塗料の方が、若干相場が高くなりますが、実際あまり変わりません。
一般的な塗料でもラジカル塗料よりも費用が高いものも多いです。
>外壁塗装の費用相場についてはこちら
5章 ラジカル塗料のおすすめ塗料3選
ラジカル塗料の中でもおすすめの外壁塗料を3つご紹介します。
ラジカル塗料の魅力が分かり、選んでみたい!と思った方は、各メーカーの様々な塗料を見て良いものを選んでいきましょう!
5-1 アレスダイナミックTOP
出典:関西ペイント
グレード | シリコン |
期待耐用年数 | 12~15年 |
水性/油性 | 水性 |
材工価格 | 2,250円/㎡ |
まずご紹介するのが、関西ペイントの「アレスダイナミックTOP」です。
ラジカル制御機能の他にも、低汚染性、防カビ・防藻性が高く汚れにくい塗料として人気です。
また選べるカラーも様々で、淡色だけでなく濃色も取り扱っています。
費用もお手頃なのでコストパフォーマンスも◎。
~おすすめな人~
・外壁の色にこだわりたい
・コストパフォーマンスを重視したい
5-2 パーフェクトトップ
出典:日本ペイント
グレード | シリコン |
期待耐用年数 | 12~15年 |
水性/油性 | 水性 |
材工価格 | 2,930~3000円/㎡ ※下地の状況によって変動 |
続いてご紹介するのが、日本ペイントの「パーフェクトトップ」です。
ラジカル制御機能だけでなく、低汚染性・防カビ防藻性はもちろん、光沢が強く、長く美しい外観が保たれます。
~おすすめな人~
・光沢感を長持ちさせたい
5-3 エスケープレミアムシリコン
出典:エスケー化研
グレード | シリコン |
期待耐用年数 | 12~15年 |
水性/油性 | 水性 |
材工価格 | 3,000円/㎡ |
最後にご紹介するのが、エスケー化研の「エスケープレミアムシリコン」です。
ラジカル制御機能だけでなく、緻密なハイブリットシリコン樹脂によって、汚れが付着しづらいです。
また一般的な塗料よりも艶のある仕上がりになります。
~おすすめな人~
・より艶を出したい
・汚れにくい外壁にしたい
まとめ
いかがでしたか。
ラジカル塗料(ラジカル制御塗料)とは、塗装の劣化の原因分子“ラジカル”の発生を抑制する塗料のことです。
ラジカル塗料のメリット・デメリットは以下の通りです。
■4つのメリット
・チョーキングが起こりにくい
・コスパが良い
・汚れが付きにくい
・防カビ・防藻効果がある
■2つのデメリット
・実績数が少ない
・濃い色が選べない場合がある
ラジカル塗料の費用相場は、一般的な塗料よりも少し高いですが、それほど変わりません。
シリコン塗料の場合 | 単価相場 | 塗装工事 費用相場(2階建て30坪の場合) |
一般的な塗料 | 2,300~3,500円/㎡ | 80~120万円 |
ラジカル制御塗料 | 2,200~4,000円/㎡ | 70~130万円 |
数あるラジカル塗料の中で、おすすめなのが以下の3つです。
①アレスダイナミックTOP(関西ペイント)
②パーフェクトトップ(日本ペイント)
③エスケープレミアムシリコン(エスケー化研)
ラジカル塗料は比較的新しい塗料ながら、人気があり実績数も年々増えてきています。
塗装を長持ちさせたい、ずっと綺麗なまま維持したいという方はぜひ選んでみてはいかがでしょうか。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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